JPS6139015B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、えびせんべいの製造法に係り、特
に、えび特有の味と香りに富み、且つ食感のソフ
トなえびせんべいの製造法に関する。

えび（海老）は、古くより日本人の食生活に馴
染んで来ている食品の一つであり、その味、香り
ともに良く知られ、良質タンパク質等を含有する
栄養価の高い食品として広く食されているもので
ある。このえびを使つた従来よりみられるえびせ
んべいは、近海で漁獲された生えびに小麦粉等の
つなぎ材を添加して単に焼型で焼き上げるか、油
揚げするものがほとんどであり、原材料となる生
えびの漁獲量の減少にともなつて商品価額が高く
なつているばかりか、同一の製法により永年の間
消費されて来た反面、商品としての目新しさに欠
ける感があり、商品イメージとその食味の古いも
のであつた。

一方、魚介類を原材料とする食品には、近年鱈
の擂身を使用するものが多くみられるところであ
る。特に、スケトウ鱈の擂身は蒲鉾や竹輪等魚介
練製品をはじめ、広く利用されているところであ
るが、これは鱈の擂身が他の魚介類と良く調和す
ることと、鱈が多量に漁獲され、低廉な原材とし
て安定供給され得ることによつている。

本発明は、これらの事情に着目して改良発明し
たものであり、供給の安定した鱈と栄養価のある
えびの擂身を主原料とする新しいえびせんべいを
開発し、食感がソフトでえびの味と香りに富んだ
えびせんべいを大量に生産し得る製造法を目的と
するものであり、ボイル後脱水されたえびの擂身
と、ボイル後脱水された鱈の擂身を合わせ、えび
特有の味と香りを増すべく乾燥した或いは擂身の
アミ（〓）等の小えびを加わえ、更に小麦粉とパ
ン粉とを混合して水分含有率約30％の各材料が不
定形の略粒状に混合されたせんべい種を作り、前
記せんべい種の一定量を、略開きえび形等の所定
形状の凹所を有する200〜230℃程に加熱された雌
型に入れ、前記雌型の凹所に少許の間隙をもつて
嵌合する凸所を有し雌型と同様に加熱された雄型
にて押圧して焼成加工するもので、加熱された雌
雄の焼型の押圧により、パン粉等が膨張して食感
のソフトなえびせんべいを得る製造法を提供しよ
うとするものである。

次に、本発明の好適な実施例を添付図面を参照
しながら詳細に説明する。

えびせんべい種は、えびの擂身と鱈の擂身を合
わせ、次に乾燥したアミ等の小えびを加えた後、
更に小麦粉とパン粉を撹拌混合機により混合す
る。

これら材料の混合比率の一例を示すに、 えびの擂身 20％ 鱈の擂身 40％ 乾燥したアミ等の小えび ５％ 小麦粉 30％ パン粉 ５％ とする。

えびの擂身は、生えびをボイルした後、次に脱
水処理したえびを擂潰機にかけて擂身とする。鱈
の擂身は、スケトウ鱈を一旦ボイルした後、脱水
処理して擂潰機にかけて擂身とする。これら擂身
とされたえびと鱈を撹拌混合機に入れ、次いで、
えび特有の味と香りを増すべく乾燥した或いは擂
身となつたアミ等の小えびを加わえ、更に水分調
整とつなぎ材を兼ねる分麦粉とパン粉を入れて、
上記撹拌混合機により混合する。適宜時間の撹拌
混合により、上記した各材料は不定形の略粒状を
呈しつつ全体に混合され、水分含有率約30％のせ
んべい種となる。この水分含有率を約30％とする
のは、次工程の焼成加工時にえびせんべいの形状
を毀損することなく程良く焼き上げるためのもの
であり、せんべい種の水分が高いと、焼成加工時
にせんべい種は大きく膨張しすぎて、ばらばらの
断片形となつてしまい、略開きえび形の形状に成
形されないことによる。

続いて、上記せんべい種を焼成加工してえびせ
んべいとするに、加熱された雌雄の焼型にて焼き
上げる。えびを中央より割裁して左右に開いた略
開きえび形の凹所を形成し、ガスバーナー等で下
方より加熱されて200〜230℃程に加熱された雌型
の凹所に、上記せんべい種の一定量を入れる。そ
して、前記雌型の凹所に少許の間隙をもつて嵌合
する凸所を形成し、電気加熱部材等を内設して雌
型と同様に加熱された雄型を上方より所定時間押
圧する。雌雄の焼型により、せんべい種は、第１
図に示した如く、略開きえび形に焼成されると共
に、せんべい種中のパン粉等が膨脹して食感のソ
フトな、薄いえびせんべい１となる。

このえびせんべい１は、略開きえび形の外形を
有し、全体に薄く扁平板状であり、また、このえ
びせんべい中に、えびの擂身、鱈の擂身、小えび
及びパン粉等の材料がそれぞれ、不定形の略粒子
状を呈しつつ全体に混入されていて、えびの味と
香りに富み、且つ食感のソフトなものであつた。

更に、上記のえびせんべい１は、えびを加えた
バツター（調味衣液）を塗布した後、油揚げ加工
することにより、第２図に示すような、より一層
えびの風味に富んだ油揚げせんべいとすることが
可能である。

バツター（調味衣液）の配合比率の一例を示す
に、バツターは、 小麦粉 85 ％ 澱 粉 1.7％ 卵白粉末 1.7％ 食 塩 0.1％ ステビア（合成甘味料） 少量 グルソー 1.5％ えびの擂身 10 ％ オレンジ色素材 微量 に、適量の水を加えて、全材料を混練してなる。
衣液状に混練されたバツターは塗布装置（図示せ
ず）に収容する。前記バツターを収容した塗布装
置に対して、上記えびせんべい１を投入し、塗布
装置内を移送させると、えびせんべい１の全面に
バツター２が塗布される。次いで、任意長尺のフ
ライヤー（図示せず）内へバツター２を塗布した
えびせんべい１を投入移送して油揚げ加工をな
す。

フライヤーは、収容された油中を循環駆動する
ネツトコンベヤーを内設する。フライヤーに収容
された食油は、大豆油50％と菜種油50％の配合と
する。また、フライヤーは、ガスバーナー等の加
熱機により加熱されるも、フライヤーの搬入部油
温は約180℃の中高温とし、フライヤーの中央部
油温は約170℃と低温にし、フライヤーの搬出部
油温は約185℃の最高温に加熱するものとする。
このようにフライヤーの油温を適宜変えるのは、
えびせんべいとバツターとが油揚げされる油温が
夫々に異なり、これらを全てむらなく油揚げする
ためであると共に、バツターを塗布したえびせん
べい中の水分を十分に抜き取り、堅い食品に油揚
げするためのものである。特に、フライヤー搬出
部における油温を最高温約185℃とすることによ
り、被油揚物をカリツト堅く揚げることのできる
ものである。逆にフライヤー搬出部の油温を低く
した場合には、被油揚物は油を吸収してしまい、
食感が悪く且つ日持ちのしないベタツク油揚食品
となるものである。

上記フライヤーのネツトコンベヤーにバツター
２を塗布したえびせんべい１を順次載置すると、
ネツトコンベヤーの循環駆動により、前記えびせ
んべいはフライヤーの搬入部より中央部を進み、
えびせんべい１とバツター２の夫々が程良く油揚
げされると共に、含有する水分を十分に抜き取ら
れ、フライヤーの搬出部において堅くカリツト油
揚げ加工される。該えびせんべいは、油揚げ加工
中に外気に触れることなく油中を前進し、約４分
間の油揚げ時間をもつて、水分含有率約５％以下
の堅く油揚げされたえびせんべいの天ぷら食品３
となつた。

この天ぷら食品３は、全体に略赤橙色を呈し、
えびの味と香りに富み、且つ口当りの良い製品と
なつた。

以上述べたように本発明によれば、えびの擂
身、鱈の擂身、小えび及びパン粉等の材料がそれ
ぞれ、不定形の略粒子状を呈しつつ全体に混入さ
れていて、食感がソフトでえびの味、香りに富ん
だえびせんべいを大量に生産でき、一般の需要者
に安価に提供できる等の効果を有するものであ
る。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の製造法によつて製造されたえび
せんべいと、えびせんべいの天ぷら食品の一例を
示すもので、第１図はえびせんべいの正面図、第
２図はえびせんべいの天ぷら食品の一部を省略し
て示す斜視図である。 １……えびせんべい、２……バツター、３……
えびせんべいの天ぷら食品。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 生えびをボイルした後、脱水処理してから擂
   り潰したえびの擂身と、スケトウ鱈をボイルした
   後、脱水処理してから擂り潰した鱈の擂身と、を
   撹拌混合したものに、乾燥、或いは擂り潰したア
   ミ等の小えびを加え、更にこの中に小麦粉と、パ
   ン粉と、を加えて撹拌混合し、水分約30％のせん
   べい種となし、該せんべい種の一定量を所定形状
   を有する、加熱された雌型と雄型にて焼成加工し
   て成るえびせんべいの製造法。