JPS6140382Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は２個（左右）の被塗物を１基の塗装ロ
ボツトで塗装する際に用いる被塗物移送装置に関
するものである。

一般に、塗装ロボツトは正しい塗装位置に置か
れた被塗物に対し教え込まれた通りの動きをし、
正確に塗装作業、連続した塗装作業を行うために
非常に大きな効果が得られる。しかも、この場合
一般には塗装の完了した被塗物を移動させ次に未
塗装の被塗物を塗装位置に置くまでの入れ替え時
間は、塗装ロボツトの作動が中断することにな
り、その分だけ能力が低下している。この入れ替
えに要する時間を節約するため従来第１図の如く
塗装ロボツトの両側に、単にＶ字状に移送装置を
設け、一方の移送装置上の被塗物を塗装している
間に他方の被塗物を作業者の位置に戻し、被塗物
を脱荷し、未塗装の被塗物を着荷し、塗装位置に
送り込む方式を採つていた。

しかし乍ら、この場合にあつても両側の移送装
置における塗装位置は極力近くし、塗装ロボツト
は両移送装置の間に位置させているため、作業者
が着荷、脱荷を行う位置は広く開いてしまうもの
である。このため、作業者は両移送装置の着脱位
置に交互移動して作業を行なわなければならず疲
労が激しく、機械的に連続作動するロボツトにつ
いて行けない。従つて、実際には２人の作業員で
対処したりしているが、これは極めて不経済なこ
ととなつている。

本考案はこの種の移送装置の欠点を改良したも
ので、両側の移送装置の塗装位置間隔は変えずに
作業者が行う着脱位置の間隔を、作業者が定位置
で両側の移送装置に被塗物の着脱を行ないうる装
置を提供するものである。

以下、本考案を実施例の図面について説明すれ
ば次の通りである。

１は塗装ロボツトで、この左右両側部に該塗装
ロボツト１の先端に配したスプレーガン２位置方
向を長手方向とした一対の移動装置となる移送コ
ンベア３，３′を固定設置し、この移送コンベア
３，３′の各上面には、該移送コンベア３，３′の
長手方向と直交する回避レール４，４′を備えた
走行台車５，５′を載置するとともに、該走行台
車５，５′の前記回避レール４，４′部には回転テ
ーブル６，６′を有する被塗物ホルダー７，７′を
架設してなり、且該被塗物ホルダー７，７′の下
面部には夫々一端を走行台車５，５′部に係止し
た回避用シリンダー８，８′を取付けてなる。

次にこの作用を説明すると、先ずこの移送コン
ベア３，３′上を前後にワイヤーシリンダー、チ
エーン等の適宜公知手段（図示せず）をもつて自
走する走行台車５，５′の被塗物ホルダー７，
７′は、この回転テーブル６，６′上の被塗物Ａ，
Ａが夫々、塗装ロボツト１の先端のスプレーガン
２位置及び後端の作業員位置では内側へ寄り前後
への走行巾にあつては横外方へ移動する全体とし
てコ字状移動をなす構成としてある。

ここにおいて、被塗物Ａのセツトに際しては塗
装ロボツト１の後方に位置した作業員の箇所（図
示せず）に近接するよう走行台車５のシリンダー
８のロツトが後退した状態とし、該シリンダー８
に取付いた被塗物ホルダー７を、回避レール４を
滑らせ内側（作業員側）へスライドさせ被塗物Ａ
の載置を容易とする（第２図、実線参照）。

この後、シリンダー８を作動させ、これに取付
いた被塗物ホルダー７を、内端が少なくとも移送
コンベア３の側縁部と同一或は外側へ来るよう外
方へ押出しスライドさせるものである。この状態
にて走行台車５を自走させて移送コンベア３の先
端部３ａに進ませ、該先端部３ａ位置にあつて前
記と逆にシリンダー８を作動させセツト時同様に
ロツトを後退させて走行台車５の被塗物ホルダー
７を移送コンベア３の内側へ位置させ、塗装位置
とする。

次に、塗装位置にて塗装ロボツト１のスプレー
ガン２の適宜の首振り動等をもつて被塗物Ａへの
塗装が終了した後、前記と逆にシリンダー８が作
動しこのロツトの伸びにて被塗物ホルダー７を移
送コンベア３部より外方へ位置するようスライド
させ、走行台車５の自走時に中央の塗装ロボツト
１に被塗物ホルダー７を接衝することなくする。
次いで、走行台車５を後退させて前記移送コンベ
ア３の後端部３ｂの作業員位置まで戻り、再度被
塗物ホルダー７を内側へスライドさせ被塗物Ａの
交換を行なうものである。

一方、前記被塗物Ａの塗装作業が終了間近かに
あつては、他方の移送コンベア３′を走行自在と
した走行台車５′の被塗物ホルダー７′上の被塗物
Ａを、塗装位置となる移送コンベア３′側より内
側へスライドさせて待機させておき、塗装作業の
切替え時にただちに新規な該被塗物Ａの塗装を可
能とするものである。勿論、この一方の移送コン
ベア３′部にあつての走行台車５′の被塗物ホルダ
ー７の移動は、移送コンベア３′の後端部３b′と
なるセツト位置において該被塗物ホルダー７′を
シリンダー８′の作動にて内側へスライドさせて
作業員の載置を容易とし、走行巾にあつては中央
の塗装ロボツト１に接触しないよう被塗物ホルダ
ー７′を移送コンベア３′の外側へ位置させ、移送
コンベア３′の先端部３a′となる塗装位置でまた
内側へスライドさせるコ字状移動を行なうもので
ある。尚、被塗物ホルダー７，７′を必要によ
り、載置した被塗物を90゜ずつ回転させるための
駆動機構を備えたものとすることは、従来より行
なわれている。

上述の様に本考案は塗装ロボツトの両側に配す
２本の移送コンベアを平行に固定設置するととも
に、各移送コンベア上を移動する走行台車上に、
該走行台車に設けた回避レール部をシリンダーの
繰出し動に応じて横移動する被塗物ホルダーを設
けるとともに、該被塗物ホルダーを被塗物載置位
置及び被塗物塗装位置にて内側へスライドするよ
うコ字状移動させたことにより２本の移送装置に
あつても塗装ロボツトの後方中央部に一人の作業
員を配すだけで、簡単に交互の被塗物ホルダーへ
のセツト作業が出来、極めて能率的で、且疲労を
も招かないものである。勿論、塗装位置にあつて
も被塗物が近づくため確実な塗装作業が遂行しえ
る等の実用的効果を有するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の２本の移送コンベア使用の平面
図、第２図は本考案の平面図、第３図は側面図、
第４図は走行台車部の要部を示す正面図である。 １……塗装ロボツト、２……スプレーガン、
３，３′……移送コンベア、４，４′……回避レー
ル、５，５′……走行台車、６，６′……回転テー
ブル、７，７′……被塗物ホルダー、８，８′……
回避用シリンダー、Ａ……被塗物。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 塗装ロボツトの両側に移送コンベアを設置し、
   一方のコンベア上の被塗物の塗装終了間近に、他
   方のコンベアにより被塗物を塗装位置に送り、塗
   装終了後直ちに他方の被塗物の塗装を開始するよ
   う構成した被塗物移送装置をおいて、移送コンベ
   ア上に、これと交叉する方向に設けた回避レール
   を有する台車を載置し、該回避レール上に被塗物
   ホルダーを取付けた塗装ロボツト用被塗物移送装
   置。