JPS6136511Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、パレツトからの物品搬出装置に関す
る。

たとえば、自動車等の生産ラインにおいて、車
体パネル部品等を次工程に移す場合、該部品はパ
レツト内の支持棚に一旦収容され、該支持棚から
一つづつ取出される。従来は、この目的のため
に、支持棚を備えた可動パレツトが設けられ、部
品を積載した可動パレツトを搬出位置に置いて、
保持装置により該部品を一つづつパレツトから取
出し、該パレツト内の部品がなくなつたとき、部
品を積載した他のパレツトと入れ替えて、同様な
作業を繰り返すようにしている。しかし、このよ
うな作業方法は、パレツトの入れ替えに時間を要
するため、その分だけ時間が無駄になるという問
題がある。そこで、この問題を解決するため、２
台のパレツトを常時並置して、一台のパレツトの
部品がなくなつたとき、他のパレツトから部品を
取出すようにする搬出方法も提案されている。し
かし、この方法は、２台のパレツトを並置するス
ペースが必要となり、すぐれた解決方法とは云え
ない。

本考案は、可動パレツト入れ替えによる時間の
無駄をなくし、しかも大きな占有面積を必要とし
ないパレツト内の物品搬出装置を提供することを
目的とする。すなわち、本考案によるパレツト内
の物品搬出装置は、上下方向に並んだ複数の物品
支持棚を有する可動パレツトと、下部に前記可動
パレツトを収めることができる空間を有し上部に
は物品支持棚が設けられた固定パレツトと、前記
固定パレツトの上方に上下方向移動可能に設けら
れた物品保持部材と、該保持部材上部に設けら
れ、前記可動パレツト内の最上位に位置する物品
を保持可能な保持具とからなり、前記物品保持部
材は開閉機構により開閉されるフインガーを備え
ており、前記可動パレツト及び固定パレツトの物
品支持棚は作動位置において物品を載置でき退避
位置において下方の物品を上方に通過させること
ができるように各々のパレツトに回転可能に支持
され、可動パレツトの物品が減少したとき前記保
持部材を前記可動パレツト部まで下降させて前記
フインガーを閉位置にして上昇させることによ
り、可動パレツト内の最上位より下方の物品を前
記保持部材に受け取り、前記保持部材を固定パレ
ツトの上部まで上昇させてフインガーを開位置に
することによりフインガーに保持された物品を固
定パレツトの支持棚に移し得るようにしたことを
特徴とする。

以下、本考案の実施例を図について説明する。
まず第１図及び第２図において、固定パレツト１
は上方及び側方が開放された枠の形状を有し、該
固定パレツト１の上部には、両側部に１対づつ設
けた垂直部材１ａに支持棚２が上下方向に３段づ
つ設けられている。この支持棚２は、第３図に示
すように、垂直部材１ａに枢着された鉤状部材２
ａと垂直部材１ａに固定されたストツプ材２ｂと
からなり、鉤状部材２ａは、その自重により一端
が下方に下るように中心を外して取付けられ、ス
トツプ材２ｂは鉤状部材２ａの他端上面に係合し
て該部材２ａをほぼ水平位置に保持する。したが
つて、部品が下方から持ち上げられて来たときに
は、鉤状部材２ａは該部品により先端が上に押し
上げられて、部品の通過を可能にするが、部品の
通過後は直ちに水平位置に復帰して部品受けのた
めの棚を構成する。

可動パレツト３は、固定パレツト１の下部に形
成された空間に側方から出入可能になつており、
基板３ａと該基板３ａから上方に延びる直立部材
３ｂとを有する。直立部材３ｂは両側に一対づつ
設けられ、支持棚２と同様な構成の支持棚４を有
する。

固定パレツト１の上方には、搬送機５が設けら
れている。搬送機５は、レール６に沿つて走行す
る走行枠７を有し、該走行枠７には横レール８が
設けられ、該横レール８に沿つて走行可能なよう
に保持装置９が設けられている。保持装置９は、
レール８に沿つて走行するように配置された上方
枠１０と該上方枠１０から下方にケーブル１１に
より懸垂された下方枠１２とを有し、下方枠１２
を上下方向に駆動するための巻取装置１３及び駆
動用モータ１４が設けられている。また、下方枠
１２の下面には物品を吸着して搬送するための真
空吸盤式保持具１５が設けられている。以上の保
持装置の構成は、公知のものと同様であり、さら
に詳細な説明は省略する。本考案のこの実施例に
おいては、下方枠１２の両側に固定したブラケツ
ト１６に保持部材１７が揺動自在に取付けられて
いる。保持部材１７は、下方枠１２の各側に一対
づつ設けられ、上端部がエアシリンダ１８により
駆動されて、第２図に実線で示す閉位置と、想像
線で示す開位置とに動くことができる。保持部材
１７には、下部に各３個のフインガー１９が上下
方向に間隔をもつて設けられている。

下方枠１２の各側に設けられた一対の保持部材
１７の前後方向間隔は、可動パレツト３の直立部
材３ｂの前後方向間隔より僅かに小さく、下方枠
１２を降下させたとき、保持部材１７は可動パレ
ツト３の各側の直立部材３ｂの間に位置するよう
に配置されている。作動においては、自動車のル
ーフパネルのような物品２０を積載した可動パレ
ツト３が固定パレツト１の側方から、その下方空
間に挿入される。そこで、下方枠１２が下降させ
られて保持具１５が最上段の物品２０に接触し、
この物品２０を吸着する。次いで下方枠１２は上
昇させられ、保持装置９がレール６に沿つて移動
し、物品２０を搬出する。この間、保持部材１７
は開位置に保持される。このような作動を繰り返
し、可動パレツト３内の物品２０が所定数まで減
少すると、保持装置９の保持部材１７が、下方枠
１２の下降位置で閉じ、可動パレツト３の支持棚
４上にある物品２０をそのフインガー１９により
把持し、上昇して物品２０が固定パレツト１の支
持棚２を通り過ぎたとき開くことにより、可動パ
レツト３の物品２０を固定パレツト１に移す。そ
の後、固定パレツト１上の物品２０は、保持装置
９により順次取り出され、その間に、空になつた
可動パレツト３は、物品を積載した可動パレツト
と入れ替えられる。したがつて、可動パレツトの
入れ替え中にも物品の搬出ができ、時間の無駄が
なく、また可動パレツトを２台並置する場合のよ
うに大きなスペースを必要としない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す側面図、第２
図はその正面図、第３図は支持棚の構造の詳細を
示す拡大図である。 １……固定パレツト、３……可動パレツト、
２，４……支持棚、５……搬送機、１２……下方
枠、１５……保持具、１７……保持部材、１９…
…フインガー、２０……物品。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 上下方向に並んだ複数の物品支持棚を有する可
   動パレツトと、下部に前記可動パレツトを収める
   ことができる空間を有し上部には物品支持棚が設
   けられた固定パレツトと、前記固定パレツトの上
   方に上下方向移動可能に設けられた物品保持部材
   と、該保持部材上部に設けられ、前記可動パレツ
   ト内の最上位に位置する物品を保持可能な保持具
   とからなり、前記物品保持部材は開閉機構により
   開閉されるフインガーを備えており、前記可動パ
   レツト及び固定パレツトの物品支持棚は作動位置
   において物品を載置でき退避位置において下方の
   物品を上方に通過させることができるように各々
   のパレツトに回転可能に支持され、可動パレツト
   の物品が減少したとき前記保持部材を前記可動パ
   レツト部まで下降させて前記フインガーを閉位置
   にして上昇させることにより、可動パレツト内の
   最上位より下方の物品を前記保持部材に受け取
   り、前記保持部材を固定パレツトの上部まで上昇
   させてフインガーを開位置にすることによりフイ
   ンガーに保持された物品を固定パレツトの支持棚
   に移し得るようにしたことを特徴とするパレツト
   内の物品の搬出装置。