JPS6139387Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はカメラの多重露出装置、さらに詳しく
いえば、必要時にシヤツタ機構のみをチヤージす
ることができるようにするためのカメラの多重露
出装置に関する。

ラチエツトで巻上爪を送り巻上爪の回転により
フイルムの巻上とシヤツタチヤージをするように
したカメラの二重露出装置では、二重露出を行な
うためにシヤツタチヤージを行なうための動作が
フイルム巻上機構に影響を与えることがしばしば
あつた。

つまりシヤツタチヤージ終了時近辺でラチエツ
ト爪がラチエツトに突き当りフイルムをわずかに
動かしてしまうことがあつた。

そのためにラチエツト爪の影響をなくすための
種々の構成が提案されているがいずれの構成も機
構が複雑で、わずかなスペース内に収容すること
は困難である。

本考案の目的はきわめて簡単な構成で二重露出
のための巻上を可能にするカメラの多重露出装置
を提供することにある。

前記目的を達成するために本考案によるカメラ
の多重露出装置は、シヤツタ巻上軸と、前記軸を
中心に回転可能に設けられているフイルム巻上の
ための巻上歯車と、前記歯車と一体に設けられて
いる巻上ラチエツトカムと、前記歯車と一体に設
けられている巻上解除ラチエツトカムと前記シヤ
ツタ巻上軸と一体に回転し自体前記巻上ラチエツ
トカムに係合可能な方への回転習性が与えられて
いる巻上爪と、前記巻上解除ラチエツトカムに従
動して揺動させられ前記巻上歯車が巻上終了位置
に達したときに、前記巻上爪を前記巻上ラチエツ
トカムから離脱させる巻上解除ラチエツトカム
と、多重露出巻上開始時に前記巻上爪を前記巻上
ラチエツトカムから離脱させる多重露出レバーか
ら構成してある。

上記構成によれば多重露出巻上動作終了時に巻
上爪は巻上ラチエツトカムからはずされるので完
全なシヤツタチヤージのみが行なわれる。

以下照面を参照して本考案による装置をさらに
詳しく説明する。

まず第１図、第７図、代８図を中心に基本的な
構成を説明する。第１図は巻上前の状態で示され
た平面図、第７図は上下の位置関係を示す断面
図、第８図は巻上板と爪の組体を示す図である。
第７図に示されているように巻上軸１は地板に固
定されている軸受２０に回転可能に受けられてお
り、軸１にはスプロケツト歯車９を有するスプロ
ケツトが回転可能に支持されている。前記軸受２
０には巻上歯車５が回転可能に支持されている。
巻上歯車５と一体に巻上ラチエツトカム２５およ
び巻上解除ラチエツトカム２６が設けられてい
る。各カムはそれぞれ120゜ピツチになつてい
る。

巻上軸１の上端には第８図に示す巻上板２と巻
上爪３の組体が固定されている。巻上爪３はばね
４により爪の先端が中心方に向かうように付勢さ
れている。爪３の高さは先に説明した巻上歯車５
の巻上ラチエツトカム２５に対応する位置にあ
る。軸１の直上には図示しない巻上レバー、ある
いはモータ等により回転させられる軸２１が設け
られており、この軸２１にはレバー２２が固定さ
れている。軸２１が第１図に対応する位置で反時
計方に回転させられるとレバー２２が巻上板の２
ａ部を押し回し巻上板を反時計方向に回転させ
る。第１図に示す１８は巻上板１２との関係で巻
上角を規制する巻上回転板２３は逆転防止爪であ
る。

巻上解除レバー１３はばね１４で時計方に回転
力が与えられており、１３ａの部分は巻上解除ラ
チエツトカムの高さにあり曲げ起された１３ｂの
部分は巻上爪３に固定されているピン１１と係合
し得る高さにある。

この装置において巻上板２が回転させられると
巻上軸１が回転させられ、この軸が120゜以内の
一定角度回転させられると、図示しないシヤツ
タ、ミラー機構等が巻上セツトされる。

巻上板２の巻上爪が巻上歯車５の巻上ラチエツ
トカム２５に結合しこれを回転させると、第６図
に示す、歯車５、歯車６、歯車７、歯車１０の系
列でスプールが、同５，６，７，８，９の系列で
スプロケツトが回転させられて、フイルム巻上が
行なわれる。

なお巻上板２には軸１を介して図示しないばね
により時計方向への復帰習性が与えられている。

以下第１図、第２図、第３図を中心に多重露出
を行なわない通常巻上の動作を説明する。

第１図は巻上開始前の状態を示している。

第１図の状態で巻上板２が時計方向に回転させ
られると、巻上爪３の３ａ部が巻上ラチエツトカ
ム２５の２５ａに結合し、歯車５が反時計方向に
押し回される。第２図は巻上板が約45゜回転させ
られた状態を示している。

この回転により、巻上解除レバーの１３ａは巻
上解除ラチエツトカムのカム面２６ｄにより押し
出され反時計方向にわずかに回転させられる。

巻上板２がさらに回転させられ第３図の位置に
達すると、巻上解除レバー１３の１３ａ部がカム
面２６ｄからはずれて、２６ｄに沿つて落ち込ん
で時計方向に回転し、１３ｄが巻上爪３のピン１
１を押して爪３を時計方向に回転させて３ａ部を
２５ａ部から離脱させて巻上、シヤツタチヤージ
を終了する。

なおこのとき逆転防止爪２３は上側のラチエツ
ト歯と係合し、巻上歯車５の逆転を阻止してい
る。回転軸２１を巻上当初位置に復帰させると巻
上板２は第第１図の位置に復帰する。

次に第４図、第５図を参照して多重露出のため
の巻上動作、つまりフイルム巻上を行なうことな
くシヤツタ、ミラー等をチヤージする動作につい
て説明する。

第４図に示すように多重露出制御用のボタン１
７を押すと多重露出レバー１５は、ばね１６に逆
つて時計方向に押し回される。その結合レバー１
５の１５ａの面が巻上爪３に植立されているピン
１１を押して巻上爪３を反時計方に回転させ、３
ａ部を上側ラチエツト歯の２５ａ部に係合できな
い位置まで移動させる。

この状態で巻上板２を反時計方に回転させる
と、ピン１１はしばらくの間、つまり先端３ａが
図中の２５ａの位置を越えるまで１５によつて押
されているから巻上板２と軸１のみが回転し、歯
車５は回転させられない。巻上板２が回転しピン
１１が１５ａの拘束から離脱するときは爪の先端
は第４図の２５ａの位置を通過しており、爪３の
内部の腹の部分で巻上ラチエツトカム２５の２５
ｃ面に接触する。（第５図） しかしこの接触により巻上ラチエツトカム２５
には何等の回転力は与えられない。第５図の位置
からさらに巻上板２が回転させられると巻上解除
レバー１３の１３ｂ部にピン１１が接触し、巻上
板２の回転にしたがつて巻上爪４は時計方向に回
転させられて二重露出のための巻上終了時には完
全に巻上ラチエツトカムから離脱させられた位置
となつている。この状態における各要素の関係位
置は第３図の状態と同じである。

回転軸２１を巻上当初位置に復帰させると、巻
上板１は第４図の位置に復帰する。

本考案による装置は以上のように構成されてい
るので、きわめて簡単な構成であるが完全な多重
露出機構を有する。

歯車５、ラチエツトカム２５，２６を一体に設
けてあるので角度の割出しも正確になり、部品点
数も少なく組立も容易である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案によるカメラの多重露出装置の
実施例を示す図であつて巻上前の位置関係を示し
ている。第２図は巻上中の位置、第３図は巻上終
了位置、第４図は多重露出のための切換状態位
置、第５図は多重露出のための巻上中の位置をそ
れぞれ示す図である。 第６図は巻上系統の輪列を示す図、第７図は高
さ方向の関係を説明するための断面図、第８図は
巻上板と巻上爪の組立を説明するための図であ
る。 １……巻上軸（シヤツタ）、２……巻上板、３
……巻上爪、４……爪ばね、５……巻上歯車、
６，７，８……伝達歯車、９……スプール歯車、
１０……スプロケツト歯車、１１……巻上爪ピ
ン、１２……巻上爪軸、１３……巻上解除レバ
ー、１４……ばね、１５……多重露出レバー、１
６……多重露出レバーばね、１７……多重露出ボ
タン、１８……巻上角制限板、２０……軸受、２
１……回転軸、２２……レバー、２３……逆転防
止爪、２４……逆転防止爪ばね、２５……巻上ラ
チエツトカム、２６……巻上解除ラチエツトカ
ム。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. シヤツタ巻上軸と、前記軸を中心に回転可能に
   設けられているフイルム巻上のための巻上歯車
   と、前記歯車と一体に設けられている巻上ラチエ
   ツトカムと、前記歯車と一体に設けられている巻
   上解除ラチエツトカムと、前記シヤツタ巻上軸と
   一体に回転し自体前記巻上ラチエツトカムに係合
   可能な方への回転習性が与えられている巻上爪
   と、前記巻上解除ラチエツトカムに従動して揺動
   させられ前記巻上歯車が巻上終了位置に達したと
   きに、前記巻上爪を前記巻上ラチエツトカムから
   離脱させる巻上解除レバーと、多重露出巻上開始
   時に前記巻上爪を前記巻上ラチエツトカムから離
   脱させ多重露出レバーから構成したカメラの多重
   露出装置。