JPS6133108B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔技術分野〕 この発明は玄関の上り框等に使用する框に関す
るものある。

〔背景技術〕

一般に、第１図に示すように、玄関の上り框等
に使用する框１は無垢材で構成するか、あるいは
積層合板である芯材の表面に化粧単板を貼りつけ
て構成し、その施工は、第２図に示すように、框
１を土台２上に載置して釘３により固定し、框１
の裏面には根太掛け４を釘固定するとともに、根
太掛け４の上面に根太５を掛け渡し、その上に床
材６を敷設して行なう。

しかしながら、無垢材や積層合板では内部まで
均一に乾燥しないため、施工したのち徐々に反り
やねじれが発生していた。また、材料使用量が多
くなつて省資源を図ることができず。また乾湿に
よる寸法変化が大きいために品質が一定せず、さ
らにけやきや楼等の高級材の無垢材を使用する場
合は価格も高価につき、重量も大きいので施工性
も悪いという問題を有していた。

このため、一対の断面Ｌ形の長尺部材を接合し
て中空の框を形成することが提案されていた（例
えば特公昭43―003757号公報）。しかしながら、
このようにして得た框は、内部が空洞であるため
に、衝撃等に対する強度に劣り、また空洞音によ
り高級感に劣つたものになるという欠点があつ
た。

〔発明の目的〕

この発明の目的は、安価かつ軽量で品質も安定
し、しかも省資源を図ることができるとともに、
衝撃等に対する強度にすぐれ、かつ高級感に富む
框を提供することである。

〔発明の開示〕 この発明の框は、それぞれの両側縁を相互に接
合して方形筒状框本体を構成した一対の断面Ｌ形
長尺部材と、これら断面Ｌ形長尺部材の接合部が
ある前記方形筒状框本体の入隅に各断面Ｌ形長尺
部材に接合して取付けた桟木と、前記方形筒状框
本体の筒内部両端にそれぞれ取付けた端部補強板
と、これらの端部補強板の間に相互に間隔をもつ
て前記框本体の筒内部に配設された対向コーナ部
に前記桟木を嵌入する桟木嵌入用切欠を設けた複
数の内部補強板と、前記端部補強板との間および
内部補強板との間および内部補強板相互間にでき
た空洞部に充填した充填材とを備えたものであ
る。

このため、この発明によれば、以下の作用効果
がある。

(A) 一対の断面Ｌ形長尺部材を接合して框本体を
構成するので、従来の無垢材や積層合板を使用
した框のように徐々に反りやねじれが発生する
といつた欠点がなく、安価かつ軽量で品質も安
定し、しかも省資源を図ることができる。

(B) 前記桟木は、断面Ｌ形長尺部材の接合部のあ
る入隅に取付けられているので、一対のＬ形長
尺部材の相互を桟木を介して強固に接合するこ
とができる。また、桟木は床材を受ける切欠溝
を框の出隅に形成する場合にも必要となる。

(C) 前記框本体の両端には端部補強板が、また筒
内部には適当な間隔で複数の内部補強板が設け
られているので、施工状態において上から衝撃
や荷重がかかつても框本体が変形あるいは破損
するといつたことがなくなり、強度が向上す
る。

(D) 前記各補強板の間の空洞部には充填材を充填
しているため、空洞音が感じ、高級感を付与す
ることができる。

実施例 この発明の第１の実施例を第３図〜第７図を用
いて説明する。すなわち、この框Ａは、それぞれ
の両側縁を相互に接合して方形筒状框本体を構成
した一対の断面Ｌ形長尺部材７，１１と、これら
断面Ｌ形長尺部材７，１１の接合部がある前記方
形筒状框本体の入隅に取付けた桟木８，９と、前
記方形筒状框本体の筒内部両端にそれぞれ取付け
た端部補強板１０，１０と、これらの端部補強板
１０，１０の間の前記框本体の筒内部に相互に間
隔をもつて配設され対向コーナ部に前記桟木８，
９を嵌入する桟木嵌入用切欠１３ａを設けた複数
の内部補強板１３と、前記端部補強板１０と内部
補強板１３との間および内部補強板１３相互間に
できた空洞部１２に充填した充填材１４または１
５とを備えたものである。

前記断面Ｌ形長尺部材１１は、複数枚のラワン
単板を接着剤を介して積層し、その上面にけやき
等の表面化粧単板を同じく接着剤を介して積層
し、これら積層単板を加熱圧縮によりＬ形に折曲
し接着して形成して集成材で構成される。また、
断面Ｌ形長尺部材７は、合板の裏板７ａと地板７
ｂとを接合して構成されるが、ラワン単板の複数
枚を接着剤を介して積層し、これを加熱圧締した
のち、Ｌ形に折曲したものでも使用可能である。
また、桟木８，９端部補強板１０および内部補強
板１３はいずれも合板で構成する。また、第５図
および第６図に示すように、前記充填材１４はハ
ニカムコアであり、他の充填材１５は発泡スチロ
ールである。これらの充填材１４，１５はいずれ
を使用してもよく、必要に応じて使い分けること
ができる。

このように、框Ａを一対の断面Ｌ形長尺部材
７，１１で構成するようにしたので、従来によう
に無垢材を使用する場合に比して材料使用量を低
減して省資源を図ることができ、さらに寸法変化
や反り、ねじれが少なくなつて品質の安定化をも
図ることができる。また、けやき等の高級材は断
面Ｌ形長尺部材１１の表面に使用するだけである
から、非常に安価に製造することができる。

前記桟木８および９は断面Ｌ形長尺部材７の裏
板７ａの内側面上端縁および地板７ｂの上面端縁
にそれぞれ接着される。そして、他の断面Ｌ形長
尺部材１１は端部補強板１０，１０、桟木８，９
と接着して断面Ｌ形長尺部材７と一体に接合され
る。このため、桟木８，９は端部補強板１０とと
もに、一対の断面Ｌ形長尺部材７，１１を強固に
接合するのに役立つ。また、第７図に示すよう
に、裏板７ａの上端縁に接着した桟木８は床材６
を受ける切欠溝１６をするために必要となる。

さらに、この実施例の框Ａは内部の空洞に軽量
の充填材１４，１５を充填しているため、重量も
軽くなつて施工性も向上する。しかも、断面Ｌ形
長尺部材１１は集成材で構成しているため、角部
で割れや木質繊維のほぐれも生じず、美観が損な
われない。

加えて、この実施例では、内部補強板１３を付
設してことにより強度が向上し、断面Ｌ形長尺部
材１１の上面から衝撃が加わつても、框Ａが変形
したり、破損したりするのを防止することができ
る。さらに、内部補強板１３が充填材１４，１５
とともに空洞音ができるのを防止するのに役立
つ。

また、第８図に示すように、前記端部補強板１
０に代えて、その対向コーナ部に前記桟木を嵌入
する桟木嵌入用切欠１０a′が形成された端部補強
板１０′，１０′を使用してもよい。かかる端部補
強板１０′，１０′を用いることにより、補強板１
０′を断面Ｌ形長尺部材７，１１を長手方向の任
意位置にスライド配置できるため、施工現場で框
取付幅に応じて框Ａの幅調整を簡単に行うことが
できる。

この発明の第２の実施例を第９図および第１０
図を用いて説明する。すなわち、この框Ｂは、断
面Ｌ形長尺部材７′の裏板７a′の一部を打抜い
て、その打抜板を中央補強板１３′とするもの
で、その他の構成は第３図〜第７図の実施例と同
一であるので、同一部分に同一符号を付して説明
を省略する。

このように構成した結果、第３図〜第７図の実
施例と同様の効果を達成できるほか、中央補強板
１３′を裏板７a′を打抜いて形成するため、より
一層の省資源、コストダウンおよび軽量化を図る
ことができる。

〔発明の効果〕

この発明によれば、以下の効果がある。すなわ
ち、一対の断面Ｌ形長尺部材を用いて方形筒状框
本体を形成するので、反りやねじれがなく、かつ
安価かつ軽量で品質も安定し、しかも省資源を図
ることができる。また、一対の断面Ｌ形長尺部材
の接合部の入隅に桟木を取付けるため、この桟木
を介して長尺部材同士を強固に接合することがで
きる。さらに、端部補強板および内部補強板によ
り框本体を補強したので、框本体の強度が向上
し、衝撃等により変形や破損したりすることがな
く、また内部補強板および充填材により空洞音が
低減化し、高級感を付与することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来例の斜視図、第２図はその施工状
態を示す断面図、第３図はこの発明の第１の実施
例の分解斜視図、第４図はその組立後の側面図、
第５図はその内部に挿入するハニカムコアの斜視
図、第６図は同じく発泡スチロールの斜視図、第
７図はこの実施例の框の施工状態を示す断面図、
第８図は端部補強板の他の例を示す斜視図、第９
図は、第２の実施例の分解斜視図、第１０図は裏
板を打ち抜いた状態を示す斜視図である。 ７，７′……断面Ｌ形長尺部材、８，９……桟
木、１０，１０′……端部補強板、１３，１３′…
…内部補強板、１３ａ，１０′ａ…切欠、Ａ，Ｂ
……框。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ それぞれの両側縁を相互に接合して方形筒状
   框本体を構成して一対の断面Ｌ形長尺部材と、こ
   れら断面Ｌ形長尺部材の接合部がある前記方形筒
   状框本体の入隅に各断面Ｌ形長尺部材に接合して
   取付けた桟木と、前記方形筒状框本体の筒内部両
   端にそれぞれ取付けた端部補強板と、これらの端
   部補強板の間に相互に間隔をもつて前記框本体の
   筒内部に配設された対向コーナ部に前記桟木を嵌
   入する桟木嵌入用切欠を設けた複数の内部補強板
   と、前記端部補強板と内部補強板との間および内
   部補強板相互間にできた空洞部に充填した充填材
   とを備えた框。 ２ 前記端部補強板は、その対向コーナ部に前記
   桟木を嵌入する桟木嵌入用切欠が形成されたた特
   許請求の範囲第１項記載の框。