JPH0451546Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本考案は植付部に備える複数の植付ケースにそ
れぞれ植付爪を駆動支持させてなる多条植田植機
の植付装置に関する。

「従来の技術」 従来、実公昭57−53125号公報に示す如く、ユ
ニツトクラツチと縦送りクラツチを連動させ、植
付爪を停止させたとき、これに対応する苗縦送り
部材を自動的に停止させる技術があつた。

「考案が解決しようとする問題点」 しかし乍ら、前記従来技術は、植付ケース側に
設ける縦送り駆動カムを作動または停止させるよ
うに、縦送りクラツチを構成していたから、植付
ユニツト数と同数分の縦送り駆動カム機構を植付
ケースに設置させる必要があり、縦送り駆動構造
の簡略化並びに製造コストの低減などを容易に行
い得ない等の問題があつた。

「問題点を解決するための手段」 然るに、本考案は、植付爪を植付ユニツト別に
停止させるユニツトクラツチを切にしたとき、そ
の植付爪に対応する苗縦送り部材を連動して停止
させる縦送りクラツチを設ける田植機の植付装置
において、縦送り従動カムを連結させる回転支軸
に苗縦送り部材を遊転軸支させ、前記回転支軸を
介して苗縦送り部材を苗載台に取付けると共に、
回転支軸に対し前記苗縦送り部材を植付ユニツト
別に係脱自在に縦送りクラツチを介して連結させ
たことを特徴とするものである。

「作用」 従つて、回転支軸に苗縦送り部材を多重軸形に
支持させ得、回転支軸軸芯上などに縦送りクラツ
チをコンパクトに取付け得ると共に、縦送り従動
カムに縦送り駆動力を伝達させる縦送り駆動入力
を従来のように植付ユニツト数分だけ設ける必要
がなく、同一の縦送り駆動入力によつて全ての植
付ユニツトの苗縦送り部材を駆動し得、回転支軸
に至るまでの駆動系を全ての苗縦送り部材に共用
し得、従来に比べて縦送り駆動構造の簡略化並び
に製造コストの低減などを容易に行い得るもので
ある。

「実施例」 以下本考案の一実施例を図面に基づいて詳述す
る。

第１図は乗用田植機の側面図、第２図は同平面
図を示し、図中１は作業者が搭乗する走行部であ
り、２はベースフレーム３に搭載するエンジン、
４は前記エンジン２を覆うボンネツト、５は前記
ベースフレーム３後端に連設するミツシヨンケー
ス、６は前記ミツシヨンケース５の後端左右両側
に連設する車軸ケース、７，８は水田走行用前後
車輪、９は運転席、１０は操向ハンドル、１１は
予備苗載台である。

さらに図中１２は多条植え用の苗載台１３並び
に複数の植付爪１４などを具備する植付部であ
り、前高後低の後傾式苗載台１３を案内レール１
５及びガイドレール１６を介して植付ケース１７
に左右往復摺動自在に支持させると共に、クラン
ク運動させる植付アーム１８並びに植付爪駆動軸
１９を介して植付ケース１７に前記植付爪１４を
取付ける。前記植付ケース１７の下方に滑走体で
ある植付面均平用の主フロート２０及び左右のサ
イドフロート２１，２１を装設し、前記走行部１
に三点リンク機構２２及び油圧シリンダ２３を介
し植付部１２を昇降自在に連結させ、前記前後車
輪７，８を略定速で駆動走行すると同時に、左右
に往復摺動させる苗載台１３から一株分の苗を植
付爪１４によつて連続的に取出して圃場に苗植え
作業を行つていくように構成する。

なお、２４はサイドクラツチペダル、２５は主
クラツチベダル、２６は主変換レバー、２７は植
付部昇降レバーである。

第３図に示す如く、前記植付爪１４は植付駆動
ケース２８に固定支持させる三つの植付ケース１
７それぞれ取付けるように構成したもので、中央
の植付ケース１７ａに伝動パイプ２９ａ，２９ｂ
を介し固定支持させる左右の植付ケース１７ｂ，
１７ｃの左右後端両側に各二つの植付爪１４，１
４を取付けると共に、前記駆動ケース２８に一体
連設する中央の植付ケース１７ａに１つの植付爪
１４を取付けるように構成している。

そして前記駆動ケース２８は入力ギヤ３０・植
付クラツチ３１並びに多板クラツチ３２などを有
する入力駆動軸３３と、該駆動軸３３にギヤ変速
機構３４を介し連動連結させる横送り軸３５と、
該横送り軸３５の往復ネジ溝３５ａに嵌合させる
結合体３６に一体支持する横送り杆３７などを備
え、前記横送り軸３５の回転時前記横送り杆３７
の左右両端にブラケツト３８，３８を介し支持さ
せる苗載台１３を左右往復移動させるように構成
している。また前記駆動ケース２８には縦送り駆
動軸３９を軸架させていて、横送り距離だけ間隔
を隔てて左右一対の縦送り駆動カム４０ａ，４０
ａを前記駆動軸３９に設け、前記入力駆動軸３３
にチエン伝動機構４１を介しこの駆動軸３９を連
動連結させ、前記苗載台１３が左右移動終達に到
達したとき前記苗載台１３に備える苗縦送り駆動
機構である縦送り軸４２の縦送り従動カム４０ｂ
に一方の前記駆動カム４０ａを当接させて該縦送
り軸４２を一方向に間欠回転させることによつ
て、前記軸４２に取付けた苗縦送り部材であるス
ターホイル４３を回転させ、苗載台１３上の苗マ
ツトを傾斜下端側に縦送りするように構成してい
る。

一方、前記駆動軸３３にチエン伝動機構４４を
介し連動連結する植付ケース１７ａ，１７ｂ，１
７ｃの各伝動入力軸４５には安全クラツチ４６を
それぞれ有し、植付ケース１７ａ，１７ｂ，１７
ｃの後端側に取付ける前記植付爪駆動軸１９にチ
エン伝動機構４７を介し前記入力軸４５を連動連
結させて、この入力軸４５の回転によつて各駆動
軸１９に取付けるそれぞれの植付爪１４を上下駆
動させるように構成している。

第４図に示す如く、前記植付ケース１７ａ，１
７ｂ，１７ｃの各駆動軸１９には前記入力軸４５
からの駆動力を適宜継断させるユニツトクラツチ
４８をそれぞれ備えるもので、該クラツチ４８は
前記伝動機構４７のスプロケツト４９を一体固設
する前記駆動軸１９に遊嵌の固定爪クラツチ５０
と、前記駆動軸１９にスプライン嵌合させる可動
爪クラツチ５１と、前記可動爪クラツチ５１を固
定爪クラツチ５０にそのバネ力でもつて噛合せる
組立バネ５２と、前記爪クラツチ５０，５１の噛
合せを適宜解除させるシフター５３及びクラツチ
アーム５４とから構成し、常態時においては前記
クラツチバネ５２でもつて各爪クラツチ５０，５
１を噛合せ状態とさせて前記入力軸４５からの駆
動力により植付爪１４を上下駆動させる一方、引
張りバネ５５及びワイヤ５６を介し前記アーム５
４に連結する各ユニツトクラツチレバー５４ａ，
５４ｂ，５４ｃの操作によつて爪クラツチ５０，
５１の噛合せを解除させたとき前記植付爪１４の
駆動を停止させるように構成している。

第５図乃至第７図に示す如く、前記縦送り軸４
２は、回転支軸５８に一方向クラツチ５９を介し
支持させて前記従動カム４０ｂを外側に有するカ
ム軸６０と、前記ユニツトクラツチ４８に対応す
る苗載台１３条間の支軸５８上にピン６１を介し
固設させて左右両側にクラツチ爪６２ａを有する
固定側クラツチ６３と、前記支軸５８の外周に嵌
合させて前記クラツチ爪６２ａに一側のクラツチ
爪６２ａを適宜噛合せる可動側クラツチ６４と、
前記可動クラツチ６４の外周に回動自在に支持さ
せて一側にカム接触面６５を外側に前記クラツチ
レバー５７ａ，５７ｂ，５７ｃとのワイヤ６６連
結部６７を有してなる縦送りクラツチ６８と、前
記苗載台１３の下面に固設させ左右両側に前記接
触面６５に当接させるカム面６９を有する固定カ
ム体７０と、一端を前記クラツチ６４，６８にス
プリング７１と長孔７２及びピン７３を介し支持
させ他端を前記カム軸６０及び苗載台１３の支持
部材７４に支持させる複数のスターホイル４３を
有する縦送り筒軸７５とから構成し、通常は前記
クラツチ爪６２ａ，６２ｂを噛合せ状態とさせる
ことによつて前記カム４０ｂの一方向の間欠回転
を支軸５８・クラツチ６３，６４・ピン６２並び
に筒軸７５などを介し前記スターホイル４３に伝
達して苗載台１３上の苗の縦送りを行わしめる一
方、前記クラツチレバー５７ａ，５７ｂ，５７ｃ
の戻りバネ７６に抗するワイヤ６６の引張り操作
によつて前記クラツチ６８を回転させるとき、前
記カム体７０のカム面６９と該クラツチ６８のカ
ム接触面６５とのカム係合によつてクラツチ６
４，６８を後退させ前記クラツチ爪６２ａ，６２
ｂの噛合せを解除させてそのユニツトクラツチ４
８に対応する苗載台１３の各条のスターホイル４
３を駆動停止させるように構成している。

上記から明らかなように、植付爪１４を植付ユ
ニツト別に停止させるユニツトクラツチ４８を切
にしたとき、その植付爪１４に対応する苗縦送り
部材であるスターホイル４３を連動して停止させ
る縦送りクラツチ６８を設ける田植機の植付装置
において、縦送り従動カム４０ｂを連結させる回
転支軸５８にスターホイル４３を遊転軸支させ、
前記回転支軸５８を介してスターホイル４３を苗
載台１３に取付けると共に、回転支軸５８に対し
前記スターホイル４３を植付ユニツト別に係脱自
在に縦送りクラツチ６８を介して連結させてい
る。

なお、第１図乃至第２図、第８図に示す如く、
この田植機は左右の筋引マーカ７７及びサイドマ
ーカ７８の他に補助マーカ７９を備えるもので、
前記マーカ７９基端をベースフレーム３のマーカ
取付台８０に取付ネジ８１を介し突出長さ調節自
在に且つ水平回転自在に支持させて、使用時には
このマーカ７９先端を機体斜め前方の隣接条上方
に沿わせ機体を走行させるように構成している。

本実施例は上記の如く構成するものにして、前
記車輪７，８を転動させて走行移動すると共に、
苗載台１３を左右に往復摺動させ、苗載台１３の
マツト苗を植付爪１４によつて分割して一株分ず
つ取出して順次植付けるもので、今左側の植付ケ
ース１７ｂのユニツトクラツチ４８を切状態とさ
せて残りの植付ケース１７ｂ，１７ｃの植付爪１
４によつて三条の植付作業を行う場合において、
前記クラツチレバー５７ｂを切操作すると前記植
付ケース１７ｂのユニツトクラツチ４８が切状態
となつてこのケース１７ｂに取付ける左右２条分
の植付爪１４，１４の駆動を停止させると同時
に、この植付爪１４，１４によつて苗取りを行う
苗載台１３の２条分の前記縦送り筒軸７５も前記
クラツチ６８の回動によるクラツチ６２ａ，６２
ｂの噛合せ解除によつてその駆動が停止され、各
スターホイル４３による苗の縦送りを中断させ
る。この結果植付爪１４の駆動が停止してもこれ
に対応する苗載台１３の苗の縦送りが行われて苗
マツトが形崩れを起すなどの不都合が解消され、
苗マツトは常に正確且つ安全に苗載台１３上に保
持される。したがつて植付再開時などに欠株や植
付姿勢不良などを起すことがなく常に良好な植付
作業が行える。

「考案の効果」 以上実施例から明らかなように本考案は、植付
爪１４を植付ユニツト別に停止させるユニツトク
ラツチ４８を切にしたとき、その植付爪１４に対
応する苗縦送り部材４３を連動して停止させる縦
送りクラツチ６８を設ける田植機の植付装置にお
いて、縦送り従動カム４０ｂを連結させる回転支
軸５８に苗縦送り部材４３を遊転軸支させ、前記
回転支軸５８を介して苗縦送り部材４３を苗載台
１３に取付けると共に、回転支軸５８に対し前記
苗縦送り部材４３を植付ユニツト別に係脱自在に
縦送りクラツチ６８を介して連結させたもので、
回転支軸５８に苗縦送り部材４３を多重軸形に支
持させることができ、回転支軸５８軸芯上などに
縦送りクラツチ６８をコンパクトに取付けること
ができると共に、縦送り従動カム４０ｂに縦送り
駆動力を伝達させる縦送り駆動入力を従来のよう
に植付ユニツト数分だけ設ける必要がなく、同一
の縦送り駆動入力によつて全ての植付ユニツトの
苗縦送り部材４３を駆動でき、回転支軸５８に至
るまでの駆動系を全ての苗縦送り部材４３に共用
でき、従来に比べて縦送り駆動構造の簡略化並び
にに製造コストの低減などを容易に行うことがで
きるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す田植機の全体
側面図、第２図は同平面図、第３図は部分拡大平
面図、第４図は要部の拡大断面図、第５図は要部
の拡大断面説明図、第６図は同部分拡大説明図、
第７図は要部の作動系統説明図、第８図はマーカ
部の拡大説明図である。 １３……苗載台、１４……植付爪、４０ｂ……
縦送り従動カム、４３……スターホイル（苗縦送
り部材）、４８……ユニツトクラツチ、５８……
回転支軸、６８……縦送りクラツチ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 植付爪１４を植付ユニツト別に停止させるユニ
   ツトクラツチ４８を切にしたとき、その植付爪１
   ４に対応する苗縦送り部材４３を連動して停止さ
   せる縦送りクラツチ６８を設ける田植機の植付装
   置において、縦送り従動カム４０ｂを連結させる
   回転支軸５８に苗縦送り部材４３を遊転軸支さ
   せ、前記回転支軸５８を介して苗縦送り部材４３
   を苗載台１３に取付けると共に、回転支軸５８に
   対し前記苗縦送り部材４３を植付ユニツト別に係
   脱自在に縦送りクラツチ６８を介して連結させた
   ことを特徴とする田植機の植付装置。