JPH077323U - 田植機の苗載台端寄せ装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 田植機の苗載台に苗マットをセットする際
に、左右摺動する苗載台が摺動終端部にないと苗マット
の途中から切り取るので、本考案は、苗載台が摺動端部
に達した時に自動的に植付部の駆動を停止して苗マット
をセットできるようにすることを目的とする。 【構成】 苗載台１の左右摺動用装置において、送りネ
ジの端部にスベリ子受が当接して移動するカムＡと、該
カムＡに当接して回動可能なカムＢを設け、該カムＢを
切替アームに付設し、該切替アームと植付クラッチとを
連係し、カムＡがカムＢに当接時に切替アームを切り替
えて植付クラッチを切ることを可能に構成する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、田植機の苗載台に苗をセットする時の、苗載台の端寄せをする装置 の構成に関する。

【０００２】

【従来の技術】

田植機の苗載台は、植付爪の回転とともに左右に摺動して、植付爪がその下端 部より一定量の苗を切り取って圃場に植付ける構成となっているが、作業前に苗 載台上に苗をセットする時には、該苗載台を、その左右摺動幅の端部に位置させ ておかないと、植付爪が該左右摺動の途中から苗を切り取っていくので、苗送り 等に支障をきたす。従来は、作業前の苗セット時には、苗載台が左右摺動の端部 に来た時に、クラッチ操作にて植付駆動を停止して苗載台を停止させていたので ある。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、従来のクラッチ操作による苗載台の停止方法は、タイミングの取り方 が非常に難しく、何度も失敗して、作業時間のロスに繋がることも多い。そこで 自動的に苗載台が左右摺動の端部に到達した時に植付駆動を停止する装置が望ま れるのである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案は、以上の如き課題を解決するために、次のような手段を用いるもので ある。即ち、田植機の苗載台を左右に摺動させる装置において、送りネジの端部 にスベリ子受が当接して移動するカムＡと、該カムＡに当接して回動可能なカム Ｂを設け、該カムＢを切替アームに付設し、該切替アームと植付クラッチとを連 係し、カムＡがカムＢに当接時に切替アームを切り換えて植付クラッチを切るこ とを可能とした田植機の苗載台端寄せ装置を構成するのである。

【０００５】

【作用】

切替アームを切り替えておくと、カムＢがカムＡ寄りにセットされ、この状態 で、苗載台に固設されたスベリ子受が送りネジ上の左右摺動終端部に達した時、 即ち、苗載台が左右摺動の終端部に達した時に、カムＡに押当してカムＢ寄りに 移動させ、これによってカムＡがカムＢに押当してカムＢを、即ち、切替アーム を回動させ、該回動により植付クラッチワイヤが引っ張られ（あるいは押し出さ れ）て、植付クラッチを切るのである。

【０００６】

【実施例】

本考案の構成の実施例を添付の図面を用いて説明する。図１は本考案の苗載台 の端寄せ装置の構造を示す図、図２は田植機の全体側面図、図３は同じく全体平 面図である。

【０００７】 図２及び図３より乗用田植機の全体構成より説明する。前輪ＦＷ及び後輪ＲＷ を懸架する走行部Ｓの後部に昇降可能に三点リンクＬを介して植付部Ｕを装着し ている。植付部Ｕの昇降は、走行部Ｓの後部に内設される昇降用油圧シリンダー ３５の駆動によるものである。走行部Ｓにおいては、ボンネット２３にエンジン Ｅを内蔵し、該エンジンＥよりミッションケースＭに伝動し、更に前輪車軸ケー ス３３及び後輪車軸ケース３４に伝動して、前輪ＦＷ及び後輪ＲＷを駆動してい る。また、走行フレーム３２の上方において、ボンネット２３の後方に操作パネ ル２４を配設し、その上方には操向ハンドル２５を突設し、下端にはクラッチペ ダル２７とブレーキペダル２８・２８を配設し、その後方に運転席２９を配設し ている。該運転席２９の近傍には各操作レバーが配設されており、主変速レバー ３０は、移動用走行、圃場内走行、及び走行停止を選択するクラッチレバーであ り、植付変速レバー３１は、植付クラッチの入切り、植付速度の変速の他、植付 部の昇降操作も行うものである。なお、ボンネット２３の両側には、後記苗載台 １に補充する苗を載置するための予備苗台２６・２６を配設している。

【０００８】 そして、ミッションケースＭより植付駆動軸１４を植付部Ｕの植付ミッション ケース１５に入軸して植付部Ｕの各部を駆動している。即ち、該植付ミッション ケース１５より後方には複数のチェーンケース１６が突設されていて、各チェー ンケース１６の後端部に枢支された植付爪１８を具備するロータリーケース１７ を回転駆動する一方、送りネジ３を回転駆動する。送りネジ３上にはスベリ子受 ２が摺動可能に環装されており、図１の如く、該スベリ子受２にスベリ子２ａを 突設して、該送りネジ３の溝３ａ内にスベリ子２ａを嵌挿されていることにより 、該送りネジ３の回転とともに該スベリ子２ａが該溝３ａ内を往復移動し、この スベリ子受２を苗載台１に固設することにより、苗載台１が左右往復摺動するの である。

【０００９】 苗載台１は、平面視において、図３のように、苗マットを植付条毎にセットす るために仕切り板１ｂ・１ｂ・・・にて各ユニット１ａに区切られている。また 下部レール１９及び上部レール２０に摺動可能に嵌合されており、該下部レール １９には、植付爪１６が嵌入して苗を切り取るための植付条数分の嵌入孔１９ａ が設けられている。更に、各ユニット１ａ・１ａ・・・に縦搬送ローラー２１が 配設されており、各ユニット１ａ内の苗マットを下方に強制的に搬送し、苗詰ま りを起こさないようにしているのである。なお、図２の如く、苗載台１の上方前 部に条止めクラッチレバー２２が配設されており、該レバー操作にて、条止めク ラッチを切ることにより、該縦搬送ローラー２１の搬送駆動が停止し、そのユニ ットにおける植付が停止する。これは、畦際等で植付条が苗載台１のユニット１ ａの数よりも少なくなった時に使用されるものである。

【００１０】 以上のような構成の田植機と、その植付部の苗載台の構成において、該苗載台 の端寄せ装置の構成について、図１より説明する。前記送りネジ３の端部に、カ ムＡを環装し、該カムＡと該送りネジ３端部の軸受部３ｂとの間には、バネ４を 介設して、該カムＡが常時Ｘ位置にあるようにし、該送りネジ３上を摺動するス ベリ子受２が摺動終端部に達した時に、該カムＡを軸受部３ｂ側に押して、Ｘ’ 位置に移動させるように構成している。

【００１１】 更に、該カムＡの外側近傍に、切替アーム５を該送りネジ３と平行に配設し、 該切替アーム５のカムＡ寄り側の端部にカムＢを突設する。更に該切替アーム５ の中心部付近に切替レバー５ａを突設し、該切替レバー５ａを、植付部Ｕの一部 に固設した切替用ガイド６の溝内に嵌入し、通常時にはバネ７の付勢力にて該切 替用ガイド６のＯＦＦ位置に該切替レバー５ａがセットされていて該切替アーム ５がＹ位置にあり、該切替レバー５ａを該切替用ガイド６のＯＮ位置にセットす ると、該切替アーム５がＹ’位置に来るように構成する。

【００１２】 該切替アーム５の反カムＢ側端より係止部５ｂが下方に突設されていて、植付 クラッチワイヤ８の端部のフック８ａを係止している。植付クラッチワイヤ８の 反フック８ａ側端は、植付クラッチアーム９の一端に係止されており、回動軸９ ａにて回動可能である植付クラッチアーム９の反植付クラッチワイヤ側端に植付 クラッチロッド１０を係止し、該植付クラッチロッド１０の先端を植付クラッチ ピン１１として植付ミッションケース１５の内部に配設されている植付駆動軸１ ４の植付クラッチ１３の溝に嵌入しておく。通常時においては、該植付クラッチ ピン１１はバネ１２にて下方に付勢され、植付クラッチ１３が入った状態となっ ている。

【００１３】 以上のような構成の苗載台の端寄せ装置において、切替レバー５ａを「ＯＮ」 位置にセットして、カムＢをＹ’位置にセットしておくと、苗載台１に固設され るスベリ子受２が送りネジ３の左右摺動終端部に達した時に、カムＡをＸ’位置 に押し出し、これによって、該カムＡが該カムＢに押当して該カムＢを回動させ る。即ち、切替アーム５が回動し、係止部５ｂも上方に回動するので、フック８ ａ、及びクラッチワイヤ８を上方に引っ張る。その結果、植付クラッチアーム９ が回動して、該植付クラッチロッド１０及び植付クラッチピン１１が植付ミッシ ョンケース１５内に押し入れられ、該植付クラッチ１３の溝内に嵌入している構 成によって、該植付クラッチ１３が切れ、この結果、苗載台１の左右摺動と植付 爪１８の駆動が停止するのである。即ち、苗載台１が左右摺動の終端部に来た時 に駆動が停止して該位置にて固定されるので、苗マットを円滑に苗載台１の各ユ ニット１ａ内にセットできるのである。なお、該植付駆動軸１４に前記条止めク ラッチを連動させ、該植付クラッチ１３を切ることにより、苗載台１の縦搬送ロ ーラー２１の回転駆動も停止し、余分な苗を下端に送ってしまうことがないので ある。

【００１４】

【考案の効果】

本考案は以上のように構成したことにより、次のような効果を奏するものであ る。即ち、田植機の作業前に苗載台に苗マットをセットする際に、レバーを切り 替えるだけで苗載台が左右摺動の終端部で停止し、植付爪の駆動も停止するので 、非常に円滑に苗マットをセットすることができ、作業効率もアップする。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の苗載台の端寄せ装置の構造を示す図で
ある。

【図２】田植機の全体側面図である。

【図３】同じく全体平面図である。

【符号の説明】

Ａ カム Ｂ カム Ｓ 走行部 Ｕ 植付部 １ 苗載台 ２ スベリ子受 ２ａ スベリ子 ３ 送りネジ ３ａ 溝 ５ 切替アーム ５ａ 切替レバー ８ 植付クラッチワイヤ ９ 植付クラッチアーム １０ 植付クラッチロッド １１ 植付クラッチピン １３ 植付クラッチ １４ 植付駆動軸

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 田植機の苗載台を左右に摺動させる装置
   において、送りネジの端部にスベリ子受が当接して移動
   するカムＡと、該カムＡに当接して回動可能なカムＢを
   設け、該カムＢを切替アームに付設し、該切替アームと
   植付クラッチとを連係し、カムＡがカムＢに当接時に切
   替アームを切り換えて植付クラッチを切ることを可能と
   したことを特徴とする田植機の苗載台端寄せ装置。