JP4240346B2 - スカム掻寄装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、スカム掻寄装置に関し、特に、汚泥掻寄装置の駆動装置を用いてスカム掻寄板を駆動し、確実にスカムを掻き寄せ、排出することができるようにしたスカム掻寄装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、汚泥掻寄装置(沈砂を対象とする沈砂掻寄装置を含み、本明細書において、単に、「汚泥掻寄装置」という。)は、一般には、図7に示すように、片端に沈降した汚泥を掻き集めて一時貯留する汚泥ピットPを備えた汚水処理槽1内に、槽底11及び水面に沿って移動するエンドレス状のチェンCを張架し、このチェンCに所定間隔でスクレーパSを取り付け、モータMを駆動することにより、チェンCを循環駆動し、往路側の槽底に摺接する位置にあるスクレーパSによって、沈降した汚泥を掻き寄せ、汚泥ピットP内に集泥するとともに、復路側の水面位置にあるスクレーパSによって、水面に浮遊するスカムを掻き寄せ、スカムスキマKを介して排出するようにしている。
なお、汚泥ピットP内に集泥された汚泥は、汚泥引抜管2にて汚水処理槽1外に引き抜き、排出するようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来の汚泥掻寄装置は、復路側の水面位置にあるスクレーパSによって、水面に浮遊するスカムを掻き寄せ、スカムスキマKを介して排出するようにしているため、装置の構造が複雑になるとともに、スクレーパSに汚泥の掻き寄せとスカムの掻き寄せの2つの異なる機能を併せ持たせる必要があるため、特に、どちらかというと付随的な機能であるスカムの掻き寄せの機能が等閑にされ、スカムの掻き寄せが不十分な事態が生じるという問題があった。
【0004】
本発明は、上記従来の汚泥掻寄装置におけるスカムの掻き寄せ、排出に関する問題点に鑑み、汚泥掻寄装置の駆動装置を用いてスカム掻寄板を駆動し、確実にスカムを掻き寄せ、排出することができるようにしたスカム掻寄装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明のスカム掻寄装置は、汚水処理槽の水面位置を鉛直面内で循環移動するようにエンドレス状の索条に取り付けたスカム掻寄板を、駆動装置により鉛直面内で略矩形運動するようにした下端に汚泥掻寄装置を支持した連結ロッドに取り付けたストライカにより、一方向に循環駆動することにより、汚水処理槽の水面に浮遊するスカムを一方向に掻き寄せるようにしたスカム掻寄装置において、スカム排出用トラフ に傾斜した案内板を連設し、スカム掻寄板を案内板に沿って移動させることにより、スカムを案内板上で汚水と分離させながらスカム排出用トラフに向けて掻き上げるようにしたことを特徴とする。
【0006】
このスカム掻寄装置は、汚泥掻寄装置とは別に、汚水処理槽の水面位置を鉛直面内で循環移動するようにエンドレス状の索条に取り付けたスカム掻寄板からなるスカム掻寄装置を設置するとともに、汚泥掻寄装置の駆動装置の動力を用いて、スカム掻寄板を駆動するようにしているので、簡単な機構の装置で以て、確実にスカムを掻き寄せ、排出することができる。
そして、特に、スカム排出用トラフに傾斜した案内板を連設し、スカム掻寄板を案内板に沿って移動させることにより、スカムを案内板上で汚水と分離させながらスカム排出用トラフに向けて掻き上げるようにすることにより、スカムを、汚水と分離しながらスカム排出用トラフに向けて掻き上げ、排出することができ、スカムと併せて排出する汚水量を低減することができる。
【0007】
この場合において、駆動装置を、ピンラックを備え、長円形に形成したガイドレールと、ピンラックに噛合し、ガイドレールに沿って周回移動するピンホイルと、該ピンホイルを駆動するモータとより構成することができる。
【0008】
これにより、簡易な駆動装置により、ストライカを取り付けた連結ロッドを、鉛直面内で略矩形運動するように構成することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のスカム掻寄装置の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0010】
図1〜図4に、本発明のスカム掻寄装置を適用した汚泥沈澱池、沈砂池等の汚水処理槽1を示す。
【0011】
汚水処理槽1には、その一端側から汚水が導入されるとともに、この汚水供給側の底部に汚泥引抜管13を有する汚泥ピット12を備える。
この汚水処理槽1の槽底11は、好ましくは、汚水処理槽1を清掃する際、汚水が汚泥ピット12に流入し易いように、汚泥ピット12側が低くなるように傾斜して形成するようにする。
【0012】
また、汚水処理槽1には、汚水処理槽1に導入された汚水に含まれるスカム分が分離して浮遊する位置、例えば、汚水処理槽1のほぼ中央付近の水面にスカムスキマ6(又はスカム排出用トラフ7(後述))を配設して、水面に浮遊するスカムを汚水処理槽1外に排出するとともに、スカムスキマ6(又はスカム排出用トラフ7)の後方の水面に複数の流出樋8を配設して、汚泥を沈降分離し、かつスカムを除去した後の汚水を汚水処理槽1外に排出するように構成する。
【0013】
また、汚水処理槽1には、槽底11に沈澱した汚泥を掻き寄せ、汚泥ピット12内に掻き寄せて集泥するようにした汚泥掻寄装置2を、また、汚泥掻寄装置2の上方の水面位置に、水面に浮遊するスカムを掻き寄せるスカム掻寄装置3を、さらに、スカム掻寄装置3より上方位置に、汚泥掻寄装置2を連結ロッド5を介して吊垂支持して所定のストローク長L2で汚水処理槽1の長手方向に沿って往復移動させる駆動装置4をそれぞれ配設する。
【0014】
汚泥掻寄装置2は、汚水処理槽1の槽底11、例えば、汚泥ピット12とストローク長L2を除いた槽底11の長手方向のほぼ全長に亘って、槽底11の幅方向の両端部に2本の下ビーム21,21を平行に配設し、この2本の下ビーム21,21間にスクレーパ22を、図3に示すように、架設して構成する。
【0015】
この汚泥掻寄装置2の下ビーム21は、汚泥掻寄装置2の下ビーム21の前部分を、後部分に対して、屈曲部を介して、揺動可能に配設し、駆動装置4により、前部分のスクレーパ22が、汚泥掻寄方向に前進移動するときは、槽底11に接して移動し、反対方向に後退移動するときは、槽底11から離れて移動するように構成することができる。
この場合、屈曲部は、ピン継手構造、柔軟構造等、任意の屈曲構造を採用することができる。
これにより、沈降する汚泥量が多く、さらに、汚泥掻寄装置2によって掻き寄せられることにより、多量の汚泥が堆積する汚泥掻寄装置2の下ビーム21の前部分の往復移動を円滑に行うことができ、沈降した汚泥の掻き寄せを、確実に、かつ、安定して行うことができるものとなる。
【0016】
スクレーパ22は、2本の下ビーム21,21間に、好ましくは、ストローク長L2と等しいか、ストローク長L2よりも短い所定の間隔L1で、略等間隔に平行に架設するとともに、少なくとも汚泥掻寄装置2の後部分に配設するスクレーパ22は、汚泥掻寄方向、すなわち、汚泥ピット12に向けて前進移動するときは、汚泥を掻き寄せるように、反対方向に後退移動するときは、沈降した汚泥に潜り込むように、前面及び背面の形状を異ならせて、より具体的には、前面が略鉛直面、背面が傾斜面、底面が槽底11に沿う断面直角三角形に形成して構成するようにする。
なお、本実施例においては、汚泥掻寄装置2の前部分に配設するスクレーパ22も、後部分に配設するスクレーパ22と同様、断面直角三角形に形成するようにしている。
また、スクレーパ22は、下ビーム21,21に固定するようにしたり、あるいは、下ビーム21,21に対して若干揺動可能に支持するようにする。スクレーパ22を、下ビーム21,21に対して若干揺動可能に支持するようにすることにより、前進移動するときは、スクレーパ22の底面を槽底11に沿って移動させることができ、沈降した汚泥の掻き寄せを、確実に、かつ、安定して行うことができるとともに、後退移動するときは、スクレーパ22を沈降した汚泥中に確実に潜り込ませることができるものとなる。
また、スクレーパ22を架設した下ビーム21,21が、汚水処理槽1の槽底11に沿って円滑に往復移動するように、下ビーム21,21又はスクレーパ22の適宜位置に、シュー又はローラを配設することが望ましい。
【0017】
駆動装置4は、図3〜図4に示すように、汚水処理槽1の中央部より前方、すなわち、汚泥ピット12側の水面上に設置した本体フレームFに取り付けるようにする。
この駆動装置4は、略水平に配設した内ガイドレール41、この内ガイドレール41の中心に等間隔に突設した多数のピンラック42及び内ガイドレール41の外周を囲むように配設した外ガイドレール43からなるガイドレール40と、このピンラック42に噛合して内ガイドレール41及び外ガイドレール43に案内されてガイドレール40に沿って周回移動(略矩形運動)するピンホイル44と、ピンホイル44の軸45に取り付けた原動機46とで構成する。
【0018】
内ガイドレール41は、特に限定されるものではないが、内ガイドレール41と本体フレームF間に取付台47を介して取り付けるようにし、内ガイドレール41と本体フレームFの間に生じる隙間を利用して、ピンラック42を固定するようにする。
なお、ピンラック42は、その先端側にピンラック取付板42Pを配設することにより、強固に固定されるようにする。
【0019】
このようにして、内ガイドレール41と外ガイドレール43の間に、図4に示すように、ピンホイル44のボス部44B(必要に応じて、ガイドローラ(図示省略)を配設することができる。)を嵌挿、支持する長円形のガイドレール40を形成するようにする。
そして、ガイドレール40の両端部は、ピンホイル44が周回し易いように、円弧状に形成するとともに、ガイドレール40の上ガイドレール40aと下ガイドレール40bの間隔H1は、汚泥掻寄装置4の下ビーム41の前部分41Aのスクレーパ42が、汚泥掻寄方向に前進移動するときは、槽底11に接して移動し、反対方向に後退移動するときは、槽底11から離れて移動することができるように設定するようにする。
【0020】
また、汚水処理槽1の幅方向に対設したガイドレール40,40に、それぞれピンホイル44,44を嵌挿、支持し、ピンホイル44,44のボス部44B,44B間に軸45を掛け渡すようにして一体とし、この軸45を、軸受48を介して、パイプ状の駆動フレーム49により支持し、この駆動フレーム49に原動機46、例えば、減速機付モータを設置するようにする。
そして、原動機46を駆動することにより、軸45を介して、ピンラック42に噛合するピンホイル44,44を回転させることにより、ピンホイル44,44を、ガイドレール40に沿って周回移動するようにして、軸45及び駆動フレーム49を介して、汚泥掻寄装置4を往復移動させるようにする。
【0021】
この場合、駆動装置4と汚泥掻寄装置2とは、図3に示すように、連結ロッド5にて連結するようにする。ここでは、駆動装置4の駆動フレーム49の両端部に、それぞれの連結ロッド5の上端を、吊り下げるようにして取り付けるとともに、連結ロッド5を汚水処理槽1の長手方向の前後方向にV字形にし、下端を、下ビーム21の前部分に取り付けるようにする。
なお、連結ロッド5の取付部は、ピン連結又はボルト止めとする。
【0022】
また、汚水処理槽1の水面に浮遊するスカムSをスカムスキマ6(又はスカム除去用トラフ7)に向けて掻き寄せるためのスカム掻寄装置3は、図5(及び図6)に示すように、汚水処理槽1の水面位置を鉛直面内で循環移動するように、汚水処理槽1の上流側と下流側にそれぞれ配設したスプロケットホイール31,32間に張架したエンドレス状のチェン等からなる索条33にスカム掻寄板34を、ストローク長L2よりも短い所定の間隔L3で、略等間隔に平行に取り付け、このスカム掻寄板34を、駆動装置4により鉛直面内で略矩形運動するようにした下端に汚泥掻寄装置2を支持した連結ロッド5に取り付けたストライカ51により、一方向に間欠的に循環駆動させることにより、汚水処理槽1の水面に浮遊するスカムSを一方向に掻き寄せるように構成する。
【0023】
この場合において、スカム掻寄装置3は、その往路側、すなわち、汚水処理槽1の上流側から下流側へ移動する方向においては、索条状33に取り付けられたスカム掻寄板34の少なくとも下端部分が水中に浸り、水面に浮遊するスカムSを掻き寄せられるようにし、一方、復路側においては、スカム掻寄板34は完全に水面より上方に位置するように設置する。
なお、スカム掻寄板34を取り付けた索条33は、水面より上方に位置するように配設することが望ましい。
【0024】
そして、駆動装置4のピンホイル44が、ガイドレール40の下ガイドレール40bを移動するとき、連結ロッド5に取り付けたストライカ51を、水面より上方に位置する復路側のスカム掻寄板34に当接させて(図5(A))、スカム掻寄板34を、ストライカ51が駆動装置4のストローク長L2の距離移動する間にスカム掻寄板34の取付間隔L3だけ移動させることにより(図5(B))、索条状33に取り付けられたすべてのスカム掻寄板34を、一方向に循環駆動させ、これによって、少なくとも下端部分が水中に浸っている往路側のスカム掻寄板34により、汚水処理槽1の水面に浮遊するスカムSを一方向、すなわち、スカムスキマ6に向けて掻き寄せるようにする。
次に、駆動装置4のピンホイル44が、ガイドレール40の上ガイドレール40aを移動するとき、連結ロッド5に取り付けたストライカ51は、ガイドレール40の上ガイドレール40aと下ガイドレール40bの間隔H1だけ上昇し、スカム掻寄板34に当接することなく、当初位置に復帰する(図5(C))。
なお、スカム掻寄板34によるスカムSの掻き寄せ動作とスカムスキマ6の揺動動作とを連動させることができ、これにより、掻き寄せられたスカムSを、スカムSと併せて排出する汚水量を低減しながら、確実にスカムスキマ6へ導入することができる。
【0025】
ところで、図5に示す実施例においては、スカム掻寄板34を取り付ける索条33をスプロケットホイール31,32間に略水平に張架するようにしたが、これに限定されず、例えば、図6に示す変形例のように、スカムスキマ6に代えてスカム除去用トラフ7を設置した場合には、スカム排出用トラフ7に傾斜した案内板71を連設し、スカム掻寄板24を案内板71に沿って移動させることができるようにスカム掻寄板34を取り付ける索条33を、補助スプロケットホイール35a,35bの間、案内板71と平行に傾斜して張架して、案内板71に沿って移動するスカム掻寄板24によって、スカムSをスカム排出用トラフ7に向けて掻き上げるように構成することができる。
これにより、スカムSを、汚水と分離しながらスカム排出用トラフ7に向けて掻き上げ、排出することができ、スカムSと併せて排出する汚水量を低減することができる。
そして、必要に応じて、スカム掻寄板24によってスカム排出用トラフ7に向けて掻き上げられたスカムSを、スカム排出用トラフ7内に洗い流す洗浄ノズル9を配設することができる。
なお、図6に示す変形例のその他の構成及び作用は、図5に示す実施例と同様である。
【0026】
以下、本発明のスカム掻寄装置の作用について説明する。
汚水処理槽1内に流入した汚水は、その下流方向へ流下する時、重力分離が行われて、汚泥分は沈降する。このとき、比重の大きいものは速く沈降するため、比重の大きいものから順次汚水処理槽の上流側から下流側の槽底11に沈降する。 一方、スカム分は水面に浮遊し、汚泥分、スカム分が分離除去された汚水は、流出樋8から排出される。
槽底11に沈降する汚泥を、汚泥ピット12側へ掻き寄せ、集泥する汚泥掻寄装置2及び汚水処理槽1の水面に浮遊するスカムSをスカムスキマ6(又はスカム除去用トラフ7)に向けて掻き寄せるためのスカム掻寄装置3は、駆動装置4にて駆動されるが、この汚泥掻寄装置2及びスカム掻寄装置3の駆動は、連続的、あるいは汚泥の沈降量に追従して間欠的に行うことができ、これは汚水の流入量、汚泥の沈積量等に応じて適宜選択的に行うことができる。
【0027】
次に、汚泥掻寄装置2の駆動方法を、図1〜図4に基づいて説明する。
原動機46を駆動すると、軸45の端部に固定されたピンホイル42が回転する。このピンホイル44は、ピンラック42に噛合しているので、ピンホイル44の回転に従って、ピンホイル44は、ピンラック42に沿って移動し、内外ガイドレール41,43にて形成される扁平ループ状のガイドレール40に導かれて周回移動するものとなる。
このピンホイル44には、連結ロッド5を介して、汚泥掻寄装置2、すなわち、スクレーパ22を配設した下ビーム21が吊垂支持されているので、ピンホイル44の移動距離に応じて、汚泥掻寄装置2の下ビーム21は、汚水処理槽1の長手方向にストローク長L2だけ移動する。
そして、この汚泥掻寄装置2の前後方向のストローク長L2を、好ましくは、スクレーパ22を配設する間隔L1と等しいか、間隔L1よりも長く設定することにより、汚泥掻寄装置2が往復移動を繰り返すことにより、槽底11に沈降した汚泥を、汚泥ピット12側へ掻き寄せ、集泥することができる。
【0028】
この場合において、ピンラック42に噛合して周回移動するピンホイル44が、ピンラック42の上側の上ガイドレール40aを汚水処理槽1の下流方向へ移動するとき、ピンラック42の下側の下ガイドレール40bを汚水処理槽1の上流方向へ移動するときと比較して、連結ロッド5は、上ガイドレール40aと下ガイドレール40bの間隔H1だけ引き上げられ、下ビーム21の先端側は、槽底11から持ち上げられてスクレーパ22は後退するようになり、槽底11に沈降した汚泥は、下流方向への掻き寄せられず、逆方向に移動しないものとなる。
さらに、汚泥掻寄装置2の下ビーム21の前部分を、後部分に対して、屈曲部を介して、揺動可能に配設し、駆動装置4により、前部分のスクレーパ22が、汚泥掻寄方向に前進移動するときは、槽底11に接して移動し、反対方向に後退移動するときは、槽底11から離れて移動するように構成することにより、沈降する汚泥量が多く、さらに、汚泥掻寄装置2によって掻き寄せられることにより、多量の汚泥が堆積する汚泥掻寄装置2の下ビーム21の前部分の往復移動を円滑に行うことができ、沈降した汚泥の掻き寄せを、確実に、かつ、安定して行うことができるものとなる。
【0029】
さらに、スクレーパ22は、前面及び背面の形状を異ならせて、より具体的には、前面が略鉛直面、背面が傾斜面、底面が槽底11に沿う断面直角三角形に形成して構成されているため、汚泥掻寄装置2の下ビーム21に配設したスクレーパ22が、汚泥掻寄方向に前進移動するときは、汚泥を掻き寄せるように、反対方向に後退移動するときは、沈降した汚泥に潜り込むようにすることができ、沈降した汚泥の掻き寄せを、確実に、かつ、安定して行うことができるものとなる。
【0030】
また、駆動装置4を、汚泥掻寄装置2が汚泥掻寄方向に前進移動するときは低速で、反対方向に後退移動するときは高速で、例えば、掻寄対象が下水汚泥の場合には、前進移動するときは、0.5m/min程度で、後退移動するときは、1.5m/min程度で移動するように構成することが好ましく、これにより、汚泥掻寄装置2の下ビーム21に配設したスクレーパ22により、沈降した汚泥の掻き寄せを、確実に、かつ、安定して行うことができるとともに、スクレーパ22を沈降した汚泥中に確実に潜り込ませることができるものとなる。
なお、この速度制御は、特に限定されるものではないが、駆動装置4のピンホイル44の位置や原動機46の負荷を検知し、これに基づいて、原動機46の回転数を所定の値に制御することにより行うことができる。
【0031】
次に、スカム掻寄装置3の駆動方法を、図5及び図6に基づいて説明する。
また、駆動装置4によって鉛直面内で略矩形運動するようにされた下端に汚泥掻寄機を支持した連結ロッド5に取り付けたストライカ51を、水面より上方に位置する復路側のスカム掻寄板34に当接させて、スカム掻寄板34を、ストライカ51が駆動装置4のストローク長L2の距離移動する間にスカム掻寄板34の取付間隔L3だけ移動させることにより、索条状33に取り付けられたすべてのスカム掻寄板34を、一方向に循環駆動させ、これによって、少なくとも下端部分が水中に浸っている往路側のスカム掻寄板34により、汚水処理槽1の水面に浮遊するスカムSを一方向、すなわち、スカムスキマ6又はスカム排出用トラフ7に向けて掻き寄せ、掻き寄せたスカムSを、スカムスキマ6又はスカム排出用トラフ7を介して、汚水処理槽1から排出する。
【0032】
そして、このようにして、汚泥分、スカム分が分離除去された汚水は、汚水処理槽1のスカムスキマ6又はスカム排出用トラフ7を設置した位置よりも下流側の水面位置に設置した流出樋8から排出される。
【0033】
【発明の効果】
本発明のスカム掻寄装置によれば、汚泥掻寄装置とは別に、汚水処理槽の水面位置を鉛直面内で循環移動するようにエンドレス状の索条に取り付けたスカム掻寄板からなるスカム掻寄装置を設置するとともに、汚泥掻寄装置の駆動装置の動力を用いて、スカム掻寄板を駆動するようにしているので、簡単な機構の装置で以て、確実にスカムを掻き寄せ、排出することができ、スカム掻寄装置の構築コスト及び維持コストを低減することができる。
そして、特に、スカム排出用トラフに傾斜した案内板を連設し、スカム掻寄板を案内板に沿って移動させることにより、スカムを案内板上で汚水と分離させながらスカム排出用トラフに向けて掻き上げるようにすることにより、スカムを、汚水と分離しながらスカム排出用トラフに向けて掻き上げ、排出することができ、スカムと併せて排出する汚水量を低減することができる。
【0034】
また、駆動装置を、ピンラックを備え、長円形に形成したガイドレールと、ピンラックに噛合し、ガイドレールに沿って周回移動するピンホイルと、該ピンホイルを駆動するモータとより構成することにより、簡易な駆動装置により、ストライカを取り付けた連結ロッドを、鉛直面内で略矩形運動するように構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のスカム掻寄装置の実施の形態を示し、(A)は平面図、(B)は正面図である。
【図2】 本発明のスカム掻寄装置を適用した汚水処理槽の全形を示し、(A)は平面図、(B)は正面図である。
【図3】 ガイドレールとピンホイルとの関係を示す側面図である。
【図4】 ガイドレールの正面図である。
【図5】 本発明のスカム掻寄装置の動作説明図(模式図)で、(A)はスカム掻き寄せ時の説明図、(B)はスカム掻き寄せ終了時の説明図、(C)は復帰時の説明図である。
【図6】 本発明のスカム掻寄装置の変形例を示す説明図(模式図)である。
【図7】 従来の汚泥掻寄装置を示し、(A)は平面図、(B)は正面図である。
【符号の説明】
1 汚水処理槽
11 槽底
2 汚泥掻寄装置
3 スカム掻寄装置
33 索条
34 スカム掻寄板
4 駆動装置
40 ガイドレール
41 内ガイドレール
42 ピンラック
43 外ガイドレール
44 ピンホイル
45 軸
46 モータ
5 連結ロッド
51 ストライカ
6 スカムスキマ
7 スカム排出用トラフ
71 案内板
S スカム
Claims (2)
- 汚水処理槽の水面位置を鉛直面内で循環移動するようにエンドレス状の索条に取り付けたスカム掻寄板を、駆動装置により鉛直面内で略矩形運動するようにした下端に汚泥掻寄装置を支持した連結ロッドに取り付けたストライカにより、一方向に循環駆動することにより、汚水処理槽の水面に浮遊するスカムを一方向に掻き寄せるようにしたスカム掻寄装置において、スカム排出用トラフに傾斜した案内板を連設し、スカム掻寄板を案内板に沿って移動させることにより、スカムを案内板上で汚水と分離させながらスカム排出用トラフに向けて掻き上げるようにしたことを特徴とするスカム掻寄装置。
- 駆動装置を、ピンラックを備え、長円形に形成したガイドレールと、ピンラックに噛合し、ガイドレールに沿って周回移動するピンホイルと、該ピンホイルを駆動するモータとより構成したことを特徴とする請求項1記載のスカム掻寄装置。
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