JPS6120476Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、一個の吸塵箱を使用して籾の搬入作
業時および循環乾燥作業時は勿論のこと乾燥籾の
排出作業時にあつても籾中に混入した塵埃を能率
的に吸引除去し、これを機外へ集中排塵させるこ
とができる籾乾燥機における塵埃除去装置に関す
る。

近時、籾の収穫作業をコンバイン等の収穫機に
より能率的に行うため、収穫された籾中には多く
の塵埃が含まれており、塵埃を含んだ籾をそのま
ま乾燥機に投入して籾乾燥作業を遂行せしめた際
には塵埃のため均等な流下作用を達成できないこ
とで均一な含水率の籾が得られない許りか、乾燥
籾をスロワー装置を介し、適宜の場所へ跳ね上げ
移送させた場合には乾燥籾中に混入された塵埃が
作業場は勿論のこと集積場に飛散し甚だ不衛生と
なる外、作業能率が著しく減退されるという欠点
が生じることは一般によく知られており、これが
籾中の塵埃を除塵するために、乾燥機の一側にバ
ケツトを内装した揚穀機を付設し、該揚穀機頂の
部吐出室にフアンの吸込口を接続し、吐出室の上
部接続部から離れた箇所を、多数の小孔を有する
空気流入口を介して外気に連通せしめて、揚穀機
から搬入樋に供給する過程で籾中の塵埃を除塵せ
しめた揚穀機における除塵装置は本出願前例えば
実開昭55−23373号公報に記載されていて公知で
ある。

ところで、従前のこの種装置は、籾中に混入し
た塵埃の除去を、単に揚穀機から搬入樋に供給す
る過程のみで行つていたから、除塵効果が少な
く、特に乾燥籾をスロワー装置により機外の任意
場所へ搬送せる作業時にあつては、スロワー筒の
筒端より揚穀風と共に、塵埃が勢いよく周囲に噴
散され作業を不衛生状態ならしめるは勿論のこ
と、作業能率が減退されるという問題が解決でき
なかつた。

そこで本考案は、籾の搬入作業時および循環乾
燥作業時には搬入樋を吸塵箱に接続せしめて、搬
送過程の籾中に混入した塵埃を吸引除去し、又乾
燥籾の排出時には吸塵箱と搬入樋との接続を断つ
と同時に吸塵箱とスロワー装置とを接続状態にし
て機外に排出されようとした籾中の塵埃を能率的
に吸引除去し、もつて籾中に混入した塵埃を除去
して精選籾のみをスロワー装置により機外へ排出
させることができるという目的をもつた籾乾燥機
における塵埃除去装置を提供して、上記の問題を
解決したものである。

本考案は前記に鑑み、上記目的を達成させるた
め、その構成を、一側に昇降機を付設した乾燥機
本体の頂部に、該昇降機の排出樋と接続する搬入
樋を横設し、該搬入樋には主吸塵口を介して搬入
樋と連通せしめた吸塵箱ご配設し、上記吸塵箱は
さらに副吸塵口と吸塵筒を介し、乾燥籾排出用の
スロワー装置に接続し、上記吸塵箱内には主、副
吸塵口を交互に切替え開閉口させる切替開閉弁を
往復移動自在に収納せしめると共に、前記切替開
閉弁と、搬入樋とスロワー装置の供給筒の接続口
を交互に開閉口せしめる擺動切替弁とを主吸塵口
が開口した時に、副吸塵口および接続が閉口し、
又副吸塵が開口された時に、主吸塵口が閉口し、
接続口が開口されるように連動リンク杆により連
結したことを特徴とする籾乾燥機における塵埃除
去装置としたたものである。

本考案装置を添附図面に示された好適な一実施
例について説明する。

図面において、１は搬入された籾に熱風を浴び
せて、これを所定含水率となるよう乾燥させる乾
燥機本体であつて、乾燥機本体１の頂部には搬入
スクリユー３を回転自在に収蔵横架した搬入樋２
を設けると共に、乾燥機本体１の一側には昇降機
４を付設し、該昇降機４の排出樋５を搬入樋２の
供給始端側に接続せしめる。そして排出樋５が接
続する搬入樋２の底壁６には接続口７を開口させ
ると共に、この接続口７部にはスロワー装置８の
供給筒９の上端が接続されており、然かも前記接
続口７は、開き勝手に弾発されるよう枢着された
擺動切替弁１０により開閉口せられる。搬入樋２
上の適所には一側に吸引排風機１２を備えた吸塵
箱１１が配設され、該吸塵箱１１は主吸塵口１３
を介して搬入樋２と、又副吸塵口１４および一端
がスロワー装置８の適所に接続された吸塵筒１５
を経てスロワー装置８とにそれぞれ接続されてい
る。そして上記の吸塵箱１１内には、擺動切替弁
１０により接続口７を閉口した際には、副吸塵口
１４を閉口せしめると共に主吸塵口１３を開口
し、又接続口７が擺動切替弁１０により開口され
た際には主吸塵口１３を閉口すると同時に副吸塵
口１４を開口するように擺動切替弁１０と連動リ
ンク杆１７……を介して連結された切替開閉弁１
６を往復移動できるように収納されている。

１８は擺動切替弁１０を上下方向に擺動させる
ための牽引杆である。

次にその作用について説明する。

今、籾の搬入作業時或は籾の循環乾燥作業時
に、籾中に混入した塵埃を速かに吸引し、これを
機外へ集中排塵させたい場合には牽引杆１８を牽
引して擺動切替弁１０により接続口７を閉口させ
れば、連動リンク杆１７……の作動で切替開閉弁
１６も移動し、副吸塵口１４を閉口し、主吸塵口
１３を開口して搬入樋２と吸塵箱１１とを接続状
ならしめる（第２図参照）。

この様に調整したら搬入スクリユー３および昇
降機４、ならびに吸引排風機１２を運転させれば
昇降機４より排出樋５に排出された籾は搬入樋２
内を搬入スクリユー３で搬送された後、乾燥機本
体１へ搬入される籾の搬入作業或は循環作用を営
み、乾燥機本体１内を竪流下する間に熱風を浴び
て乾燥される。

そして上述のように籾が搬入樋２内を排出側に
向け搬送される過程にあつては、主吸塵口１３よ
りの吸引作用で搬入樋２内には吸塵箱１１に向か
つて負圧気流が働いているので、搬入籾中に混入
されていた塵埃は速かに負圧気流に乗つて籾と分
離され、塵埃は吸引排風機１２により機外遠方へ
向け集中排塵される。

又、乾燥籾をスロワー装置８を介し、適宜の場
所へ移送させる過程で塵埃を除去したい場合に
は、第３図に示す如く、牽引杆１８の操作で擺動
切替弁１０を擺動して接続口７を開口させれば、
該擺動切替弁１０の擺動操作で切替開閉弁１６も
自動的に移動し、主吸塵口１３を閉じ、副吸塵１
４が開かれる。そこで昇降機４および吸引排風機
１２ならびにスロワー装置８を運転すれば、昇降
機４より排出樋５、接続口７、供給筒９を経てス
ロワー装置８に供給された乾燥籾はスロワー装置
８で能率的に移送されると共に乾燥籾中に混入し
た塵埃は吸塵筒１５、副吸塵口１４を介して吸塵
箱１１に向かつて流れる負圧気流に乗つて速やか
に分離吸引され、機外遠方へ向け集中排塵される
と共に、精選乾燥籾のみがスロワー装置８により
機外の任意場所へ排出される。

従つて、籾の搬入作業時或は循環乾燥作業時は
勿論のこと、乾燥籾の排出時に際しても一台の吸
塵箱１１によつて、籾中の塵埃が能率的に除去さ
れるので、衛生循環条件のもとで均一な乾燥作業
を行うことができる。

要するに本考案は、一側に昇降機４を付設した
乾燥機本体１の頂部に、該昇降機４の排出樋５と
接続する搬入樋２を横設し、該搬入樋２には主吸
塵口１３を介して搬入樋２と連通せしめた吸塵箱
１１を配設し、上記吸塵箱１１はさらに副吸塵口
１４と吸塵筒１５を介し乾燥籾排出用のスロワー
装置８に接続し、上記吸塵箱１１内には主、副吸
塵口１３，１４を交互に切替え開閉口させる切替
開閉弁１６を往復移動自在に収納せしめると共
に、前記切替開閉弁１６と搬入樋２とスロワー装
置８の供給筒９との接続口７を交互に開閉口せし
める擺動切替弁１０とを、主吸塵口１３が開口し
た時に副吸塵口１４および接続口７が閉口し、又
副吸塵１４が開口された時に、主吸塵口１３が閉
口し、接続口７が開口されるように連動リンク杆
１７により連結したから、昇降機４と搬入樋２と
を接続状態として籾の搬入作業或は籾の循環搬入
作業を行わせた時には、主吸塵口１３を介して搬
入樋２と吸塵箱１１とを接続状ならしめて搬送籾
中の塵埃を速かに吸引除去せしめ、又、昇降機４
を接続口７の開口操作で供給筒９を経て直接スロ
ワー装置８と接続して乾燥籾をスロワー装置８に
より排出させる作業時にあつては、吸塵箱１１と
スロワー装置８とを副吸塵口１４および吸塵筒１
５を介し接続状態として、乾燥籾中の塵埃も一台
の吸塵箱１１により集中排塵し、精選乾燥籾とし
て排出させることができ、もつて、衛生的循環条
件のもとで均一な乾燥籾が得られる乾燥作業を能
率的に達成できる効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案装置の一実施例を示すものであつ
て、第１図は一部を切欠した全体の斜視図、第２
図は籾の搬入作業時或は循環乾燥作業時における
一部切欠した縦断拡大正面図、第３図は乾燥籾の
排出作業時における縦断拡大正面図である。 １……乾燥機本体、２……搬入樋、４……昇降
機、５……排出樋、７……接続口、８……スロワ
ー装置、９……供給筒、１０……擺動切替弁、１
１……吸塵箱、１３……主吸塵口、１４……副吸
塵口、１５……吸塵筒、１６……切替開閉弁、１
７……連動リンク杆。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 一側に昇降機を付設した乾燥機本体の頂部に、
   該昇降機の排出樋と接続する搬入樋を横設し、該
   搬入樋には主吸塵口を介して搬入樋と連通せしめ
   た吸塵箱ご配設し、上記吸塵箱はさらに副吸塵口
   と吸塵筒を介し、乾燥籾排出用のスロワー装置に
   接続し、上記吸塵箱内には主、副吸塵口を交互に
   切替え開閉口させる切替開閉弁を往復移動自在に
   収納せしめると共に前記切替開閉弁と、搬入樋と
   スロワー装置の供給筒との接続口を交互に開閉口
   せしめる擺動切替弁とを主吸塵口が開口した時に
   副吸塵口および接続口が閉口し、又副吸塵口が開
   口された時に主吸塵口が閉口し接続口が開口され
   るように連動リンク杆により連結したことを特徴
   とする籾乾燥機における塵埃除去装置。