JPS6134103Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は合成樹脂シートあるいは合成樹脂張
り布等を重合接着する高周波溶接機の溶着バーの
構造に関するものである。

従来この種の熱可塑性合成樹脂シートの重合接
着には高周波電流によるウエルダー加工が行わ
れ、その溶着バーは断面矩形の単一バーが一般に
使用されている。

しかし、この単一バーによる重合接着による
と、重合後展開した接合部の表面に、重合した双
方のシートから溶融した合成樹脂が太線状に露出
し、シートの表面を皮革に見せかける表面加工を
種々行つてもこの太線状のため、シートの素材が
合成樹脂であることが一目瞭然と判明してしまい
思わしくなく、また合成樹脂シート張り布の場合
は尚更工合が悪かつた。

そこでこの考案は、特殊な溝付き溶着バーを用
にることにより上記の溶融した接合部の太線状を
細線状とし、背部は補強の二重接合部を形成し、
接合部の美感を呈するとともに補強も一段と増す
効果を奏するものである。

以下、本考案の一実施例を図面に従つて説明す
ると、熱可塑性合成樹脂シートあるいは熱可塑性
合成樹脂張り布を接着すると高周波溶接機の溶着
バー１において、シートＳ当接面に長手方向の溝
２を凹設し、該溝２の一縁３の幅を狭く、他縁４
の幅を広く形成して成るものである。また上記の
他縁４の広幅縁へ溝２と直角方向に一定間隔おき
に凹部５，凸部６を順次交互に列設形成した構造
としてもよい。なお図面においてＡは溶着台，ま
たSaはシートＳの表面，Sbは裏面を示す。

このように構成した本考案は、第１図に示すよ
うに、２枚の合成樹脂シートＳの表面Sa同士を
重ねて溶着台Ａ上に載置し、溶着バー１をもつて
圧接し高周波電流で加熱溶融して接着するもので
ある。

本考案によると、第２図に示す従来の単一バー
型式の溶着バーと異なり、溝を凹設して一方に幅
の狭い縁３を設けたため伝熱を制限し合成樹脂の
溶融部は溝側へ逃げるのでこの側は細い線溶接と
なり、幅の広い他縁４は伝熱充分なためこの幅い
つぱいに２枚のシートは溶融し、充分な補強度を
呈するものである。そして第３図に示すように接
着したものを展開して表面を見ると、接合部は一
本の細線をなし美感を呈する。これに対し従来の
ものは第２図および第４図に示すように、溶着バ
ー全面に亘り伝熱されるため接合部に溶融した合
成樹脂が太線状に露出してはつきりと接合部を示
し、美感を損なうものである。

このように本考案によると、表面に現われる接
合部が極めて美しい一本の細線で、表面加工を施
せばほとんど接合部が目立つことなく、自動車の
車内トツプシーリング等の内装材あるいは家具等
の張装材としても活用広く、しかも接着部が強靭
である等極めて有効なる効果を奏するものであ
る。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例および従来例を示し、第
１図は一部断面の本考案説明図、第２図は同じく
従来例の説明図、第３図は本考案による製品の展
開斜視図、第４図は同じく従来例による製品の展
開斜視図、第５図は本考案の一部欠截斜視図、第
６図は他の実施例を示す一部欠截斜視図である。 １……溶着バー、２……溝、３……溝の狭縁、
４……溝の広縁、５……凹部、６……凸部、Ａ…
…溶着台、Ｓ……シート、Sa……表面、Sb……
裏面。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 熱可塑性合成樹脂シートあるいは熱可塑性合
   成樹脂張り布等を接着する高周波溶接機の溶着
   バーにおいて、シート当接面に長手方向の溝を
   凹設し、該溝一縁の幅を狭く、他縁の幅を広く
   形成したことを特微とする溶接バー。 (2) 実用新案登録請求の範囲第１項記載の高周波
   溶接機の溶着バーにおいて、溝の広幅縁へ溝と
   直角方向に一定間隔おきに凹部，凸部を順次交
   互に列設形成したる構造。