JPS6138515Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、電気掃除機に関するものである。

従来、電気掃除機の集塵ケースにおいて、押釦
と、この押釦の押圧により集塵ケースの前面に形
成された開口を閉塞する前蓋を開放させるクラン
プとを設けたものがある。しかし、このようなも
のは、集塵ケースを前傾姿勢にした塵捨て時に押
圧される押釦を一般の使用時に誤まつて操作して
前蓋を開放することがあることにより、集塵ケー
スにためられた塵埃が不用意に飛散する欠点があ
る。

この考案は、このような点に鑑みなされたもの
で、誤操作による前蓋の開放を防止しうる電気掃
除機を得ることを目的とするものである。

この考案は、集塵ケースの前方に塵捨て用の開
口を形成し、この開口を開閉する前蓋を前記集塵
ケースに取付け、この集塵ケースに外方へ付勢さ
れた押釦をスライド自在に取付け、前記集塵ケー
スに形成された係止爪に係合するとともに前記押
釦の押圧によりその係止爪との係合を解除するよ
うに前記押釦と連結されたクランプを前記前蓋に
スライド自在に取付け、水平位置では前記押釦又
は前記クランプに干渉してこれらの押釦又はクラ
ンプをロツクする第一の位置と前記開口を下側に
向けた前傾姿勢では前記押釦又は前記クランプに
干渉しない第二の位置とに転動体を移動させる前
方上がりの傾斜面を形成したことを特徴とするも
のである。したがつて、前蓋が開いてはならない
集塵ケースの水平状態においては、転動体が第一
の位置に位置して押釦又はクランプをロツクし、
これにより、押釦等に触れても不用意に前蓋が開
いてしまうことがなく、また、チリ捨てのために
集塵ケースの開口を下側に向けた前傾姿勢では転
動体は押釦又はクランプに干渉しない第二の位置
に位置しているので簡単に前蓋を開放させること
ができるように構成したものである。

この考案の第一の実施例を第１図ないし第３図
に基づいて説明する。まず、電動送風機（図示せ
ず）を内蔵した電動ケース１と集塵ケース２とが
着脱自在に取付けられいる。この集塵ケース２に
はフイルタユニツト３を収納する集塵室４と、こ
のフイルタユニツト３により捕捉された塵埃を捨
てるための開口５と、この開口５の上部に位置さ
せて一対の支持部６とが形成されている。これら
の支持部６には前記開口５を閉塞する前蓋７の上
部に保持した軸８が回動自在に保持され、この軸
８には前記前蓋７を開放方向に付勢するスプリン
グ９が保持されている。

そして、前記前蓋７には吸込口１０が形成され
るとともにクランプ１１がスプリング１２により
上方に付勢されつつスライド自在に支持されてい
る。このクランプ１１の下部には前記前蓋７に形
成された切欠１３より突出して前記集塵ケース２
の下部に形成された係止爪１４に係脱自在に係合
されている。

ついで、前記集塵ケース２の上部には把手１５
と後立面１６を有する保持部１７とが形成されて
いる。この保持部１７には球状の転動体１８が前
記後立面１６に位置決めされつつ保持され、この
保持部１７の前部には左右側にガイドリブ１９を
有する前方上りの傾斜面２０が連設形成されてい
る。

また、前記集塵ケース２の上部には押釦２１が
スプリング２２により上方に付勢されつつスライ
ド自在に取付けられている。この押釦２１の前部
の下端は前記クランプ１１の上部に当接するとと
もに後部の下端は前記転動体１８と対向してい
る。そして、前記転動体１８は前記押釦２１をロ
ツクする第一の位置に位置している。

このような構成において、電動送風機を駆動し
た使用中に誤まつて押釦２１を押圧しても、この
押釦２１の後部下端は保持部１７に保持された転
動体１８と対向していることにより、押釦２１は
ほとんど押下げられることはない。したがつて、
クランプ１１が大きく移動して係止爪１４との係
合が解除されて前蓋７が開放されるようなことは
なく、押釦２１の誤操作による集塵室４からの塵
埃の不用意の飛散は防止される。

しかし、塵捨てのために電動ケース１と集塵ケ
ース２とを分離した後に集塵ケース２を持ち上げ
て前傾姿勢にすると、保持部１７の前部に位置す
る傾斜面２０が前方下りに傾斜することにより、
転動体１８はガイドリブ１７あるいは押釦２１の
内周面に案内されて傾斜面２０から側方にはずれ
ることなく自重により転動して押釦２１の後部下
端から離反する。そして、前記転動体１８は前記
押釦２１をロツクしない第二の位置に位置してい
る。したがつて、押釦２１を押圧するとクランプ
１１は移動して係止爪１４との係合を解除して前
蓋７は開放されることにより、開口５より塵埃が
捨てられる。

つぎに、この考案の第二の実施例を第４図に基
づいて説明する。前述した第一の実施例と同一部
分については同一符号を用い説明を省略する。こ
の実施例は保持部１７を押釦２１の前部下端及び
クランプ１１の上部の下側に対向させて設けると
ともに、クランプ１１の上部に傾斜面２０の前部
が挿通される通孔２３を形成したものである。し
たがつて、転動体１８はクランプ１１と押釦２１
との下方への動きを阻止し、意識してクランプ１
１の下部を引いて係止爪１４との係合を解除しよ
うとしても解除されず前蓋７の開放は防止され
る。そして集塵ケース２を前傾姿勢にさせると転
動体１８は転動して通孔２３内に位置してクラン
プ１１と押釦２１との下方への移動を可能にし、
押釦２１を押圧すると前蓋７は開放される。

なお、これらの実施例では移動体１８を球状の
形状に形成したが、ローラ状の形状をしたものを
用いてもよい。

この考案は、上述のように水平位置では押釦又
はクランプに干渉してこれらの押釦又はクランプ
をロツクする第一の位置と開口を下側に向けた前
傾姿勢では押釦又はクランプに干渉しない第二の
位置とに転動体を移動させる前方上がりの傾斜面
を形成したので、前蓋が開いてはならない集塵ケ
ースの水平状態においては、転動体が第一の位置
に位置して押釦又はクランプをロツクし、これに
より、押釦等に触れても不用意に前蓋が開いてし
まうことがなく、また、チリ捨てのために集塵ケ
ースの開口を下側に向けた前傾姿勢では転動体は
押釦又はクランプに干渉しない第二の位置に位置
しているので簡単に前蓋を開放させることができ
るものである。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の第一の実施例を一部切欠し
て示す側面図、第２図はその要部を示す分解斜視
図、第３図はその塵捨て時の状態を示す縦断側面
図、第４図はこの考案の第二の実施例を一部切欠
して示す側面図である。 ２……集塵ケース、５……開口、７……前蓋、
１１……クランプ、１４……係止爪、１７……保
持部、１８……転動体、２０……傾斜面、２１…
…押釦。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 集塵ケースの前方に塵捨て用の開口を形成し、
   この開口を開閉する前蓋を前記集塵ケースに取付
   け、この集塵ケースに外方へ付勢された押釦をス
   ライド自在に取付け、前記集塵ケースに形成され
   た係止爪に係合するとともに前記押釦の押圧によ
   りその係止爪との係合を解除するように前記押釦
   と連結されたクランプを前記前蓋にスライド自在
   に取付け、水平位置では前記押釦又は前記クラン
   プに干渉してこれらの押釦又はクランプをロツク
   する第一の位置と前記開口を下側に向けた前傾姿
   勢では前記押釦又は前記クランプに干渉しない第
   二の位置とに転動体を移動させる前方上がりの傾
   斜面を形成したことを特徴とする電気掃除機。