JPS624296Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、電気掃除機に関するものである。

従来、集塵室内の塵埃を圧縮する圧縮装置を備
えた電気掃除機において、吸込口から塵埃がこぼ
れるのを防止するために、特開昭55−24059号公
報に記載されているように、吸込口の外部にその
吸込口を開閉する蓋体を設けたものが存する。し
かしながら、吸込口は、接続管を安定した状態で
保持していなければならないため、一定の軸方向
長さを有している。そのため、蓋体で吸込口から
のこぼれ落ちを防止していても吸込口内には塵埃
が充満し、蓋体を開いた時に落ち易い。また、接
続管を挿入する場合にも、塵埃が存在することは
その挿入に悪影響があるものである。

この考案は、このような点に鑑みなされたもの
で、集塵室内に圧縮板を設けたものにおいても、
吸込口からの塵埃の脱落がなく、吸込ホースの接
続も塵埃の影響を受けることがなく、集塵室全体
にわたつて塵埃を有効に圧縮することができる電
気掃除機を得ることを目的とする。

この考案は、電動送風機を収納する電動送風機
室とこの電動送風機室側にフイルタを収納して前
記電動送風機により負圧状態に維持される集塵室
とを備えた電気掃除機において、前記集塵室の前
方に前記フイルタと対向してそのフイルタの面と
平行な板状の前面壁を形成し、前記集塵室に前記
フイルタと前記前面壁との間に位置して外部から
の操作により前記フイルタと前記前面壁との面に
沿つて往復動する圧縮板を設け、この前面壁に吸
込ホースが嵌合する通口を形成し、前記前面壁の
外面に定位置で前記通口を閉塞する吸込口カバー
を一方向へ付勢してスライド自在に取付け、この
吸込口カバーに前記吸込ホースが接続される吸込
口を所定の軸方向長さを持たせて形成し、前記吸
込口カバーを復帰力に抗してスライドさせた時に
のみ前記吸込口と前記通口との軸心が一致するよ
うに前記吸込口の位置を位置決めしたことを特徴
とするものである。したがつて、前面壁の通口
は、その軸方向の長さが短くて塵埃がその内部に
保持されることがなく、しかも、その前面壁とフ
イルタとは相対向して平行に設けられているの
で、圧縮板の大きさを両者の間隔一杯にすること
ができて有効な圧縮を行うことができ、とくに、
吸込ホースが嵌合する吸込カバーの吸込口はその
軸方向の長さが大きくても塵埃が入り込むことは
ないので、吸込ホースの着脱に全く悪影響がない
ように構成したものである。

この考案の一実施例を図面に基いて説明する。
本体ケース１と集塵ケース２とがクランプ３によ
り連結されている。本体ケース１には電動送風機
４を収納する電動送風機室５と排気孔（図示せ
ず）とが形成されている。前記集塵ケース２には
フイルタ６を収納する集塵室７が形成されている
とともに、スプリング８により上方へ付勢された
押釦９に連結されたゴミ圧縮板１０が集塵室７に
上下動自在に設けられている。

ついで、前記集塵室７の前面壁１１の中央に通
口１２が形成されている。この前面壁１１の外面
両側には側板１３が形成され、これらの側板１３
を案内面として吸込口カバー１４が上下動自在に
保持されている。吸込口カバー１４の内面には前
記前面壁１１の外面に形成した係止片１５に前後
方向には抜け止めされる状態で弾発的に係合し上
下方向にはスライド自在に係合する係止片１６が
形成されている。すなわち、これらの係止片１６
は左右方向に弾性的に撓み係止片１５に係合する
ものである。また、前面壁１１に形成したバネ受
片１７と吸込口カバー１４に形成したバネ受片１
８との間に圧縮スプリング１９を介装することに
より、吸込口カバー１４は上方へ付勢されてい
る。この状態では吸込口カバー１４に形成した吸
込口２０は前記通口１２の上部に位置して前記前
面壁１１に閉止され、吸込口２０の開口縁に形成
した遮蔽片２１は通口１２を遮蔽している。

このような構成において、吸込口２０は前面壁
１１により閉止されているので、集塵室７のゴミ
は外部にこぼれることはない。前面壁１１の通口
１２は吸込口カバー１４の遮蔽片２１により閉止
されるのでゴミが吸込口カバー１４内に浸入する
こともない。この不使用時における通口１２の閉
止は、わざわざ遮蔽片２１を形成するまでもなく
吸込口カバーの形状如何によつてはその一部分を
ラツプさせることによつて閉止させてもよい。こ
のように、ゴミの外部へのこぼれを逆止弁を用い
ることなく防止することができる。これにより、
逆止弁を組立てるわずらわしさをともなうことが
なく、組立作業を簡略化することができる。ま
た、逆止弁が必要とせず前面壁１１の内面を平滑
にすることができることにより、ゴミ圧縮板１０
の端縁を前面壁１１を含めて集塵室７の内面に接
近させることができ、これにより、内部のゴミを
有効に圧縮することができる。

掃除に際しては、吸込口カバー１４を下方へス
ライドさせることにより、係止片１５の上向面に
係止片１６の下向面が当接した位置で通口１２と
吸込口２０とが一致し、第４図に示すように吸込
ホース２２を吸込口２０と通口１２とに接続する
ことができる。この場合、吸込ホース２２は吸込
口カバー１４の上方への復帰を阻止するストツパ
の作用をも示す。吸込ホース２２を抜けば吸込口
カバー１４を圧縮スプリング１９の力により上方
へ復帰する。

この考案は上述のように構成したので、使用時
は吸込口カバーをスライドさせてその吸込口カバ
ーに形成した吸込口と通口とを一致させて吸込ホ
ースを接続するが、使用後吸込ホースを抜き吸込
口カバーを復帰させたときは、吸込口を集塵室の
前面壁により閉止することができ、したがつて、
集塵室の前面壁の内側に突出する逆止弁を省略し
てゴミが外部へこぼれることを防止することがで
き、これにより、集塵室の内面を平滑にしその内
面にゴミ圧縮板の端縁を接近させ、したがつて、
ゴミを効率よく圧縮することができ、さらに、逆
止弁の組立作業をともなわず組立てを容易に行う
ことができる等の効果を有するものである。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の一実施例を示すもので、第１
図は一部を切欠した側面図、第２図は集塵ケース
と吸込口カバーとの分解斜視図、第３図は吸込口
カバーを内側から見た斜視図、第４図は吸込ホー
スを接続した状態の一部の縦断側面である。 ４……電動送風機、６……フイルタ、７……集
塵室、１１……前面壁、１２……通口、１４……
吸込口カバー、２０……吸込口、２２……吸込ホ
ース。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 電動送風機を収納する電動送風機室とこの電動
   送風機側にフイルタを収納して前記電動送風機に
   より負圧状態に維持される集塵室とを備えた電気
   掃除機において、前記集塵室の前方に前記フイル
   タと対向してそのフイルタの面と平行な板状の前
   面壁を形成し、前記集塵室に前記フイルタと前記
   前面壁との間に位置して外部からの操作により前
   記フイルタと前記前面壁との面に沿つて往復動す
   る圧縮板を設け、この前面壁に吸込ホースが嵌合
   する通口を形成し、前記前面壁の外面に定位置で
   前記通口を閉塞する吸込口カバーを一方向へ付勢
   してスライド自在に取付け、この吸込口カバーに
   前記吸込ホースが接続される吸込口を所定の軸方
   向長さを持たせて形成し、前記吸込口カバーを復
   帰力に抗してスライドさせた時にのみ前記吸込口
   と前記通口との軸心が一致するように前記吸込口
   の位置を位置決めしたことを特徴とする電気掃除
   機。