JPS6135685B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、500kVまたは1000kV等の超高圧変
圧器における高電圧側の導体引出装置に係り、特
に小型化、絶縁性能および工作性の向上を図るの
に好適な導体引出装置に関する。

一般に、超高圧導体を引出す場合には、第１図
に示すように鉄心１と巻線２とをタンク３内に収
納し、巻線２の高電圧端は、導体４とブツシング
５とを介して引出されている。しかしながら、大
容量高電圧になると、ブツシング下部端子６や導
体４からタンク３の壁面および鉄心締付金具７ま
での必要絶縁寸法が大きくなり、輸送上の寸法制
約との関係等からタンク上部にブツシング５を引
出すことは困難となる。

そこで、従来は第２図に示すようにタンク３の
側壁に孔８を穿け、Ｌ字形のブツシングポケツト
９を介してブツシング５を取付け、ブツシング５
の下部端子６および巻線口出し部１０は、表面を
絶縁紙１１で厚く絶縁した導体４の端部とボルト
締め接続する方法が採られている。そして、これ
らの作業は、ブツシングポケツト９に設けられた
マンホール１２から作業員が内部に入つて行なわ
れている。

以上の構成を有する従来装置では以下の如き難
点を有する。

(1) 500kVないし1000kVの高電圧になると、導
体の絶縁を厚くする必要があるが、絶縁紙を巻
回する方法では作業が容易でない。

(2) 導体表面に絶縁紙を巻付ける絶縁方法では、
絶縁寸法が多く必要であることからポケツトの
寸法が大となつてしまう。

(3) ポケツトに設けたマンホールは、電界の集中
を緩らげるため大きな丸みをつける必要がある
ことから、複雑な形状となり工作に多くの労力
を要する。

本発明はかかる従来の難点を解決するために創
案されたもので、その目的とするところは、コン
パクトで作業性がよく、かつ信頼性の高い変圧器
の高電圧導体引出装置を提供するにある。

本発明は、従来絶縁紙の巻回により行なつてい
た導体の絶縁を、導体と同心状の絶縁筒で行なう
とともに、導体の引出先端部に接続カツプリング
を設け、この接続カツプリングにブツシングの下
部端子を嵌合接続するように構成したものであ
る。

以下本発明を第３図および第４図に示す一実施
例に基づいて説明する。

第３図において符号３は、鉄心１、巻線２およ
び鉄心締付金具７等が収納されたタンクであり、
このタンク３の側壁には孔８が穿設され、この孔
８位置には、Ｌ字形のポケツト基部１３を介して
ポケツト先端部１４が接続されている。そして、
ポケツト先端部１４にはブツシング５が固着され
ている。

ポケツト基部１３の上端フランジには、第４図
に示すように上向きのガイドピン１５が設けら
れ、またポケツト先端部１４の下端フランジに
は、前記ガイドピン１５が挿嵌されるガイド孔１
６が設けられている。

このように構成されたポケツト基部１３内に
は、図示するように導体１７が配置され、その一
端はボルト締め端１８を介して巻線２側に接続さ
れているとともに、他端には接続カツプリング１
９が取付けられている。そして、この接続カツプ
リング１９は、第４図に示すように支持絶縁物２
０を介して、ポケツト基部１３の上端開口近傍に
固定されている。

一方、ブツシング５の下端部には、第４図に示
すように前記接続カツプリング１９と嵌合通電す
る接触ロツド２１が設けられている。そして、ブ
ツシング５の下端部、接続カツプリング１９およ
び導体１７は、第３図および第４図に示すよう
に、ポケツト１３，１４内に同心状に配された絶
縁筒２２によつてそれぞれ被覆されている。

以上の構成において組立てに際しては、まずタ
ンク３にポケツト基部１３を固定し、その上端開
口部から導体１７および絶縁筒２２を挿入し、ボ
ルト締め端１８を巻線２側に接続する。そして、
接続カツプリング１９を支持絶縁物２０を介して
ポケツト基部１３の上端開口部近傍に固定する。

次いで、支持絶縁物２０上に絶縁筒２２を立設
する。そして、ポケツト先端部１４と一体となつ
たブツシング５を吊下げ、接触ロツド２１を接続
カツプリング１９に嵌合接続するとともに、ポケ
ツト先端部１４をポケツト基部１３に固定する。

なお、絶縁筒２２は、引出導体の電圧に応じて
その数を増減してもよい。

以上説明したように本実施例によれば以下の如
き効果を奏する。

(1) 1000kV級の導体を小径のブツシングポケツ
トを用いて引出すことができ、またブツシング
の取付けも容易である。

(2) 接続カツプリングは水平に配置され、巻線か
らの導体に曲りをもたせているため、カツプリ
ング部では巻線の振動は導体で吸収され、信頼
性の高い接続を得ることができる。

(3) 作業はポケツト基部の上端開口部から行なう
ことができるので作業が容易になる。

(4) 電界形状をよくするため角を丸めた複雑な形
状のマンホールをポケツトに設ける必要がない
ので、工作時間を大巾に短縮することができ
る。

以上本発明を好適な実施例に基づいて説明した
が、本発明によれば、コンパクトで作業性がよ
く、かつ信頼性の高い高電圧導体引出装置を得る
ことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図および第２図はそれぞれ態様を異にする
従来例を示す断面図、第３図は本発明の一実施例
を示す断面図、第４図はカツプリング部分の拡大
断面図である。 １……鉄心、２……巻線、３……タンク、５…
…ブツシング、８……孔、１３……ポケツト基
部、１４……ポケツト先端部、１７……導体、１
９……接続カツプリング、２０……支持絶縁物、
２１……接触ロツド、２２……絶縁筒。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 変圧器本体が内蔵されたタンクに孔を設け、
   この孔にＬ字形のブツシングポケツトを介してブ
   ツシングを取付け、ブツシングと変圧器本体側と
   を導体で接続した変圧器の高電圧導体引出装置に
   おいて、ブツシングポケツト内壁に絶縁物を介し
   て固定された接続カツプリングを前記導体の引出
   先端部に設け、かつブツシングの下端部に前記接
   続カツプリングと嵌合接続される端子を設け、前
   記導体を同心状の絶縁筒で被覆したことを特徴と
   する変圧器の高電圧導体引出装置。