JPS6138514Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 従来、集塵ケースには塵埃等が取出される開口
を前面に形成し、この開口を集塵ケースに回動自
在に取付けた前蓋により閉塞し、この前蓋をクラ
ンプによりロツクするとともにスプリングにより
開放方向に付勢し、この前蓋に開口を気密的に閉
塞させるパツキングを取付けたものがある。しか
し、パツキングは熱等により集塵ケースとの密着
性が増すことにより、前蓋の開放が行ないにくい
場合が生じることがある。

この考案は、このような点に鑑みなされたもの
で、前蓋の開放を容易に行ないうる電気掃除機を
得ることを目的とするものである。

この考案は、集塵ケースの前面に開口を形成
し、この集塵ケースの前記開口をパツキングによ
りシールして閉塞する前蓋をスプリングにより開
放方向に付勢して軸に回動自在に取付け、前記集
塵ケースの前記軸側に取付けられた押釦に一端が
連結されるとともに前記集塵ケースに形成された
係止部に係脱自在に係合する係止受部が他端に形
成された伝達体を前記押釦の押圧方向と逆方向で
ある前記係止部に対する係合方向に付勢して前記
前蓋の内面にスライド自在に取付け、前記伝達体
の前記係止受部側に前記係止受部と前記係止部と
の係合代より大きい距離を離して前記集塵ケース
の一部に当接し前記開口の内側から外側に向けて
前方に傾斜した下向きの斜面を形成したことを特
徴とするものである。したがつて、前蓋の開放時
に押釦を押圧するとその前蓋に取付けられていた
伝達体がスライドして係止受部と係止部との係合
を解除し、その後に斜面が集塵ケースの一部に当
接して前蓋を開放方向へ移動させるので、パツキ
ングの喰い付きがあつたとしてもその喰い付きを
解除して前蓋を容易に開放することができるよう
に構成したものである。

この考案の一実施例を図面に基づいて説明す
る。まず、電動送風機（図示せず）を内蔵する電
動ケース１と集塵ケース２とが着脱自在に取付け
られている。この集塵ケース２にはフイルタユニ
ツト３を収納した集塵室４とこのフイルタユニツ
ト３により捕捉された塵埃を捨てるための開口５
とこの開口５の開口縁上部に位置する支持部６と
が形成されている。この支持部６には前記集塵ケ
ース２の前面に形成された前記開口５を閉塞する
前蓋７の上部に保持した軸８が回動自在に支持さ
れ、この軸８には前記前蓋７を開放方向に付勢す
るスプリングであるトーシヨンスプリング９が保
持されている。

そして、前記前蓋７には吸込口１０が形成され
るとともに、周縁に前記集塵室４の開口縁に近接
する内周面に気密的に接合するベロー１１ａを有
するパツキング１１を嵌合した裏板１２が取付け
られ、さらに、伝達体１３がスプリング１４によ
り上方に付勢されつつスライド自在に支持されて
いる。この伝達体１３の上縁には前記集塵ケース
２に上方に付勢しつつ取付けられた押釦１５が当
接し、下端は前記前蓋７に形成された切欠部１６
より突出し、その突出端には前記集塵ケース２に
形成された係止部１７に係脱自在に係合する係止
受部１８形成されている。この係止受部１８は第
２図で示すように前記集塵ケース２の前部におけ
る最下部と前記前蓋７の最下部とを結ぶＡ−Ａ線
より内方に位置する。

しかして、前記伝達体１３の下部には前記集塵
ケース２の下部開口縁に対向するとともに前方下
りに傾斜する斜面１９が形成されている。すなわ
ち、この斜面１９は前蓋７の回動中心となる軸８
から遠く離れた位置に位置決めされて形成されて
いる。また、前記斜面１９は前記係止受部１８側
にその係止受部１８と前記係止部１７との係合代
より大きい距離を離して前記集塵ケース２の一部
に当接するように形成されている。

このような構成において、吸込口１０に吸込ホ
ース（図示せず）を装着して吸込口１０の弁２０
を開放し電動送風機を駆動すると、塵埃が吸込口
１０を経て集塵室４に流入しためられていく。こ
の集塵室４の開口縁の内周面にはパツキング１１
のベロー１１ａが気密的に接合することにより塵
埃は集塵ケース２外へもれることはない。

そして、吸込ホースを引つぱつて集塵ケース２
及び電動ケース１を走行させることにより部屋等
の掃除をするが、この走行中に段差がある箇所を
走行しても係止受部１８は集塵ケース２の前部に
おける最下部と前蓋７の最下部とを結ぶ面よりも
内方に位置していることにより、物にぶつかつて
衝撃を受けることはない。したがつて、係止部１
７と係止受部１８との係止機構及び押釦１５と伝
達体１３との伝達機構に支障をきたすようなこと
は防止される。

ついで、集塵室４にたまつた塵埃を捨てるため
に開口５を開放するには、第３図に示すように押
釦１５を押して伝達体１３をスプリング１４に抗
しつつ押し下げ、この伝達体１３の下端に形成さ
れた係止受部１８を垂直方向に移動させ係止部１
７との係合から解除する。この係合状態が解除さ
れると同時に斜面１９が集塵ケース２の開口縁に
当接し、かつ、トーシヨンスプリング９のばね力
により前蓋７は自動的に開放方向に回動し開口５
に開放される（第４図）。また、熱等によりパツ
キング１１と集塵室４の内周面との密着度が高ま
つた場合においても、押釦１５の解除時の連続し
た押し下げ操作により斜面１９が集塵ケース２の
開口縁に当接して前蓋７に開く分力が生じること
により、前蓋７は軽い力で開放される。なお、斜
面１９は前蓋７の回動中心より遠く離れた位置に
設けられていることにより、より一層小さな力で
前蓋７が開放される。

この考案は、上述のように前蓋の開放時に押釦
を押圧するとその前蓋に取付けられていた伝達体
がスライドして係止受部と係止部との係合を解除
し、その後に斜面が集塵ケースの一部に当接して
前蓋を開放方向へ移動させるようにしたので、前
蓋の開放を小さな力で容易に行うことができ、ま
た、パツキングの喰い付きがあつたとしてもその
喰い付きを解除して前蓋を容易に開放することが
できるものである。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の一実施例に係わるもので、第
１図は一部を切欠して前蓋の閉塞状態を示す側面
図、第２図は集塵ケースと前蓋との下部を拡大し
て示す縦断側面図、第３図は押釦を押して前蓋が
開放される直前の状態を示す一部の縦断側面図、
第４図は前蓋が開放された状態を示す一部の縦断
側面図、第５図は伝達体を拡大して示す斜視図で
ある。 ２……集塵ケース、５……開口、７……前蓋、
８……軸、９……トーシヨンスプリング（スプリ
ング）、１１……パツキング、１３……伝達体、
１５……押釦、１７……係止部、１８……係止受
部、１９……斜面。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 集塵ケースの前面に開口を形成し、この集塵ケ
   ースの前記開口をパツキングによりシールして閉
   塞する前蓋をスプリングにより開放方向に付勢し
   て軸に回動自在に取付け、前記集塵ケースの前記
   軸側に取付けられた押釦に一端が連結されるとと
   もに前記集塵ケースに形成された係止部に係脱自
   在に係合する係止受部が他端に形成された伝達体
   を前記押釦の押圧方向と逆方向である前記係止部
   に対する係合方向に付勢して前記前蓋の内面にス
   ライド自在に取付け、前記伝達体の前記係止受部
   側に前記係止受部と前記係止部との係合代より大
   きい距離を離して前記集塵ケースの一部に当接し
   前記開口の内側から外側に向けて前方に傾斜した
   下向きの斜面を形成したことを特徴とする電気掃
   除機。