JPS6135388B2

JPS6135388B2 -

Info

Publication number: JPS6135388B2
Application number: JP8616579A
Authority: JP
Inventors: Ryoichi Koga; Yutaka Takahashi; Masaru Saijo
Original assignee: Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Current assignee: Panasonic Holdings Corp
Priority date: 1979-07-06
Filing date: 1979-07-06
Publication date: 1986-08-13
Also published as: JPS5612089A

Description

【発明の詳細な説明】本発明は磁気結合駆動型ベーンポンプに関し、
ロータ軸を安定した端面軸受けできるようにした
ものである。

一般に磁気結合駆動型ベーンポンプにおいては
被動マグネツトをポンプケース内に封入し、非磁
性材よりなるシール板を介して駆動マグネツトに
対向させるようになつている。そして前記被動マ
グネツトの外側面の中央部には軸端となる突部を
設け、この突部を前記シール板の内側に当接させ
ることにより端面軸受をなしている。

ところでこの種磁気結合駆動型ベーンポンプに
おいては被動マグネツトを封入した室内に高圧流
体が流入し、あるいは軸受を強制潤滑することか
ら高圧流体を流入させたとき、前記室の一側板を
なすシール板が圧力で外方向にむくらむように変
形する。このシール板が変形したとき、これに接
している被駆動マグネツトならびにロータの軸が
軸方向に変位し、ロータ側板が主軸受端面との間
に圧接し、摩擦損失が生じる。この現象は、被駆
動マグネツトと駆動マグネツトが磁気結合を構成
して、モータの駆動トルクを伝達するが、軸方向
に互いに引つぱりあうかなり強力なスラスト力が
発生する。そして、端面軸受はこのスラスト力を
支持し被駆動マグネツトを回転自在に支持してい
る。したがつて、被駆動マグネツトと端面軸受は
磁気結合によるスラスト力でほぼ一体に回転し、
シール板の変形に従つて軸方向に変位することに
なる。

つぎに、被駆動マグネツトとロータとの関係で
あるが、ポンプ停止時すなわちロータが回転して
いない状況では、ロータの軸および被駆動マグネ
ツトに設けたＤカツトによる回転力伝達手段は軸
方向への移動に対しての拘束力は弱く、もし急に
磁気力が強くなり、マグネツトカツプリングが軸
方向に変位したとしてもＤカツト部でこの変位が
吸収されて、ロータへの影響は小である。しか
し、ポンプ運転時には、被駆動マグネツトからＤ
カツト部を経てトルクが伝達されるため、Ｄカツ
ト部はなかばロツクされたような状況となり、特
にポンプ圧力が高くなりシール板が大きく変位す
るような条件下では、ポンプの負荷ひいては伝達
トルクは高くなり、このＤカツト部で軸方向の摺
動を期待することは殆んど不可能である。前記内
圧によるシール板の変形を抑える方法として、シ
〓〓〓〓〓
ール板の剛性を高める方法もあるが、シール板の
厚みはマグネツトの磁気結合関係から大きくとる
ことはできなく、前記変形の影響から逃れること
はできない。

本発明はこのような問題点を解決したものであ
り、以下実施例を示す図面を参照して説明する。

図において１は合成樹脂材よりなるポンプケー
スであり、一側にポンプ部収納用の空室２を有
し、他側に回転伝達用のマグネツト収納用の空室
３を有している。これら空室２，３は同軸上にあ
つて、その中心部は連通している。前記ポンプ部
収納用の空室２の側壁部には流体の吸込用と吐出
用の２つの流通口４，５が連通するように設けら
れている。

前記空室３内には被駆動マグネツト６が設けら
れている。この被駆動マグネツト６はマグネツト
７およびヨーク板８を合成樹脂にてモールドして
円板状に構成され、中心に軸結合孔９を有してい
る。また外側端面の中央には頂部が丸くなつた端
面軸受１０を有している。この被駆動マグネツト
６の外径は前記空室３の内径よりやや小さくし、
したがつて空室３内において回転自在である。空
室３の開口部には非磁性材料よりなる端面支持板
１１が設けられている。この端面支持板１１には
多数の流通孔１２が設けられている。さらに端面
支持板１１の外側には適当な間隔をもたせ、空室
３を密閉する非磁性材よりなるシール板１３を設
け、これをねじ１４によりポンプケース１に固定
している。なおシール板１３の内側にはシール材
１５を介在させている。そして被駆動マグネツト
６の端面軸受１０は前記端面支持板１１の内側に
接し、端面支持されている。

前記シール板１３の外側部には駆動マグネツト
１６が配置される。この駆動マグネツト１６はモ
ータの軸１７にとりつけられ、前記被駆動マグネ
ツト６と対応しており、したがつて駆動マグネツ
ト１６と被駆動マグネツト６は磁気結合されてい
る。

ポンプケース１の他方の空室２内にはポンプ部
が設けられる。このポンプ部はロータ１８と、ロ
ータ１８を囲む偏心リング１９と、ロータ１８の
両側に位置する軸受保持板２０と、前記軸受保持
板２０にとりつけられ、ロータ１８の軸２１を保
持する主軸受２２より構成されている。

前記ロータ１８は所要の肉厚をもつ円板状の回
転体２３と、ベーン２４と、２つの側板２５と、
軸２１よりなつている。この回転体２３は内方よ
り外周縁方向に延び、かつ外周縁部において開口
した複数の溝２６を有している。この溝２６内に
は往復動自在にベーン２４が挿入され、ベーン２
４は溝２６の内底に設けたスプリング２７により
突出する方向に付勢されている。

偏心リング１９はポンプケース１の空室２に適
合する外径の円筒状に形成され、その内周をなす
円形の孔は外周円に対して偏心している。この偏
心リング１９は一部に流体の流入用と流出用の欠
除部２８，２９を有している。この偏心リング１
９はポンプケース１の空室２にはめ合わされると
ともに、ロータ１８の回転体２３を囲んでいる。
軸受保持板２０はポンプケース１の空室２に適合
する外形をもつ皿形に形成され、内側部に前記ロ
ータ１８の側板２５が遊合する凹部を有してい
る。主軸受２２はこの軸受保持板２０の中心部に
固着されており、ロータ側の端部は凹部の内底面
よりわずかの高さをもつように突出している。こ
の軸受保持板２０はポンプケース１の空室２には
め合わされて固定されるとともにロータ１８の両
側面に対応するように配置され、前記偏心リング
１９とによつてポンプ室を構成する。

ポンプケース１の前記ロータ１８、偏心リング
１９および軸受保持板２０を内装したところの空
室２の開口部には蓋３０をもつて塞いでいる。な
お、前述の被駆動マグネツト６を収室した空室３
には流体の一部が流れ込むように構成されてい
る。

本発明の磁気結合駆動型ベーンポンプは上記の
ように構成され、モータ軸１７を回転させると駆
動マグネツト１６が回転し、この回転トルクは磁
気的に結合した被駆動マグネツト６に伝えられ
る。前記被駆動マグネツト６が回転すると、これ
と結合したロータ１８が回転する。このロータ１
８のベーン２４は回転体２３の溝２６内のスプリ
ング２７の付勢力によつてその先端があらかじめ
偏心リング１９の内壁に接しており、ロータ１８
の回転により偏心リング１９と回転体２３および
ベーン２４で構成される空間の体積を連続的に変
化させ、この体積変化により２つの切除部２８，
２９の一方から流体を吸入し、他方から流出させ
〓〓〓〓〓
るポンプ作用を行なう。

本発明は前記ポンプ作用時において高圧流体の
一部がポンプケース１のマグネツト収容用の凹部
３に流入したとき、端面支持板１１は流通口１２
をもつため内圧はシール板１３のみに加わる。し
たがつてシール板１３は内圧で変形するが端面支
持板１１は変形しなく、これに接した端面軸受１
０の軸方向の変位が全く生じない。このため、ロ
ータ１８の軸方向の変位がなく、軸受端面との摩
擦損失が増加するようなことがないものである。
さらに前述のように、従来ではポンプ圧力を受け
るシール板自体の変形を抑えるにはその構成上シ
ール板の厚さを増やす以外になかつた。ここでポ
ンプ圧力によるシール板を変形させようとする力
は強力でシール板として直径Ｄ＝70mm、ポンプ圧
力Ｐ＝２Kg／cm²が作用したとすれば約76Kgの力が
このシール板に作用することになる。この時の変
位は厚さｈのシール板での最大たわみ量をＷ_nax
とすればで与えられるからｈ＝１mm Ｗ_nax＝1.0mm ｈ＝２mm Ｗ_nax＝0.13mm ｈ＝３mm Ｗ_nax＝0.04mm となる。したがつてポンプ圧力によるシール板の
変形をシール板の剛性で抑えるためには板厚が３
mm程度必要であり、かつこの場合でもロータが軸
方向に若干移動することは避けられない。一方本
発明のように、シール板とは別に均圧用の流通孔
を有する端面支持板を用いた場合には、各々１mm
の厚さのシール板と端面支持板を用いることも可
能で、この場合でもトータルとして、マグネツト
間ギヤツプを縮めることが可能である。すなわ
ち、この種磁気結合駆動型ベーンポンプの問題点
を解決できる。

以上のように本発明は、ポンプケース内におい
てロータを軸で主軸受に軸支させるとともに、前
記軸にはマグネツト収納室内において端面軸受で
回転自在に支持された被駆動マグネツトを結合
し、前記マグネツト収納室に非磁性材のシール板
と、前記シール板の内側に配置されて流通孔をも
つ端面支持板を設け、端面軸受を前記端面支持板
に当接して支持したものであるので、内圧上昇時
に端面支持板はその流通孔の左右に高圧流体が流
入することにより軸方向への変形は生じず、この
結果としてロータが主軸受に圧接して大きな摩擦
損失が生ずることはなく、効率的な磁気結合駆動
型ベーンポンプを提供することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明を実施した磁気結合駆動型ベー
ンポンプの断面図、第２図は同側面図、第３図は
同ロータの側面図、第４図は同ポンプ部の要部平
面図である。１…ポンプケース、２，３…空室、６…被駆動
マグネツト、１０…端面軸受、１１…端面支持
板、１２…流通孔、１３…シール板、１６…駆動
マグネツト、１８…ロータ、１９…偏心リング、
２１…軸、２２…主軸受、２４…ベーン。〓〓〓〓〓

Claims

【特許請求の範囲】

１ポンプケース内においてロータを軸で主軸受
に軸支させるとともに、前記軸にはマグネツト収
納室内において端面軸受で回転自在に支持された
被駆動マグネツトを結合し、前記マグネツト収納
室に非磁性材のシール板と、前記シール板の内側
に配置されて流通孔をもつ端面支持板を設け、端
面軸受を前記端面支持板に当接して支持したこと
を特徴とする磁気結合駆動型ベーンポンプ。