JP3009139U

JP3009139U - 作業用ゴンドラ装置

Info

Publication number: JP3009139U
Application number: JP1994008574U
Authority: JP
Inventors: 隆一熊井
Original assignee: 隆一熊井
Priority date: 1994-07-15
Filing date: 1994-07-15
Publication date: 1995-03-28
Anticipated expiration: 2000-07-15

Abstract

(57)【要約】【目的】風にあおられても揺れにくく、迅速かつスム
ーズな上下移動を可能とし、さらには、移動時に足場を
水平に保つようにした作業用ゴンドラ装置を提供する。【構成】ゴンドラ装置１は、ゴンドラ２がワイヤーロ
ープ３によりビルＢの壁面に沿って吊り下げられる。ビ
ルＢの屋上には、駆動装置４が設けられ、アーム６の先
端のプーリ７にワイヤーロープ３が巻掛けられて駆動軸
８に導かれる。ゴンドラ２の横フレームには一定の間隔
をあけてキャスタ１４ａ、１４ａおよび１４ｂ、１４ｂ
が取り付けられ、ビル壁面のＣ字鋼からなるレール１５
に嵌合している。駆動装置４を作動すると、ゴンドラ２
の上下移動にともなって、キャスタ１４ａ、１４ｂの縦
ローラがレール内の溝底面または溝頂面に接触して転が
り、また、横ローラが溝側面に接触して転がる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、作業用ゴンドラ装置に関し、詳しくは、ビルの窓、外壁等の清掃、塗装等の高所作業の他、火災時などの避難用エレベータとしてに用いて好適なゴンドラ装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、ビルの外壁、窓等の清掃作業の足場として用いられるゴンドラ装置は、箱型のゴンドラを屋上からワイヤーロープで吊り下げ、このワイヤーロープの長さを調節することでゴンドラを上下に移動するようになっている。例えば、従来のゴンドラ装置の構成は、ゴンドラのフレームの両サイドにそれぞれワイヤーロープを取り付け、ビルの屋上に各ワイヤーロープを巻取る駆動装置を設ける。移動時には、各ロープを２個の駆動軸で同時に巻取るようになっている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、このような従来の作業用ゴンドラ装置によると、ゴンドラがワイヤーロープに吊り下げられる間に風にあおられて揺れやすく、足場が不安定になりやすい。このため、天候により作業の進行が影響を受けやすく、作業の実施が困難になる場合がある。また、ゴンドラの移動時には、足場が揺れないようにゆっくりとワイヤーロープを巻き取るため、上昇および下降に比較的長時間を要する。さらに、従来の作業用ゴンドラ装置は、２本のワイヤーロープでゴンドラを吊り下げるため、移動時に各モータの駆動軸の回転に位相差を生じると、ゴンドラを吊り下げる各ワイヤーロープの長さに差を生じ、足場が傾きやすいという問題がある。

【０００４】本考案は、このような問題点を解決するためになされたもので、風にあおられても揺れにくく、迅速かつスムーズな上下移動を可能とし、さらには、移動時に足場を水平に保つようにした作業用ゴンドラ装置を提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決しようとする手段】

そのために本考案の作業用ゴンドラ装置は、床板とその周縁部に起ち上げられるフレームとを有するゴンドラと、前記ゴンドラを吊り下げるワイヤーロープと、前記ワイヤーロープを巻取り可能な駆動装置とを備えた作業用ゴンドラ装置において、建物の壁面にＣ形鋼からなるレールを垂直に設けるとともに、前記ゴンドラのフレームに、前記レールの溝面に転がるキャスタを設けたことを特徴とする。前記キャスタは、前記レールの溝頂面または溝底面に転がる縦ローラと、前記レールの溝側面に転がる横ローラとからなることを特徴とする。前記ワイヤーロープはゴンドラの上方で一本に束ねられて単一の駆動軸により巻取られることを特徴とする。Ｃ形鋼からなるレールに代えて、Ｈ形鋼からなるレールを用いることを特徴とする。前記建物に前記レールに沿って配電設備を設けるとともに、前記建物の下部の外壁面にコンセントを設けることを特徴とする。

【０００６】

【作用】

本考案の作業用ゴンドラ装置によると、建物の壁面のレールにゴンドラのキャスタが嵌合し、ゴンドラの上昇および下降時にキャスタがレール内の溝面に接触して転がる。上昇および下降時のゴンドラはレールに案内されるため、横揺れが少なく、また、比較的早い速度で目標位置まで移動する。

【０００７】

【実施例】

以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明する。第１実施例による作業用ゴンドラ装置を図１〜図７に示す。図１および図２に示すように、ゴンドラ装置１は、ゴンドラ２がワイヤーロープ３によりビルＢの壁面に沿って吊り下げられる。ビルＢの屋上には、駆動装置４が設けられ、アーム６の先端のプーリ７にワイヤーロープ３が巻掛けられて駆動軸８に導かれている。駆動装置４のモータを駆動すると、駆動軸８が回転し、ワイヤーロープ３の吊り下げ長さが変化し、ゴンドラ２が上昇または下降するようになっている。

【０００８】箱型のゴンドラ２は、床板１０の周縁部にフレーム１２が固定されてなる。一人ないし二人程度がゴンドラ上で作業可能な広さを有している。ゴンドラ２のビル壁面に対向する側面には、横フレーム１２ａ、１２ｂが上下２段に配置され、この横フレーム１２ａ、１２ｂに一定の間隔をあけてキャスタ１４ａ、１４ａおよび１４ｂ、１４ｂが取り付けられている。

【０００９】横フレーム１２ａ、１２ｂとキャスタ１４ａ、１４ｂとの取り付けは、図５および図６に示すように、角筒状の補助金具１７により行われる。補助金具１７の側面には、開閉自在な蓋１７ａが設けられ、図６（Ａ）に示すように、横フレーム１２ａまたは１２ｂをセットした後、図６（Ｂ）に示すように、蓋１７ａを閉じてボルト１８で締め付ける。キャスタ１４ａ、１４ｂの位置は、締め付け前に横フレーム１２ａ、１２ｂに補助金具１７をスライドさせて調整する。

【００１０】一方、ビルの壁面には、図８に示すようなＣ字鋼からなるレール１５がほぼ垂直に固定される。各レール１５は、窓枠の外側に等間隔に設けられている。各レール１５の幅はキャスタ１４ａ、１４ａおよび１４ｂ、１４ｂの間隔にほぼ等しくなっており、隣合う任意のレール１５にゴンドラ２を取付可能になっている。なお、レールの固定方法については、ビルの壁面にレールを埋め込むことも可能である。

【００１１】キャスタ１４ａ、１４ｂは、基軸２０に水平軸２１が直交して固定されており、水平軸２１の両端部に縦ローラ２２、２２と横ローラ２３、２３とが回動可能に取り付けられる。縦ローラ２２と横ローラ２３は、独立して自在に回転するもので、縦ローラ２２はレール１５の溝頂面１５ａまたは溝底面１５ｂに接触して転がり、横ローラ２３はレール内の溝側面１５ｃに接触して転がる。

【００１２】清掃時、ゴンドラ２を所定の位置に移動し、レール１５にキャスタ１４ａ、１４ｂを嵌合して駆動装置４を作動する。このとき、ゴンドラ２の上下移動にともなって、縦ローラ２２および横ローラ２３がレールの溝面を転がる。ゴンドラ２が適当な位置にきたとき、駆動装置４の作動を停止し、清掃作業を行う。

【００１３】このように前記ゴンドラ装置１によると、キャスタ１４ａ、１４ｂがレール内に嵌合するため、ゴンドラ２が前後方向または横方向に大きく揺れるのが防止される。例えば、前後方向に揺れる力が作用すると、縦ローラ２２が溝頂面１５ａまたは溝底面１５ｂに当たって揺れを防止し、また、横方向に揺れる力が作用すると、横ローラ２３が溝側面１５ｃに当たって揺れを防止する。従って、作業者はゴンドラ２内で安定して作業を行うことができる。また、ゴンドラ２の上下移動時には、各ローラがレールの溝面を転がるため、抵抗が比較的小さく、ゴンドラ２がスムーズに移動する。さらに、前記ゴンドラ装置１は、一本のワイヤーロープ３でゴンドラ２を吊り、単一の駆動軸８でワイヤーロープ３を巻取ることから、従来のように駆動軸の位相差によるゴンドラ２の傾きが防止され、常に足場が水平に保たれる。

【００１４】次に、本考案の第２実施例を図９に示す。第２実施例によるゴンドラ装置３０は、Ｈ形鋼からなるレール３２を用いたものである。ビルの壁材に基材３３が固定され、この基材３３の頂面にレール３２の一端面が固定される。レール３２の溝面３２ａは、壁面と平行な方向に開放している。キャスタ３４は、基軸３５の先端部にコ字形のアーム３６、３６が形成され、このアーム３６、３６の先端に一対の縦ローラ３７、３７が回転自在に取り付けられる。縦ローラ３７、３７と溝面３２ａとの接触面は、外側から中央側にいくに従って狭くなるように僅かに傾斜して形成されている。第２実施例の場合、縦ローラ３７、３７がレール３２の溝面３２ａ、３２ａに転がり、ゴンドラ２の縦揺れおよび横揺れ防止される。

【００１５】次に、本考案の第３実施例を図１０に示す。第３実施例によるゴンドラ装置４０は、ゴンドラ４２のフレーム４３に網目状のフェンス４４を取り付けたものである。フレーム４３の片面にフェンス４４がボルト等により固定されている。フェンス４４の外側面に横フレーム４３ａ、４３ｂが固定され、この横フレーム４３ａ、４３ｂの所定位置にキャスタ４６ａ、４６ａおよび４６ｂ、４６ｂが取り付けられる。その他の構成は、実質的に前記第１実施例と同一である。第３実施例によると、フェンス４４が比較的軽量であるため、ゴンドラの重量が軽くなり、上下の移動をさらにスムーズすることができる。また、フェンス４４の網目から空気が抜けるため、ゴンドラ４２が風にあおられにくい。

【００１６】次に、本考案の第４実施例を図１１に示す。第４実施例によるゴンドラ装置５０は、ビル壁面のレールに沿って配電設備を設けたものである。図１１に示すように、レール５１に沿って配線５３が設けられる。配線５３は、ビルの地下に設けられる補助電源５４に接続され、屋上の駆動装置５６に電流を供給する。また、ビルの下部の外壁面には、配線５３に接続されるコンセント５５が設けられている。第４実施例によると、駆動装置５６を補助電源５４により運転することができるため、ビルの主電源による電圧を低下させることなく、ゴンドラを使用することができる。また、ゴンドラ装置５０によると、ゴンドラの移動がスムーズであり、かつ、電源の確保も容易であるため、ビルの火災時などにゴンドラを避難用エレベータとして用いて好適である。ゴンドラは、比較的揺れが小さく、多人数を安定して運搬することができる。また、ゴンドラ装置を設置するビルについては、１０階以上の高層ビルに設けるのがのが望ましい。特に、隣接するビルにもレールや配電設備を設けると、火災時などに隣のビルのコンセントからも容易に電源を得ることができ、補助電源５４が故障したときでもゴンドラ装置を確実に運転することができる。

【００１７】

【考案の効果】

以上説明したように、本考案の作業用ゴンドラ装置によれば、ゴンドラの側面にキャスタを固定し、ビル壁面のレールに沿ってキャスタを案内する構成としたため、作業時に足場が揺れにくくなり、また、ゴンドラの上下移動もスムーズかつ迅速に行うことができる。また、本考案の作業用ゴンドラ装置によれば、一本のワイヤーロープでゴンドラを吊り下げてもゴンドラが安定することから、単一の駆動軸でワイヤーロープを巻取ることができ、駆動軸の回転速度が変動しても、足場を常に水平に維持することができるという効果がある。

【提出日】平成６年８月１日

【手続補正３】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】０００１

【補正方法】変更

【補正内容】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、作業用ゴンドラ装置に関し、詳しくは、ビルの
窓、外壁等の清掃、塗装等の高所作業の他、火災時などの避難用エレベータとし
て用いて好適なゴンドラ装置に関する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の第１実施例による作業用ゴンドラ装置
を示すもので、（Ａ）は側面図、（Ｂ）は正面図であ
る。

【図２】本考案の第１実施例による作業用ゴンドラ装置
の使用状態を示す斜視図である。

【図３】本考案の第１実施例による作業用ゴンドラ装置
の使用状態を示す側面図である。

【図４】本考案の第１実施例による作業用ゴンドラ装置
を示す拡大斜視図である。

【図５】本考案の第１実施例による作業用ゴンドラ装置
のキャスタを示す正面図である。

【図６】図５に示すキャスタの取付方法を説明するため
の側面図である。

【図７】本考案の第１実施例による作業用ゴンドラ装置
のレールおよびキャスタを示す部分平面図である。

【図８】本考案の第１実施例によるレールを示す部分斜
視図である。

【図９】本考案の第２実施例による作業用ゴンドラ装置
のレールおよびキャスタを示す部分平面図である。

【図１０】本考案の第３実施例による作業用ゴンドラ装
置のゴンドラを示す斜視図である。

【図１１】本考案の第４実施例による作業用ゴンドラ装
置の使用状態を示す側面図である。

【符号の説明】

１作業用ゴンドラ装置２ゴンドラ３ワイヤーロープ４駆動装置１０床板１２フレーム１４ａ、１４ｂキャスタ１５レール１５ａ溝頂面１５ｂ溝底面１５ｃ溝側面２２縦ローラ２３横ローラ５３配線（配電設備）Ｂビル（建物）

【手続補正書】

【提出日】平成６年８月１日

【手続補正２】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】請求項１

【補正方法】変更

【補正内容】

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】床板とその周縁部に起ち上げられるフレ
ームとを有するゴンドラと、前記ゴンドラを吊り下げるワイヤーロープと、前記ワイヤーロープを巻取り可能な駆動装置とを備えた
作業用ゴンドラ装置において、建物の壁面にＣ形鋼からなるレールを垂直に設けるとと
もに、前記ゴンドラのフレームに、前記レールの溝面に
転がるキャスタを設けたことを特徴とする。
【請求項２】前記キャスタは、前記レールの溝頂面ま
たは溝底面に転がる縦ローラと、前記レールの溝側面に
転がる横ローラとからなることを特徴とする請求項１記
載の作業用ゴンドラ装置。
【請求項３】前記ワイヤーロープはゴンドラの上方で
一本に束ねられて単一の駆動軸により巻取られることを
特徴とする請求項１または請求項２記載の作業用ゴンド
ラ装置。
【請求項４】Ｃ形鋼からなるレールに代えて、Ｈ形鋼
からなるレールを用いる請求項１記載の作業用ゴンドラ
装置。
【請求項５】前記建物に前記レールに沿って配電設備
を設けるとともに、前記建物の下部の外壁面にコンセン
トを設けることを特徴とする請求項１または請求項２記
載の作業用ゴンドラ装置。