JPS6136045Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、タイマスイツチ装置に関し、さらに
詳しくは所定時刻において機器を自動的に制御す
るタイマー機構と、この設定時刻より所定時間機
器の動作を自動的に保持するスリープ機構とを備
えたタイムスイツチ装置に関する。

最近の家庭用電気器具、例えば冷暖房用機器に
はタイムスイツチ装置が付設され、これによつて
時限制御が行なわれている。ところでこの種機器
の使用方法としては、例えば、就寝時から１時間
程度使用した後これを自動的に止め、翌朝所定の
時刻において再びスイツチが入るようにすれば、
理想的である。このような時限設定を行うために
は、一般に、タイムスイツチ装置を２台用意し、
それぞれの時限制御を行なわせれば良いが、機器
コストも大となり、またこのような家庭用機器で
２回もの設定操作を行なわせることは実用的でな
い。このため、就寝時と翌朝希望の時刻に機器を
動作させるようタイムスイツチ装置を設定操作す
ると、この設定時より一定時間自動的に機器を動
作させるようなタイムスイツチ装置の出現が望ま
れているが、未だ実用的なものは提供されていな
い。

本考案は、かかる要求を実現化したタイムスイ
ツチ装置を提供するもので、一軸上にタイムスイ
ツチ機構およびスリープ機構とを付設するととも
に、これらタイムスイツチ機構およびスリープ機
構とを駆動する唯一個の駆動機構とから概略構成
されている。

以下、本考案ついて、図面に示した実施例を参
照して詳細に説明する。

第１図は実施例タイムスイツチ装置の要部縦断
面を、また第２図は同分解斜視図を示し、図にお
いて１は上地板、２は下地板を兼用する合成樹脂
製フレームで、このフレームの下面には図示しな
いモータが取付けられており、このモータの出力
は図示しない減速歯車機構を介して、駆動歯車３
へと伝達される。４は上、下地板間に支架された
主軸で、上地板１を貫通して上方に露呈されたそ
の端部には、指針を兼ねるツマミ４Ａが固設され
ている。この主軸４上には、主歯車５が固装され
ている。この主歯車５は、その下面にピン６が一
体に垂設されており、このピン６はタイマカム７
の円弧状溝８に係合している。タイマカム７は前
記主軸４上に回動自在に軸装されており、その周
面の一部にカム凹所９が刻設されている。このタ
イマカム７にはタイマレバー１０が係接してい
る。第２図に示すタイマレバー１０は、全体が略
Ｌ字状を呈し、その一端をフレーム２に揺動自在
に支架されるとともに、その中央部には前記タイ
マカム７の周面に係接するカム部１１が突設さ
れ、下方へと折曲延長されたスイツチ作動部１２
はフレーム２を貫通し、このフレーム２の下面に
配設したタイマスイツチ１３のアクチユエータ１
４に近接するように延在している。なお、このタ
イマレバー１０は、図示しないスプリングによつ
て第２図反時計方向へと付勢されている。主軸４
にはまたスリープ歯車１５が回転自在に軸装され
ている。このスリープ歯車１５はその下面にピン
１７が一体に垂設されている。このピン１７はス
リープカム１８の円弧状溝１９に係合している。
スリープカム１８は、スリープ歯車１５のボス上
に回動自在に支持されていて、前記ピン１７、換
言すれば前記円弧状溝１９と軸対称位置の周面に
はカム凹所２０が刻設され、またこのカム凹所か
ら時計方向の位置に切欠き２１が形成されてい
る。この切欠き２１にはフレーム２より一体に立
設したストツパー２２が突出して臨んでいる。こ
のスリープカム１８にはスリープレバー２３が係
接している。第２図に詳細を示すスリープレバー
２３は、前記タイマレバー１０と同様に全体略Ｌ
字状を呈し、その一端をフレーム２に揺動自在に
支架されるとともに、、その中央部には前記スリ
ープカム１８の周面に係接するカム部２４が突設
され、下方へと折曲延長されたスイツチ作動部２
５は、フレーム２を貫通して、このフレームの下
面に配設したスリープスイツチ２６のアクチユエ
ータ２７に近接するように延在している。なお、
このスリープレバー２３は、タイマレバー１０を
付勢するスプリング手段が共用されて、第２図反
時計方向へと付勢されている。

前記主軸４と平行な軸２８が、上、下地板間に
支架されている。この軸２８の上端部はＤカツト
されていて、駆動用歯車２９が回転方向を固定さ
れて軸装されている。この駆動用歯車２９は、前
記駆動歯車３と噛合して回転される。なお、駆動
用歯車２９はＥリング３０によつて上方向が固定
されている。駆動用歯車２９の下方の軸２８上に
はタイマ駆動歯車３１およびスリープ駆動歯車３
２がそれぞれ回転自在にして軸装されている。タ
イマ駆動歯車３１は前記タイマ歯車５と噛合し、
スリープ駆動歯車３２は前記スリープ歯車１５と
噛合する。そしてこれらタイマ駆動歯車３１、ス
リープ駆動歯車３２間には圧縮されたクラツチス
プリング３３が介挿されており、このクラツチス
プリング３３の作用力によつて、タイマ駆動歯車
３１は前記駆動用歯車２９の側面に圧接される。
したがつて、駆動用歯車３が回転すると、その回
転力は駆動用歯車２９へ伝達され、さらに摩擦力
によつてタイマ駆動歯車３１およびスリープ駆動
歯車３２へとそれぞれ伝達される。一方、タイマ
駆動歯車３１あるいはスリープ駆動歯車３２が単
独で回転する場合には、駆動用歯車２９は駆動歯
車３および減速歯車列と噛合されているためロツ
クされ、それぞれ独立に回転する。すなわち、前
記スプリング３３は、タイマ駆動用歯車３１、ス
リープ駆動用歯車３２間およびこれらと駆動用歯
車２９間に対して、一種のクラツチ作用を及ぼ
す。

第３図は上記タイムスイツチ装置の使用例を示
す概略回路図である。

このタイムスイツチ装置の駆動源となるモータ
Ｍは、タイマスイツチ１３の常開接点S₃を介し
て、メインスイツチS₁、電源Ｅと直列に接続さ
れ、暖房器等の負荷Ｋは、スリープ手動スイツチ
S₂、スリープスイツチ２６の常開接点S₅を介して
前記メインスイツチS₁、電源Ｅと直列に接続され
ている。また、前記タイマスイツチ１３の常開接
点S₄は、前記スリープ手動スイツチS₂と負荷Ｋ間
に接続されている。メインスイツチS₁は手動にて
操作され、このタイムスイツチ装置を使用して負
荷Ｋを制御する場合において、閉成され、一方前
記スリープ手動スイツチS₂は、スリープ機構を利
用する場合において閉成する。

以上の如く構成された実施例タイムスイツチ装
置について、以下動作の説明をする。

操作ツマミ４Ａを設定回動して負荷Ｋの時限設
定を行う。これによつて主軸４を介してタイマ歯
車５を回動され、ピン６と溝８との係合によつて
タイマカム７も回動する。タイマカム７の回動に
よつて、そのカム凹所９に落込んでいたタイマレ
バー１０のカム部１１はカム周面に乗上つて、第
２図時計方向へと回動する。これによつてタイマ
スイツチ１３はそのアクチユエータ１４がスイツ
チ作動部１２によつて押される。しかしてこのタ
イマスイツチ１３は常閉接点S₄が開放されて常開
接点S₃が開成され、モータＭが起動する。タイマ
歯車５の回動は、これと噛合うタイマ駆動用歯車
３１へと伝達される。この時、駆動用歯車２９は
ロツクされているがクラツチスプリング３３の作
用によつてスリープ駆動用歯車３２もまた回動さ
れ、これと噛合うスリープ歯車１５も回動する。
スリープ歯車１５が回動すると、ピン１７と溝１
９との係合によつてスリープカム１８もまた回動
し、そのカム凹所２０に落込んでいたカム突部２
４がカム周面に乗上げることによつて、スリープ
レバー２３は第２図時計方向へと回動する。これ
によつてスリープスイツチ２６はそのアクチユエ
ータ２７がスイツチ作動部２５によつて押され常
開接点S₅が閉じ、負荷Ｋに電源が投入される。と
ころで、ツマミ４Ａを一定角度以上回転すると、
溝２１に係合したストツパ２２はこの溝２１の他
端まで達してスリープカム１８、換言すればスリ
ープ歯車１５の回動を阻止する。したがつて、駆
動用歯車２９とスリープ駆動用歯車３２間はクラ
ツチスプリング３３が作用して滑り、タイマ歯車
５のみが引続き回動される。

モータＭが回転することによつて駆動歯車３が
回転する。この回転は、駆動用歯車２９へ伝達さ
れ、さらにタイマ駆動用歯車３１およびスリープ
駆動用歯車３２へと伝達される。したがつて、タ
イマ歯車５、換言すればタイマカム７およびスリ
ープ歯車１５、換言すればスリープカム１８が初
期位置へと向つて復旧回動する。

上記の設定操作から一定時間経過してスリープ
カム１８が初期位置まで復旧すると、スリープレ
バー２３は、そのカム突部２４がカム凹部２０に
落込み、反時計方向へと回動する。これによつて
スイツチ作動部２５はスリープスイツチ２６のア
クチユエータ２７を押圧して、閉成された常開接
点S₅を開き、負荷Ｋへの通電を絶つ。すなわち、
就寝時このタイムスイツチ装置を設定操作すれ
ば、この設定時刻より所定時間の間負荷Ｋ、すな
わち、暖房器を動作させた後これを自動的にオフ
することができる。一方、モータＭには引続き電
源が投入されており、タイマ歯車５は回転する。
そしてさらに所定時間が経過してツマミ４Ａによ
つて設定時刻まで達すると、タイマ歯車５、換言
すればタイマカム７は初期位置まで復旧する。こ
れより、タイマレバー１０は第２図反時計方向へ
と復旧回動し、スイツチ作動部１２はタイマスイ
ツチ１３のアクチユエータ１４を押圧する。する
とタイマスイツチ１３は、その常開接点S₃から常
閉接点S₄へと切換り、モータＭは停止される一方
負荷Ｋには電源が投入される。したがつて、所定
時刻において負荷Ｋ、すなわち暖房器を自動的に
動作させる一方、タイムスイツチ装置自体はその
動作が自動的に停止する。

本発明は上記の実施例から種々展開される。す
なわち、スリープ機構はそのスリープカム１８の
溝２１の円周方向の長さを種々変えることによつ
て、あるいはストツパー２２の位置を変えること
によつて調整することができる。また各レバーの
カム突部の乗上げ、早切りを行うため、タイマ歯
車５あるいはスリープ歯車１５の底面に各カムと
共働きするカムを一体に形成しても良い。

以上詳細に説明した如く、本考案によれば、１
回の時限設定操作によつてスリープ、タイムスイ
ツチの両設定を行うことができ、例えば暖房器あ
るいはクウラーなどにこれを付設した場合には、
就寝後一定時間暖房あるいは冷房がなされ、眠り
についた後自動的にこれを切り翌朝再びこれを作
動することができ、機器の快適な使用が約束され
る。そしてスイツチの切れ忘れを防止し無駄な運
転をなくすためエネルギー節約にも大きく貢献す
ることができる。さらに本考案によれば、一軸上
にタイマ機構とスリープ機構とが付設されまたそ
の駆動機構が共用されるといつた極めて簡易な構
成であり、廉価でかつ信頼性の高い装置が得られ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るタイムスイツチ装置の一
実施例を示す要部縦断面図、第２図は同分解斜視
図、第３図は一使用例の概略回路図である。 ４……主軸、５……タイマ歯車、７……タイマ
カム、１０……タイマレバー、１３……タイマス
イツチ、１５……スリープ歯車、１８……スリー
プカム、２２……ストツパ、２３……スリープレ
バー、２６……スリープスイツチ、２８……軸、
２９……駆動用歯車、３１……タイマ駆動用歯
車、３２……スリープ駆動用歯車、３３……クラ
ツチスプリング。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 頭部にツマミが固定された主軸と、この主軸上
   に固定されたタイマ歯車と、このタイマ歯車と協
   働するタイマカムと、このタイマカムに係合する
   揺動自在なタイマレバーおよびこのタイマレバー
   によつて開閉されるタイマスイツチとから構成さ
   れたタイマスイツチ機構と、前記主軸上に遊装さ
   れたスリープ歯車と、このスリープ歯車と協働す
   るスリープカムと、このスリープカムに係合する
   揺動自在なスリープレバーと、このスリープレバ
   ーによつて開閉されるスリープスイツチおよび前
   記スリープカムの回動範囲を規制するストツパと
   から構成されたスリープ機構と、前記主軸と平行
   な軸上に固定され駆動源からの回転伝達を受ける
   駆動用歯車と、前記軸上にそれぞれ遊装され前記
   タイマ歯車と噛合するタイマ駆動歯車および前記
   スリープ歯車と噛合するスリープ駆動用歯車と、
   前記駆動用歯車の回転を前記タイマ駆動歯車およ
   び前記スリープ駆動用歯車に伝達するスリツプ手
   段とから構成された駆動機構とを備えてなるタイ
   マスイツチ装置。