JPH0448479Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、循環乾燥作業時に循環流動される籾
の一部が搬入樋と乾燥籾排出樋との接続位置に滞
留される事態が発生しても、該滞留籾を排塵機の
運転により生じた通気作用で、これを速かに乾燥
せしめて、乾燥籾排出作業時に未乾燥籾が乾燥籾
と一緒に機外に排出されるのを未然に防止せしめ
ることができる籾乾燥機に関する。

従来の技術 従来、一個の吸塵箱を使用して籾の搬入作業時
および循環乾燥作業時は勿論のこと乾燥籾の排出
作業時にあつても籾中に混入した塵挨を能率的に
吸引除去し、これを機外へ集中排塵させることが
できる籾乾燥機における塵埃除去装置は本出願前
例えば実公昭61−20476号公報に記載されて知ら
れており、これを第３図および第４図について説
明する。すなわち、一側に昇降機３を付設した乾
燥機本体１の頂部に、該昇降機３の排出樋４と接
続する搬入樋２を横設し、該搬入樋２には主吸塵
口６を介して搬入樋２と連通せしめた吸塵箱５を
配設し、上記吸塵箱５はさらに副吸塵口８と吸塵
筒７を介し乾燥籾排出用のスロワー装置９に接続
し、上記吸塵箱５内には、主、副吸塵口６，８を
交互に切替え開閉口させる切替開閉弁１０を往復
移動自在に収納せしめると共に前記切替開閉弁１
０と、搬入樋２とスロワー装置９の供給筒１１と
の接続口１２を交互に開閉口せしめる擺動切替弁
１３とを主吸塵口６が開口した時に副吸塵口８お
よび接続口１２が閉口し、又副吸塵口８が開口さ
れた時に主吸塵口６が閉口し接続口１２が開口さ
れるように連動リンク杆１４により連結すると共
に吸塵箱５の一側には排塵機１５を設けた構成と
したものである。

考案が解決しようとする問題点 ところで、従前のこの種籾乾燥機における塵挨
除去装置においては、搬入樋と供給筒との接続位
置にどうしても、その構成上、或る面積の空間が
形成される許りか、擺動切替弁も無孔状に形成さ
れているため、接続口を擺動切替弁で閉口させ、
籾を昇降機、搬入樋および乾燥機に亘り循環流動
させて籾の循環乾燥作業を行わせた際には籾の一
部が前記擺動切替弁上に搭載されたまま滞留さ
れ、しかもこの滞留籾には何等の通気作用が与え
られないことで未乾燥状態のまま滞留されること
になり、その結果、接続口を開き、乾燥籾を供給
筒を経て機外に排出せしめようとした際には、上
記未乾燥状態の籾は、乾燥籾と混合された状態の
まま排出された良品質の乾燥籾を得ることができ
ない問題が生じた。

問題を解決するための手段 そこで本考案は、前期問題点を解決するため
に、一側に昇降機１０４を付設した乾燥機本体１
０１の頂部に昇降機１０４の排出樋１０５と接続
する搬入樋１０２を横設する。そして搬出樋１０
５が接続する搬入樋１０２の底部側には接続口１
０７を経て乾燥籾排出樋１０６の上端側を装着す
る。上記搬入樋１０２には吸塵口１１４を介して
搬入樋１０２と連通せしめた排塵機１１２を配設
する。

搬入樋１０２と乾燥籾排出樋１０６との接続位
置に開口された接続口１０７は全面に多数の通気
孔１１０を穿孔した切替弁１０９により開閉口せ
しめた構成としたものである。

作 用 今、籾を乾燥機本体１０１に所定量張込ませ、
これを乾燥させたい時には、先ず切替弁１０９に
より接続口１０７を閉口状態となし、次いで排塵
機１１２、昇降機１０４および搬入樋１０２を共
に運転せしめる。

さすれば、昇降機１０４に供給された籾は、排
出樋１０５より搬入樋１０２内に供給された後、
搬入樋１０２の搬送作用で次々と乾燥機主体１０
１内に張込まれると共に籾中に混入された多くの
塵挨はその搬送過程において排塵機１１２の吸引
作用で乾燥籾排出樋１６の末端側より吸気された
後、切替弁１０９に穿孔された多数の通気孔１１
０……を経て搬入樋１０２および吸塵口１１４を
通つて排塵機１１２に向け流通する選別吸引風に
乗つて籾中より分離収集され、機外に集中排塵さ
れる。以上のようにして所定量の籾が乾燥機本体
１０１に張込まれたら、籾の張込作業を停止し、
乾燥機本体１０１内に張込まれた籾を、乾燥機本
体１０１、昇降機１０４、および搬入樋１０２を
経て順次循環流動せしめながら乾燥する。

ところで、上記のような籾の循環乾燥作業中に
おいては、循環流動中の籾の一部は接続口１０７
を閉口状態に維持するために設けられた切替弁１
０９上に滞留されるが、かかる滞留穀物は排塵機
１１２の吸引作用で生じた選別吸引風を常時浴び
て乾燥される。したがつて、滞留籾が未乾燥状態
となることなく良好に乾燥されるので、乾燥機本
体１０１により乾燥された籾を切替弁１０９の切
替操作で接続口１０７を開き、乾燥籾排出樋１０
６より機外に排出せしめた際にあつても、未乾燥
籾が乾燥籾と共に機外に排出されることが未然に
防止される。

実施例 次に本考案に係る籾乾燥機の一実施例を第１図
および第２図を参照しながら説明する。

１０１は、張込まれた籾に熱風を浴びせ、これ
を所定含水率となるよう乾燥させる乾燥機本体で
あつて、該乾燥機本体１０１の頂部には搬入スク
リユー１０３を回転自在に収蔵横架した搬入樋１
０２を設けると共に、乾燥機本体１０１の一側に
は昇降機１０４を付設し、該昇降機１０４の排出
樋１０５を搬入樋１０２の供給始端側に接続せし
める。そして排出樋１０５が接続する搬入樋１０
２の底部側には乾燥籾排出樋１０６の上端側を接
続すると共に、搬入樋１０２と乾燥籾排出樋１０
６との接続位置には接続口１０７を開口して、両
者を連通状ならしめる。前記接続口１０７は、回
動軸１０８を軸として上下方向に擺動され、しか
も全面に多数の通気孔１１０を穿孔した切替弁１
０９により開閉口せられる。したがつて、閉口状
態とした切替弁１０９と搬入樋１０２との間には
籾が滞留される空室１１１が形成されている。搬
入樋１０２上の適所には、排塵機１１２が配設さ
れており、しかも上記排塵機１１２は搬入樋１０
２の上壁に開口した吸塵口１１４を介して搬入樋
１０２内部と接続する吸塵箱１１３と、吸塵箱１
１３の一側に回転自在に軸架された吸引排風翼車
１１５とにより構成されている。なお乾燥籾排出
樋１０６の下端側はスロワー装置１１５の供給箱
１１６に接続されて、乾燥籾を機外に搬送せしめ
る。

したがつて、本考案に係る籾乾燥機によれば、
循環乾燥作業中において搬入樋１０２内を乾燥機
１０１に向け搬送中の籾の一部が例え多数の通気
孔１１０を穿孔した切替弁１０９上方位置に搬送
されることなく滞留されたとしても、該滞留籾に
排塵機１１２の吸引作用で生じた吸引選別風を常
時浴びせてこれを乾燥させることができ、その結
果、乾燥籾の排出作業時に未乾燥籾が混入排出さ
れるという弊害を未然に防止することができる。

考案の効果 要するに本考案は、前記のような技術的手段を
有するので、循環乾燥作業の始動時に、昇降機１
０４の排出樋１０５より搬入樋１０２を経て乾燥
機本体１０１に向け搬送される籾の一部が搬入樋
１０２と乾燥籾排出樋１０６との接続口１０７を
閉口させるために配設された切替弁１０９上に搬
送されることなく滞留される事態が生じても、該
滞留籾に排塵機１１２の吸引作用で、乾燥籾排出
樋１０６、切替弁１０９に穿孔された多数の通気
孔１１０、および搬入樋１０２を経て排塵機１１
２に向け流通する吸引選別風を浴びせて、これを
ゆつくりと乾燥せしめることができ、その結果、
乾燥籾の排出作業時に未乾燥籾が乾燥籾と共に機
外に排出されるという弊害を未然に防止すること
ができる許りか、搬送樋１０２に沿い乾燥機本体
１０１に向け搬送される籾中に混入された塵埃
も、流通する吸引選別風により風選除去し、塵埃
を含まない状態のもとに乾燥機本体１０１へ供給
して、これを良好に乾燥させることができる効果
を奏する。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る籾乾燥機の一実施例を示す
ものであつて、第１図は一部を切欠した全体の斜
視図、第２は籾の搬入作業時或は循環乾燥作業時
における一部切欠した縦断拡大正面図、第３図お
よび第４図は従来例を示すものであつて、第３図
は一部を切欠した全体の斜視図、第４図は籾の搬
入作業時或は循環乾燥作業時における一部切欠し
た縦断拡大正面図である。 １０１……乾燥機、１０２……搬入樋、１０４
……昇降機、１０５……排出樋、１０６……乾燥
籾排出樋、１０７……接続口、１０８……回動
軸、１０９……切替弁、１１０……通気孔、１１
２……排塵機、１１４……吸塵口。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 一側に昇降機を付設した乾燥機本体の頂部に昇
   降機の排出樋と接続する搬入樋を横設し、上記排
   出樋が接続する搬入樋の底部側には接続口を経て
   乾燥籾排出樋の上端側を装着せしめると共に、搬
   入樋には吸塵口を介して搬入樋と連通せしめた排
   塵機を配設したものにおいて前記接続口は、全面
   に多数の通気孔を穿孔した切替弁により開閉口せ
   しめたことを特徴とする籾乾燥機。