JPS6139985Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は腕時計の防水リユウズ装置に関するも
ので、その目的とするところは、ムーブメントの
小型化、薄型化に合わせてリユウズ体の突出巾を
小さくし外観を美くしくせんとするにある。

従来、通常使用時、リユウズ体を胴にネジロツ
クし衝撃でリユウズ体が外れないようにした腕時
計の防水リユウズ装置として、第１図に示す如
く、巻真パイプ１を胴２の通孔２ａに嵌合固定
し、該巻真パイプ１の突出部外周にネジ１ａを形
成し、この巻真パイプ１内にリユウズ芯３を摺動
自在に嵌合し、該リユウズ芯３外周に装着したパ
ツキング４により水密となし、リユウズ芯３先端
より中間部迄形成した中心孔３ａにバネ５を挿入
し、リユウズ芯３外端には鍔３ｂを、その基部に
異形部３ｃを形成し、筒状のリユウズ体６の内面
中間部に前記異形部３ｃに嵌合する異形鍔６ａが
一体に形成され、先端内面にネジ６ｂが形成さ
れ、該ネジ６ｂと異形鍔６ａ間の環溝６ｃにパツ
キング７が嵌合固定され、後端内面には筒状ブツ
シユ６ｄが嵌合され接着剤で一体に固定すること
が考えられた。

第１図は、リユウズ体６を巻真パイプ１にネジ
ロツクした状態である。このネジロツクを外すと
第２図の如くリユウズ体６はスプリング５で突出
し、異形鍔６ａがリユウズ芯３の異形部３ｃに嵌
合する。この位置でリユウズ体６を巻くとリユウ
ズ芯３が巻かれてネジ巻きが行われる。更にリユ
ウズ体６を第３図の如く外方に引き、この位置で
リユウズ体６を巻くと針回しを行うことができる
ようになつている。

しかし乍ら、ネジロツク部とパツキン部と異形
係合部とが軸方向に直列に配設されているためネ
ジロツク時のリユウズ体６の厚みＨを薄くするこ
とができないので、ムーブメントを小型化、薄型
化しても、リユウズ体が大きく外観を損うという
欠点があつた。

本考案は、ネジロツク部とパツキングと異形係
合部を軸方向に併列に配設して従来の欠点を除く
ようにしたものである。

次に添附第４図乃志第７図に示した本考案の一
実施例について詳細に説明する。尚、第５図乃至
第７図は、説明をわかりやすくするために、胴１
２を省略してある。

外面にネジ１１a′を形成した大径部１１ａと、
小径部１１ｂからなる巻真パイプ１１の小径部１
１ｂを胴１２の通孔１２ａに嵌合固定し、小径部
１１ｂ内にリユウズ芯１３を摺動自在に嵌合し、
該リユウズ芯１３外周に装着したパツキング１４
により水密となす。

リユウズ芯１３先端より中間部迄形成した中心
孔１３ａに先端にネジ１９ａを有したリンク１９
を螺着固定し、リンク１９外端に異形鍔１９ｂを
設け、筒状のリユウズ体１６には内筒１６ａを設
け、その内面に該異形鍔１９ｂと嵌合する異形中
心孔１６a′を形成し、前記巻真パイプ１１の大径
部１１ａが嵌入し得る環溝１６ｂとを形成し、該
環溝１６ｂ内面先端部にネジ１６b′を形成し、環
溝後端部にはリング状パツキン１７を嵌合固定
し、該リユウズ体１６をリンク１９先端よりかぶ
せ、異形中心孔１６a′を異形鍔１９ｂに嵌合し、
異形中心孔１６a′先端内面には環状段部１６a″を
設けて係合リング１８を嵌合し、環状段部１６
a″先端をかしめて係合リング１８を一体に固定し
ている。そして、リユウズ芯１３のつば部１３ｂ
とリユウズ体１６の周状溝１６ｃとの間にバネ１
５を配設している。

次に作用について説明する。第４図はリユウズ
体１６をバネ１５の弾力に抗して押圧し、リユウ
ズ体１６のネジ１６b′を巻真パイプ１１のネジ１
１a′に螺合してネジロツクする。この時、内筒１
６ａは巻真パイプ１１の大径部１１ａの内面に入
り込み、異形中心孔１６a′はリユウズ芯１３に螺
着されたリンク１９の異形鍔１９ｂに嵌合してい
るので、リンク１９を介してリユウズ芯１３も回
転する。

この状態では、パツキン１７，１４によつて外
部と腕時計内部とは完全に防水されている。リユ
ウズ体１６をゆるめてネジロツクを外すと、第５
図の如くバネ１５でリユウズ体１６は外方へ突出
し、係合リング１８がリンク１９の異形鍔１９ｂ
に係合する。

次いで、第６図の如くリユウズ体１６を１段引
くと、リンク１９とリユウズ芯１３は１段外方に
引き出される。この位置でリユウズ体１６を回動
すると異形中心孔１６a′と異形鍔１９ｂとは嵌合
しているのでリユウズ芯１３はリンク１９を介し
回動しカレンダー合わせを行うことができる。

次に更にリユウズ体１６を外方へ一杯引くと、
第７図の如くリユウズ芯１３も一杯に引き出され
る。この位置でリユウズ体１６を回動すると、異
形中心孔１６a′と異形鍔１９ｂとは嵌合している
のでリユウズ芯１３は回動し針合わせを行うこと
ができる。

本考案によると、ネジロツク時、巻真パイプの
大径部内面にリユウズ体の内筒が挿入され、ネジ
ロツク部と異形係合部とがリユウズ体外径方向に
併列に配設され、且つバネが円筒の外周に配設さ
れているので、リユウズ体の摺動部分を従来品に
比較して胴側面に近ずけることができ、リユウズ
体の厚さH′を薄くすることができ、外観を美麗
にすることができる。また、バネを内筒１６ａの
外側に配置してあるので、ネジロツクするときに
片寄りすることがなく、安定したネジロツク操作
をすることが出来る。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来品のネジロツク時の要部断面図、
第２図は第１図のネジロツクを解除してネジ巻き
を行う時の断面図、第３図は第２図のリユウズ体
を引き出して針合せを行う時の断面図、第４図は
本考案の一実施例で、ネジロツク時の要部断面
図、第５図は第４図のネジロツクを解除した時の
断面図、第６図は第５図のリユウズ体を１段引き
出しカレンダー合せをする時の断面図、第７図は
第６図のリユウズ体を更に引き出し針合わせをす
る時の断面図である。 １１……巻真パイプ、１１ａ……大径部、１１
a′……ネジ、１１ｂ……小径部、１２……胴、１
２ａ……通孔、１３……リユウズ芯、１３ａ……
中心孔、１４……パツキン、１５……バネ、１６
……リユウズ体、１６ａ……内筒、１６a′……異
形中心孔、１６ｂ……環溝、１７……リング状パ
ツキン、１６ｃ……周状溝、１８……係合リン
グ、１９……リンク、１９ａ……ネジ、１９ｂ…
…異形鍔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 外面にネジを形成した大径部及び小径部からな
   る巻真パイプの該小径部を胴の通孔に嵌合固定
   し、該小径部内にリユウズ芯を摺動自在に嵌合
   し、該リユウズ芯先端より中間部迄形成した中心
   孔にリンクを挿入固定し、該リンク外端に異形鍔
   を設け、リユウズ体には該異形鍔と嵌合する異形
   中心孔と、前記リユウズ芯とで伸縮するバネを収
   納する周状溝と、前記巻真パイプの大径部が嵌入
   し得る環溝とを形成し、該環溝内面先端部にはネ
   ジを形成し、環溝後端部にはリング状パツキンを
   嵌合固定し、前記周状溝には前記バネを配設し、
   前記リユウズ体を前記リンク先端よりかぶせ、前
   記異形中心孔を異形鍔に嵌合して、前記異形中心
   孔先端内面に前記係合リングを固定してなる腕時
   計の防水リユウズ装置。