JPS6338937Y2

JPS6338937Y2 -

Info

Publication number: JPS6338937Y2
Application number: JP1981139070U
Authority: JP
Priority date: 1981-09-19
Filing date: 1981-09-19
Publication date: 1988-10-13
Also published as: JPS5843967U

Description

【考案の詳細な説明】本考案は自動車の車体に自動的に塗装を行う塗
装用ロボツト装置に関する。

一般に、自動車の車体の塗装面は広く、コンベ
ア上を搬送される車体に対して一台の固定ロボツ
ト装置で全塗装を行うのはコンベアの速度等との
関係から困難な場合が多い。このため、従来は多
数のロボツト装置を並設し、この多数のロボツト
装置により車体を区分けして塗装を行つていた。
しかし、このように区分け塗装を行うと、塗装面
の厚みが一様とならず、高品質な塗装が得難いば
かりでなく、各ロボツト装置の制御機構が複雑と
なる等の不都合があつた。そこで、単一のロボツ
ト装置を使用し、車体の搬送方向の床面に沿つて
設けたレール上に移動装置を設け、この移動装置
上にロボツト装置を載置し、車体と同方向に移動
させながら塗装を行うようにすれば前述の不都合
は解消される。

しかし、ロボツト装置をこのように構成する
と、該ロボツト装置が設置される移動装置分だけ
高くなり、そのスプレ装置の車体に対する相対位
置が不適切になり、特に車体の下部の塗装が困難
となる欠点があつた。

本考案は叙上の点に鑑みなされたものであつ
て、その目的とするところは、単一の移動可能な
ロボツト装置を使用し、そのスプレ装置の車体に
対する相対位置を適切ならしめるようにした自動
車車体塗装用ロボツト装置を提供するものであ
る。

以下、本考案の実施例を図面に基づき説明す
る。

１は被塗物としての自動車の車体であり、該車
体１は搬送装置２に載置され、塗装が行われる塗
装ブース３内に搬送される。塗装ブース２の床面
４には車体１の搬送方向に沿つて長溝状の凹部を
形成することによつて、ピツト５が形成されてい
る。

該ピツト５の底壁にはレール（起動）６，６が
敷設されており、該レール６上には走行台車７が
設置されている。該走行台車７には基台部７Ａが
設けられ、該基台部７Ａ内には油圧モータ８が設
けられており、該油圧モータ８の回転軸８Ａには
ピニオン９が取付けられている。一方レール６に
は前記ピニオン９と噛合するラツク１０が添設さ
れており、油圧モータ８を駆動することによりピ
ニオン９を回転させ、該ピニオン９をラツク１０
と順次噛合させることにより油圧モータ８を設置
した走行台車７を自走させる。なお、走行台車７
を自走させる手段としては、本実施例の如くピニ
オン９とラツク１０を用いる以外にボールネジを
使用してもよい。ここで、油圧モータ８、ピニオ
ン９、ラツク１０により走行台車７を自走させる
駆動手段が構成される。走行台車７の上部にはタ
ーンテーブル１１が設けられており、該ターンテ
ーブル１１は走行台車７上に設けたアクチユエー
タ１２により回動可能となつている。

ターンテーブル１１上にはロボツト本体Ｒが設
置されている。即ち、ターンテーブル１１上には
左右に取付板１３，１３が固設され、該取付板１
３にはピン１４により支柱１５が枢支され、該タ
ーンテーブル１１と支柱１５の上部との間には支
柱１５をピン１４を中心として回動可能ならしめ
る油圧シリンダ１６が設けられると共に、取付板
１３と支柱１５の上部との間にはばねを内装した
バランス機構１７が設けられている。支柱１５の
上端部にはピン１８を介してアーム１９が連結さ
れており、アーム１９と支柱１５との間にはアー
ム１９をピン１８を中心として回動させる油圧シ
リンダ２０が設けられている。アーム１９の先端
にはロータリアクチユエータ（図示せず）により
曲折可能な手首２１が設けられ、該手首２１には
車体１に向けて塗料を噴霧するスプレ装置２２が
取付けられている。

２３Ａ，２３Ｂはそれぞれレール６の両端部に
取付けた閉塞板で、該閉塞板２３Ａと走行台車７
との間、および閉塞板２３Ｂと走行台車７および
その上部に設けられ、コネクタを収納するコネク
タカバー７Ｂとの間にはそれぞれ蛇腹等の伸縮自
在なカバー２４，２５が設けられてレール６、ラ
ツク１０等を被覆している。カバー２４，２５内
にはスプレ装置２２に塗料を供給する塗料配管、
油圧モータ８等のアクチユエータに油液を供給す
る油圧配管、洗浄用のシンナ、エアの供給配管等
からなる配管群２６を支持・案内するチエーンベ
ア２７が配置している。該チエーンベア２７はそ
の一端部がピツト５内の中間部位に固定され、レ
ール６に沿つて第２図中右方に延びると共にカバ
ー２５内で折返されて走行台車７上に設けたコネ
クタカバー７Ｂ内に他端部が接続されている。そ
して、配管群２６はその曲折部分に大きな負荷が
かからないようにするために、該曲折部分の曲率
半径を可及的大きくすべく、カバー２５の高さは
床面４より上方に突出させている。一方、カバー
２４上面にはロボツト本体Ｒが故障した場合等に
おいてピツト５両側の段部２８にグレーチング等
の足場部材２９の敷設を可能とすべく床面４より
下方に位置させている。

本考案に係る自動車車体塗装用ロボツト装置は
前述の構成を有するもので、塗装されるべき車体
１は搬送装置２に搬送されて第１図に矢印で示し
た方向に移動する。これと同時に、走行台車７も
第１図中最右方位置から車体１と同方向に移動さ
せながらスプレ装置２２から塗料を噴霧すること
により塗装が行われる。而して、ロボツト本体Ｒ
の支柱１５、アーム１９および手首２１を予めテ
イーチングされた動作に従つてプレーバツク動作
させ、スプレ装置２２が車体１の塗装部位に対し
て最適位置となるように位置決めしながら順次塗
装を行う。走行台車７はピツト５内に配設されて
いるため、塗装ブース３の床面４より下方に位置
しており、ロボツト装置全体としての高さは走行
台車７を設けてない場合の高さとほとんど変らな
い。従つて、スプレ装置２２の変位可能領域も走
行台車７を設けない場合とほとんど同じとなり、
車体１の塗装面に対してスプレ装置２２を最適に
設定し得る。

また、スプレ装置２２による塗料の噴霧中には
塗料が周囲に飛散する等して塗装ブース３内が汚
損される。しかし、レール６、ピニオン９、ラツ
ク１０、チエーンベア２７等はカバー２４，２５
により被覆されているから、塗料等が付着するこ
とによる前記各部材の作動不良や作動不能等を来
たすことはない。

また、カバー２４内にはレール６とラツク１０
が収納されているだけであるから、該カバー２４
の上面部分を床面４より下方に位置させることが
できる。従つて、塗装ロボツト装置が故障した場
合等においては、ロボツト本体Ｒを閉塞板２３Ｂ
側の第１図中最右端位置にまで移動させ、ピツト
５の段部２８に足場部材２９を順次敷設すれば、
作業者が容易に近づくことができ、例えばハンド
ガン方式の塗装装置を使用して車体１の塗装作業
を行うことが可能となる。この結果、自動車製造
ラインのコンベアを停止させなければならないと
いう不都合を回避することができる。

本考案に係る自動車車体塗装用ロボツト装置は
以上の如くであつて、下記の効果を奏する。

塗装ブースの床面に凹部を形成してなるピツ
ト内に走行台車を配設し、該走行台車上にロボ
ツト本体を設置したので、塗装用ロボツト装置
の高さを適正に保つことができるから、スプレ
装置を車体の塗装すべき領域のすべて部位に対
し最適位置に向けることができる。この結果、
塗装むら等を確実に防止し得て、高品質な塗装
を得ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る自動車車体塗装用ロボツ
ト装置の平面図、第２図は第１図のロボツト装置
の側面図、第３図はロボツト本体を省略した第２
図の−矢示方向断面図である。１……車体、４……床面、５……ピツト、６…
…レール、７……走行台車、８……油圧モータ、
９……ピニオン、１０……ラツク、Ｒ……ロボツ
ト本体、２２……スプレ装置、２４，２５……カ
バー。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

塗装すべき自動車の車体の搬送方向に沿つて床
面に凹部を形成してなるピツトと、該ピツト内に
前記車体の搬送方向と平行に敷設された軌道と、
該軌道上を走行する走行台車と、該走行台車上に
設置され、前記車体に向け塗料を噴霧するスプレ
装置を取付けたロボツト本体と、前記軌道に対し
て前記走行台車を走行せしめる駆動手段とからな
る自動車車体塗装用ロボツト装置。