JPH0323045Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、田植機において、その苗載台を走行
機体に対して支持するための支持装置に関するも
のである。

〔従来の技術とその課題〕

田植機における苗載台は、例えば実開昭53−
924号公報等に記載されているように、走行機体
側に取付く横長のガイドレールにて摺動自在に支
持されるが、このガイドレールを走行機体に対し
て取付ける場合、当該ガイドレールは田植機の前
後方向の中心線に対して正しく直角で、且つ、正
しく水平となるように取付ける必要がある。

そこで、ガイドレールの走行機体側への取付け
箇所を少なくすれば、前記のようにガイドレール
を田植機の前後方向の中心線に対して正しく直角
で、且つ、正しく水平となるように取付け位置を
調整することが容易にできる反面、ガイドレール
を支持する場合における支持スパンが長くなるの
で、ガイドレールは、その断面係数を大きくしな
ければならず、重量の増大を招来することにな
る。

また、ガイドレールの走行機体側への取付け箇
所を多くすれば、ガイドレールの軽量化を図るこ
とができる反面、ガイドレールを前記のように田
植機の前後方向の中心線に対して正しく直角で、
且つ、正しく水平となるように取付け位置を調整
することがきわめて困難になるのであつた。

本考案は、この問題を解消した支持装置を提供
することを目的とするものである。

〔課題を解決するための手段〕

この目的を達成するため本考案は、走行機体
に、苗載台の下端を摺動自在に支持するために水
平横方向に延びる横長のガイドレールを設けて成
る多条植田植機において、前記走行機体に、左右
一対の苗載台支持部材を、平面視において田植機
の進行方向に略平行に延びると共に上下方向に延
びるように取付けし、該両苗載台支持部材に前記
ガイドレールを取付ける一方、前記両苗載台支持
部材とガイドレールとの間を、平面視において前
記両苗載台支持部材に対して傾斜するように配設
した補助支持部材にて連結する構成にした。

〔考案の作用・効果〕

このように、苗載台の下端に対するガイドレー
ルを、走行機体側に取付く左右一対の苗載台支持
部材に取付ける一方、このガイドレールと両苗載
台支持部材との間を、前記両苗載台支持部材に対
して傾斜する補助支持部材にて連結したことによ
り、横長のガイドレールを、前記苗載台支持部材
の数の２倍の箇所において支持でき、換言する
と、ガイドレールの支持スパンを短くできるか
ら、ガイドレールを走行機体側に対して取付ける
ための苗載台支持部材の数を多くする必要がない
と共に、ガイドレールの断面係数を大きくするこ
とを回避できる。

一方、前記傾斜状の補助支持部材を、前記ガイ
ドレールと走行機体との間ではなく、ガイドレー
ルと苗載台支持部材との間に装架したことによ
り、ガイドレールを田植機の前後方向の中心線に
対して正しく直角で、且つ、正しく水平となるよ
うにして取付ける場合の位置調節が、両苗載台支
持部材の走行機体側に対する取付け位置の調節に
よつてできるから、前記各傾斜状補助支持部材の
各々をガイドレールと走行機体との間に装架した
場合のように、各傾斜状補助支持部材の各々につ
いての取付け位置の調節を必要とせず、換言する
と、ガイドレールを支持する箇所が２倍になつて
も、取付け位置の調節箇所は２倍になることがな
いから、ガイドレールの取付け位置の調節作業が
きわめて簡単にできると共に、ガイドレールの取
付け精度を向上できるのである。

従つて本考案によると、ガイドレールの重量の
増大を招来することなく、苗載台の支持強度を向
上できるものでありながら、簡単な位置調節によ
つてガイドレールを正しい位置に取付けできると
共に、取付け精度を向上できる効果を有する。

〔実施例〕

以下、本考案の実施例を、６条植歩行型田植機
に適用した場合の図面について説明するに、符号
１は、ミツシヨンケース２の前部にエンジン台３
を、後部にフレーム４を介して中央伝動ケース５
を連結した走行機体を示し、該走行機体１の左右
両側には、前記ミツシヨンケース２の側面に基端
を枢着したスイングアーム６を介して上下動可能
に取付く車輪７が配設されている。

前記走行機体１の後部における中央伝動ケース
５の左右両側には、当該中央伝動ケース５に中空
状連結部材８を介して連結した側部伝動ケース９
が各々配設され、前記中央伝動ケース５の左右両
側及び両側部伝動ケース９の左右両側には、苗植
付機構１０が各々設けられ、また、前記走行機体
１の下部には、前記両車輪７の間の部位及び外側
の部位にフロート１１，１２が各々配設されてい
る。

前記中央伝動ケース５から後方斜め上向きに延
設した左右一対の操縦ハンドル１３の前面側に
は、傾斜状の苗載台１４が左右方向に移動自在に
配設されている。

この苗載台１４は、以下のようにして前記走行
機体１側に支持されている。

すなわち、前記苗載台１４の裏面側（苗マツト
の載せる面とは反対の面）の部位には、これと略
平行に延びるパイプ状の支持部材１５を、前記両
操縦ハンドル１３に固着して配設し、苗載台１４
の表面側（苗マツトの載せる面）には、これと略
平行に延びるフレーム１６を、前記両側部伝動ケ
ース９から外向きに突出して配設し、前記支持部
材１５の先端と前記フレーム１６の先端とを平面
コ字状のサイドバンパーフレーム１７にて各々連
結し、且つ、前記両操縦ハンドル１３の外側に
は、平面視において進行方向と略平行で、且つ、
上下方向に延びる苗載台支持部材１９を各々配設
して、この両苗載台支持部材１９を、前記支持部
材１５と、操縦ハンドル１３から突出する連杆１
８とに取付けし、この両苗載台支持部材１９の下
端間に、左右方向に延びる水平横長のガイドレー
ル２０を装架し、該ガイドレール２０に前記苗載
台１４の下端を摺動自在に載置する一方、苗載台
１４の裏面に固着したレール２１に、前記両苗載
台支持部材１９の上端における転子２１を係合す
ることにより、苗載台１４を、左右方向に移動自
在に支持する。

また、前記苗載台１４の表面には、左右一対の
ブラケツト２２を突設して、この両ブラケツト２
２間に、前記中央伝動ケース５に設けた横送り軸
２３を配設することにより、横送り軸２３の左右
方向への往復動により、苗載台１４を左右方向に
往復して横送りするように構成されている。

そして、前記両苗載台支持部材１９と、前記ガ
イドレール２０との間を、平面視において前記両
苗載台支持部材１９に対して傾斜状に配設した補
助支持部材２４にて連結した構成にする。この場
合、図面は、苗載台支持部材１９の左右両側面と
ガイドレール２０との間を、各々補助支持部材３
１にて連結した場合を示す。

この構成において、田植機を圃場に乗り入れ、
各フロート１１，１２を圃場面に接地した状態
で、前進走行させ、各種作動部を駆動することに
より、苗載台１４上の苗マツトから苗が一株ずつ
分割されたのち圃場面に６条に沿つて植付けでき
る。

そして、前記のように両苗載台支持部材１９と
ガイドレール２０との間に傾斜状の補助支持部材
２４を装架したことにより、ガイドレール２０の
支持箇所は、苗載台支持部材１９の数に加えて、
補助支持部材２４の数だけ多くなる一方、両苗載
台支持部材１９の走行機体１側への取付け位置の
調節によつて、ガイドレール２０を田植機の前後
方向の中心線に正しく直角で、且つ、正しく水平
にして取付けできるものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示し、第１図は田植機
の側面図、第２図は田植機の平面図である。 １……走行機体、７……車輪、１０……苗植付
機構、１１，１２……フロート、１３……操縦ハ
ンドル、１４……苗載台、１９……苗載台支持部
材１９、２０……ガイドレール、２４……補助支
持部材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 走行機体１に、苗載台１４の下端を摺動自在に
   支持するために水平横方向に延びる横長のガイド
   レール２０を設けて成る多条植田植機において、
   前記走行機体１に、左右一対の苗載台支持部材１
   ９を、平面視において田植機の進行方向と略平行
   に延びると共に上下方向に延びるように取付け
   し、該両苗載台支持部材１９に前記ガイドレール
   ２０を取付ける一方、前記両苗載台支持部材１９
   とガイドレール２０との間を、平面視において前
   記両苗載台支持部材１９に対して傾斜するように
   配設した補助支持部材２４にて連結したことを特
   徴とする多条植田植機における苗載台の支持装
   置。