JPH0128751Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は下面にキヤスタを取付けた縦長なケー
スを備える電気掃除機に関する。

従来の電気掃除機は、下部ケースを集塵ケース
とし上部ケースに電動送風機を内蔵して形成され
るため、吸塵ホース等の収納場所等に苦慮してい
た。また、上部ケースに吸塵ホースを巻付ける電
気掃除機も知られているが、外観が悪い不具合が
ある。

本考案は上記の事情のもとに案出されたもの
で、その目的は、吸塵ホース等の収納に苦慮する
ことがなく、吸塵ホース等を容易に収納できると
ともに、外観がよく、しかも、縦長であるにも拘
らず使用時に引き回わす際の安定性が優れ、かつ
ホースの耐久性も向上できる電気掃除機を提供す
ることにある。

以下本考案の一実施例を図面を参照して説明す
る。

図中１は縦長なケースで、下面にキヤスタ２を
取付けたケース本体３と、前蓋４とから形成され
ている。前蓋４はヒンジ５を介してケース本体３
の側縁に枢着され、側方に開閉自在になつてい
る。この前蓋４の下端部には切欠き６が形成され
ている。切欠き６は開閉板７により開閉されるよ
うになつている。

開閉板７はその下端部を中心にして回動自在に
ケース本体３に取付けられており、第４図中８は
水平方向に沿う軸で、開閉板７の回動中心とな
る。開閉板７の表面には摘み９が突設されている
とともに、開閉板７の先端部外面は曲面状に形成
されて、開放された状態では曲面部７ａがケース
１前方において床面Ａに当接されるようになつて
いる。さらに開閉板７の先端部外面には曲面部７
ａに連なる係合段部１０が形成されていて、この
段部１０が前蓋４の切欠き６の上縁部裏面に設け
た係合部１１に係合することにより、開閉板７が
切欠き６の閉鎖位置から開かないようになつてい
る。

開閉板７は付勢手段１２により開放時に曲面部
７ａが床面Ａに当接保持されるように付勢される
ものである。付勢手段１２は第４図に例示されて
おり、切欠き６の後方においてケース本体３の底
壁３ａに固着したガイド１３と、このガイド１３
に沿つて移動可能な押圧体１４と、これらガイド
１３と押圧体１４との間に挾設したばね１５とか
ら形成されている。押圧体１４には操作部１６が
突設されていて、これはガイド１３に設けた長孔
１７を遊挿している。さらに、押圧体１４の前部
には下向き斜面１８が形成されていて、この斜面
１８には開閉板７の下端から延出して設けた係止
突起１９の先端が接触通過可能となつている。な
お、第４図中２０は上記底板３ａに設けた係止突
起１９通過用の逃げ溝である。したがつて、前蓋
４の開放後に開閉板７を手前に倒して、その曲成
部７ａが床面に当接するように回動させると、ま
ず係止突起１９が逃げ溝２０を通つた後に、この
突起１９の先端が下向き斜面１８に当接する。こ
の開閉板７の回動に伴つて押圧体１４がばね１５
の付勢力に抗して第４図中２点鎖線に示すように
後退されるため、係止突起１９の先端が押圧体１
４の前端を乗越える。そうすると、この直後に押
圧体１４がばね１５の力で前進されるから、第４
図中実線に示すように押圧体１４が係止突起１９
を押圧して、開閉板７はその曲面部７ａの床面Ａ
への当接状態を保持するように付勢されるもので
ある。なお、この付勢状態の解除は、前蓋４の開
状態で操作部１６を操作して押圧体１４を手動で
後退させることにより可能で、この解除状態にお
いて開閉板７は第４図中反時計方向に回転され
る。

また、ケース１の内底部には集塵室２１が配置
されているとともに、この集塵室２１を通る吸込
気流を発生させる電動送風部２２が配置されてい
る。これら集塵室２１および電動送風部２２以外
のケース１の内部空間は収納室として利用される
ようになつている。上記集塵室２１にはＬ形の継
手管２３の一端部が接続固定されていて、これら
の接続部２４は継手管２３を回動自在とする構造
である。このＬ形継手管２３は接続部２４を中心
とする回動によつて他端部側が起倒され、かつ倒
伏状態では上記切欠き６を通つて前方に突出され
るようになつている。Ｌ形継手管２３の他端部に
は可撓性を有する吸塵ホース２５の一端部が接続
固定されている。吸塵ホース２５の他端部にはリ
モートコントロール部２６を有した手元管２７が
接続固定され、この管２７には延長管２８、又は
延長管２８にも接続可能な床ブラシ２９等の吸込
具が接続されるようになつている。そして、これ
ら吸塵ホース２５および吸込具等は、非使用時に
おいてケース１内の上部に夫々収納される。な
お、第２図中３０はケース本体３の上部内面に突
設された引掛突起、３１は延長管ホルダである。
引掛突起３０には吸塵ホース２５が懸垂支持さ
れ、延長管ホルダ３１には延長管３１が着脱自在
に支持される。

この電気掃除機を使用する場合には、まず、前
蓋４を開けた後に、開閉板７を手前に倒して付勢
手段１２により開閉板７の曲面部７ａが床面Ａに
当接保持されるようにする。この状態でケース本
体３内から吸塵ホース２５、延長管２８、床ブラ
シ２９等を取出し、かつＬ形継手管２３を倒伏状
態にし、次いで前蓋４を施蓋する。そうすると、
第３図のように継手管２３の一部が前蓋４の切欠
き６から導出された状態となる。この後に、所望
の吸込具を手元管２７に接続し、そのリモートコ
ントロール部２６を操作することにより、掃除作
業を行う。なお、掃除機における吸塵ホース２
５、吸込具等の収納は上記の場合と逆の手順で行
えばよい。

上記一実施例は以上のように構成したが、本考
案の実施に当つては、引掛突起３０および延長管
ホルダ３１は省略してもよく、また付勢手段１２
は開閉板７を常時付勢する捻りばね又は渦巻きば
ね等を用いて形成してもよい。その他、本考案の
要旨に反しない限り、ケース、キヤスタ、前蓋、
切欠き、開閉板、付勢手段、集塵室、Ｌ形継手
管、吸塵ホース等の具体的な構造、形状、位置等
は、上記一実施例に制約されることなく、種々の
態様に構成して実施できることは勿論である。

以上説明した本考案は、上記実用新案登録請求
の範囲に記載の構成を要旨とするから、以下の諸
効果がある。

下面にキヤスタを取付けて移動自在なケース
は、縦長であつて、かつ使用時に吸塵ホースを介
して引き回わされるにも拘らず、転倒のおそれが
なく安定性が高い。このことは次の理由により実
現される。第１の理由は、ケースの内底部に集塵
室を配置し、この室にＬ形継手管の一端部を回動
自在に接続し、この継手管の吸塵ホースが接続さ
れる他端部側を、前蓋の下端部に設けた切欠きか
ら導出できるようにした構成により、吸塵ホース
をケースの下端部前面から導出できるためであ
る。第２の理由は、ケースに上記切欠きを開閉す
る開閉板を設け、この開閉板は下端部を中心に回
動自在で、かつ開放時に付勢手段により付勢され
て先端部がケース前方の床面に当接保持されるよ
うにした構成により、開閉板をケースの引き倒し
力に対するストツパとして使用できるためであ
る。

そして、ケースは集塵室や電動送風部だけを収
納するものではなく、縦長としたことによつて上
部を収納室として用いることができるようにした
構成により、吸塵ホース等の収納場所を探す必要
がなく、容易に吸塵ホース等を収納できる。

さらに、ケースは前蓋を有しているので、前蓋
によつて吸塵ホース等を隠すことができるから、
非使用時の外観を向上できる。

しかも、吸塵ホースを集塵室にＬ形継手管を介
して接続したから、吸塵ホースの収納状態におい
てその集塵室側端部が急激に曲げられることを防
止できるとともに、使用時においても上記集塵側
端部に対する負荷を、Ｌ形継手管の回動により軽
減できるから、ホースの耐久性を向上できる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示し、第１図は斜視
図、第２図は開蓋状態の正面図、第３図は使用状
態での一部の斜視図、第４図は第３図中−線
に沿う断面図である。 １……ケース、２……キヤスタ、４……前蓋、
６……切欠き、７……開閉板、１２……付勢手
段、２１……集塵室、２２……電動送風部、２３
……Ｌ形継手管、２５……吸塵ホース。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 下面にキヤスタを取付けた縦長なケースと、こ
   のケースの前蓋の下端部に形成した切欠きと、下
   端部を中心に回動自在に上記ケースに取付けら
   れ、かつ回動によつて上記切欠きを開閉する開閉
   板と、上記ケースの内底部であつて上記切欠きの
   後方に設けられ、上記開閉板をその開放時に付勢
   して上記開閉板の先端部を上記ケース前方の床面
   に当接保持させる付勢手段と、上記ケースの内底
   部に配置された集塵室と、この集塵室に一端部を
   回動自在に接続されて起倒自在に取付けられ、か
   つ倒伏状態では他端部が上記切欠きを通つて前方
   に突出されるＬ形継手管と、この継手管の他端部
   に接続され、かつ非使用時には上記ケース内上部
   の収納室に収納される吸塵ホースとを具備した電
   気掃除機。