JPS6131320B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、電動給水ポンプが停電によつて運転
不能なときに密閉圧力タンクに貯えた大気圧以上
の圧力空気を大気に自動的に流出せしめ、密閉圧
力タンクに貯えた水の圧力空気による送水管への
無制限な流出を阻止し、送水管に圧力空気が侵入
かるのを防止した圧力式自動給水装置に関する。

（従来の技術） 従来のこの種圧力式自動給水装置として、密閉
圧力タンクを、電動給水ポンプに連結した送水管
に連通接続すると共に、第１の逆止弁を有する空
気吸込口及び第１の電磁開閉弁を有する排水口を
設けた補助タンクを、第２の逆止弁を有する送気
管を介して密閉圧力タンクの貯気部に及び第２の
電磁開閉弁を有する導水管を介して密閉圧力タン
クの貯水部に夫々連通接続し、電動給水ポンプ及
び前記両電磁開閉弁を、前記貯気部の空気圧力が
設定圧力よりも低下している期間において電動給
水ポンプを稼動すると共に一方の電磁開閉弁が開
となり且つ他方の電磁開閉弁が閉となる状態を設
定周期で交互に繰返すべく、制御させるように構
成されたものが知られている。

この装置は、電動給水ポンプの停止時におい
て、送水管の端末で水を使用すると密閉圧力タン
ク内の水位が低下してそのタンク内の圧力空気の
圧力が低下し、また逆に電動給水ポンプの運転時
に水の使用を停止するとタンク内の水位が上昇
し、タンク内の圧力空気の圧力が上昇するため、
その圧力空気の圧力変動を検出して電動給水ポン
プを制御することにより、その電動給水ポンプが
水の使用、不使用に応じて自動的に運転および停
止するようにしたものである。

そして、この装置によれば、密閉圧力タンク内
の空気圧力が設定圧力より低下している期間にお
いて、電動給水ポンプの稼動及び両電磁開閉弁の
開閉制御により、密閉圧力タンク内つまり貯気部
への空気補給が自動的に行われる。すなわち、こ
の期間において電動給水ポンプが稼動されると、
送水管から密閉圧力タンクへと給水されて、密閉
圧力タンク内の水位が上昇せしめられる。この水
位が所定の水位つまり導水管の密閉圧力タンク内
への開口位置以上に上昇せしめられたときにおい
て、第１の電磁開閉弁が閉状態とされ且つ第２の
電磁開閉弁が開状態とされると、密閉圧力タンク
内の水が導水管から補助タンク内へ流入して、補
助タンク内の空気が送気管から密閉圧力タンク内
へと送り出され、貯気部に空気が補給される。こ
のとき、補助タンク内の空気の空気吸込口からの
排出は第１の逆止弁によつて阻止される。所定時
間経過後、第１の電磁開閉弁が開状態とされ且つ
第２の電磁開閉弁が閉状態とされると、密閉圧力
タンクから補助タンクへの水の流入が停止される
と共に、補助タンク内の水が排水口から排水され
る。排水口からの排水に伴つて、補助タンクには
空気吸込口から空気が補給される。このとき、第
２の逆止弁によつて、貯気部の空気が送気管から
補助タンク内に排出されることはない。このよう
な第１及び第２の電磁開閉弁の開閉が設定周期で
繰返されることにより、電動給水ポンプの稼動時
に密閉圧力タンク内への空気補給が行われ、密閉
圧力タンク内の空気不足を解消するのである。

（発明が解決しようとする問題点） ところが、このような従来の圧力式自動給水装
置にあつては、第１及び第２の電磁開閉弁が停電
時に閉となるように構成されていたため、電動給
水ポンプが停電により作動不能となつた場合に送
水管の末端で水を使用すると、電動給水ポンプに
よる給水が行われないことと、第２の電磁開閉弁
が閉とされて密閉圧力タンクの貯気部が密閉され
ることから、密閉圧力タンク内の水が貯気部の空
気圧力によつて送水管への無制限に流出すること
になり、遂には上記タンク内の圧力空気が送水管
に侵入してしまう。このため、例えば送水管の端
末にガス湯沸器を設けていた場合は空炊きが生じ
る危険があり、また送水管内に空気が溜まり異常
音が発生したり、錆が発生する問題があつた。

本発明は、このような事情に鑑みてなされたも
ので、電動給水ポンプが電源の停電で動作不能な
場合、密閉圧力タンク内の水の無制限な流出を阻
止することができ、それによつて上記タンク内の
空気が送水管に侵入することを未然に防止するこ
とができる圧力式自動給水装置を提供することを
目的とするものである。

（問題点を解決するための手段） 本発明の圧力式自動給水装置は、上記目的を達
成すべく、特に、排水口に設けた第１の電磁開閉
弁及び導水管に設けた第２の電磁開閉弁を何れも
停電時に開となるものに構成したものである。

（作用） かかる構成によれば、停電時には、第１及び第
２の電磁開閉弁が何れも開状態となり、密閉圧力
タンク内の水位が所定の水位つまり導水管の密閉
圧力タンク内への開口位置以上となつている場合
若しくは密閉圧力タンク内の水位がこの所定の水
位より低位であるが補助タンク内に貯水されてい
る場合であつても、密閉圧力タンク内の水は導水
管及び補助タンクを経て排水口から排水されて、
密閉圧力タンク内の水位が前記所定の水位まで下
降され、また補助タンク内の水は排水口から排水
されることになる。したがつて、密閉圧力タンク
内の水位及び補助タンク内の貯水の有無に拘わら
ず、停電時には、第１及び第２の電磁開閉弁の開
動作により、密閉圧力タンクの圧力空気が導水管
及び補助タンクを経て排水口から大気へ流出され
て、密閉圧力タンク内の空気圧力を大気圧まで低
下させる。このため、電動給水ポンプが作動不能
な停電時に、送水管の末端側で水が使用された場
合にも、密閉圧力タンク内の水の送水管への無制
限な流出が阻止され、これによつて密閉圧力タン
ク内の空気が送水管に侵入することが未然に防止
されるのである。

（実施例） 以下、本発明の実施例を図面を参照して説明す
る。

電動給水ポンプ１の吸込口に水源２中に配置し
た揚水管３を連結している。電動給水ポンプ１の
吐出口には手動開閉弁４および逆止弁５を直列に
介して送水管６を接続している。送水管６の逆止
弁５の吐出側に近い部位に連結管７を介して密閉
圧力タンク８を連結している。送水管６の連結管
７との連結部には手動開閉弁９を介して排水管１
０を連結している。また、送水管６の連結管７と
の連結部より送水側部位に手動開閉弁１１および
逆止弁１２を直列に介挿している。密閉圧力タン
ク８には空気補給のための補助タンク１３を併設
している。補助タンク１３は、その上部に空気吸
込口１４ａを設けると共に送気管１５を介して密
閉圧力タンク８の上部つまり貯気部８ａに連通接
続されている。空気吸込口１４ａには、補助タン
ク１３への吸気のみを許容する第１の逆止弁１６
を有する吸気管１４が接続されている。送気管１
５は、第１の逆止弁１６よりも補助タンク１３寄
りの吸気管１４部分から分岐されたもので、一部
を吸気管１４と兼用させている。送気管１５に
は、吸気管１４の分岐部よりも密閉圧力タンク８
寄りの部位に配して、補助タンク１３から密閉圧
力タンク８への送気のみを許容する第２の逆止弁
１７が設けられている。また、補助タンク１３の
下部には排水口１８ａが設けられており、この排
水口１８ａに、停電時開となるように構成された
第１の電磁開閉弁１９を有する排水管１８を接続
してある。さらに、補助タンク１３の中間部は、
停電時開となるように構成された第２の電磁開閉
弁２１を有する導水管２０を介して、密閉圧力タ
ンク８の中間部つまり貯水部８ｂに連通接続され
ている。

なお、排水管１８は電動給水ポンプ１の上方に
配置した補水槽２２に排水を行うようにしてい
る。補水槽２２は貯えた水を補給管２３を介して
電動給水ポンプ１にその吐出口側から補水するも
のである。補水槽２２は取水管２４を介して送水
管６からも水を取水するようにしている。補水管
２３は逆止弁２５が介挿され、取水管２４には手
動開閉弁２６が介挿され、さらに取水管２４の吐
出口にはボールタツプ２７を設けている。

ところで、密閉圧力タンク８の貯気部８ａには
圧力安全弁２８を設けるとともにその貯気部８ａ
に貯えられる圧力空気の圧力を検出する圧力検出
手段、例えば設定圧力以下でオン動作し、設定圧
力を越えた場合にオフ動作する圧力検出スイツチ
２９を設けている。

そして、その圧力検出スイツチ２９で制御器３
０を介して前記した電動給水ポンプ１および第
１，第２の電磁開閉弁１９，２１を制御するよう
にしている。制御器３０は、第２図に示すよう
に、電源に母線３１，３２を接続し、その母線３
１，３２間に電磁接触器３３を、その母線３１側
に第１の自動運転スイツチ３４および圧力検出ス
イツチ２９を直列に介し、かつ母線３２側に電動
給水ポンプ１の電動機部の過熱を検出して開放動
作する常閉のサーマルスイツチ３５を直列に介し
て接続している。そして、自動運転スイツチ３４
と圧力検出スイツチ２９との直列部に手動運転ス
イツチ３６、起動スイツチ３７、停止スイツチ３
８ならびに第１のリレーX₁３９を直列に接続し
た直列回路を並列に接続している。なお、起動ス
イツチ３７には電磁接触器３３の常開接点３３a₁
を並列に接続している。また、第２のリレーX₂
４０と第３のリレーX₃４１の常閉接点４１b₁と
の直列回路と、第１のタイマT₁４２と第２のリ
ルー４０の常開接点４０a₁との直列回路と、第３
のリレー４１と第１のタイマ４２の常開接点４２
ａと第２のタイマT₂４３の常閉接点４３ｂとの
直列回路と、第２のタイマ４３と第３のリレー４
１の常開接点４１a₁との直列回路とを並列に接続
した並列回路を第２の自動運転スイツチ４４およ
び電磁接触器３３の常開接点３３a₂を直列に介し
て母線３１，３２間に接続している。なお、常開
接点３３a₂に２のリルー４０の常時開接点４０a₂
を並列に接続している。そうして、母線３１，３
２間に電動給水ポンプ１を電磁接触器３３の常開
接点３３a₃を直列に介して、第１の電磁開閉弁B₁
１９を第３リレー４１の常開接点４１a₂を直列に
介して、さらに第２の電磁開閉弁B₂２１を第１
のリレー３９の常閉接点３９ｂおよび第３のリレ
ー４１の常閉接点４１b₂を直列に介して接続して
いる。

このような構成であると、初動時から説明する
と、手動運転スイツチ３６を閉成した状態で起動
スイツチ３７を閉成すると、電磁接触器３３が励
磁され、その常開接点３３ａが閉成するので電動
給水ポンプ１が始動され運転状態となる。なおこ
の状態は常開接点３３a₁も閉成するので起動スイ
ツチ３７が開いても停止スイツチ３８を開放する
までは持続する。また、この状態では第１のリレ
ー３９が励磁され、その常閉接点３９ｂが開き、
第３のリレー４１が非励磁でその常開接点４１a₂
を開いているので、第１，第２の電磁開閉弁１
９，２１はいずれも非通電、つまり停電状態にあ
り開状態にある。したがつて、電動給水ポンプ１
から送水管６に給水される水が密閉圧力タンク８
内に貯えられる。この際、密閉圧力タンク８内の
空気は、導水管２０―第２の電磁開閉弁２１―補
助タンク１３―第１の電磁開閉弁１９―排水管１
８の経路を通つて外部に抜ける。そして、密閉圧
力タンク８内に所定レベル、つまり導水管２０の
密閉圧力タンク８内での開口２０ａ位置のレベル
Ｌまで達すると、前記経路を通つて水が排水され
る。この状態で、初期の手動運転の目的は達せら
れるので、停止スイツチ３８を操作して電動給水
ポンプ１の運転を一旦停止し、手動運転スイツチ
３６を開き、第１，第２の自動運転スイツチ３
４，４４を閉成して自動運転を行わせる。この自
動運転の状態では、密閉圧力タンク８内の圧力空
気の圧力が設定圧力以下であると圧力検出スイツ
チ２９がオン動作し、電磁接触器３３が励磁され
るため、電動給水ポンプ１が運転状態になる。ま
た、同時に電磁接触器３３の常開接点３３a₂が閉
成するため１のリレー４０が励磁され、その常開
接点４０a₁を閉成するので第１のタイマ４２が動
作を開始する。このとき、第１の電磁開閉弁１９
は常開接点４１a₂が開で非通電のため開状態であ
るが、第２の電磁開閉弁２１は常閉接点３９ｂ，
４１b₂が閉状態で通電状態となるから閉状態とな
る。したがつて、密閉圧力タンク８内の加圧空気
の圧力は給水によつて水位が上昇するため圧縮さ
れて昇圧する。第１のタイマ４２は設定時間に達
すると、その常開接点４２ａを閉成するので、第
３のリレー４１が励磁され、そのリレー４１の常
閉接点４１b₁，４１b₂が開き、常開接点４１a₁，
４１a₂が閉じるので、第２のリレー４０が消磁さ
れ、第２のタイマー４３が動作を開始し、さらに
第１の電磁開閉弁１９が閉じ、第２の電磁開閉弁
２１が開く。したがつて、密閉圧力タンク８内の
水位がレベルＬ以上であれば、導水管２０―第２
の電磁開閉弁２１を介して補助タンク１３内に水
が流入し、その補助タンク１３内の空気が送気管
１５―第２の逆止弁１７を通つて密閉圧力タンク
８内に補給される。そして、第２のタイマ４３の
設定時間に達すると、その常閉接点４３ｂが開
き、第３のリレー４１を消磁するので、再び前記
した第１のタイマー４２が動作を開始し、密閉圧
力タンク８内に水が給水されるようになる。な
お、このときは前述したように第１の電磁開閉弁
１９が開き、第２の電磁開閉弁２１が閉じるの
で、補助タンク１３内に流入した水が第２の電磁
開閉弁１９―排水管１８を通つて補水槽２２内に
排水される。この補助タンク１３内への水の導入
と、その補助タンク１３からの水の排出は、密閉
圧力タンク８内の圧力空気の圧力が設定圧力を越
え、圧力検出スイツチ２９がオフ動作し、電磁接
触器３３を非励磁にし、電動給水ポンプ１の運転
を停止するまで、第１，第２のタイマ４２，４３
の設定時間周期に交互に繰返される。したがつ
て、密閉圧力タンク８内には電動給水ポンプ１の
運転毎に必要量の空気が補給されるものであり、
また初動時においては電動給水ポンプ１を連続運
転させることによつて比較的短時間のうちに所定
圧力の圧力空気を密閉圧力タンク８内に貯え、定
常の運転状態に移行させることができるものであ
る。

このように、自動運転状態時において、第１，
第２の電磁開閉弁１９，２１は交互に開閉して密
閉圧力タンク８内に空気を補給する動作をなす
が、電源が停電すると第１，第２の電磁開閉弁１
９，２１は両方とも開状態になる。したがつて、
導水管２０―第２の電磁開閉弁２１―補助タンク
１３―第１の電磁開閉弁１９―排水管１８の道に
よつて、密閉圧力タンク８内の水位がレベルＬ以
上にある間はその水を排水し、そのレベルＬまで
水位が低下すると圧力空気を大気へ流出させ、密
閉圧力タンク８内の圧力を大気圧まで低下させ、
密閉圧力タンク８からの送水管６への水の流出を
防止する。したがつて、電源の停電によつて電動
給水ポンプ１が動作不能な場合に送水管６の末端
側で水を使用することにより、密閉圧力タンク８
内の空気が送水管６内に入り込んでしまうという
不都合を確実に防止できるものである。しかも、
空気補給のために使用する第１，第２の電磁開閉
弁を正常時は交互に開閉するが、停電時において
は同時に開状態にするという構成によつて各別に
電磁開閉弁等の部品を使用する必要がないので、
構成が簡単であり、実施が容易なものである。

なお、密閉圧力タンク８内の圧力空気を停電に
応動して前記のように抜くと、送水管６内の圧力
が密閉圧力タンク８内の圧力よりも高くない、水
が逆流するおそれがあるが、送水管６に逆止弁１
２を介挿しているので、そのようなことは防止で
きる。

（発明の効果） 以上で明らかなように、本発明は密閉圧力タン
クに空気補給のための補助タンクを設けるような
ものにおいて、その補助タンクに使用する第１及
び第２の電磁開閉弁を何れも停電時開となるよう
に構成しておくことによつて、停電時に自動的に
密閉圧力タンク内の圧力空気を抜き、その空気が
送水管に入り込まないようにしたものであるか
ら、格別な部品の追加を必要とせず、構成が簡単
で、容易に実施することができるものである。

【図面の簡単な説明】

図は本発明の一実施例を示すもので、第１図は
全体の構成を示す線図、第２図は制御器の構成を
示す電気回路図である。 １…電動給水ポンプ、６…送水管、８…密閉圧
力タンク、８ａ…貯気部、８ｂ…貯水部、１３…
補助タンク、１４ａ…空気吸込口、１５…送気
管、１６…第１の逆止弁、１７…第２の逆止弁、
１８ａ…排水口、１９…第１の電磁開閉弁、２０
…導水管、２１…第２の電磁開閉弁、３０…制御
器。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 密閉圧力タンクを、電動給水ポンプに連結し
   た送水管に連通接続すると共に、第１の逆止弁を
   有する空気吸込口及び第１の電磁開閉弁を有する
   排水口を設けた補助タンクを、第２の逆止弁を有
   する送気管を介して密閉圧力タンクの貯気部に、
   及び第２の電磁開閉弁を有する導水管を介して密
   閉圧力タンクの貯水部に、夫々連通接続し、電動
   給水ポンプ及び前記両電磁開閉弁を、前記貯気部
   の空気圧力が設定圧力よりも低下している期間に
   おいて電動給水ポンプを稼動すると共に一方の電
   磁開閉弁が開となり且つ他方の電磁開閉弁が閉と
   なる状態を設定周期で交互に繰返すべく、制御さ
   せるように構成された圧力式自動給水装置におい
   て、前記第１及び第２の電磁開閉弁を何れも停電
   時に開となるものに構成していることを特徴とす
   る圧力式自動給水装置。