JP2014177783A - 構造物解体システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】構造物解体システムは、既存建物の所定階の上面を覆う仮設屋根と、所定階より下階に支持されて仮設屋根を支持する仮設柱と、仮設屋根の外周に沿って設けられた外周足場と、を備える。構造物の外壁面には、略鉛直方向に延びるゴンドラガイド18が設けられており、外周足場には、ゴンドラガイド18に沿って移動可能な移動壁繋ぎ90が設けられる。移動壁繋ぎ90は、外周足場に取り付けられた受け金物92と、この受け金物92から延びてかつ受け金物92に略鉛直方向を回転軸として回転可能に支持された腕部93と、腕部93の先端に設けられてゴンドラガイド18に係合しかつゴンドラガイド18に沿って移動可能なスライド部94と、を備える。
【選択図】図13
Description
図1は、本発明の一実施形態に係る構造物解体システムが適用された構造物としての既存建物1の断面図である。
既存建物1は、24階建ての鉄骨造であり、複数本の角形鋼管である既存柱11と、これら既存柱11同士を連結する複数の鉄骨梁である既存梁12と、既存梁12に支持される既存スラブ13と、を備える。
外周足場62は、仮設屋根61の仮設梁63に支持されている。
テルハ65の直下には、1階まで連通する床開口15が形成されている。このテルハ65は、床開口15を通して解体材を搬出階である1階に降ろすためのものである。
以下、既存柱11のうち既存柱11Aの近傍に設置された仮設柱20Aについて説明するが、他の仮設柱20も同様の構成である。
仮設柱20は、既存建物1の既存スラブ13を貫通して延びている。すなわち、既存柱11Aの近傍の各階の既存スラブ13には、床開口14が形成されており、仮設柱20は、各階の床開口14に挿通される。
上述の第2かんぬき部材30の上面は、かんざし部材27の下面に当接して固定されている。これにより、第2かんぬき部材30は、仮設柱20とともに略鉛直方向に移動するようになっている。
この状態では、第2かんぬき部材30が既存梁12に係止し、この第2かんぬき部材30にかんざし部材27が係止するので、仮設柱20は第2かんぬき部材30を介して既存梁12に支持されることになる。
すなわち、水平反力受け部材51、52は、既存梁12上に取り付けられて仮設柱20の側面に当接する略コの字形状の第1水平反力受け部材51と、既存スラブ13上に取り付けられて仮設柱20の側面に当接する略コの字形状の第2水平反力受け部材52と、からなる。
水平反力受け部材51、52は、仮設柱20を挟んで略矩形枠状に配置されており、これにより、第2かんぬき部材30の上下方向の移動に干渉しないようになっている。
ステップロッドジャッキ25の下端面には、水平に直線状に延びる第1かんぬき部材26が連結され、この第1かんぬき部材26の両端側は、2つの既存梁12の直上に位置している。
第1かんぬき材の中央には、ステップロッド24が挿通される挿通孔が形成されている。
第1かんぬき部材26を所定高さに配置することで、第1かんぬき部材26は既存柱11Aから互いに直交して延びる2つの既存梁12に跨って配置される。このとき、これら2本の既存梁12の上面が露出しているため、第1かんぬき部材26は、既存梁12に直接載置される。
この状態では、第1かんぬき部材26が既存梁12に係止するので、仮設柱20は第1かんぬき部材26を介して既存梁12に支持されることになる。
仮設柱20は、既存柱11Aの上端から互いに直交して延びる2つの仮設梁63の間に設置されている。
仮設柱20の上端面には、水平に直線状に延びる支持部材28が設けられ、2つの仮設梁63は、この支持部材28の両端側の上面に位置している。これにより、仮設柱20の上端面は、支持部材28を介して、仮設屋根61の仮設梁63に連結されている。
既存建物1の屋根面の外周側には、全周に亘って既存のゴンドラレール16が2列に配置されている。これらゴンドラレール16は仮設屋根61の一部であり、これらゴンドラレール16上には、既存建物1の外側に向かって突出するH鋼からなるブラケット67が所定間隔おきに配置されている。
外周足場62は、ブラケット67に支持されて、既存建物1の外壁面17に沿って設けられている。また、この外周足場62は、仮設屋根61の外周に沿って配置された足場ユニット70を連結したものである。
下部足場ユニット73は、高さ方向に11段で水平方向に5スパンで構築された枠組足場80と、枠組足場80の各段の既存建物1側に設けられて水平方向に連結する軽量H鋼からなる水平補強部材81と、枠組足場80の外側に全面に亘って設けられた防音パネル82と、枠組足場80の支持フレーム71の直下に設けられたブレース87と、で構成される。
すなわち、外径が主管831の内径よりも小さい連結ピン835を用意し、連結ピン835の両端それぞれの主管831の内部に挿入する。この状態で、主管831の外側から、主管831および連結ピン835にボルト836を貫通させ、このボルト836に図示しないナットを螺合して締付ける。
なお、上下に位置する副管833同士も、主管831と同様の手順で連結される。
ブレース85は、建枠83の主管831同士の間に取り付けられている。
ブレース87は、枠組足場80の吊り下げ位置付近での剛性を向上させるものである。
支持フレーム71は、ブラケット67の先端部の上に2列に配置される角型鋼からなる桁部材711と、これら2列の桁部材711を所定間隔置きに連結する連結部材712と、桁部材711に貫通固定されて略鉛直方向に延びる円筒形状の主管713と、連結部材712に貫通固定されて略鉛直方向に延びる円筒形状の副管714と、を備える。
また、支持フレーム71の副管714の下端側は、下部足場ユニット73の副管833に連結され、支持フレーム71の副管714の上端側は、上部足場ユニット72の副管833に連結されている。
固定壁繋ぎ74A〜74Dは、上から順に配置された4本の固定壁繋ぎ74A、74B、74C、74Dで構成される。
下部足場ユニット73の水平補強部材81のうち仮設梁63に対向するものは2本あるが、このうち、上側を水平補強部材81A、下側を水平補強部材81Bとする。
固定壁繋ぎ74Aは、仮設梁63の壁繋ぎ固定ピース741から斜め上方に延びて、水平補強部材81Aに連結されている。
固定壁繋ぎ74Bは、仮設梁63の壁繋ぎ固定ピース741から斜め下方に延びて、水平補強部材81Bに連結されている。
下部足場ユニット73の水平補強部材81のうち既存梁12に対向するものは2本あるが、このうち、上側を水平補強部材81C、下側を水平補強部材81Dとする。
固定壁繋ぎ74Cは、既存梁12の壁繋ぎ固定ピース742から略水平に延びて、水平補強部材81Cに連結されている。
固定壁繋ぎ74Dは、既存梁12の壁繋ぎ固定ピース743から斜め下方に延びて、水平補強部材81Dに連結されている。
ロッド747の一端側は、他端側に対して逆ねじとなっており、このロッド747を回転させることで、壁繋ぎ固定ピース741〜743と水平補強部材81A〜81Dとの距離を調整できるようになっている。
この吊りワイヤ75には、ターンバックル751が設けられており、このターンバックル751を回転させることで、吊りワイヤに導入する張力を調整できるようになっている。
移動壁繋ぎ機構76は、下部足場ユニット73の下端側に2段で設けられた移動壁繋ぎ90を備える。
移動壁繋ぎ90は、下部足場ユニット73の下端側2段の水平補強部材81に取り付けられた基部としての受け金物92と、この受け金物92から略水平に直線状に延びる腕部93と、この腕部93の先端に設けられて略鉛直方向に延びる2本の棒状のスライド部94と、を備える。
スライド部94は、ゴンドラガイド18内に配置されて、ゴンドラガイド18に係合する。これにより、移動壁繋ぎ90は、ゴンドラガイド18に沿って移動可能となり、かつ、外壁面17の面外方向への移動が規制されることになる。
このとき、ゴンドラガイド18と外周足場62との相対変位が生じても、腕部93が図13(a)中破線で示すように回転し、このゴンドラガイド18と外周足場62との相対変位に追従する。
スライド片95Aは、棒状であり、腕部93の先端に取り付けられる。また、このスライド片95Aの上下両端は、紡錘形状となっている。このスライド片95Aの幅を、t3とする。
スライド片95Bの取付けプレート951は、ボルト952で腕部93に固定可能となっている。
まず、図14に示すように、スライド片95Aを、スリット181を通してゴンドラガイド18の内部に挿入する。次に、スライド片95Bを、スリット181を通してゴンドラガイド18の内部に挿入し、ゴンドラガイド18の内部で、これら2つのスライド片95A、95Bを組み合わせてスライド部94とする。すると、このスライド部94は、ゴンドラガイド18のスリット181よりも幅が大きくなるので、ゴンドラガイド18に係止する。
ステージ部材772の先端縁には、ゴム部材774が取り付けられており、ステージ部材772が水平の状態では、ステージ部材772と外壁面17との隙間を塞ぐようになっている。
このステージ部材772は、チェーン773で上方に吊られており、このチェーン773によりステージ部材772が水平を維持できるようになっている。
また、防音パネル82の下端から、最下段フレーム78の外周面を通り、隙間塞ぎステージ77の受け金物771まで、シート785が張り付けられている。
ステップ1では、図1に示すように、屋上階としてのR階の設備機器、目隠し壁、およびフレーム等を解体する。また、R階床レベルの既存梁12の一部を残して解体して、残った既存梁12を仮設梁63とする。さらに、24階床レベルの外周の既存梁12を残して、24階の外壁を含む立上りおよび24階床レベルの内側の既存梁12を解体する。
また、仮設柱20の外側に仮設梁63に支持される外周足場62を構築する。この外周足場62を構築する手順については、後に詳述する。
なお、図示しないが、仮設屋根61には、雨水を利用した散水設備およびドライミスト装置を設ける。
その後、既存建物1の外周の既存柱11の近傍に仮設柱20を配置する。
その後、23階の既存柱11を柱頭部で切断し、23階の外壁を含む立上がりを解体する。このとき、天井走行クレーン66を利用して、解体材を床開口15に移動し、テルハ65によりこの解体材を搬出階に荷下ろしする。荷下ろしした解体材は、リサイクル可能な材料と産業廃棄物との仕分けを行って、場外に搬出する。
これにより、仮設柱20が下降し、仮設屋根61および外周足場62も下降し、第2かんぬき部材30は21階床レベルの高さに位置する。このとき、水平反力受け部材51、52により、仮設柱20の移動を案内する。
次に、第2かんぬき部材30を伸長させて、この第2かんぬき部材30を21階床レベルの既存梁12に係止させ、仮設柱20の荷重を21階床の既存梁12に支持させる。
また、23階床レベルに設置した水平反力受け部材51、52を19階床レベルに盛り替える。
次に、解体作業スペース内で、23階の床から22階の外壁を含む立上がりまで(図16中破線で示す部分)を解体する。このとき、天井走行クレーン66を利用して、解体材を床開口15に移動し、テルハ65によりこの解体材を搬出階に荷下ろしする。
まず、図18に示すように、地上にて、外周足場62を5スパン毎に分割した足場ユニット70を組み立てる。
具体的には、架台96を構築し、この架台96上に、下から順番に、最下段フレーム78、下部足場ユニット73、支持フレーム71、上部足場ユニット72を5スパン分組み立てる。
次に、図12に示すように、隙間塞ぎステージ77のステージ部材772を水平に配置する。
その後、移動壁繋ぎ97を撤去して外壁を解体しながら、固定壁繋ぎ74A〜74Dおよび吊りワイヤ75を取り付ける。
(1)外周足場62に取り付けられた受け金物92に対して腕部93を回転可能とした。よって、移動壁繋ぎ90がゴンドラガイド18に沿って下降した際、ゴンドラガイド18の外周足場62に対する相対位置が変化する場合であっても、腕部93が回転して、スライド部94は、ゴンドラガイド18の外周足場62に対する相対位置の変化に追従する。よって、移動壁繋ぎ90を外周足場62から一旦取り外して、所定位置に取り付け直す必要がなく、既存建物1の解体作業を円滑に行うことができる。
よって、従来のようにゴンドラガイドの下端を通すことなく、スライド部94をゴンドラガイド18の内部に容易に配置できるから、構造物解体システム60がゴンドラガイド18の途中に位置している場合でも、スライド部94を容易に交換できる。また、構造物解体システム60の高さ位置にかかわらず、スライド部94の追加設置や撤去が可能となる。
例えば、本実施形態では、スライド部94を、略鉛直方向に延びる2本の棒状としたが、これに限らず、図22に示すように、スライド片95A、95Bに、ゴンドラガイド18の底面を走行する複数の車輪953を設けてもよい。このようにしても、上述の(3)と同様の効果がある。
11、11A…既存柱
12…既存梁
13…既存スラブ
14、15…床開口
16…ゴンドラレール
17…外壁面
18…ゴンドラガイド
20、20A…仮設柱
21…柱部材
22…連結部材
23A…水平支持レール
23B…水平支持レール
24…ステップロッド
25…ステップロッドジャッキ
26…第1かんぬき部材
27…かんざし部材
28…支持部材
29…継手
30…第2かんぬき部材
31…本体
32…係止部
51…水平反力受け部材
52…水平反力受け部材
53…第1ガイド部
54…第2ガイド部
60…構造物解体システム
61…仮設屋根
62…外周足場(仮設壁)
63…仮設梁
64…板材
65…テルハ
66…天井走行クレーン
67…ブラケット
70…足場ユニット
71…支持フレーム
72…上部足場ユニット
73…下部足場ユニット
74A、74B、74C、74D…固定壁繋ぎ
75…吊りワイヤ
76…移動壁繋ぎ機構
77…隙間塞ぎステージ
78…最下段フレーム
80…枠組足場
81、81A〜81D…水平補強部材
82…防音パネル
83…建枠
84…布板
85…ブレース
86…巾木
87…ブレース
90、90A…移動壁繋ぎ
92…受け金物(基部)
93…腕部
94…スライド部
95A、95B…スライド片
96…架台
98…ゴンドラガイド塞ぎ部材
99…車輪部材
181…スリット
211…下部
212…中央部
213…上部
214…貫通孔
711…桁部材
712…連結部材
713…主管
714…副管
741、742、743…壁繋ぎ固定ピース
745、746…連結部
747…ロッド
751…ターンバックル
771…受け金物
772…ステージ部材
773…チェーン
774…ゴム部材
781…基部
782…円弧部
783…主管
784…副管
785…シート
831…主管
832…連結管
833…副管
834…補強管
835…連結ピン
836…ボルト
931…回転軸
951…取付けプレート
952…ボルト
953…車輪
981…塞ぎ部材本体
982…固定ボルト
Claims (4)
- 構造物を解体するための構造物解体システムであって、
前記構造物の所定階の上面を覆う仮設屋根と、
前記所定階より下階に支持されて前記仮設屋根を支持する仮設柱と、前記仮設屋根の外周に沿って設けられた仮設壁と、を備え、
前記構造物の外壁面には、略鉛直方向に延びるゴンドラガイドが設けられており、
前記仮設壁には、当該ゴンドラガイドに沿って移動可能な移動壁繋ぎが設けられ、
当該移動壁繋ぎは、前記仮設壁に取り付けられた基部と、当該基部から延びてかつ当該基部に略鉛直方向を回転軸として回転可能に支持された腕部と、当該腕部の先端に設けられて前記ゴンドラガイドに係合しかつ当該ゴンドラガイドに沿って移動可能なスライド部と、を備えることを特徴とする構造物解体システム。 - 前記ゴンドラガイドは、略鉛直方向にスリットが形成された筒状であり、
前記スライド部は、当該ゴンドラガイドのスリットよりも幅が大きく、かつ、前記ゴンドラガイドのスリットよりも幅が小さい複数のスライド片に分割可能であることを特徴とする請求項1に記載の構造物解体システム。 - 前記スライド部は、上下両端が略紡錘形状であることを特徴とする請求項1または2に記載の構造物解体システム。
- 前記スライド部には、前記ゴンドラガイドの底面を走行する車輪が設けられることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の構造物解体システム。
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