JPS6143037B2 - - Google Patents

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JPS6143037B2
JPS6143037B2 JP11164177A JP11164177A JPS6143037B2 JP S6143037 B2 JPS6143037 B2 JP S6143037B2 JP 11164177 A JP11164177 A JP 11164177A JP 11164177 A JP11164177 A JP 11164177A JP S6143037 B2 JPS6143037 B2 JP S6143037B2
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acid
meth
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acrylic acid
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Ichiro Watanabe
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Nitto Chemical Industry Co Ltd
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  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、アクリルアミドまたはメタクリルア
ミド〔以下、単に(メタ)アクリルアミドとい
う〕の微生物的加水分解によるアクリル酸または
メタクリル酸〔以下、単に(メタ)アクリル酸と
いう〕の製造方法に関するものである。
有機酸アミドを加水分解して、対応する有機酸
を製造することは従来よりよく知られており、一
般に鉱酸またはアルカリを触媒として行われてい
る。しかし、これらの方法は反応が苛酷であるた
め(メタ)アクリル酸のように不飽和酸の製造に
対しては重合を招く恐れがある。また、メタクリ
ルアミドは前記方法による加水分解反応が進行し
難く良好な収率でメタクリル酸を得ることが困難
であり、副生物の生成も多い。さらに、アルカリ
触媒を使用した場合には、反応後の中和処理工程
で生ずる無機塩などの膨大な副生物を含むためこ
れらとの得られた生成物の分離、精製が煩雑であ
る。従つて、(メタ)アクリル酸をこれらの加水
分解法により(メタ)アクリルアミドから製造す
ることは好ましい方法ではない。
現在、(メタ)アクリル酸は対応する不飽和炭
化水素または不飽和アルデヒドの接触気相酸化に
より製造されているが、これらの方法も苛酷な反
応条件のため副生物の生成が避けられないこと、
副生物との分離、精製が困難なことなどの問題点
があり、さらによい方法の開発が望まれている。
最近、不飽和酸アミドを加水分解して不飽和酸
を製造する方法として、ベリリウム塩の存在下に
不飽和酸アミドと水とを反応させることが提案
(特開昭51−86412号明細書参照)されており、温
和な反応条件で不飽和酸アミドから高収率で不飽
和酸を得、しかも重合物、副生物の生成を伴わな
いことが述べられている。しかし、この方法は触
媒として使用するベリリウム塩が高価であるこ
と、触媒の回収、再生が困難であること、さらに
はベリリウム塩が極めて毒性が強いことなどの問
題点を有し、反応的には当初の問題点を解決して
いるが、経済性および安全性の面を重視する工業
的製造方法としては好ましい方法とはいえない。
従来、たとえば特開昭52−105273号公報には特
定の細菌を用いてアクリルアミド重合体中のアク
リルアミド単量体を分解除去する方法が提案され
ている。本発明者らは、先に、この細菌をアクリ
ルアミド系土質安定剤、高分子凝集剤、紙力増強
剤および接地抵抗低減剤などに適用し、これら剤
のアクリルアミド系重合体中に微量残存するアク
リルアミド単量体をアクリル酸を経て炭酸ガス、
アンモニアおよび水に分解する方法を提案した
(特願昭51−150738号、特願昭52−22250号、特願
昭52−61000号および特願昭52−75528号各明細書
参照)。
本発明者は、さらに、この細菌を(メタ)アク
リルアミドに作用させて(メタ)アクリル酸の段
階で反応を止め、かつ、一般化学工業の廃水処理
などで通常行われている濃度にくらべはるかに高
濃度、即ち、一般化学工業の廃水に対する微生物
の反応で採用されているよりはるかに高い濃度の
(メタ)アクリルアミドと反応させ、(メタ)アク
リル酸を生成蓄積させる反応条件を見出し、工業
的製造法としての可能性を確立すべく鋭意検討し
本発明を完成した。
即ち、本発明は(メタ)アクリルアミドより
(メタ)アクリル酸を製造するに当り、(メタ)ア
クリルアミドとノカルジア(Nocardia)属に属
し、アミダーゼ活性を有する放線菌またはその菌
体処理物とを水性媒体中で、(メタ)アクリルア
ミド濃度5〜20重量%、ノカルジア
(Nocardia)属に属し、アミダーゼ活性を有する
放線菌またはその菌体処理物とを水性媒体中で、
(メタ)アクリルアミド濃度5〜20重量%、ノカ
ルジア(Nocardia)属に属し、アミダーゼ活性
を有する放線菌またはその菌体処理物を乾燥菌体
換算濃度0.5〜5重量%、PH5〜9および温度25
〜40℃で接触反応させることを特徴とする(メ
タ)アクリル酸の製造方法である。ここで注目す
べきことは、特にPHおよび菌体濃度であり、上記
範囲からはずれると本発明のような高濃度の(メ
タ)アクリルアミド水溶液では、反応が完結せず
未反応の(メタ)アクリルアミドが残存したり、
あるいは反応が進行しすぎて生成した(メタ)ア
クリル酸がさらに分解してしまい(メタ)アクリ
ル酸を定量的に得ることができなくなることであ
る。
本発明で使用されるアミダーゼ活性を有する放
線菌とは、本発明者らが先に土壌、井戸水などか
ら分離したアクリルアミド単量体の加水分解能お
よび資化能を有する細菌のうち、その活性が特に
高い微生物であつて、No.10021号細菌、その近
縁菌および変異株である。No.10021号細菌は微
工研菌寄第3451号として寄託されており、その分
類学的ならびに生理学および生化学的性質は特願
昭51−150738号明細書に詳しく記載されている。
すなわち、その菌学的性質は以下に示す通りで
ある。
形態 (1) 細胞の形及び大きさ(イースト・麦芽寒天
培地、27℃、72時間) 球菌ないし短桿菌状(0.5〜0.8×1.0〜1.5
μ)、気中菌糸は着生しない。
(2) 細胞の多形性の有無(イースト・麦芽寒天
培地、27℃) スライドカルチヤーで早期には長桿菌状
(0.8×20μ)にジグザグに分裂発育し、72時
間培養以降では球菌ないし短桿菌状に4〜2
細胞に再断裂する。断裂面は鈍端状である。
(3) 運動性の有無:なし (4) 胞子の有無:芽胞、莱膜は認められない。
(5) グラム染色性:陽性(濃染)。
(6) 抗酸性:チールニールセン法、キニヨン法
で弱陽性。
(7) 顆粒:電子顕微鏡的に電子線不透過性顆粒
を有する。
各培地における生育状態 (1) 肉汁寒天平板培養(27℃、24〜48時間) 生育は良好、乾燥した周辺不規則で偏平な
淡い桃色系の小集落(5mm以上)を形成し、
培地内部への侵入発育はみられない。培養時
間の経過に伴い集落の色調は多少濃いトキ色
ないしサーモンピンク色になる。(カラー・
ハーモニー・マニユアル色票コード4ca)。集
落は白金耳で容易にかきとつたりくずしたり
できる。
(2) 肉汁寒天斜面培養(27℃、24〜48時間) 生育良好、糸状、表面乾燥して偏平、淡い
桃色 (3) 肉汁液体培養(27℃、24〜72時間) 菌膜を張り又は上部管壁に付着して旺盛に
発育する。培養液は澄明である。僅少の動揺
で見掛け上混濁するが、静置により菌体は沈
降し、上清は澄明になる。
(4) ペプトン水培養(27℃、24〜72時間) 肉汁液体培養に準ずる。
(5) 高層イースト・麦芽寒天穿刺培養(27℃、
72時間) 寒天培地表面に発育し、培地内部ないし下
部には発育を認めがたい。
(6) 肉汁・ゼラチン穿刺培養(27℃、72時間) 表面によく生育、穿刺部に沿つてロート状
に発育するが、下層部にはほとんど発育しな
い。液化もしない。
(7) リトマスミルク:変化なし。
(8) その他の培養基培養(27℃、92時間) グルコース・アスパラギン寒天培地、ツア
ペツト・ドツクス寒天培地、グリセロール・
アルパラギン寒天培地、カルシウム・マレー
ト寒天培地、無機塩、でんぷん寒天培地、シ
ユクロース・硝酸塩寒天培地、チロシン寒天
培地およびオートミール寒天培地等には、乳
白等などの微々たる発育を示すにすぎない。
また、基生菌糸は着生せず、培地中への拡散
性色素の生成も認められない。
生理学的性質 (1) 硝酸塩の還元 + (2) 脱窒反応 − (3) 脱脂牛乳の凝固、ペプトン化 − (4) MRテスト − (5) Vpテスト − (6) インドールの生成 − (7) 硫化水素の生成 − (8) ゼラチンの液化(グルコール・ペプトンゼ
ラチン培地上) − (9) でんぷんの加水分解 − (10) くえん酸の利用 コーサー培地 + クリステンセン培地 + (11) 無機窒素源の利用 硝酸塩 + アンモニウム塩 + (12) メラニン様色素の生成(チロシン寒天培地
及びペプトン・イースト鉄寒天培地上) − (13) ウレアーゼ + (14) オキシダーゼ − (15) カタラーゼ + (16) 生育の範囲: PH6〜9 温度10〜37℃ (17) 酸素に対する態度:好気性 (18) O−Fテスト(Hugh Leifsou法によ
る):O(グルコースから好気的に生酸す
る。) (19) 糖類から酸及びガスの生成: 山田及び駒形の方法(ジヤーナル・オブ・
ジエネラル・アンド・アプライド・マイクロ
バイオロジー18巻、399頁、1972年)により
行い、下記の糖類によく生育した。なお酸及
びガスの生成は下記のとおりである。
酸/ガス 1 L−アラビノース −/− 2 D−キシロース −/− 3 D−グルコース +/− 4 D−マンノース +/− 5 D−フラクトース +/− 6 D−ガラクトース −/− 7 麦芽糖 +/− 8 しよ糖 +/− 9 乳 糖 −/− 10 トレハロース +/− 11 D−ソルビツト +/− 12 D−マンニツト +/− 13 イノシツト +/− 14 グリセリン +/− 15 でんぷん −/− 16 セロビオ−ス −/− 17 ラフイノース −/− 18 デキストリン −/− 19 イヌリン −/− 20 アドニツト −/− 21 ズルシツト −/− 22 エスクリン −/− 23 サリシン −/− その他の諸性質 (1) 炭素源の同化性 D−グルコース、D−フラクトース、シユ
クロース、イノシトール及びD−マンニツト
で同化が認められ、L−アラビノース、D−
キシロース、L−ラムノース及びラフイノー
スでは同化が認められなかつた。
(2) 有機酸類の同化性: 束村の方法(ジヤーナル・オブ・ジエネラ
ル・マイクロバイオロジイー56巻、265頁、
1969年)により行つた。酢酸ソーダ、クエン
酸ソーダ、乳酸ソーダ、リンゴ酸ソーダ、プ
ロピオン酸ソーダ、ピルビン酸ソーダ及びコ
ハク酸ソーダで同化が認められ、安息香酸ソ
ーダ及びしゆう酸ソーダでは同化が認められ
なかつた。
(2) 溶血性 − (3) カゼイン分解 − (4) キサンチン水解 − (5) ヒポキサンチン水解 − (6) チロシン分解 + ゴードンらの方法(ジヤーナル・オブ・バ
クテリオロジイー69巻、147頁、1955年)に
よる。
(7) 細胞壁成分 ベツカーらの方法(アプライド・マイクロ
バイオロジイー12巻、421頁、1964年)でメ
ソジアミノピメリン酸が陽性であり、ルツシ
ユバリエらの方法(ザ・アクチノマイセス、
311頁、1970年)でアラビノース及びガラク
トースが陽性であつた。
(8) 脂質構成ミコール酸の型 ルツシユバリエらの方法(ジヤーナル・オ
ブ・バクテリオロジー、105巻、313頁、1971
年)でミコール酸を抽出し、熱分解ガスクロ
マトグラフイーによる脂肪酸及びアルデヒド
の同定を行つたところ、C14〜C18の脂肪酸の
みを確認し、C15〜C18のアルデヒドを認めな
かつたことにより、この菌体脂質を構成する
ミコール酸はノカルドミコール酸であると考
えられる。
(9) 抗生物質感受性(最少発育阻止濃度) ペニシリンG 1 単位/ml テトラサイクリン 25mcg/ml クロラムフエニコール 25mcg/ml ストレプトマイシン 50mcg/ml アンホテリジンB >100mcg/ml メタノール 24時間で10% 72時間で10%以下 (10) 動物に対する毒性 3週令マウスに4.5×1012/mlの菌浮遊液
を0.3ml静脈注射あるいは腹腔注射した場合
でも体重の減少はなく、対照と同程度の体重
増加を15日間示した。剖検所見では諸臓器に
異常を認めなかつた。また心蔵、肺臓、肝
臓、脾臓、腎臓及び脳よりの逆培養も陰性で
あつた。
猿にイースト・マルトエキス液に48時間27
℃で培養した菌液(2×1013/ml)50mlを経
口投与したところ、24時間以内の嘔吐、下痢
は見られず、以後1か月間にわたる観察でも
何の異常も見られなかつた。
(11) 全菌体1Rスペクトル 新井ら(ジヤーナル・ジエネラル・アプラ
イド・マイクロバイオロジイ9巻、119頁、
1963年)による第領域(3000〜2800cm-1
はBパターンを示し、第領域(1750〜1600
cm-1)はAパターンを示し、第領域(1500
〜1350cm-1)はAないしBパターンを示し、
第領域(1150〜950cm-1)はBパターンを示
し、総じて非病原性ストレプトマイセスの示
すパターンを示した。
以上のようにNo.10021号細菌は好気性、グラ
ム陽性、弱抗酸性の内生胞子を生じない桿菌であ
り、鞭毛、腺毛を着生しない。バーギイーの分類
書(バーギイース・マニユアル・オブ・デターミ
ネーテイブ・バクテリオロジイ、1974年)によれ
ば、内生胞子を生じないグラム陽性の桿菌は第16
章の「乳酸桿菌科」と第17章の「放線菌及びその
近縁微生物」の中にすべて含められている。
乳酸桿菌科のうち、乳酸桿菌属の菌種は嫌気性
もしくは通気嫌気性である点で、リステリヤ属の
菌種は周毛性で活発に運動する点で、エリジペロ
トリツクス属の菌種は細胞壁にメゾージアミノピ
メリン酸を含まないことで、またカリオフアノン
属の菌種は側鞭毛を有し運動性を有することで、
No.10021号細菌と異なることが明らかである。
従つてNo.10021号細菌は第17章の「放線菌及び
その近縁微生物」中の菌属に含まれるべきであ
る。
この微生物群については特に細胞壁組成がよく
研究されており、これが分類の基準ともなつてい
るが、No.10021号細菌と同様に細胞壁にメゾー
ジアミノピメリン酸、D−アラビノース及びガラ
クトースを含有するものは(バーギイーの分類
書、細胞壁タイプ、658頁)コリネ型細菌か、
放線菌目のうちのミコバクテリウム、ノカルジ
ア、サーモモノスポーラ及びミクロポリスポーラ
4菌種である。しかしミクロポリスポーラ及びサ
ーモモノスポーラは気菌糸を着生するものであ
り、これらとは遠く離れている。またミコバクテ
リウムは一般に強い抗酸性があり、明らかに
No.10021号細菌とは異なる。さらにNo.10021号
細菌は脂質構成脂肪酸としてコリノミコール酸を
含まないという点でコリネ型細菌とも異なる。従
つてNo.10021号細菌はノカルジア属に含まれる
細菌と一応考えることができる。
しかしノカルのア属類縁の菌属については、最
近学会において種々の菌学的性質ならびに生化学
的性質を検討中であり、その一部をロドコツカス
属〔グツドフエローら、ザ・バイオロジイ・オ
ブ・ザ・ノカルジア、39頁、1976年及びグツドフ
エロー・プロシーデイング・オブ・インターナシ
ヨナル・シンポジウム・オン・ノカルジア・アン
ド・ストレプトマイセス(モルダルスキーら
編)、ワルシヤワ、1978年〕、あるいはゴルドーナ
属(束村、ジヤーナル・オブ・ジエネラル・マイ
クロバイオロジイ、68巻、15頁、1971年)として
再分類することが好ましいとの報告があり、最終
的結論には至つていない現状である。
また、No.10021号細菌、その近縁菌および変
異株はアクリルアミドのほか、種々の有機不飽和
酸アミドの加水分解能をも有し、多くの不飽和酸
アミドに対して高いアミダーゼ活性を有する。従
つて、本発明においては前記明細書に記載の性質
を有するNo.10021号細菌はその近縁菌および変
異株も含めて「不飽和酸アミド加水分解能を有す
る放線菌」と呼ぶことにする。即ち、不飽和酸ア
ミド加水分解能を有する限り、No.10021号細菌
のほか、その近縁菌および変異株を本発明に使用
することができる。また、本発明においては、こ
れら細菌と同様にその菌体処理物(たとえば、菌
体の破砕物または菌体より分離抽出した酵素)も
用いられる。酵素の抽出、分離、精製などは特開
昭52−105273号明細書に記載の方法によつて行う
ことができるが、精製前の粗酵素を用いてもよ
い。なお、これら酵素類を用いる場合は生成酸の
分離、精製を容易にするため、たとえばポリアク
リルアミドゲルのような支持体で固定化させて反
応に供することが好ましい。
本発明の好ましい実施方法においては、水性媒
体中における(メタ)アクリルアミドの濃度は前
記放線菌またはその酵素の活性の発現上約30重量
%が上限で、工業的に行う場合を考えると5〜20
重量%の範囲である。このような濃度において上
記放線菌またはその菌体処理物の濃度はその活性
を充分発揮させるため乾燥菌体換算で0.5〜5重
量%が必要である。反応液のPHは菌体または酵素
活性に阻害のない5〜9の範囲で、この範囲をは
ずれると効率よく(メタ)アクリル酸を生成蓄積
させることができなくなるだけでなく化学的加水
分解も起り易くなるので好ましくない。温度は20
℃以下では反応が遅く、50℃以上では菌体または
酵素の変性が起るため20〜50℃、さらに好ましく
は25〜40℃の範囲である。反応は回分式あるいは
反応過程で(メタ)アクリルアミドを添加しなが
ら連続または不連続的に行う。以上の最適条件下
においては反応は1〜2時間で完結する。反応後
の(メタ)アクリル酸の分離、採取は既知の方法
で行えばよく、たとえば遠心分離により除菌後、
微量の不純物をイオン交換クロマトグラフイー、
抽出、沈殿などにより溶液から分離し、減圧濃
縮、蒸留などにより製品を得る。
本発明に使用する菌体の生産は、たとえば次の
ようにして行うことができる。炭素源としてグル
コースその他の利用可能な炭水化物誘導体または
炭素数10〜18のn−パラフイン、窒素源として硫
安、塩安、硝安などの無機窒素源のほか、尿素、
ペプトン、蛋白質またはその加水分解生成物、肉
エキス、イーストエキス、大豆粉、コーンステイ
ーブ液、穀粒水抽出分などを用い、ほかに通常の
微生物培養に用いられるリン酸1カリウム、硫酸
マグネシウム、硫酸第1鉄、硫酸亜鉛、塩化カル
シウムなどの無機塩を必要により添加した液体培
養基(PH6.0〜8.0)に菌を接種し、通気撹拌して
25〜30℃で24〜72時間培養して製造される。
次に、実施例をもつて本発明をさらに詳細に説
明するが、これにより本発明は限定されるもので
はない。なお、生成酸の分析はガスクロマトグラ
フイーにより行つた。また、文中の%はW/vol%
を、部は重量を意味する。
実施例 1 内容量500mlのセパラブルフラスコにアクリル
アミド8.0%、No.10021号細菌の菌体を乾燥菌体
換算で4%を含む水系反応液300mlを仕込みアン
モニアにてPH8.0に調整した後、撹拌下に30℃、
2時間反応させた。反応終了後、菌体を遠心分離
により除去し澄明液を得た。このものは8.0%の
アクリル酸を含み、未反応アクリルアミド、その
他副生物などは殆んど検出されなかつた。
実施例 2 内容量500mlのセパラブルフラスコにNo.10021
号細菌の菌体を乾燥菌体換算で15g仕込み水を加
えて280mlとしアンモニアにてPH8.0とした後、撹
拌下に30℃にて50%アクリルアミド水溶液を60
ml/hrで2時間滴下し、さらに1時間反応を続け
た。反応終了後、菌体を遠心分離により除去し澄
明液を得た。このものは15.2%のアクリル酸を含
みアクリルアミドの加水分解反応は完結してい
た。
実施例 3 No.10021号細菌より調整した粗酵素5gを20
mlの生理食塩水に懸濁させた。この液にアクリル
アミド3.2g、N・N′−メチレンビスアクリルア
ミド1.7g、ジメチルアミノプロピオニトリル1
gを含む水溶液20mlを加えた。次いでこの混合液
に2.5%過硫酸カリウム水溶液20mlを加え25℃で
10分間静置してゲル化させた。生成した固定化酵
素を粉砕した後、PH8.0のリン酸緩衝液にて充分
洗浄した。これを内容量500mlのセパラブルフラ
スコに入れ、5%アクリルアミド水溶液300mlを
加えて撹拌下に30℃で1時間反応させた。反応終
了後の澄明な上澄液は5.1%のアクリル酸を含み
加水分解反応は完結していた。
実施例 4 メタアクリルアミド5部、No.10021号細菌の
菌体を乾燥菌体換算で3部および水95部からなる
PH8.0の懸濁液を調整し振盪下に30℃で2時間反
応させた。加水分解反応はほぼ完全に進行し、反
応後の水溶液中には5%のメタアクリル酸が検出
された。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 アクリルアミドまたはメタクリルアミドより
    アクリル酸またはメタクリル酸を製造するに当
    り、アクリルアミドまたはメタクリルアミドとノ
    カルジア(Nocardia)属に属し、アミダーゼ活
    性を有する放線菌またはその菌体処理物とを水性
    媒体中で、アクリルアミドまたはメタクリルアミ
    ド濃度5〜20重量%、ノカルジア(Nocardia)
    属に属し、アミダーゼ活性を有する放線菌または
    その菌体処理物を乾燥菌体換算濃度0.5〜5重量
    %、PH5〜9および温度25〜40℃で接触反応させ
    ることを特徴とするアクリル酸またはメタクリル
    酸の製造方法。
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