JPS6238507Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、田植機における苗載台フロートの改
良に関すものである。

田植機における苗載台は、当該苗載台に取付け
た横送り軸を介して横移動自在に構成することに
よつて、苗植付け機構で苗を１株ずつ分割できる
ように構成されているが、苗載台に載置した苗マ
ツトから苗を苗植付け機構によつて１株ずつ分割
するに際して、苗の葉が苗植付け機構によつて傷
つけられる問題があつた。

そこで先行技術としての実開昭47−20715公報
や実開昭49−51742号公報は、苗載台の下部に左
右一対のブラケツトを介して苗押さえ杆を配設す
ることによつて、苗の葉を保護することを提案し
ている。

しかし、これら先行技術の場合、従来の苗載台
の構成に加えて苗押さえ杆とこれを支持するブラ
ケツトとを別途に設けるものであるから、苗載台
の構造が複雑になると共に、重量も増大すると言
う問題があつた。

本考案は、苗を保護するための苗押さえ杆を苗
載台に配設する場合に招来する前記の問題を解消
し、併せて、苗載台の剛性を向上すると共に、苗
載台の着脱が至極簡単にできるようにしたもので
ある。

すなわち本考案は、走行機体のフレーム等に苗
載台を横移動自在に取付け、該苗載台の表面下部
に左右一対のブラケツトを立設し、該両ブラケツ
トの間を前記苗載台の表面と略平行に延びる補強
杆にて連結し、この補強杆を、当該補強杆に苗載
台上の苗マツトにおける苗の葉が接当し得るよう
な位置に配設する一方、前記走行機体における動
力源によつて駆動される苗載台横送り機構の横送
り軸を、前記両ブラケツト間に配設して、該横送
り軸の両端を両ブラケツトの内側面にのぞませる
一方、前記横送り軸の両端には、前記両ブラケツ
トの内側面に接当する調整用ねじを、横送り軸の
軸線方向にねじ込んだ構成にしたものである。

以下本考案の実施例を図面について説明する
に、図面は４条植田植機の場合示し、この図にお
いて１は、ミツシヨンケース１の前部にエンジン
台３を後部に筒型フレーム４４を各々連結した走
行機体で、この走行機体１におけるエンジン台３
の上面には、前記ミツシヨンケース２に動力をベ
ルト６にて伝動するエンジン５が設けられ、前記
ミツシヨンケース２の左右両側面には、後方に延
びるスイングアーム７をその基端を回転自在に枢
着して設け、該両スイングアーム７の先端には、
ミツシヨンケース２からアーム内のチエン（図示
せず）等を介して動力伝達される車輪８を各々設
ける一方、前記機体１の下部及び両車輪８の外側
には、圃場面９を滑走するようにしたフロート１
０，１１を備えている。前記走行機体１における
フレーム４の後端には伝動ケース１２を連結し、
該伝動ケース１２の後端下部には、上部を後方向
の斜め上向きに向つて延長した左右一対の操縦ハ
ンドル１３が取付けられ、この両操縦ハンドル１
３の前面部には、これと略平行に苗載台１４が設
けられ、この苗載台１４の下部は、前記両操縦ハ
ンドル１３に取付く左右一対の支持部材１５の下
端間に機体１の走行方向と直角方向に装架したガ
イドレール１６に対して摺動自在に載置され、且
つ、当該苗載台１４の上部は、その上部裏面に設
けたレール１７に前記両支持部材１５の先端が摺
動自在に嵌まつて横送り可能に構成されている。

前記伝動ケース１２内には、前記エンジン５の
動力がフレーム４内の軸１８及び傘歯車対１９，
２０を介して伝達される上部停止機構２２付き中
間軸２１、該中間軸２１からチエン２３伝動され
るメイン軸２４、及び該メイン軸２４から変速歯
車機構を介して動力伝達されるカム軸２６を、
各々走行機体１の走行方向と直角に軸支すると共
に、横送り軸２８を走行機体１の走行方向と直角
方向に摺動自在に軸支し、該横送り軸２８に固着
した舟型滑りキー３０を、前記カム軸２６の外周
に設けた往復ねじ溝２９に係合して、カム軸２６
の回転により横送り軸２８を左右に往復動するよ
うに構成し、この横送り軸２８を、前記苗載台１
４の前面に左右方向に適宜間隔を隔てて取付けた
左右一対の中間ブラケツト２７の間に配設し、該
横送り軸２８の両端を、両中間ブラケツト２７の
内側面に接当して苗載台１４を左右方向に往復し
て横送りするにおいて、前記横送り軸２８の両端
には、両ブラケツト２７の先端に固着した受けね
じ２５ｂに接当する調整用ねじ２５ａを、横送り
軸２８の軸線方向にねじ込んだ構成にする。

一方、前記苗載台１４を強化プラスチツク材等
により軽量になるように薄板で一体的に形成する
において、後述する４箇所の苗植機構４７により
一斉に一株づつ切り出されるように苗載台１４表
面に苗マツトを４列に並列載置できるガイド用側
壁突条３１を形成し、この各突条３１のうち中央
突条の両側に位置する突条３１に前記両中間ブラ
ケツト２７を取付ける一方、左右両外側の突条３
１にも外側ブラケツト３２を各々取付け、この両
外側ブラケツト３２と前記両中間ブラケツト２７
との間に、苗載台１４の表面と略平行に一本の補
強杆３３で連結するにあたり、これら４つのブラ
ケツト３２，２７には、補強杆３３の軸線と直角
方向にＵ字溝３４を形成して、このＵ字溝３４
に、前記補強杆３４を嵌入し、両中間ブラケツト
２７の間では、当該中間ブラケツト２７の内側面
に接当する長さのパイプ３５を補強杆３３に被嵌
して設ける一方、前記補強杆３３両側部に形成し
たねじ部３６には、ナツト３７を螺合し、この両
ナツト３７にて前記両中間ブラケツト２７を両側
から挾むように締結すると共に、両外側ブラケツ
ト３２の箇所においても、ねじ部３６に螺合する
ナツト３８にて、両外側ブラケツト３２に固着す
るように構成する一方、前記補強杆３３の苗載台
１４表面からの高さを、当該補強杆３３に苗載台
１４上の苗マツトにおける苗葉が接当するような
位置に設定する。

なお、符号３９は、前記苗載台１４の横送りの
終端で揺動回動して苗載台１４上の苗マツトを機
体の走行方向に間欠的に縦送りするための揺動軸
である。

また、前記伝動ケース１２の側面には、走行機
体１から側方向に向つて両車輪８の外側まで延長
した管状の横部材４０をボルト締結し、両横部材
４０の先端には、下端が走行機体の前方向に向つ
て傾斜するチエンケース４１を各々固着し、該両
チエンケース４１の下端及び前記伝動ケース１２
の下部に爪軸４２，４３を機体の走行方向と直角
の同一軸線上に配設し、伝動ケース１２における
爪軸４３を前記中間軸２１からチエン及び安全ク
ラツチを介して回転駆動し、両チエンケース４１
における爪軸４２を、伝動ケース１２内のメイン
軸２４から両横部材４０内の伝動軸４４及びチエ
ンケース内のチエン４５、更には安全クラツチを
介してそれぞれ回転駆動し、爪軸４２，４３に取
付く各植付爪４６の先端が前記ガイドレール１６
に設けた苗取出口と圃場面９との間を上下揺動す
るようにした苗植機構４７を各々設けて成るもの
である。

この構成において、苗載台１４に苗マツトを供
給し、エンジン５の始動によつて駆動すれば、走
行機体１が両車輪８により前進走行する一方、横
送り機構２５におけるカム軸２６の回転に従つて
横送り軸２８が横移動し、苗載台１４はその表面
側に立設した左右一体の中間ブラケツト２７を介
して前記横送り軸２８の動きに応じて左右に往復
して横送りされ、各苗植機構４７が一斉に上下揺
動することにより、苗載台１４上の苗は上下揺動
の苗植機構４７によつて一株づつ分割されたの
ち、予めフロート１０，１１で整地したあとの圃
場面９に順次４条に沿つて植付けられるのであ
る。

このとき本考案に従えば、苗載台１４の表面に
固着した左右一対のブラケツト２７間を、一本の
補強杆３３にて連結したから、苗載台１４をプラ
スチツク製板材等の軽量なもので製作した場合に
も苗載台１４全体は変形し難く剛性が向上するの
で苗マツトの載置に際しても歪むことがなく軽量
で頑丈なものとすることができる。この場合、前
記補強杆３３を苗載台１４の表面下部位置におい
て苗載台の表面と略平行に設け、且つ、この補強
杆３３を、苗載台上の苗マツトにおける苗葉が接
当し得る高さ位置にしたことにより、苗マツトの
苗葉高さが長い場合でも、苗葉が該補強杆３３に
もたれてそれ以上に下向きに垂れ下がらず、従つ
て苗葉が揺動する植付爪４６に触れたり絡らんだ
りせず苗植時に苗が損傷するのを防止できるので
ある。

しかも、本考案によれば、前記のように左右の
両ブラケツト間に装架した補強杆によつて苗載台
の剛性を向上できるから、苗載台を横送りするた
めの横送り軸を、前記両ブラケツト間に配設し、
該横送り軸の両端を両ブラケツトの内側面に接当
するだけで、苗載台を左右方向に往復して横送り
することができ、横送り軸の両端を両ブラケツト
に対して固定結合する必要がないから、苗載台の
機体への取付け、取外しに際して、横送り軸に対
する固定結合箇所を一々着脱する必要がなく、苗
載台の機体に対する着脱作業が簡単になると共
に、横送り軸に苗載台の重量等が曲げモーメント
として作用せず、横送り軸の摺動がスムーズにな
り、且つ横送り軸をそれだけ細いものに構成でき
るのである。

その上、本考案は、両ブラケツトの間に、苗の
葉を押さえる機能を有する補強杆を装架すると共
に、苗載台を横送りするための横送り軸を配設し
たことにより、両ブラケツトを、横送り軸の動き
を苗載台に伝達するための部材と、苗の葉を押さ
える機能を有する補強杆を苗載台に対して取付け
るための部材とに兼用できるから、苗の葉を押さ
える機能を有する補強杆を苗載台に設けることに
よつて、苗載台の構造が複雑になつたり、苗載台
の重量が増大したりすることを防止できるのであ
る。

更に、本考案は、前記横送り軸の両端に、ブラ
ケツトの内側面に接当する調整用ねじを、当該横
送り軸の軸線方向にねじ込んだもので、横送り軸
の長さと、両ブラケツト間隔との間に寸法誤差が
あつても、この寸法誤差によつて横送り軸とブラ
ケツトとの間に生じる隙間を、前記調整用ねじに
て詰めることが容易にできるから、前記隙間の存
在によつて、苗載台の横送り終端でのガタ付き、
及び騒音の発生を皆無にできる効果を有する。

なお、本考案は４条、６条、８条植付用の苗載
台にも適用できることは勿論のこと、２条植の場
合にも適用することができるのであり、特に２条
植の場合には、第３図における左右外側における
両外側ブラケツト３２を省略し、横送り軸２８が
接当するブラケツト２７を苗載台１４の左右両端
位置になるように構成すれば良いのである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示し、第１図は歩行型
４条植田植機の側面図、第２図はその平面図、第
３図は第１図の−線視要部拡大断面図、第４
図は第３の図の−線視要部拡大側面図、第５
図は横送り軸の両端部の拡大図である。 １……走行機体、８……車輪、１４……苗載
台、２８……横送り軸、２７……ブラケツト、３
３……補強杆、２５ａ……調整用ねじ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 走行機体のフレーム等に苗載台を横移動自在に
   取付け、該苗載台の表面下部に左右一対のブラケ
   ツトを立設し、該両ブラケツトの間を前記苗載台
   の表面と略平行に延びる補強杆にて連結し、この
   補強杆を、当該補強杆に苗載台上の苗マツトにお
   ける苗の葉が接当し得るような位置に配設する一
   方、前記走行機体における動力源によつて駆動さ
   れる苗載台横送り機構の横送り軸を、前記両ブラ
   ケツト間に配設して、該横送り軸の両端を両ブラ
   ケツトの内側面にのぞませる一方、前記横送り軸
   の両端には、前記両ブラケツトの内側面に接当す
   る調整用ねじを、横送り軸の軸線方向にねじ込ん
   で成る田植機の苗載台。