JPS6138663Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、張込ホツパーを介し、取出槽内へ未
乾燥籾を直接搬入せしめる際に、吸引排風機の吸
引作用で張込ホツパーの落下口直下に設けた吸気
窓より吸引排風機に向かつて流通する選別風を起
風せしめて籾中に混入された細塵は勿論のこと大
きな藁や切穂を悉く吸引除去せしめて良好な乾燥
作業を営ませた吸引式籾乾燥機における籾張込時
の塵埃選別装置に関する。

近時、籾の収穫作業はコンバインやバインダー
等によつて営まれる関係で、籾中には多くの細塵
は勿論のこと大きな藁や切穂が混入され、これ等
をその侭乾燥機へ搬入せしめた際には、前記塵埃
の混入作用で乾燥作業に多くの不都合を生じ、良
好な乾燥籾が得られないことは良く知られてい
る。そこで従前にあつては、収穫された籾を乾燥
機へ搬入せしめる前には粗選機を通して塵埃の除
去を行うようにしているか、上述の粗選機をわざ
わざ設けることは経済的負担が大きい許りでな
く、大きな塵埃が除去できずどうしても乾燥機内
に塵埃が投入される結果を招き、そのため、乾燥
作業に種々の不都合を生じさせる事態を発生させ
るのでこれが改善を強く望まれていた。

本考案は前記に鑑み、大きな藁や切穂および多
くの細塵を含んだ未乾燥籾といえども張込ホツパ
ーを介して取出槽内へ搬入せしめる際に張込ホツ
パー直下の吸気窓から吸引排風機に向け流通する
吸引選別風により正確な風選別作用を受けさせ、
藁や切穂は勿論のこと細塵迄も悉く吸引除去し、
乾燥機本体内への搬入を防止して良好な乾燥作業
の遂行を図ると同時に手間や経費のかかる粗選前
処理作業を廃止させた吸引式籾乾燥機における籾
張込時の塵埃選別装置を提供しようとしたもので
あつて、以下に本考案装置の構成を添附図面に示
された好適な一実施例について説明する。

１は全体を略密閉状となるように形成した乾燥
機本体であつて、上記乾燥機本体１内には上部よ
り調質槽２、通風乾燥胴３および取出槽４を順次
下方に向け立体的に重積し、上記通風乾燥胴３内
には乾燥機本体１の前面に配設した蒸気発生胴５
と連通する噴気枠６と下端が取出槽４と連通する
排気枠７とを籾流路８を介して交互に複数列縦設
せしめる。取出槽４の底部には搬出スクリユー９
が横架され、これが一端は昇降機１０の下部に接
続され、昇降機１０の上部は調質槽４の上部に配
設された搬入装置１１に接続されている。籾流路
８の下部には繰出しロール１２が回転自在に軸架
されている。上述のように構成された取出槽４の
前壁１３には開閉蓋１５を枢支した張込ホツパー
１４を、又後壁１６には吸引排風機１７を夫々対
向する如く装着せしめると共に、上記張込ホツパ
ー１４の落下口１８直下の前壁１３には適当大き
さの吸気窓１９を開口させ、該吸気窓１９は開閉
自在の開閉弁２０によつて開閉塞されるようにな
つている。２１は熱気発生胴５の始端側に開口さ
せた吸気口であつて、該吸気口２１は開閉蓋２２
の装着、取外し操作で開閉口されるものである。

次に本考案の作用について説明する。

今、図において熱気発生胴５の吸気口２１を開
閉蓋２２で閉口させると共に開閉蓋１５および開
閉弁２０を開いた状態の下で吸引排風機１７、搬
出スクリユー９、昇降機１０および搬入装置１１
を始動させると共に、張込ホツパー１４内に大き
な藁、切穂および細塵を含んだ未乾燥籾を投入す
れば、上述吸引排風機１７の吸引作用は熱気発生
胴５の吸気口２１が閉口されているので吸気窓１
９に主として働き一部は張込ホツパー１４に働
く。その結果、取出槽４内には吸気窓１９より吸
引排風機１７に向かつて吸引選別風が流通される
ことになるので、張込ホツパー１４の落下口１８
から取出槽４内に落入する籾は上述吸引選別風に
乗つて風選作用を受け、籾中に混入された大きな
藁や切穂は勿論のこと多くの細塵は籾と分離され
上記塵埃を選別風と共に吸引排風機１７により機
外へ集中排塵され、籾のみが取出槽４内に落下さ
れる。従つて張込ホツパー１４を経て次々と取出
槽４内へ搬入される籾は総て上述の吸引選別作用
で塵埃の除去が達成される。塵埃が除去された籾
は次いで搬出スクリユー９、昇降機１０および搬
入装置１１を経て調質槽２内へ搬入され、一定量
の籾を搬入せしめる。この様にして所定量の籾が
調質槽２および籾流路８内に充填されたら、張込
ホツパー１４への籾の搬入作業を停止し、開閉蓋
１５により張込ホツパー１４を、開閉弁２０で吸
気窓１９を夫々閉口させると同時に熱気発生胴５
の吸気口２１より開閉蓋２２を取外して吸気口２
１を開口させ、熱気発生胴５内に熱気を発生させ
ると共に繰出しロール１２を更に回転させる。さ
すれば、吸引排風機１７の吸引作用は熱気発生胴
５に働き、発生した熱気を吸気口２１より吸引す
る外気と共に噴気枠６、籾流路８および排気枠７
に亘つて流通させ、繰出しロール１２により順次
堅流下する籾に沿びせて乾燥作業を営ませ、取出
槽４内へ落下せしめた後、再び、搬出スクリユー
９、昇降機１０および搬入装置１１を経て調質槽
２に返流する循環作用を行わせると共に乾燥に供
された排熱風を取出槽４を経て吸引排風機１７で
機外へ排出させる。上述のように排熱風が取出槽
４内を流通する際に乾燥籾と接触し、乾燥作業中
に発生した塵埃を風選別して、これを機外に排出
せしめる。

要するに本考案は、前述のような構成を具備せ
しめたから、籾の張込作業時に熱気発生胴５の吸
気口２１の開閉蓋２２で閉口し、吸気窓１９を開
閉弁２０の操作で開口させると共に吸引排風機１
７を始動させることで取出槽４内に吸気窓１９よ
り吸引排風機１７に向かつて流通する吸引選別風
を起風させて、張込ホツパー１４より取出槽４内
へ搬入せしめた未乾燥籾を風選別させることがで
きる。

従つて本考案装置によれば、張込ホツパー１４
内に投入される未乾燥籾中に多くの細塵や大きな
藁や切穂等が混入されていても上述流通する吸引
選別風で悉く吸引選別して機外に集中排塵させ、
乾燥機本体１内に混入されるのを確実に防止でき
るから、乾燥作業を良好に遂行させることができ
る許りか、吸気口２１を開口させ、張込ホツパー
１４や吸気窓１９を開閉蓋１５や開閉弁２０で閉
口せしめれば、乾燥風を噴気枠６、籾流路８、排
気枠７および取出槽４の順に流通させて籾の循環
作業を容易に達成させることができる効果を奏す
る。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案装置の一実施例を示すものであつ
て、第１図は縦断正面図、第２図は一部を破断し
た側面図である。 １……乾燥機本体、２……調質槽、３……通風
乾燥胴、４……取出槽、５……熱気発生胴、６…
…噴気枠、７……排気枠、８……籾流路、１３…
…取出槽の前壁、１４……張込ホツパー、１５…
…開閉蓋、１６……取出槽の後壁、１７……吸引
排風機、１８……張込ホツパーの落下口、１９…
…吸気窓、２０……開閉弁、２１……熱気発生胴
の吸気口、２２……開閉蓋。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 略密閉状をなした乾燥機本体内に、調質槽、通
   風乾燥胴および取出槽を順次立体的に重積し、上
   記通風乾燥胴内には熱気発生胴と接続する噴気枠
   と取出槽に接続する排気枠とを籾流路を介して縦
   設したものにおいて、前記取出槽の前後壁には開
   閉蓋を備えた張込ホツパーと吸引排風機とを夫々
   対向する如く装着し、上記張込ホツパーの落下口
   直下の前壁には開閉弁を設けた吸気窓を開口せし
   めると共に、熱気発生胴の吸気口には開閉蓋を設
   けたことを特徴とする吸引式籾乾燥機における籾
   張込時の塵埃選便装置。