JPS5932754B2 - 防水リユウズの構造 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は防水リュウズ、特に高い耐水圧を要求される腕
時計等携帯時計に使用される防水リュウズに関するもの
である。

高耐水圧防水リュウズは、その使用条件が厳しく、単純
に静水圧に耐えるだけでなく、外部からの衝撃力（落下
、衝突等によるもの）に耐えられなければならない。

すなわち、第１図に示す如くリュウズ１に外力Ｆが加わ
ると、パイプ２とリュウズ１にあるスキ６分だけリュウ
ズが揺動し、防水性を確保しているパツキン３の締代が
片側はδだけ少なくなり、水中でこの様な状態になると
、著しく耐水性が低下する為である。

しかし静的な耐水性については、パツキン３を均等に圧
縮することにより、充分に耐えられるものである。

したがって高耐水性の防水リュウズは衝撃時の耐水性を
確保することが重大な条件である。

従来の高耐水圧防水リュウズは、第２図に示す如く、リ
ュウズ４の頭部内周にネジ部４ａを有しており、リュウ
ズ４が通常の状態（押し込まれた状態）においては、胴
５に固着された巻真バイブロの頭部外周ネジ部６ａと、
該リュウズネジ部４ａがネジ嵌合し、外部からの衝撃力
により、リュウズ４が揺動しない様にしているものであ
った。

しかし、このネジ嵌合タイプについては、ネジのかみ合
い長さ分だけ、リュウズ４を余分に押し込む必要があり
、この余分のストロークをリュウズ４のダボ部４ｂの内
部に装着したバネ７のバネタワミに吸収している。

すなわち、リュウズ４を引き出す時は、リュウズダボ４
ｂに固定されたブツシュ４ｃが、巻真８に固定されたブ
ツシュ８ａに引っかかり、巻真８が引き出され、日曜、
時刻修正が可能となるが、リュウズ４を押し込む時はバ
ネ７が、たわまされてムーブメントの巻真の押し込み力
にバネ７のバネ力が大きくなった時、巻真が押し込まれ
、リュウズ４がネジ嵌合するストロークは、バネタワミ
として吸収するものである。

したがって、従来のネジ嵌合によるリュウズ固定では、
バネ７は不可欠の部品であった。

しかし、リュウズダボ４ｂの中にバネ７を収納している
ため、リュウズダボ４ｂは大きくなり、リュウズ４の頭
部の直径も大きくせざるを得なくなってしまう。

さらに裏ブタの位置も、一般のリュウズ使用に比べて、
ダボ４ｂが太くなった分だけ下った位置になり、胴厚も
厚くなってしまい、外観的に薄型化が難しいものになっ
てしまっていた。

又、前述の様に、リュウズ４の押し込みは、バネ７とム
ーブメントの巻真押し込み力の力関係により可能となる
ものであるため、リュウズバネ７のバネ力の管理、ムー
ブメント巻真押し込み力の管理が極めて厳しくなり、製
造上の大きな負荷ともなっていた。

本発明は、以上の欠点を除去するものであり、より簡単
に、より薄型の高耐水圧防水リュウズを可能とするもの
であり、図面により詳しく説明すると、第３図は、本発
明の一実施例を示す断面図であり、９はダボ９ｂの外周
面と頭部９ａの内周面により形成される溝９ｃの外周部
９ｄに、弾性を有するプラスチック・ゴム、あるいは軟
金属により作られた弾性リング１０を、頭部９ａの端部
に固定されたブツシュ９ｅにより抜は止メとしたリュウ
ズ。

１１は胴１３に圧入、固着、シールされる元部１１ａと
、胴より露出し外周先端にスベリ斜面１１ｃを設けた頭
部１１ｂを有する巻真パイプ、１２はリュウズダボ９ｂ
に設けた溝９ｆに装着されパイプ１１の内周面１１ｄと
リュウズ溝９ｆとの間で圧縮され防水性を確保するシー
ル部材であり、リュウズ９を押し込んだ状態で、弾性リ
ング１０は、リュウズ９の溝外周面９ｄと、パイプ１１
の頭部１１ｂの外周との間で圧縮され、リュウズ９に外
力Ｆが加わっても揺動を規制することが可能になり、衝
撃時の防水性が保証されるものである。

なお、弾性リング１０は本図においてＬ字型断面をして
いるが、円筒型でも可能なものである。

以上の知く、本発明は従来の様にバネを入れる必要がな
く、完全にリュウズを係止出来るため、リュウズダボ９
ｂは細くなり小型のリュウズが実現出来るものである。

従って裏ブク１４も、より上側になり胴の薄型化に対し
て効果の太きいものである。

又、ムーブメントの巻真押し込み力の制限がなくなり、
製造面でも有利となる。

なお本発明において、弾性リング１０の断面をＬ字型に
することにより、リュウズ押し込み時の弾性リング１０
の安定性が向上し、座屈防止となる。

しかし、リュウズを更に薄くする必要があれば円筒型の
弾性リングでも、その効果は充分実現するものである。

さらに弾性リング１０は、パイプ頭部１１ｂの外周に全
周にわたり接触すると、押し込み時にリュウズ溝９ｃと
パイプ頭部１１ｂによって形成される空間の体積変化が
生じ、該空間の内部圧力が上昇して、リュウズ９の引き
出し時に侵入した水分が、より高い圧力により時計内部
に押し込まれる危険性があるので、この圧力抜きとして
第４図に示す一実施例の様に弾性リング１０に一カ所以
上の貫通した溝を設ける。

又、巻真パイプすべり斜面１１ｃは、弾性リング１０と
巻真パイプ頭部１１ｂの外周とは締代をもって摺動する
ため、リュウズ押し込み時に、押し込み力が大きくなる
ので、押し込み力を緩和し、かつ、弾性リング１０がパ
イプ頭部１１ｂの先端で削れない様にし、再現性をもた
せるためのものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は、従来からの一般的なリュウズ部の断面図。 第２図は、従来の高耐水性防水リュウズの断面図。 第３図は、本発明の一実施例を示す断面図。 ９・・・・・・リュウズ、１０・・・・・・弾性リング
、１１・・・・・・巻真パイプ、１２・・・・・・リュ
ウズパッキン。 第４図は、本発明の弾性リングの一実施例を示しａは平
面図、ｂはａのＡ−Ｂ断面図。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 巻真パイプに挿入されるリューズのダボ部と前記巻
   真パイプとの径方向間にシール部材を装着するとともに
   、前記リューズのダボ部の外周面と前記リューズの頭部
   の内周面との間に構成される溝部９ｃに弾性部材のリン
   グを装着し、前記リューズを押し込んだ状態で、前記弾
   性リングが前記巻真パイプの外周面と前記リューズの頭
   部の内周面との間で径方向に圧縮されることにより前記
   リューズの径方向の揺動を規制し、かつ前記弾性リング
   に、前記リューズの溝部の入口部９ｇから奥面９ｈまで
   貫通する溝を設けたことを特徴とする防水リューズの構
   造。