JPS6134183Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は左右一対の前後方向に沿うメインフレ
ームを前後方向複数箇所で横フレームにて連結し
た機枠を前後輪間に亘つて支承し、前記機枠の前
輪側に寄つた位置にエンジン及びクラツチハウジ
ングを載置支持させ、前記機枠の後輪側に寄つた
位置に後輪駆動用伝動ケースを載置支持させると
ともに、前記伝動ケースの上方箇所に運転席を配
設し、且つ、左右メインフレーム夫々の前後中間
部分から足載せステツプを横外側方に延設させた
農用トラクタに関し、左右メインフレームの補強
構造と、クラツチハウジンングと伝動ケースとの
間を覆うカバー構造との兼用により、保守点検の
容易化と全体構造の低廉化を図らんとするもので
ある。

上記農用トラクタは、機枠に諸装置を塔載させ
て機体を構成させるようにすることによつて、機
体全体の組付、分解作業を容易に行なえる等の
種々の利点を得られるようにしたものであるが、
機枠が前後輪間に亘つて支承される関係上、左右
メインフレームの前後中間部分には大きな曲げモ
ーメントが発生することとなるので、この中間部
分のメインフレームは殊に丈夫に補強しておく必
要がある。

しかしながら、従来では、メインフレームのう
ち、緩衝具を介して載置されるエンジン、クラツ
チハウジングの横側方に位置する前輪がわ部分に
逆Ｕ字状フレームを立設し、後輪がわ部分に載置
される伝動ケースの前端側を支承するためにメイ
ンフレームから立設する縦フレームと前記逆Ｕ字
状フレームとの上部同志を杆状の前後方向に沿う
補強フレームで連結する構造によつて補強し、左
右足載せステツプの間に位置することになる前記
クラツチハウジングと前記伝動ケースとの間を覆
うカバー体を、前記補強フレームとメインフレー
ムとに連結支持させていたので、補強構造が複雑
化し、カバー体の内側に設けられている伝動軸や
油圧ポンプ等の保守点検がやりずらいという問題
があつた。

つまり、伝動ケースの上方箇所に運転席を設け
ることから、伝動ケースの前端側を支承する縦フ
レームと逆Ｕ字状フレームとの上部同志を連結す
る補強フレームは運転者が容易に跨げる程度の高
さに設けなければならない制約があり、かかる制
約のもとで充分な補強強度を確保するためには補
強フレームの寸法が大型化し、この大型の補強フ
レームが保守点検の邪魔にもなるからである。

本考案は、上記実状に留意して為されたもので
あつて、前記左右メインフレームの前後中間部分
に、前記クラツチハウジングと前記伝動ケースと
の間を覆うカバー体を兼ねた補強板を立設し、こ
の補強板の前端及び後端を、左右メインフレーム
夫々の前端がわ部分に立設させた逆Ｕ字状フレー
ムの後端及び前記伝動ケースの前端に支承させ、
且つ、左右メインフレームの夫々から立設させた
縦フレームに接続させてあることを特徴とする。

すなわち、前記クラツチハウジングと前記伝動
ケースとの間を覆うカバー体を取外すような保守
点検時には機体が停止しており、機枠そのものに
大きな負荷がかからないことに着目して、カバー
体を兼ねた補強板で逆Ｕ字状フレームと縦フレー
ムとを連結するものであるから、補強板を取外す
保守点検時には広い点検スペースを確保でき、そ
の上、冒記した従来構造のように杆状の補強フレ
ームとカバー体とを各別に設けるに較べて、左右
メインフレームの上部に設ける補強構造並びにカ
バー構造の兼用により、全体構造の低廉化を図り
得るのであり、実施製作上の利点大である。

以下本考案の実施例を図面に基づいて詳述す
る。

左右一対の前後方向に沿うメインフレーム１
ａ，１ａを前後方向複数箇所で横フレーム１ｂ，
…にて連結した機枠１が設けられ、この機枠１の
前端がわ部分に、エンジン２並びにこれに直結の
クラツチハウジング３が載置支持され、機枠１の
後端がわ部分に、左右後輪５，５の差動変速装置
（図示せず）を内装し、且つ、左右後輪５，５の
支持ケース６，６を支承する後輪駆動用の伝動ケ
ース７が載置支持され、前記機枠１の前端がわ下
部に、向き変更操作可能な左右前輪８，８を支承
する機体９が取付けられている。

前記伝動ケース７の上方箇所に、運転席１０が
設けられ、この運転席１０の前方にステアリング
ハンドル１１が設けられ、運転席１０の右足元部
にクラツチ操作ペダル１２が設けられ、運転席１
０の右足元部に、各別操作並びに同時操作可能に
並置される状態で左右一対のブレーキ操作ペダル
１３，１３が設けられている。

前記クラツチハウジング３の後端に、車輪駆動
用の第１油圧ポンプ１４と付設作業装置昇降用リ
フトアーム１５，１５の駆動用の第２油圧ポンプ
１６とが一体接続され、後輪駆動用油圧モータ１
７ａや前輪駆動用油圧モータ１７ｂ，１７ｂが第
１油圧ポンプ１４からの圧油にて駆動され、リフ
トアーム操作用の油圧シリンダ１８が第２油圧ポ
ンプ１６からの圧油にて駆動されるようになつて
いる。

尚、図中１９は、前記伝動ケース７に支承され
たPTO軸であつて、前記クラツチハウジング３
から突設の出力軸（図示せず）と連動されて駆動
回転されるようになつている。

又、前記左右メインフレーム１ａ，１ａ夫々の
前後中間部分から足載せステツプ２１，２１が横
外側方に延設されている。そして、前記左右メイ
ンフレーム１ａ，１ａ夫々の前後中間部分に、前
記クラツチハウジング３と前記伝動ケース７との
間を覆うカバー体を兼ねた補強板２２，２２が立
設され、この補強板２２，２２の前端及び後端
が、前記左右メインフレーム１ａ，１ａ夫々の前
端がわ部分に立設の逆Ｕ字状フレーム２３，２３
の後端及び前記伝動ケース７に支承させ且つ左右
メインフレーム１ａ，１ａ夫々から立設させた縦
フレーム２４，２４に接続されている。

尚、図中２５は、左右補強板２２，２２の上部
にボルト止着される蓋体である。又、前記左右逆
Ｕ字状フレーム２３，２３は、ステアリングギヤ
ボツクス２６の支承枠２７や足元保護カバー２
８，２８の支承枠２９の取付枠に利用されるよう
になつている。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る農用トラクタの実施の態様
を例示し、第１図は農用トラクタの一部切欠き側
面図、第２図は同トラクタの概略平面図、第３図
はフレーム構造の側面図、第４図は同構造の平面
図、第５図は補強板装着部の縦断背面図である。 １……機枠、１ａ，１ａ……メインフレーム、
１ｂ……横フレーム、２……エンジン、３……ク
ラツチハウジング、５……後輪、７……伝動ケー
ス、８……前輪、１０……運転席、２２，２２…
…補強板、２３，２３……逆Ｕ字状フレーム、２
４，２４……縦フレーム。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 左右一対の前後方向に沿うメインフレーム１
   ａ，１ａを前後方向複数箇所で横フレーム１ｂ，
   …にて連結した機枠１を前後輪８，５間に亘つて
   支承し、前記機枠１の前輪８側に寄つた位置にエ
   ンジン２及びクラツチハウジング３を載置支持さ
   せ、前記機枠１の後輪５側に寄つた位置に後輪駆
   動用伝動ケース７を載置支持させるとともに、前
   記伝動ケース７の上方箇所に運転席１０を配設
   し、且つ、左右メインフレーム１ａ，１ａ夫々の
   前後中間部分から足載せステツプ２１，２１を横
   外側方に延設させた農用トラクタであつて、前記
   左右メインフレーム１ａ，１ａの前後中間部分
   に、前記クラツチハウジング３と前記伝動ケース
   ７との間を覆うカバー体を兼ねた補強板２２，２
   ２を立設し、この補強板２２，２２の前端及び後
   端を、左右メインフレーム１ａ，１ａ夫々の前端
   がわ部分に立設させた逆Ｕ字状フレーム２３，２
   ３の後端及び前記伝動ケース７の前端に支承さ
   せ、且つ、左右メインフレーム１ａ，１ａの夫々
   から立設させた縦フレーム２４，２４に接続させ
   てあることを特徴とする農用トラクタ。