JPS6137330Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 (イ) 産業上の利用分野 本考案は、主として金属或いは硬質合成樹脂
等を素材とする額縁の各フレームの四隅におけ
る結合装置に関するものである。

(ロ) 従来の技術 金属製又は合成樹脂製の額縁において、従来
は縦長のフレームを所望の長さに切断して一対
をなす二組のフレームを形成し、フレームの
夫々の端末部をＬ型の結合金具で連結し、第４
図示のむうなな額縁Ａを形成することは周知の
通りであるが、この連結は第５図示のようにＬ
型の連結金具１の一端を上方フレーム２の端末
に挿入し、他端を側方フレーム３の端末の挿入
し、歩々複数のビス４，４…を以つて緊締する
ようにしてあり、かくして両フレーム２，３を
固定するようにしてあつた。

また、上述のような複数のビスを用いる替り
に、梃子を利用した実開昭58−164568号の「額
縁の縦、横枠骨の連結装置」及び両端をカム面
にして圧接係止を行うようにした実開昭60−
29552号の「額縁におけるフレームの連結金
具」を挙げることができる。

(ハ) 考案が解決しようとする問題点 フレームの組立てに当たつて複数個のビス
４，４…（第５図及び第６図）を額縁Ａの四隅
で夫々緊締することはきわめて煩鎖な作業とな
り、手間を必要とするのみならず、額縁Ａの隅
部を直角に形成するように上方フレーム２の斜
めに切断した端面２ａと側方フレームの端面３
ａとを密接せしめるために、両端面２ａ及び３
ａを互に強制圧接状態下にビス４を捻じ込む必
要があり、隙間の生じた場合にはビスス４，４
…の締め直しをしなければならないため、多大
の手間を要することとなつた。

そこで、実開昭58−164568号公報記載のよう
に梃子を利用した第７図及び第８図示の連結装
置が提案され、ビスによる緊締の不便を解消し
たが、全体として脆弱であり、仮令板バネ１２
ａがない場合においても、梃子１１ａの端末の
一次接触面１４及び二次接触面１５と縦枠骨１
１ａ（又は横枠骨２ａ）との接触面が小さく、
連結板３ａの挿入片７ａと枠骨の掛止片６ａ，
６ａとの接触面が大きいため、連結板３ａを枠
骨１ａ（又は２ａ）に対して強制移動させるに
は、梃子１１ａの端末の摩擦係数を挿入片７ａ
と掛止片６ａ，６ａ側の摩擦係数よりも大きく
する必要があり、而も掛止片６ａ，６ａ側摩擦
係数は絶対値と見做さるから、梃子１１ａ側の
摩擦係数を増大しなければならず、即ち一次接
触面１４及び二次接触面１５のような鋭い先端
を必要とすることとなるが、枠骨１ａ又は２ａ
を形成する素材は、通常、アルミニウム等の軽
合金であるため、接触面１４，１５部分の摩耗
は大きく、分解、組立ての頻度に比例して急速
に摩耗し、経年的使用に耐え得ないという問題
点があり、このために板バネ１２ａを挿入した
ものであるが、前述の摩擦係数の関係を保持す
るためには、板バネ１２ａ自体の表面が通常滑
面であることを考えれば、製作上に厄介な問題
を残すこととなる。

次に第９図は、実開昭60−29552号公報記載
の転子２ｂを使用して、縦、横フレームＦ，Ｆ
を連結するようにしたものであるが、前記転子
２ｂは曲縁１１ｂ，１１ｂを両端に有する略楕
円形であつて、この曲縁１１ｂ，１１ｂをフレ
ームＦの鞘溝３ｂの両側内面に同時に摺動圧接
して係止を行うようにしたもので、この場合、
転子２ｂの回動に当つてはドライバー等の何ら
かの補助具を必要とする一方、フレームＦ，Ｆ
の隅部における両者の圧接は行われないから、
別に圧接力を付加しつつ緊締することが必須と
なるという問題点がある。

(ニ) 問題点を解決するための手段 本考案は、上述のような煩瑣な緊締作業や機
構上の不備を解消すべく考案したもので、即ち
一対の上下方フレームと一対の側方フレームと
４ケの連結金具とからなり、前記フレームはガ
ラス板と裏板とを保持する横溝と連結金具を挿
入する蟻溝とを一体成形してなる額縁用フレー
ムの結合装置において、前記フレームの蟻溝底
部に突条を縦長に沿つて突設する一方、Ｌ型の
連結金具は断面をコ字型にして底部には前記フ
レーム側の突条に対向する縦長の溝部を設ける
と共に、前記フレーム側の蟻溝の開放溝を形成
する両側開放縁に対向するカム面と前記突条に
対向するカム面とを具えたハンドル基部を軸支
し、前記開放縁側のカム面の摩擦係数を突条側
のカム面の摩擦係数よりも大きく設定し、ハン
ドルを連結金具の中央折曲部方向に倒すことに
よつて、相互に連結されるフレームの対向端部
を強制圧接しつつ固定するための結合装置を提
案するものである。

以下、図面に示した実施例に基いて本考案装
置を説明する。

(ホ) 実施例 第１図乃至第３図は、本考案に基く結合装置
を開示したもので、１は連結金具でＬ型である
こは従来のものと同様で、断面はコ字型で裏側
をを溝部とした突条１ａを有し、一対のハンド
ル５，５を縦枠ａと横枠ｂとに軸支６してあ
る。

このハンドル５の基部５ａは、第２図及び第
３図に示すように、楕円形のカム面６ａ，６ｂ
を形成し、前述の軸支部６はカム面６ｂ寄りに
設けてある。

２，２は一対をなす上方及び下方のフレー
ム、３，３は同様に一対をなす側方のフレーム
で、第１図示のようにガラス板７と裏板８とを
挾持する横溝９と、前述の連結金具１の端末を
挿入する蟻溝１０とを一体成形してあり、蟻溝
１０の底部には突条１０ａを突設し、上部に開
放溝１０ｃを形成する開放縁１０ｂ，１０ｂを
対向配置してある。

尚、ハンドル５に対向する底面に窓１ｂを設
けてある。

(ヘ) 作用 Ｌ型の連結金具１の一方の端末を上方フレー
ム２の斜めに切断された端面２ａに第１図示の
ように臨ませ、ハンドル５を立て起した状態で
蟻溝１０内に挿入する。この際、突条１ａの裏
側の溝部が蟻溝１０の突条１０ａに摺接整合さ
れる。

このようにして連結金具１をその中央直角部
まで押し込んだ後、前記ハンドル５を第２図及
び第６図示のように軸支部６を中心に押圧俯動
すると、カム面６ａはフレーム２側の両開溝縁
１０ｂ，１０ｂ下面に圧接すると共にカム面６
ｂは窓１ｂを通して突条１０ａに圧接するが、
軸支部６がカム面６ｂ寄りにあり、カム面６ａ
と開溝縁１０ｂとの摩擦係数はカム面６ｂと突
条１０ａの場合よりも大きくしてあるので、前
述のハンドル５の押し倒しによつて、フレーム
２には第３図上矢標の方向へ移動力が働くと同
時に、金具１には矢標β方向への移動力が働く
結果、金具１はフレーム２の内方向（β方向）
へ引き込まれることとなる。

このことは、連結金具１がフレーム２と同３
とを互にその隅部において牽引し合うこととな
り、隅部におけるフレーム２，３間の密接衝合
を良好ならしめる上できわめて有効である。

この場合、特に注意すべきことは、ハンドル
５の基部５ａのカム面６ｂと突条１０ａとの摩
擦係数を小さく採用することが容易である。即
ち、カム面６ａと開放縁１０ｂ，１０ｂとの摩
擦係数を絶対値とすれば、カム面６ｂ側の摩擦
係数をこれより小さく設定することは容易であ
る。

上述のように連結金具１を介して上下方フレ
ーム２，２と側方フレーム３，３とを結合する
もので金具１を各フレームの端部に挿入してハ
ンドル５を倒すだけで連結が行われることとな
る。而もこの操作によつて各フレーム２，３が
共に金具１を支持体として第４図矢標のように
端部を互に密接する押力が働くため、隅部の接
合を適確に行うことができる。

(ト) 考案の効果 以上述べた如く本考案によれば、従来のよう
にビスを使用する代りにハンドル操作により一
挙動作で緊締作業が行われ、而も額縁隅部のフ
レーム端面の密接が行われ得ると共に連結金具
１の巾いつばいに横切る基部５ａのカム面６
ａ，６ａが開放縁１０ｂ，１０ｂの下面に充分
に広い範囲で圧接し、この摩擦係数を基準とし
てカム面６ｂと突条１０ａとの摩擦係数をそれ
以下に設定するものであるから設計がきわめて
容易であり、またカム面６ａ及びカム面６ｂと
も第７８図示の従来の梃子の端末接触面（一
次、二次）のような損耗を極力節減することが
可能となり、而も本考案のカム面６ａ，６ｂは
回動係止終端において、両方共フレーム内側上
下面に圧接する状態となるため、フレームと連
結金具とを結合をより確実にし、両者の固定作
用を堅固にする一方、突条１０ａ及び突条１ａ
は夫々フレーム及び連結金具自体の強度の向上
に役立つもので、前述の摩擦係数のカム面６ａ
＞カム面６ｂによる設計の容易性及び耐久力の
向上と相俟つて実用上に利益するところ極めて
顕著である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案装置によるフレームと連結金具
との結合直前の状態を示す要部の斜視図、第２図
はハンドルを倒す前の結合状態を示す一部切欠側
面図、第３図はハンドルを倒した状態の一部切欠
側面図、第４図は従来の額縁の斜視図、第５図
は、その隅部の連結状態を示す要部の一部分解背
面図、第６図は第５図Ａ−Ａ線部分の断面図、第
７図は従来の他の一例を示す要部の一部切欠側面
図、第８図は第７図Ｂ−Ｂ線部分の断面図、第９
図は従来の更に他の例を示す額縁の背面図であ
る。 Ａ……額縁、ａ……縦枠、ｂ……横枠、１……
Ｌ型の連結金具、１ａ……突条、１ｂ……窓、２
……上方フレーム、２ａ……端面、３……側方フ
レーム、３ａ……端面、４……ビス、５……ハン
ドル、５ａ……基部、６……軸支部、６ａ……カ
ム面、６ｂ……カム面、７……ガラス板、８……
裏板、９……横溝、１０……蟻溝、１０ａ……突
条、１０ｂ……開放縁、１０ｃ……開放溝。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 一対の上下方フレームと一対の側方フレームと
   ４ケの連結金具とからなり、前記各フレームはガ
   ラス板と裏板とを保持する横溝と連結金具を挿入
   する蟻溝とを一体成形してなる額縁用フレームに
   おいて、前記フレームの蟻溝底部に突条１０ａを
   縦長に沿つて突設する一方、連結金具は縦枠と横
   枠とからなるＬ型で断面コ字型に形成し、且つ前
   記フレームの突条１０ａに対向する縦長の溝部を
   有する突条１ａを形成すると共に前記縦枠と横枠
   とには、前記フレームの開放溝１０ｃの遊嵌する
   ハンドルを夫々軸支し、該ハンドルには前記フレ
   ームの開放縁１０ｂ，１０ｂに下方より対向摺接
   するカム面６ａ，６ａとフレーム突条１０ａに対
   向摺接するカム面６ｂとを有する断面略楕円形の
   基部５ａを形成し、前記カム面６ａ側の摩擦係数
   をカム面６ｂ側の摩擦係数よりも大きく設定する
   一方、カム面６ｂに対向する蟻溝底部に窓１ｂを
   開設してなることを特徴とする額縁用フレームの
   結合装置。