JPS6110585Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、電気掃除機に関するものである。

ダストケースの上部に把手が形成され下端に開
口が形成された型式のものは、把手を把持し塵埃
を自重で落下させることができる利点が存する
が、開口が下向きのためダストケースを持ち上げ
て他方に手で底蓋のクランプを探しつつ外した
り、ダストケースの底を上側に向けてダストケー
スを保持する手と別の手で底蓋を外さなければな
らず操作が不便である。また、手も汚れ易く、ダ
ストケースを持ち上げたり反転させたりして振動
を与えると残存する塵埃と言えども飛散し不衛生
である。

この考案は上述のような欠点を解消しうる電気
掃除機をうることを目的とするものである。

この考案の一実施例を図面に基づいて説明す
る。電動送風機（図示せず）を内蔵した本体ケー
ス１とダストケース２とが設けられている。ダス
トケース２の内部は吸込口３に連通する集塵室
（図示せず）とされ、その中にはフイルタ（図示
せず）が着脱自在に挿着されているものである。
前記ダストケース２の排気側の一端支壁４には、
前述したフイルタの除塵を行う除塵体５が回転自
在に取付けられているとともに前記本体ケース１
との間の気密を図るパツキング６が嵌め込まれて
いる。また、支壁４の下部両側にはヒンジ片７が
形成されている。これらのヒンジ片７には前記支
壁４の下縁に挿着したパツキング８を介して前記
ダストケース２の開口面を閉止する底蓋９が自ら
の重さにより開放方向へ付勢されつつ回動自在に
取付けられている。すなわち、底蓋９の後縁両側
にはヒンジ片７に対応するヒンジ片１０が形成さ
れている。この底蓋９の前部から両脇にかけて下
面に向けてＵ字状に膨出するそり部１２が形成さ
れ、底蓋前部には旋回輪１５が取付けられ、後縁
中央には前記本体ケース１の吸込側下部に形成し
た固定係止部１３に係脱自在に保持される固定係
止部１４が形成されている。この固定係止部１４
には閉止時において上方へ突出する突片１６が形
成されている。ついで、前記ダストケース２の排
気側の上部には把手１７が形成され、この把手１
７の近傍には第５図にように空間１８が形成さ
れ、この空間１８の排気側はカバープレート１９
に閉塞されている。このカバープレート１９には
可動係止体であるクランプ２０のラツチ部２１が
突出されている。

しかして、前記ダストケース２には前記除塵体
５を囲橈しつつ下方へ延出するリング状の作動体
２２がピン２３と長孔２４とにより上下動自在に
保持されている。この作動体２２の下部中央には
前記底蓋９の突片１６に当接する当接部２５が突
出形成され、下部両側には前記そり部１２の両側
を押圧する脚部２６が形成されている。なお、第
６図のように、前記底蓋６の回動支点２７から底
蓋９の前縁までの距離は大きく、回動支点２７か
ら底蓋９の突片１６が形成された後縁までの距離
ははるかに小さい。また回動支点２７から当接部
２５までの距離より回動支点２７から脚部２６の
先端までの距離ははるかに大きく定められてい
る。前記クランプ２０と前記作動体２２との間に
は圧縮ばね２８が設けられている。

ついで、ロツク機構２９が設けられている。こ
のロツク機構２９は第５図に示すように前記空間
１８にばね３０でロツク方向（浮上方向）に付勢
しつつ回動自在に保持したロツク操作部３１に前
記作動体２２の係止突部３２に係止する係止爪３
３を形成したものである。ロツク操作部３１の先
端は空間１８から突出されている。前記クランプ
２０のラツチ２１はクランピング時に前記本体ケ
ース１の係止孔３４に係止されるものである（第
４図参照）。この係止孔３４の下縁にはストツパ
３５が突出形成されている。このストツパ３５は
第４図に仮想線で示した如く作動体２２の上端と
干渉する位置に定められている。

このような構成において、第１図のようにダス
トケース２と本体ケース１とが連結されている状
態では、ストツパ３５が作動体２２の上昇を防止
しているので、ロツク操作部３１は間違つて押さ
れたとしてもばね３０の力により復帰して作動体
２２をロツクする（第５図参照）。すなわち、ロ
ツク機構２９を解除することはできない。クラン
プ２０を押すとストツパ３５に当るまでの間では
本体ケース１の係止孔３４から外れ、固定係止部
１３，１４を外すことによりダストケース２を分
離することができる。そのクランプ２０を押した
手と同じ手でロツク操作部３１を押圧するとロツ
ク操作部３１はばね３０を撓ませつつ回動し、係
止爪３３は操作部２２を解放する。したがつて、
底蓋９は自重により開放方向に回動し作動体２２
をばね２８の力に抗して押し上げる。これによ
り、ダストケース２の塵埃は自重により落下す
る。さらに、同じ手でクランプ２０を押すと作動
体２２がばね２８の力により下降してその当接部
２５により底蓋９の突片１６を押圧する。これに
より底蓋９は自重に抗して閉止方向へ回動する。
作動体２２が上昇して係止爪３３が係止突部３２
から外れるまでばね３０の力により浮上方向へ復
帰していたロツク操作部３１は、作動体２２の押
圧操作時に係止突部３２に押されてその係止突部
３２に係止爪３３が係止する位置に強制的に回動
させられる。そして、底蓋９の閉止方向の動作の
後期ではそり部１２の後部が脚部２６に押され、
その脚部２６によつて押される部分は当接部２５
によつて押される部分より回動支点２７からの距
離が大きく、閉止方向へのモーメントもストロー
クも大きく、したがつて、底蓋９はダストケース
２の開口縁にパツキング８を圧接しつつ密着し、
気密的に閉止する。そして、ロツク操作部３１と
クランプ２０とは把手１７付近において接近して
配列されているため、把手１７を把持した手と同
じ手の親指と人差指とを互いに使い分ける程度の
操作で簡単に操作することができる。また、底蓋
９の回動支点２７は後縁側に大きく寄せてあるた
め、底蓋９の自重は開放方向への駆動力として有
効に作用する。これにより、ダストケース２の開
口面積を大きくしてチリ捨てを容易にする。ま
た、クランプ２０は人間工学上引き上げることが
困難で押圧する方が簡単であるが、押圧方向は底
蓋９を閉止する方向であるため誤つて底蓋９を開
いてゴミを飛散する間違いを防止する。

なお、底蓋９は自重により開放方向へ付勢した
がばねによつて付勢してもよいものである。

そしてまた、前述したように、ダストケース２
と本体ケース１とを連結した状態では、ロツク機
構２９を解除させることができないので、ダスト
ケース２を本体ケース１から分離したときに作動
体２２が底蓋９に押されて上昇し、底蓋９が開い
て塵埃が飛散することを防止する。第４図、第５
図に仮想線で示したように本体ケース１側にロツ
ク操作部３１の解除方向への動きを直接ロツクす
るストツパ３６を形成しても同様に作用が得られ
る。

この考案は上述のように構成したので、ダスト
ケースを一方の手で把持して可動係止体を操作し
て本体ケースから分離し、その同じ手でロツク機
構を解除するだけで底蓋が作動体を開放方向へ押
圧しつつ開き、さらに同じ手で可動係止体を操作
することにより作動体を閉止方向へ移動させて底
蓋を閉じ、このように一連の操作を一方の手で手
を汚すことなく簡単に行うことができ、また、ロ
ツク機構は作動体と底蓋との開放方向への動きを
ロツクするが、ダストケースと本体ケースとを連
結した状態ではストツパによりロツク機構の解除
動作又は作動体の開放動作が阻止されることによ
り、ロツク機構を解除することが不可能となり、
したがつて、可動係止体を操作してダストケース
を分離し可動係止体から手を離した瞬間に、作動
体と底蓋とが開放方向に動作してダストケース内
の塵埃が飛散する誤操作を未然に防止することが
できる等の効果を有するものである。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の一実施例を示すもので、第１
図は斜視図、第２図は閉蓋状態のダストケースの
斜視図、第３図は開蓋状態のダストケースの斜視
図、第４図は本体ケースの斜視図、第５図はダス
トケースの一部を切欠した拡大背面図、第６図は
底蓋の開閉動作を拡大して示した縦断側面図であ
る。 １……本体ケース、２……ダストケース、９…
…底蓋、１４……固定係止部、２０……クランプ
（可動係止体）、２２……作動体、２９……ロツク
機構、３５〜３６……ストツパ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 フイルタを収納する下端開口の集塵室が形成さ
   れたダストケースと、 このダストケースの前記集塵室の開口面を閉止
   する開放方向に付勢された底蓋と、 電動送風機を内蔵した本体ケースと、 前記ダストケースの下方に位置して前記本体ケ
   ースにそのダストケースを係止する固定係止部
   と、 前記ダストケースの上方に位置して前記本体ケ
   ースにそのダストケースを係止する可動係止体
   と、 この可動係止体と前記底蓋との間に位置してそ
   の可動係止体に連動して前記底蓋を閉止方向に回
   動させる作動体と、 前記可動係止体の近傍に位置して前記作動体の
   前記底蓋を開放させる方向への動きをロツクする
   ロツク機構と、 前記ダストケースを前記本体ケースに連結した
   状態で前記作動体と当接してその作動体の前記底
   蓋を開放する方向への動きを阻止するストツパと
   よりなることを特徴とする電気掃除機。