JPS6214060Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、屈曲部を有する鉄塔などに設けら
れる斜行屈曲エレベータ、すなわち屈曲部の両側
の傾斜角度が変わる斜行昇降路をエレベータかご
が昇降するエレベータに関するものである。

上記のように傾斜角度が変化する斜行昇降路を
エレベータかごが昇降するエレベータでは、エレ
ベータかごに連結した主ロープが揺れ易く、とく
に鉄塔などの建造物に設ける屋外斜行屈曲エレベ
ータでは風による主ロープの揺れが著しいという
問題がある。

この考案は、エレベータかごの上部に主ロープ
を連結し、昇降路の屈曲部と対向する部分に主ロ
ープを支持するロープガイドローラを設けること
により、上述した問題を解決して、屋外に設ける
ものでも主ロープの揺れを容易に防止できる斜行
屈曲エレベータを提供することを目的としてい
る。

以下、この考案の一実施例を第１図ないし第３
図について説明する。

第１図ないし第３図において、１は屈曲部１ａ
の上下で水平面に対する傾斜角度が変化する斜行
昇降路、２は昇降路１を昇降するエレベータかご
である。上記斜行昇降路１の天井部には主レール
３が昇降路１の長手方向に沿つて全長に亙り配設
され、さらに斜行昇降路１の底部側にはエレベー
タかご２の床を常に水平に保持するための姿勢制
御用レール４が昇降路１の全長に亙り主レール３
と平行に配設されていると共に昇降路１の底部に
はさらにカウンタウエイト用レール５が配設さ
れ、上記レール３，４，５には昇降路１の屈曲部
１ａに対応する部分にそれぞれ屈曲部３ａ，４
ａ，５ａが形成され、これらの屈曲部を境にし
て、その上下部分は水平面に対する傾斜角度が変
わつている。また、レール３，４，５はレールブ
ラケツト６を介してそれぞれ支持枠７に固定さ
れ、昇降路１の長手方向に沿つて延びている。上
記主レール３にはエレベータかご２の上部を構成
する駆動枠８が走行自在に支持されている。すな
わち、駆動枠８の前後両端部に枢着された左右１
対の上、下ガイドローラ９，１０で主レール３が
挟持されている。上記駆動枠８の下部にはエレベ
ータかご２のかご室１２を有する部分の上部が枢
軸１１でかごの昇降方向に回動自在に連結されて
いる。エレベータかご２の下部は姿勢制御用レー
ル４に走行自在に支持されている。すなわち、エ
レベータかご２の下部は昇降路１の上方端部に固
定した支持板１３に左右１対の上、下ガイドロー
ラ１４，１５が枢着され、これらのローラ１４，
１５で姿勢制御用レール４が挟持されていると共
に、上記支持板１３に回動自在に枢支されて、そ
の枢支点から斜め下側に延びる取付板１６の先端
部には上、下ガイドローラ１７，１８が枢着さ
れ、これらのローラ１７，１８によつても姿勢制
御用レール４が挟持されている。上記取付板１６
にはエレベータを運転制御するための各種信号を
送受信するアンテナ１９が装着されている。上記
駆動枠８には複数本の主ロープ２０の一端部が連
結され、主ロープ２０は昇降路１の上方の機械室
２８に設けた巻上機のドラム２１に巻掛けられ、
この主ロープ２０の他端部はカウンタウエイト２
２に連結され、このカウンタウエイト２２はカウ
ンタウエイト用レール５に走行自在に支持されて
いる。すなわち、カウンタウエイト２２の前後両
端部に枢着された左右１対の上、下ガイドローラ
２３，２４でカウンタウエイト用レール５が挟持
されている。上記主レール３、カウンタウエイト
用レール５の屈曲部３ａ，５ａと対向する各レー
ル間には、これらの屈曲部３ａ，５ａの谷側すな
わち上側に位置して主ロープガイドローラ２５，
２６が配設されている。これらの主ロープガイド
ローラ２５，２６はそれぞれの駆動枠８及びカウ
ンタウエイト２２と干渉しないようにして斜行昇
降路１に沿い案内するもので、それぞれは数個の
主ローラ２０の長手方向にほぼ沿うように円弧状
に並べられて、主ロープ２０を案内するように配
列されている。なお、第２図中、２７は駆動枠８
に設けた非常止め装置である。

上述のように構成された斜行屈曲エレベータ
は、巻上機を駆動させてそのドラム２１を正、逆
転させることにより、主ロープ２０で駆動枠８を
介してエレベータかご２が昇降路１内を主レール
３及び姿勢制御用レール４に沿つて昇降する。こ
の場合に、主レール３、姿勢制御用レール４の屈
曲部３ａ，４ａをエレベータかご２が通過し、屈
曲部３ａ，４ａの両側でレール３，４の傾斜角度
が変わつても、主レール３に走行自在に支持され
た駆動枠８にエレベータかご２が昇降方向の回動
可能に枢着されていると共に、エレベータかご１
２の下部が姿勢制御用レール４に走行自在に係合
されているので、駆動枠８とかご室１２との相対
角度が変わり、かご室１２の床面１２ａが常に水
平状態を保持してエレベータかご２が走行され
る。また、主ロープ２０は、斜行昇降路１の屈曲
部１ａの部分で主ロープガイドローラ２５，２６
により案内されているので、主ロープ２０が昇降
路１の屈曲部１ａすなわち主レール３、カウンタ
ウエイト用レール５の屈曲部３ａ，５ａと対向す
る部分を通過しても、主ロープ２０を主レール
３、カウンタウエイト用レール５とほぼ平行に移
動させることができ、主ロープ２０の緩みが少な
く、鉄塔などの屋外に設置される斜行屈曲エレベ
ータに用いるものでも、主ロープ２０の揺れを防
止できる。また、主ロープ２０をエレベータかご
２の上部に連結したので、上記主ロープガイドロ
ーラ２５，２６をエレベータかご２の干渉を避け
て容易に設置できる。

なお、この考案において、主ロープガイドロー
ラ２５，２６はそれぞれ１個ずつでもよいが、複
数個ずつ主ロープ２０の長手方向に沿つて円弧状
に並設すると、主ロープの屈曲を緩やかにするこ
とが小さいスペースでできる利点があり、この場
合に主ロープガイドローラ２５，２６の数は４個
は４〜６個程度にすることが好ましい。

また、上記実施例では屈曲部が昇降路の１個所
にある斜行屈曲エレベータについて説明したが、
この考案は屈曲部が複数個所にあり、傾斜角度が
屈曲部の両側でそれぞれ変わるものにも、屈曲部
に対向する部分にそれぞれ主ロープガイドローラ
を配設することによつて適用できる。

以上説明したように、この考案の斜行屈曲エレ
ベータは、屈曲部１ａの両側の傾斜角度が変わる
昇降路１を往復動するエレベータかご２の上部に
主ロープ２０を連結し、上記屈曲部１ａと対応す
る部分に上記主ロープ２０を支持する主ロープガ
イドローラ２５，２６を配設したので、主ロープ
２０の緩みを少なくしてこれらの揺れを防止でき
るという効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例を示す概略側面
図、第２図は同一部の拡大側面図、第３図は第２
図の−線に沿う断面図である。 １……昇降路、１ａ……屈曲部、２……エレベ
ータかご、３……主レール、３ａ……屈曲部、５
……カウンタウエイト用レール、５ａ……屈曲
部、８……駆動枠、１２……かご室、２０……主
ロープ、２２……カウンタウエイト、２５，２６
……主ロープガイドローラ。なお、図中同一符号
は同一または相当部分を示す。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 屈曲部１ａを境にしてその上下側の傾斜角度
   が変わる斜行昇降路１内にその天井部及び底部
   側に昇降路の全長に亙り配設した主レール及び
   姿勢制御レールによつてエレベータかご２を昇
   降可能に支持すると共に、上記エレベータかご
   ２には上記斜行昇降路１の上部に設けた機械室
   の巻上機からの主ロープ２０の一端を連結し、
   上記主ロープの他端を上記斜行昇降路１の底部
   に全長に亙り配設したレールに走行可能に支持
   されるカウンタウエイトに連結し、上記斜行昇
   降路１の屈曲部１ａと対応する上記主レール及
   びカウンタウエイト用レールの屈曲部分には上
   記主ロープ２０を案内支持する主ロープガイド
   ローラ２５，２６配設したことを特徴とする斜
   行屈曲エレベータ。 (2) 主ロープガイドローラ２５，２６が、複数の
   ローラを主ロープ２０の長手方向に沿う円弧状
   に配列したものから構成されていることを特徴
   とする実用新案登録請求の範囲第１項記載の斜
   行屈曲エレベータ。