JPS6119479Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、２段に設けられた別個のスイツチを
それぞれれ制御することにより、各スイツチにそ
れぞれ接続させる回路をそれぞれ限時的に作動さ
せるタイムスイツチの改良に関するものである。

近時、２段に設けられた別個のスイツチをそれ
ぞれ制御することにより、各スイツチにそれぞれ
接続される回路をそれぞれ限時的に作動させるタ
イムスイツチが開発されつつある。この種のタイ
ムスイツチは、タイムスイツチのセツト方向に主
軸を回転させることにより、２段に設けられた各
カムを主軸の回転方向と同方向に回転させ、該各
カムのカム面にそれぞれ摺接させた各スイツチを
セツトしてタイムスイツチを作動させると共に、
タイムスイツチの作動に伴つて各カムと主軸とを
セツト方向と反対方向に回転させて前記各カムと
前記主軸とをリセツト位置に復帰させる手段をタ
イムスイツチに設け、前記各カムの復帰位置で前
記セツト状態にある各スイツチをリセツトするこ
とにより、前記各スイツチにそれぞれ接続される
各回路を限時的に作動させる構成であつたが、各
スイツチをセツトした後に、各回路のうちの一方
の作動時間を少なめに設定しようとして、主軸の
セツト方向と反対方向に回転させて、前記一方の
回路の作動時間の修正を行なう場合には、つま
り、タイムスイツチの作動時間を少なめに修正す
る場合には、他方の回路の作動時間も少なめに設
定されるという欠点があつた。

特に、限時的に作動する各回路の作動時間を異
ならせた場合には、長時間にわたつて限時的に作
動する方の回路の作動時間を少なめに修正しよう
とすると、一度セツトされた他方の回路がリセツ
ト状態となるので、タイムスイツチを最初からセ
ツトし直さなければならないという欠点があつ
た。

本考案は上記諸欠点を鑑みて為されたもので、
タイムスイツチの作動時間を少なめに修正したと
しても、即ち、一方の回路の作動時間を少なめに
修正したとしても、他方の回路の作動時間の修正
前の作動時間に維持することが可能なタイムスイ
ツチを提供する点にある。

以下、本考案の一実施例を図面に従つて説明す
る。

第１図、第２図において、１はタイムスイツチ
駆動用のモータである。また、２はモータ１の回
転を減速して歯車３に伝達するための輪列であ
る。４は、地板５，６に回転自在に支承されたタ
イムスイツチの主軸である。この主軸４には、段
部を有するブツシユ７が固着してあると共に、カ
ラー８が回転自在に貫挿してある。このブツシユ
７には、その内周に、第３図に示すラチエツト歯
７ａが設けてあり、一方、その外周に、第４図に
示す突起７ｂが設けてある。そして、カラー８に
は、第３図に示す爪８ａ，８ａ，８ａ，８ａが形
成してあり、この爪８ａ，８ａ，８ａ，８ａとラ
チエツト歯７ａとを係合させてある。この爪８
ａ，８ａ，８ａ，８ａとラチエツト歯７ａとを第
３図に示すように係合させることにより、ブツシ
ユ７の時計方向の回転のみがカラー８に伝達され
ることとなる。そして、ブツシユ７の下側には、
カム９が遊嵌してあり、カム９に形成した凹部９
ａとブツシユ７に設けた突起７ｂとを係合させて
ある。このようにブツシユ７とカム９とを係合さ
せてあるので、ブツシユ７が時計方向に回転する
に伴つてカム９が時計方向に回転することとな
る。即ち、ブツシユ７は、主軸４の回転をカム９
に伝達する回転伝達部材となつている。そして、
カム９のカム面９ｂには、凹部９ｃが第４図に示
すように形成してある。このカム面９ｂには、接
点１０′ａ１０′ａを有するスイツチ１０′，１
０′の一方を摺接させてある。

第２図と第４図には、カム９の凹部９ｃとスイ
ツチ１０′とを係合させた状態が示してあり、こ
の状態にあつては、接点１０′ａ，１０′ａは開成
状態にある。即ち、スイツチ１０′，１０′はリセ
ツト状態である。

そして、一方、カラー８には、輪列２の回転に
連動して回転する歯車１０と、摩擦伝達用に設け
たＯリング１１と回転伝達用のカラー１２とを貫
挿してあり、歯車１０とカラー８とは摩擦結合さ
せてある。なお、この摩擦結合は、第５図のイ、
第５図ロに示すように、歯車１０の中央部と周辺
部とを橋渡する橋架部１０ａ，１０ａに弾性を与
えることにより行われるようにしてある。１０
ｂ，１０ｂはこの橋架部１０ａ，１０ａに弾性を
与えるためのスリワリである。カラー１２には、
カム１３の内側に設けた凹部１３ａと係合する突
起１２ａと、タイムスイツチに設けたピン１４と
係合する突起１２ｂ，１２ｂとを設けてある。な
お、この突起１２ｂ，１２ｂとピン１４とは、カ
ラー８の回転に伴つて、Ｏリング１１を介して回
転するカラー１２の回転域規制手段となつてい
る。カム１３のカム面１３ｂには、凹部１３ｃを
突部１３ｄとを形成してあり、このカム面１３ｂ
に、接点１５ａ，１５ａを有するスイツチ１５，
１５の一方を摺接させてある。そして、スイツチ
１５，１５たとえば短時間に亘つて作動する回路
（図示せず）に接続されており、一方、スイツチ
１０，１０はたとえば長時間に亘つて作動する回
路（図示せず）に接続してある。なお、第１図に
おいて、４ａは主軸４に設けたピンであり、１６
は主軸４に固定した座金、歯車３と座金１６との
間に介在させた板バネ１７とプレート１８とは、
歯車３をブツシユ７に摩擦結合するために設けた
ものである。

以下、本考案に係るタイムスイツチの作用につ
いて説明する。

主軸４のタイムスイツチのセツト方向（第２図
ないし第４図中時計方向）に回転させると、これ
と同方向にブツシユ７が回転し、これに伴つてカ
ム９が回転して、スイツチ１０′，１０′の接点１
０′ａ，１０′ａが接触し、長時間に亘て作動する
回路（図示せず）がセツトされる。なお、歯車
３，１０はそれぞれブツシユ７及びカラー８を摩
擦結合されているだけなので、主軸４のセツトに
よつても回転しない。また、ブツシユ７の時計方
向の回転に伴つて、この回転がカラー８、Ｏリン
グ１１、カラー１２を介して、カム１３に伝達さ
れ、カム１３が時計方向に回転し、スイツチ１
５，１５の接点１５ａ，１５ａが閉成し、短時間
に亘つて作動する回路（図示せず）がセツトされ
る。なお、カム１３の時計方向の回転は、カラー
１２の回転域が規制されているので、所定の回転
角度に規制されている。短時間作動用回路（図示
せず）を長時間作動用回路（図示せず）とがセツ
トされて後に、長時間作動用回路（図示せず）の
作動時間を短かくする方向に修正しようとして、
主軸４をタイムスイツチのセツト方向と反対方
向、即ち反時計方向に回転させるときは、ブツシ
ユ７の回転が、カラー８に伝達されないので、短
時間作動用回路（図示せず）は最初にセツトした
作動時間に維持されることとなる。即ち、カラー
８は、ブツシユ７の一方向の回転のみをカム１３
に伝達する一方向伝達部材として機能することと
なる。そして、タイムスイツチをセツトすること
により、スイツチ１０′，１０′がセツトされて長
時間作動用回路（図示せず）がセツトされ、これ
によりモータ１が起動されるので、輪列２が回転
し、この回転が歯車３と歯車１０とに伝達され
る。この歯車３と歯車１０の反時計方向の回転に
より、これらにそれぞれ摩擦結合されたブツシユ
７とカラー８とが歯車３，１０の回転方向と同方
向に回転し、これ伴つて主軸４、カム９、カラー
１２、カム１３が反時計方向に回転し、各回路
（図示せず）がそれぞれ所定の時間作動されると
共に、カム９の凹部９ｃとスイツチ１０′，１
０′の一方が係合してタイムスイツチがリセツト
される。

なお、この種のタイムスイツチは、エアコン等
の制御用として使用され、長時間作動用回路と短
時間作動用回路とを組合わせて使用することによ
り、最初にたとえば低温に設定してあつたエアコ
ンを所定時間の経過後に、エアコンの設定を高温
に切換えるようにするという利用方法がある。

本考案は以上説明したように、タイムスイツチ
の主軸に一方向伝達部材を回転自在に設けて、２
段に設けられた各カムの一方を一方向伝達部材を
介してタイムスイツチにセツト方向と同方向に回
転させるようにしたので、一度セツトされたタイ
ムスイツチを、タイムスイツチの作動時間を短か
めにする方向に修正する場合に、タイムスイツチ
を最初からセツトしなおさなくともよく、したが
つて、実用上多大の効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るタイムスイツチの部分断
面側面図、第２図は本考案に係るタイムスイツチ
の上面図、第３図は本考案に係るカラーとブツシ
ユとの係合関係を説明するための平面図、第４図
はブツシユとカムとの取付け関係を説明するため
の平面図、第５図イは歯車の平面図、第５図ロは
第５図のイのＡ−Ａ方向断面図、第６図は伝達部
材とカムとの取付け関係を説明するための平面図
である。 １……モータ、２……輪列、３，１０……歯
車、４……主軸、７……ブツシユ、８，１２……
カラー、９，１３……カム。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) セツト位置とリセツト位置との間を回転変位
   する主軸に回転伝達部材を固定すると共に、該
   主軸に前記回転伝達部材と係合して前記セツト
   位置方向へのみ従動回転する一方向伝達部材を
   回転自在に配設し、前記回転伝達部材と前記一
   方向伝達部材とに同軸上にそれぞれカムを取り
   付け、該両カムにそれぞれ係合して個別的に動
   作するタイムスイツチの時限設定用スイツチを
   設け、前記回転伝達部材と前記一方向伝達部材
   とに前記リセツト位置方向への回転復帰力を同
   時に付与する復帰駆動源とを設けたことを特徴
   とするタイムスイツチ。 (2) 前記回転伝達部材にラチエツト歯を設け、前
   記一方向伝達手段に爪を設け、該爪と前記ラチ
   エツト歯を係合させたことを特徴とする実用新
   案登録請求の範囲第１項記載のタイムスイツ
   チ。 (3) 前記回転伝達部材と前記一方向伝達部材とを
   リセツト位置に復帰させる復帰駆動源に、前記
   回転伝達部材に摩擦的に結合する歯車と、前記
   一方向伝達部材に摩擦的に結合する歯車とを摺
   接させたことを特徴とする実用新案登録請求の
   範囲第１項又は第２項記載のタイムスイツチ。