JPS6139626Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、燃料タンクの上面に固定バンドを掛
け渡して固定する直置きタイプの燃料タンクの固
定装置に関し、特にバンドの緊締具に改良を施こ
したものに関する。

燃料タンクの固定装置としては、上記直置きタ
イプの他に、例えば実公昭48−13533号公報、実
願昭55−19557号（実開昭56−122623号公報）に
記載のような固定バンドによる吊持タイプのもの
が知られているが、燃料タンクの脱落の危険性を
考慮すると直置きタイプの方が安全である。しか
し直置きタイプとすると車室内が狭くなることも
あるので、商用車等において上記直置きタイプの
燃料タンクを用いる場合には、車室の荷台面上に
上蓋を持つ凹所を形成し、そこに燃料タンクを収
容することがある。この場合、燃料タンクの収容
凹所は、荷台下付近の設計の自由度を増す関係
上、できるだけ小スペースとした方が都合がよ
い。

ところで、従来多く用いられている燃料タンク
の固定バンドは、例えば実願昭54−14711号（実
開昭56−64817号公報）に記載のように、その自
由端にＬ字状の締付けブラケツトを持ち、この締
付けブラケツトを固定ボルトに対して挿通してナ
ツト締めすることにより緊締する形式のものであ
り、適切な緊締力を得るためには、固定ボルト
は、燃料タンク上面から下向して締付けブラケツ
トに至る固定バンドの傾斜方向に合致させる必要
がある。すなわち、固定ボルトは緊締時に燃料タ
ンク側へ所定角度傾斜して突出させる必要があ
る。

しかし、燃料タンクの収容スペースに余裕がな
い場合には、固定ボルトが突出した緊締位置にあ
ると燃料タンクの収納作業に支障をきたすので、
固定ボルトは、燃料タンクの収納作業時にのみ緊
締位置から待避させ、収納後は再び緊締位置に戻
す必要が生じ、組付作業が複雑になる不都合が生
じる。

本考案は上記不都合を解消すべくなされたもの
で、燃料タンクの収容スペースに余裕がない場合
においても、燃料タンクの収納作業に支障がなく
しかも、燃料タンク収納後における固定ボルトの
緊締位置合せ作業を省略できるようにした燃料タ
ンクの固定装置を提供することを目的とする。

この目的のため本考案は、燃料タンクの収納作
業時、ボルトは緊締位置から待避した位置を保ち
燃料タンクの収納作業によつて固定ボルトは緊締
位置に回動操作されるよう構成したことを特徴と
する。

以下、本考案の構成を図面に示す一実施例に基
づいて作用と共に説明する。

第１図において符号１はバン型商用車の車室内
の荷台であり、この荷台１の前端部に燃料タンク
２の収容凹所３が形成され、この凹所３内に本考
案の一実施例による燃料タンク固定装置が装備さ
れる。

第２図は上記収容凹所３部分の断面を示し、収
容凹所３は荷台１と同一面上の開口４を蓋５で開
閉自在に構成されると共に、その底板６上に燃料
タンク２の着座クツシヨン７を装備し、また、前
方上隅部にフツク掛け８を装備して成る。

一方、固定バンド９は、その一端に設けたフツ
ク１０を上記フツク掛け８に引掛けて装備され、
このフツク１０部から上向して燃料タンク２の上
面に添い、ここから下向してその自由端を燃料タ
ンク２の側面に臨ませて掛け渡されるもので、こ
の固定バンド９を緊締すべく、固定バンド９の自
由端には、側面視Ｌ字状をなして固定バンド９の
外側に略直角に起立する締付けブラケツト１１が
固着されると共に、このブラケツト１１の起立部
１２に挿通する固定ボルト１３が、前記フツク掛
け８と反対側の収容凹所３の壁面１４に取付けら
れる。

第３図および第４図は上記固定ボルト１３の取
付け状態を示し、固定ボルト１３は正面視クラン
ク状に形成され、その中間水平軸部１５が、上記
壁面１４に固着される軸受けプレート１６で所定
の摩擦力をもつて回動、停止可能に軸支されるこ
とで、その一端部に形成したボルト部１７を略直
立した待避位置Ａから、燃料タンク２の側面側に
向け傾倒角度を調節可能に構成される。

そして更に、固定ボルト１３の水平軸部１５か
ら下方に突出する他端は、ボルト部１７が前記締
付けブラケツト１１の起立部１２に略直交する緊
締位置Ｂに傾倒したときは壁面１４に当接してス
トツパの働きをなすように所定角度に屈曲され、
ボルト部１７の待避位置Ａでは燃料タンク２の接
合フランジ１８に係合する位置まで突出する操作
突部１９を形成する。

以上の構成による燃料タンク固定装置において
は、燃料タンク２の収納作業時には、固定バンド
９は、その一端のフツク１０をフツク掛け８に係
止した状態で収容凹所３外に位置させておくと共
に固定ボルト１３は、そのボルト部１７を略直立
した待避位置Ａにしておく。

このような前準備の後、燃料タンク２は第２図
の一点鎖線に示す如く固定ボルト１３に対面する
側を持ち上げた傾斜姿勢で収容凹所３内に挿入
し、その後、固定ボルト１３に対面した側を下降
して着座シート７上に収納する。この傾斜姿勢か
らの下降移動により燃料タンク２の接合フランジ
１８は、第３図に示すように固定ボルト１３の操
作突部１９に係合してこれを反時計方向に回動さ
せるので、そのボルト部１７は待避位置Ａから緊
締位置Ｂに移動し、操作突部１９が壁面１４に当
接することでこの緊締位置Ｂを自己保持する。

そこで、固定バンド９を燃料タンク２の上面か
ら固定ボルト１３側へ掛け渡し、その自由端の締
付けブラケツト１１の起立部１２を固定ボルト１
３のボルト部１７に挿通してナツト締めする。こ
の場合、ボルト部１７は、燃料タンク２の側面に
添つて下向する固定バンド９の傾斜方向と並行
し、上記起立部１２に対して直交するので、締付
けブラケツト１１の挿通作業が容易であり、また
ナツト締めによる固定バンド９の緊締力付与も適
確となる。従つて燃料タンク２は固定バンド９に
より収容凹所３内に確実に固定される。

以上説明したとおり本考案によれば、固定ボル
トは、燃料タンクの収納作業時には待避位置を保
つと共に、その収納作業によつて自動的に緊締位
置に回動操作されるので、燃料タンクの収容スペ
ースに余裕がない場合において、燃料タンクの収
納作業が容易となり、しかもその後の固定バンド
の緊締作業も単純化され、作業能率が向上すると
いう効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例による燃料タンク固
定装置の配置を示す商用車の概略断面図、第２図
は燃料タンクの収容凹所部分の断面図、第３図は
固定ボルト付近の側面図、第４図は同正面図であ
る。 １……荷台、２……燃料タンク、３……収容凹
所、９……固定バンド、１０……フツク、１１…
…締付フランジ、１２……起立部、１３……固定
ボルト、１５……水平軸部、１６……軸受けプレ
ート、１７……ボルト部、１８……接合フラン
ジ、１９……操作突部、Ａ……待避位置、Ｂ……
緊締位置。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 燃料タンク上面に掛け渡す固定バンドの自由端
   の締付けブラケツトを、固定ボルトに挿通してナ
   ツト締めすることで固定バンドを緊締する形式の
   燃料タンクの固定装置において、上記固定ボルト
   は、燃料タンク上面から下向する固定バンドの傾
   斜方向に沿う緊締位置と、少なくとも略起立した
   待避位置との間を回動可能かつ、任意位置に自己
   保持可能に取付けると共に、この固定ボルトに操
   作突部を一体形成し、この操作突部は固定ボルト
   の待避位置で燃料タンクの収納移動経路内に臨ま
   せ、燃料タンクの収納作業時、燃料タンクに係合
   する操作突部の回動により固定ボルトが待避位置
   から緊締位置に回動操作されるよう構成したこと
   を特徴とする燃料タンク固定装置。