JPS6132413Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、ギヤ式変速機のチエンジ機構、とく
にそのシフトロツクおよびリバースロツク機構の
改良に関するものである。

従来より、第１図に示すように、シフトレバー
１をチエンジロツド２の軸方向にセレクトレバー
３によつて摺動させることにより、シフトロツド
４に支承した（１速・２速）シフトフオーク５、
（３速・４速）シフトフオーク６、（５速・リバー
ス）シフトフオーク７のいずれか一つを選択し、
チエンジロツド２を軸廻りに回転させることによ
り、シフトレバー１を回動させ、シフトフオーク
を摺動させて目的とするシフト位置にシフト操作
するようにした変速機のチエンジ機構はよく知ら
れている。

この種のチエンジ機構においては、第２図に示
すように、シフトロツド４に軸方向に適当な間隔
を保つて設けた環状のロツク溝８，９，１０に対
して、シフトフオーク５に設けた収容孔１１に収
容したスプリング１２によつてシフトロツド４に
対し直交方向に付勢したロツクボール１３を設
け、ロツクボール１３がロツク溝８，９，１０の
いずれかのロツク溝間の突起を乗越えることによ
り節度を与えるとともに、ロツク溝にロツクボー
ル１３が落込むことにより、シフトロツクを行な
うシフトロツク機構が形成されている。

また、第１図に示すように、シフトレバー１
が、（５速・リバース）位置にセレクト操作され
たときには、シフトレバー１に当接して軸方向に
スライドされるリバースロツクストツパ１４の外
周にロツク溝１５を形成し、変速機ケース１６に
設けた収容孔１７に収容したスプリング１８によ
つて付勢したロツクボール１９がロツク溝１５か
らスプリング力に抗してリバースロツクストツパ
の外周面に乗りあげることにより節度を与えるリ
バースロツク機構が上記シフトロツク機構とは別
に設けられていた。

したがつて、従来のチエンジ機構では、シフト
ロツク機構とリバースロツク機構とが別体に、か
つ別位置に設けられていたため、構造が複雑とな
り、部品点数が必然的に多くなり、組付けも面倒
となる問題があつた。また、従来、複数のシフト
ロツドを有するタイプの変速機において、リバー
ス用シフトロツドに第２図のようなロツク機構を
設けたものがあるが、このタイプでは、例えば実
開昭52−160767号にあるように、それぞれのシフ
トロツドにシフトロツク機構を設ける必要があ
り、やはり部品点数が必然的に多くなり、組付作
業性も悪いという問題を有していた。

本考案は、かかる問題に鑑みてなされたもので
あつて、全てのシフトロツク機構とリバースロツ
ク機構とを共通の節度機構として構成し、シフト
操作時にはシフトロツクを与え、セレクト操作に
際してはリバースロツクを与えることができる変
速機のシフトロツクおよびリバースロツク装置を
提供することを目的としている。

このため、本考案においては、セレクトレバー
によつてチエンジロツドの軸方向にセレクト操作
され、チエンジロツドの回動に連動してシフト操
作されるシフトレバーを軸方向に延長し、その延
長部外面には、軸方向に沿つて平行に延びる３本
のロツク溝を刻設し、中央のロツク溝には、リバ
ースロツク位置に対応して段差を形成するととも
に、これらロツク溝に対し、一つの節度機構を設
け、シフトレバーの回動に際してはシフトロツク
を形成する一方、シフトレバーの軸方向のスライ
ドに際してリバース位置がセレクトされる場合に
は、上記中央のロツク溝の段差によつて節度を与
えるようにしたことを基本的な特徴としている。

以下、図示の実施例に基づいて本考案をより具
体的に説明する。

第３図に示すように、本考案においては、チエ
ンジロツド２とスプライン嵌合するシフトレバー
２０の円筒部２０ａをセレクトレバー３とは反対
側の軸方向に延長して延長部２０ｂを形成し、こ
の延長部２０ｂの外周に、第４図に示すように、
軸方向に延びる３本のロツク溝２１，２２，２３
を平行に刻設し、これらロツク溝２１，２２，２
３に対して節度機構を設ける。

この節度機構は、第３図に示すように、変速機
ケース１６に一体形成した小径円筒部２４の上部
をボルト２５によつて閉塞し、小径円筒部２４の
内部に形成した収容孔２６には、スプリング２７
と、このスプリング２７によつてシフトレバー２
０の延長部２０ｂの外周面に垂直に付勢されるロ
ツクボール２８を収容し、シフトレバー２０がシ
フト操作によつて回動された際、いずれか一つの
ロツク溝にロツクボール２８を落込ませて節度を
与え、シフトロツクをかける。

一方、第４図に示す３本のロツク溝２１，２
２，２３のうち、セレクト操作を受持つニユート
ラル位置に対応した中央のロツク溝２２には、第
５図と第６図の比較から明らかなように、リバー
スロツク位置に対応したロツク溝部分２２ａを、
他のセレクト位置に対応したロツク溝部分２２ｂ
に比して一段浅くし、リバースロツクに際して
は、ロツクボール２８が両部分２２ａ，２２ｂ間
の段差２２ｃに乗上げるときに節度を与え、リバ
ースロツクする構成としている。

なお、第７図に示すように、ロツク溝２１と２
２の間および２２と２３の間の区切り部分２０
ｃ，２０ｄは、外周面に対して若干低く形成し、
リバースロツクに対してシフトロツクの操作力を
軽減しシフト操作をスムーズに行なえるようにし
てもよい。

次に、上記チエンジ機構のロツク作動について
説明する。

前述した如く、セレクト操作は、シフトレバー
２０をニユートラル位置に保持し、換言すれば、
ロツクボール２８が中央のロツク溝２２に落込ん
だ状態で、セレクトレバー３によりシフトレバー
２０をチエンジロツド２の軸方向にスライド操作
することにより行なわれる。そして、シフトレバ
ー２０が第３図の右方向に、チエンジロツド２に
嵌装したスプリング２９のバネ力に抗して押さ
れ、ロツクボール２８がロツク溝２２の段差２２
ｃを越えてリバースロツク位置に対応したロツク
溝部分２２ａに乗り上げたときに、節度を与えて
シフトレバー２０をリバースロツクする。

また、チエンジロツド２を回転させてシフトレ
バー２０をシフト操作する場合には、ロツクボー
ル２８に対してシフトレバー２０がチエンジロツ
ド２とともに回動し、ロツクボール２８が、中央
のロツク溝２２の両側のロツク溝２１，２３のい
ずれか一方に落込む時に、溝間の突出部を乗り越
えることにより節度を与えるとともに、目的とす
るシフト位置にシフトレバー２０をシフトロツク
し、シフトレバー２０をシフトフオーク５，６，
７のいずれかに係合させ、シフト操作を完了す
る。

なお、上記実施例では前進５段の場合を示して
おり、リバースロツクは５速（オーバートツプ）
の節度機構をも兼ねているが、本考案は前進４速
その他の変速機に適用できることはもちろんであ
る。さらに本実施例では、ロツクボール２８を用
いて節度を与えるようにしたが、ロツクボール２
８の代わりに、ロツクピン（図示せず）を用いて
節度を与えるようにしてもよいことはいうまでも
ない。また、上記実施例では、中央のロツク溝２
２のリバースロツク位置に対応したロツク溝部分
２２ａを他の溝部分２２ｂに比して浅く形成した
が、両方の溝部分２２ａ，２２ｂを同じ深さとす
る代わりに、両溝部分２２ａ，２２ｂの境界に突
起もしくは突条を設け、これによつて、節度を与
えるようにしてもよい。

以上の説明から明らかなように、本考案は、シ
フトレバーの基部円筒部に軸方向に伸びる計３本
のロツク溝を並設するとともに、これらロツク溝
に対して単一の節度機構を設け、シフトレバーの
シフト操作に際してシフトレバーをシフトロツク
する一方、シフトレバーのニユートラル位置に対
応した中央のロツク溝には、リバースロツク位置
と他のセレクト位置との間に段差を設け、リバー
スがセレクトされた際には、この段差と上記節度
機構との間で節度を与えて、シフトレバーをリバ
ースロツクするようにした変速機のシフトロツク
およびリバースロツク装置を提供するものであ
る。

したがつて、本考案によれば、従来別個に設け
られていたシフトロツク機構とリバースロツク機
構とを共通のロツク機構として形成することがで
きるので、ロツク機構の大巾な簡略化が図れ、部
品点数の低減、加工工数の低減を図ることがで
き、よつて変速機のコストダウン、軽量化を図る
ことができる効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の変速機のリバースロツク機構を
示す変速機の要部断面図、第２図は従来の変速機
のシフトロツク機構を示すシフトフオーク部の断
面図、第３図は本考案に係る変速機のシフトロツ
クおよびリバースロツク装置を示す第１図に対応
した変速機の要部断面図、第４図は第３図に示す
シフトレバーの部分拡大斜視図、第５図および第
６図は夫々第４図のＡ−Ａ線、Ｂ−Ｂ線方向の断
面図、第７図は第５図に対応した変形例を示すシ
フトレバーの部分断面図である。 ２……チエンジロツド、５，６，７……シフト
フオーク、２０……シフトレバー、２１，２２，
２３……ロツク溝、２２ｃ……段差、２６……収
容孔、２７……スプリング、２８……ロツクボー
ル。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 ケーシングに対し回動自在に支承されるチエン
   ジロツドと、チエンジロツドに対し摺動自在に支
   承され、チエンジロツドとともに回動するシフト
   レバーと、上記シフトレバーのアーム部と選択的
   に当接する複数のシフトフオークとを有する変速
   機において、 シフトレバーの円筒状基部の外周面に、軸方向
   に平行に延びる所定長さの３本のロツク溝を刻設
   するとともに、中央のロツク溝に、リバース位置
   と他のセレクト位置との境界に段差を設ける一
   方、シフトレバーに隣接するケーシングに、チエ
   ンジロツドの軸方向に対して直交する方向に延び
   るロツク部材収容孔を穿設し、該収容孔に上記ロ
   ツク溝に嵌合するロツク部材および該ロツク部材
   をシフトレバー方向に付勢する弾性部材を収容し
   たことを特徴とする変速機のシフトロツクおよび
   リバースロツク装置。