JPS6134386Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、鉄塔に展望用として設けられるエ
レベータなど、屋外に設けられる斜行エレベータ
の調速機ロープ案内装置に関する。

一般に、調速機ロープは、エレベータかごが往
復動する昇降路に沿つて設けられ、通常の垂直に
エレベータかごが往復動する建物内に設けられる
エレベータでは、問題はないが、水平面に対して
昇降路が傾斜している斜行エレベータでは調速機
ロープが自重でたるみ、また鉄塔に設けられるエ
レベータのような屋外に設けられるエレベータで
は、風に吹かれて調速機ロープが揺れるため、調
速機ロープが昇降路の構造物などに引掛るという
不具合が生じる。

この考案は、調速機ロープをたるみ防止体で支
持するようにし、また調速機ロープおよびたるみ
防止体を防風ダクトで包囲することにより、上述
した屋外に設ける斜行エレベータの調速機ロープ
が昇降路の構造物に当るなどの不具合を解消でき
る、調速機ロープ案内装置を提供することを目的
としている。

以下、この考案の一実施例を図について説明す
る。

第１図，第２図において、１は昇降路であり、
この昇降路１は屈曲部１ａの上下で水平面に対す
る傾斜角度が異なつている。２は昇降路１を往復
動するエレベータかごである。上記昇降路１には
主レール３と姿勢制御用レール４とが上下に配設
され、これらのレール３，４は昇降路１の屈曲部
１ａと対応する屈曲部３ａ，４ａを有し、これら
の両側の水平面に対する傾斜角度が異なつてい
る。上記主レール３には、エレベータかご２の上
部を構成する駆動枠６が、これに設けた上，下ロ
ーラ７，８で主レール３を挾持していることによ
り、走行自在に支持されている。上記駆動枠６の
下部にはエレベータかご２のかご室を有する本体
９が枢軸１０で前後方向の回動自在に連結されて
いる。エレベータかご２の本体９は、これの下端
部に設けた上，下ローラ１１，１２で姿勢制御用
レール４を挾持していることにより、このレール
４に走行自在に支持されている。そして、巻揚機
の駆動により主ロープ（とも図示せず）を介して
駆動枠６が主レール３に沿つて移動することによ
り、エレベータかご２はかご室の床を常に水平に
保持して昇降路１を往復動するようになつてい
る。なお、図示省略したが、主ロープのエレベー
タかごと反対側の端部にはカウンタウエイトが連
結され、カウンタウエイトも屈曲部を有するレー
ルに案内されて昇降されるようになつている。

また、上記主レール３上には昇降路１に沿う無
端状の調速機ロープ１３が配置され、このロープ
１３は張り車１４と調速機の回転体１５とに架設
されている。上記調速機ロープ１３は、長手方向
の大部分が防風ダクト１６により、これと隙間を
有して包囲され、防風ダクト１６は昇降路１を構
成する固定部材（図示せず）に固定されている。
調速機ロープ１３は昇降路１の屈曲部１ａの谷側
と対応する位置に設けた支持ローラ１７ａ，１７
ｂで上方から支持され、またローラからなるたる
み防止体１８により多数個所で下方から支持可能
にされている。上記支持ローラ１７ａ，１７ｂお
よびたるみ防止体１８は上記防風ダクト１６に枢
着されている。また、駆動枠６に設けた非常止め
装置１９の非常止めレバー２０が主レール３の上
方に延びて折曲され、この折曲部２０ａが防風ダ
クト１６の長手方向に沿う開口１６ａから防風ダ
クト１６内の下部のたるみ防止体１８上方に挿入
され、調速機ロープ１３を掴むようにされてい
る。上記防風ダクト１６の開口１６ａを塞ぐよう
に、ナイロンなどの低摩擦材からなるブラシ２１
が防風ダクト１６に固定され、非常止めレバー２
０の折曲部２０ａがブラシ２１を押し分けて移動
するようにされ、ブラシ２１により調速ロープ１
３が上記開口１６ａから飛出さないようにしてい
る。なお、この実施例において、調速機および非
常止め装置の上述した以外の構成と基本動作は通
常のものと同様であるから説明を省略する。

上述のように構成された実施例の調速機ロープ
案内装置は、調速機ロープ１３をこれの長手方向
の多数個所でたるみ防止体１８で支持，案内され
るようにしたので、調速機ロープ１３が水平に対
し傾斜して架設されていても、その自重によるた
るみをごく少くすることができ、また、調速機ロ
ープ１３が防風ダクト１６で包囲されているの
で、風に吹かれて揺れることもない。

なお、この考案において、たるみ防止体１８
は、ローラに代え、低摩擦材からなるものを防風
ダクトに固定してもよい。また、上記実施例では
屈曲斜行エレベータについて述べたが、この考案
は単一の水平面に対する傾斜角度の斜行エレベー
タにも適用できる。

以上説明したように、この考案の調速機ロープ
案内装置は、屋外に設けられる斜行エレベータに
おいて、昇降路１に沿う傾斜で架設された調速機
ロープ１３の下側をローラまたは低摩擦材からな
るたるみ防止体１８によつて複数個所で支持可能
とし、上記調速機ロープ１３およびたるみ防止体
１８を防風ダクト１６で包囲し、エレベータかご
２側に設けた非常止めレバー２０を、防風ダクト
１６内にこれの長手方向に沿う移動自在に挿入
し、上記非常止めレバー２０で調速機ロープ１３
を掴むようにしたので、たるみ防止体１８で調速
機ロープ１３の自重によるたるみ防止できると共
に、防風ダクト１６で風による調速機ロープ１３
の揺れを防止でき、したがつて、屋外に設ける斜
行エレベータでも調速機ロープ１３が昇降路１の
構造物に当るなど、調速機のたるみおよび揺れに
起因する不具合を解消できるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例を示す側断面図、
第２図は第１図の−線に沿う断面図である。 １……昇降路、２……エレベータかご、１３…
…調速機ロープ、１６……防風ダクト、１８……
たるみ防止体、２０……非常止めレバー。なお、
図中同一符号は同一部分を示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 水平面に対して傾斜する昇降路１と、この昇降
   路１を往復動するエレベータかご２とを備え、屋
   外に設けられる斜行エレベータにおいて、上記昇
   降路１に沿う傾斜で架設された調速機ロープ１３
   の下部をローラまたは低摩擦材からなるたるみ防
   止体１８によつて複数個所で支持可能とし、上記
   調速機ロープ１３およびたるみ防止体１８を防風
   ダクト１６で包囲し、上記エレベータかご２側に
   設けた非常止めレバー２０を、防風ダクト１６内
   にこれの長手方向に沿う移動自在に挿入し、上記
   非常止めレバー２０で調速機ロープ１３を掴むよ
   うにしたことを特徴とする調速機ロープ案内装
   置。