JPS6131613Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、多条植田植機におけるバンパーの構
造に関する。

多条植田植機においては一般に、それぞれ両側
面に苗植機構を備えた伝動ケースを走行機体の進
行方向左右に並列させる一方、これに向つて傾設
した苗載台を左右動自在に支持させているが、こ
れら伝動ケース及び苗載台支持部をそれぞれ機体
に取付けるフレームは頑丈であると共に機体の全
重量を増加させないため軽量にする必要がある。

本考案では、並列する各伝動ケースと、苗載台
支持部間に装架する横長フレームとを別途フレー
ムにて苗植機構の上方をまたぐようにループ状
（囲枠状）に連結することにより軽量でかつ剛性
の高いフレーム構造とすると共にそのフレーム構
造で苗植機構の保護バンパーの役目も同時に果せ
るようにしたものである。

次に本考案の一例を図面について説明するに、
図において１はミツシヨンケース２の前部にエン
ジン台３を、後部に筒型フレーム４を各々連結し
た機体で、この機体１におけるエンジン台３の上
面に前記ミツシヨンケース２の動力をベルト６伝
動するエンジン５が設けられ、ミツシヨンケース
２の左右両側面には後方に延びるスイングアーム
７，７をその基端を回転自在に枢着して設け、該
両スイングアーム７，７の先端にはミツシヨンケ
ース２からアーム内のチエン等を介して動力伝達
される車輪８，８を各々設ける一方、機体１の下
部及び両車輪８，８の外側には圃場面９を滑走す
るようにしたフロート１０，１１，１１を備えて
いる。

前記機体１におけるフレーム４の後端には中央
部伝動ケース１２を連結し、該ケース１２の後端
下部には上部を後方向の斜め上向きに向つて延長
した一対の操縦ハンドル１３，１３′が取付けら
れ、このハンドルの前面部にはこれと略平行に後
傾式の苗載台１４を設けるにあたり、両ハンドル
１３，１３′の下部間に装架する横長管状フレー
ム４７と、連結フレーム４８，４８とを介して左
右一対の薙刀状支持部材１５，１５を前記両ハン
ドル１３，１３′と略平行に立設し、苗載台１４
の下部は前記両支持部材１５，１５の下端間に機
体の左右方向に装架したガイドレール１６に摺動
自在に載置され、苗載台１４の上部はその上部裏
面に設けたレール１７に前記両支持部材１５，１
５の先端が摺動自在に嵌まつて横送り可能に構成
されている。

前記中央部伝動ケース１２内には、前記エンジ
ン５の動力がフレーム４内の軸１８及び傘歯車対
１９，２０を介して伝達される植付クラツチ機構
２２付き中間軸２１、該中間軸２１からチエン２
３伝動されるメイン軸２４及び該メイン軸２４か
ら変速歯車機構２５を介して動力伝達されるカム
軸２６を、各々機体と直角に軸支すると共に、両
端が前記苗載台１４の前面に取付けたブラケツト
２７，２７の内側面に接当する送り軸２８を前記
カム軸２６と平行に摺動自在に設け、カム軸２６
の外周に設けた往復ねじ溝２９に、送り軸２８に
固着した船型辷りキー３０を係合してカム軸２６
の回転により苗載台１４を左右に往復して横送り
するように構成する。なお、３１は苗載台１４の
横送りの終端で揺動回転して苗載台１４に取付く
縦送り軸４４を間欠回転して苗マツトを機体の走
行方向に間欠的に縦送りするための軸である。

そして、前記伝動ケース１２内のメイン軸２４
の両端をケースの両側面に突出し、該突出端の周
囲におけるケース側面にはフランジ部３２，３２
を造形し、該両フランジ部３２には機体１から側
方向に向つて車輪８，８の外側まで延長した管状
の横部材３３，３３をボルト３４締結し、両横部
材３３，３３の先端には下端が機体の前方向に向
つて傾斜する伝動ケース３５，３５を各々固着
し、該両伝動ケース３５，３５の下端両側及び前
記中央部伝動ケース１２の下部両側にそれぞれ突
出する爪軸３６，３６，３７を機体と直角の同一
軸線上に配設し、伝動ケース１２における爪軸３
７を中間軸２１からチエン３８安全クラツチ３９
を介して回転駆動し、両伝動ケース３５，３５に
おける爪軸３６，３６を、伝動ケース１２内のメ
イン軸２４から横部材３３，３３内の伝動軸４
０，４０及び伝動ケース内のチエン４１，４１更
には安全クラツチ４２，４２を介して回転駆動
し、伝動ケース１２における爪軸３７の両端及び
伝動ケース３５における爪軸３６，３６の両端に
は、前記ガイドレール１６に設けた苗取出口４５
と圃場面９との間を上下揺動するようにした植付
爪４６を有する苗植機構４３を各々設ける。

そして、前記左右両側の伝動ケース３５，３５
の外側面には、苗載台１４の前側において水平外
向きに延びる管製のバンパーフレーム４９，４９
を固着する一方、苗載台１４の後ろ側には、当該
苗載台１４の各支持部材１５間に管製の横長フレ
ーム４７を装架連結し、該横長フレーム４７の左
右両端を水平外向きに延長し、該横長フレーム４
７の左右両端と、前記両バンパーフレーム４９と
の先端との間に、苗載台１４下端のガイドレール
１６の両端より外側の位置に田植機の前後方向に
延びるように配設したサイドバンパーフレーム５
０を装架連結して、これら両バンパーフレーム４
９、横長フレーム４７及びサイドバンパーフレー
ム５０にて平面視において苗載台１４のガイドレ
ール１６の周囲を囲う閉ループ状のフレームを構
成し、更に、前記両バンパーフレーム４９を苗載
台１４の下端のガイドレール１６及び苗植機構４
３よりも高い部位に、前記横長フレーム４７を苗
載台１４下端のガイドレール１６と略同じ高さ部
位に各々位置させる一方、前記両サイドバンパー
フレーム５０を、田植機の側面視において前記ガ
イドレール１６より前側の部分が前上がりの傾斜
状になるように屈曲形成して成るものである。

なお、前記左右両サイドバンパーフレーム５０
は、その前後両端を内向きに屈曲して、これを管
製のバンパーフレーム４９及び横長フレーム４７
内に着脱自在に挿入し、且つ、ピン５１，５２に
て抜け不能に接合されている。

この構成において、苗載台１４に苗マツトを供
給し、エンジン５の始動によつて駆動すれば、機
体１が両車輪８，８により前進走行する一方、苗
載台１４が、カム軸２６の回転によつて左右に往
復して横送りされ各苗植機構４３は一斉に上下揺
動することにより、苗載台１４上の苗は該各苗植
機構４３の植付爪４６によつて一株づつに分割さ
れた後、予めフロート１０，１１，１１で整地し
た圃場面９に６条に沿つて苗植付する。

この場合中央伝動ケース１２とその左右の伝動
ケース３５，３５を連結する横部材３３，３３及
び左右の伝動ケース３５，３５から左右に突出す
る管製バンパーフレーム４９，４９は、各ケース
１２，３５，３５の左右において上下揺動する各
苗植機構４３及び苗載台１４の下端ガイドレール
１６より上方に位置しているから、左右両伝動ケ
ース３５，３５の外側面に位置する苗植機構４３
の上部、及び苗載台１４におけるガイドレール１
６の前側を該バンパーフレーム４９にて保護でき
る一方、苗載台１４の後ろ側における横長フレー
ム４７は苗載台１４下端のガイドレール１６と略
同じ高さ部位に、バンパーフレーム４９と横長フ
レーム４７とを連結するサイドバンパーフレーム
５０はガイドレール１６の外側に各々位置してい
るから、ガイドレール１６の後部及び外側を、横
長フレーム４７とサイドバンパーフレーム５０と
によつて保護できるのである。

そして、前記バンパーフレーム４９と横長フレ
ーム４７とを連結する両サイドバンパーフレーム
５０を、田植機の側面視において前記ガイドレー
ル１６より前側の部分が前上がりの傾斜状になる
ように屈曲形成したことにより、田植機の圃場内
で前進走行しながら方向旋回するときとか、前進
走行中に機体を傾けた場合において、サイドバン
パーフレーム５０が畦又は圃場面に触れたときに
は、当該サイドバンパーフレーム５０が、前記前
上がりの傾斜部によつて畦又は圃場面に対してそ
りの作用を行うのであり、この場合、サイドバン
パーフレーム５０の前上がりの屈曲点を、ガイド
フレーム１６より前側にしたことにより、サイド
バンパーフレーム５０が畦又は圃場面に対してそ
りの作用を行うときにおいてもガイドレール１６
を確実に保護できるのである。

従つて本考案によると、苗載台の表面側に位置
する苗植機構付き伝動ケースから外向きに突出す
るバンパーフレームと、苗載台の裏面側に位置す
る横長フレームとの間にサイドバンパーフレーム
を装架連結したことにより、平面視において閉ル
ープ状のフレームとなつてその剛性を向上できる
ものでありながら、苗載台におけるガイドレール
及び苗植機構を保護できる一方、サイドバンパー
フレームが畦又は圃場面に触れた場合において、
当該サイドバンパーフレームによるガイドレール
の保護を保つた状態のもとで、サイドバンパーフ
レームが畦又は圃場面に深く侵入するのを回避で
きる効果を有する。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示し、第１図は６条
植歩行型田植機の平面図、第２図はその側面図、
第３図は第２図の−線一部切欠拡大断面図、
第４図はサイドバンパー部の一部切欠拡大平面
図、第５図は第４図の−線拡大断面図、第６
図は第４図の−線拡大断面図である。 １……機体、８，８……車輪、１３，１３′…
…ハンドル、１４……苗載台、１２，３５，３５
……伝動ケース、１５，１５……支持部材、３
３，３３……横部材、４７……横長フレーム、４
９，４９……バンパーフレーム、５０，５０……
サイドバンパーフレーム。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 機体に、それぞれ両側に苗植機構を備えた複数
   個の伝動ケースを横方向に適宜間隔で設ける一
   方、これら各伝動ケースにおける苗植機構より後
   ろ側に位置する苗載台を、当該苗載台の後ろ側に
   位置する複数本の支持部材を介して前記機体に左
   右方向に移動自在に装着して成る田植機におい
   て、前記各伝動ケースのうち左右両外側に位置す
   る両伝動ケースの外側面には、水平外向きに突出
   するバンパーフレームを各々固着する一方、前記
   苗載台の各支持部材間に装架した横長フレームの
   両端を外向きに延長して、その両先端に、前記両
   バンパーフレームの先端との間に、前記苗載台の
   下端におけるガイドレールの外側端より外側に田
   植機の前後方向に延びるように配設したサイドバ
   ンパーフレームを装架連結し、前記両バンパーフ
   レームを、前記苗植機構及びガイドレールより高
   い部位に、前記横長フレームの外向き延長部を、
   ガイドレールと略同じ高さ部位に各々位置させ、
   且つ、前記両サイドバンパーフレームを、田植機
   の側面視において前記ガイドレールより前側の部
   分が前上がりの傾斜状になるように屈曲形成した
   ことを特徴とする多条植田植機のバンパー装置。