JPS6130996Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （技術分野） この考案は、シート給送テーブル、詳細には複
写機や記録装置に対してシートを送り込むための
シート給送テーブルに関する。

（従来の技術） 例えば、複写機において、原稿載置台へ原稿を
載置するときの位置基準には、大別して二つの方
式がある。一つは中央基準方式であり、いま一つ
は片側基準方式である。

後者は、原稿載置台への原稿のセツト性、原稿
や記録紙を手差しで給送部へ送り込む場合の操作
性に優れている反面、小さいサイズのコピーを行
うとき、次のような欠点を有している。すなわ
ち、現像部においては、片側だけの現像剤が消費
されるので、所謂現像剤の片減りが発生する。雰
囲気定着装置においては、熱容量の限界のため
に、雰囲気温度が不均等となり、定着率が不均一
となる。熱ローラー定着装置においては、圧や加
熱の不均等により定着率の不均一が生じる。ま
た、圧力定着装置においては、圧力の不均等によ
る定着率の不均一が生じる。

上記欠点を除去する手段として、標準サイズの
シートを送るための第１のガイド部材と小さいサ
イズのシートを送るための第２のガイド部材とを
給送テーブルに併設して、小さいサイズのシート
の場合にも現像装置等の中央部を通過させるよう
にしてもよいが、標準サイズのシートを送るとき
第２のガイド部材が邪魔になるという欠点があ
る。また、上記ガイド部材を移動可能に設けた場
合、給送するシートのサイズに合せてその都度操
作しなければならない、という煩わしさがある。

（目 的） 本考案は、上記欠点に鑑みなされたものであつ
て、片側基準方式であつても、上記欠点を解消で
きると共に使い勝手のよいシート給送テーブルの
提供を目的とする。

（構 成） 以下、図示の実施例によつて本考案を詳細に説
明する。第１図は、本考案によるシート給送テー
ブルを備えた複写機の一例を部分的に示す斜視図
である。この複写機は、複写用紙（以下「シー
ト」と称す）をシートカセツトを用いて給紙する
カセツト給紙と、手差しでシートを給紙する手差
し給紙を行えるものであつて、シートカセツト
（図示せず）はカセツト装着部２に挿入される。

手差しのシートは、シート給送口３に送り込ま
れるのであるが、このシート給送口３は、該給送
口の下部縁に枢着されたシート給送テーブル１に
よつて開放されたり閉塞されるようになつてい
る。

シート給送口３の上部には、シートを給送する
ローラー等からなるシート給送部のハウジングの
一部を成す複写機の側壁、この実施例の場合、開
閉可能なサイドカバー４が設けられている。シー
ト給送テーブル１は、第１図に示すように、シー
ト給送口３を開放する使用位置と、これを揺動さ
せてシート案内面５をサイドカバー４に当接させ
てシート給送口３を閉じる不使用位置との間で揺
動自在に設けられている。

シート給送テーブル１は、第２図乃至第４図に
示すように、これを使用位置（第１図参照）にお
いたとき、シート給送口３に連なるシート案内面
５を有するテーブル本体１２と、このシート案内
面に固定して設けられた固定のガイド部材６と、
シート案内面５から突出したり引込む可動のガイ
ド部材７と、このガイド部材７を第３図又は第４
図に示す位置に保持するための磁石８，９，１０
とからなつている。

固定のガイド部材６は、シート給送方向と平行
に設けられていて、標準サイズのシート、例えば
A3、B4、A4、B5サイズのシートを給送するとき
その側縁を位置決めするものであつて、以下第１
のガイド部材と称す。

シート案内面５は、シートを載置され、これを
案内するものであるが、磁石８〜９を吸着させる
ために、軟鋼板で形成された上板１１の上面を案
内面としてある。上板１１には、第１のガイド部
材６と平行に、可動のガイド部材７のガイド部７
ａが出入りする細長い孔１１ａと、ガイド部材７
の押動部７ｂが出入りする方形の孔１１ｂがそれ
ぞれ形成されている。

テーブル本体１２には、可動のガイド部材（以
下「第２のガイド部材」と称す）７を揺動自在に
支持する一対のピン受け１３が設けられている。

第２のガイド部材７は、孔１１ａに出入りする
ガイド部７ａを一側に形成され、他側に孔１１ｂ
に出入りする押動部７ｂを形成され、中央よりや
や押動部寄りにこれの揺動中心である一対のピン
７ｃが形成されている。第２のガイド部材７は、
ピン７ｃをピン受け１３に枢支されて揺動自在で
あるが、ピン受け１３がシート案内面５に対して
鉛直な方向にもピン７ｃの若干の移動を許すよう
に形成されている。第２のガイド部材７は、第３
図に示すように、ガイド部７ａがシート案内面５
に突出した第２の位置と、第４図に示すように、
ガイド部７ａがテーブル本体１２内に引込んだ第
１の位置とを選択的にとり得る。

第２のガイド部材７には、この実施例の場合、
３つの磁石８，９，１０が固着されている。第１
の磁石８は、第２のガイド部材７が第２の位置に
あるとき、上板１１に吸着して該部材７をその位
置に保持するものである。第２の磁石１０は、ガ
イド部材７が第１の位置にあるとき、上板１１に
吸着して該部材７をその位置に保持するものであ
る。第３の磁石９は、第２のガイド部材７がピン
受け１３に自由度を以つて枢支されているので、
これを第１、第２の位置へ確実に保持するための
ものであつて、上板１１に吸着する。磁石を用い
て位置決めを行う場合、磁石の吸着力をより有効
に使うには、磁石と被吸着部材とを完全に密着し
なければならない。そのため、相互の位置精度を
高めるかまたは一般に磁石又は被吸着部材をぐら
ぐらに取り付ける、換言すると自由度を以つて取
り付ける。しかし、このような取り付け方法によ
ると、光像が複雑となり、シート給送テーブルの
如き比較的厚みの小さいものの場合、上記の方法
を実施することができない。

そこで、この実施例では、第２のガイド部材７
の揺動中心であるピン７ｃとピン受け１３との間
に、シート案内面５に垂直な方向の自由度いわゆ
る遊びを与え、第１、第２の位置に拘らず、磁石
９と同８または磁石９と同１０という二つの磁石
で常に懸吊することによつて、構造を簡単にして
小さなスペースに収めている。

なお、本実施例においては、第２のガイド部材
を第１、第２の位置に保持する手段として、３つ
の磁石と軟鋼板の上板１１でこれを構成したが、
３つの磁石に代えて、第２のガイド部材をプラス
チツク磁石で形成してもよく、或いは面積の大き
い２つの磁石を用いてもよい。

また、第１図に示すように、サイドカバー４に
は、シート給送テーブル１を閉じたとき、第１の
ガイド部材６が嵌入する凹溝４ａが形成されてい
る。そして、図示のように、第２のガイド部材７
のガイド部７ａがシート案内面５に突出している
状態でテーブル１を閉じると、すなわち不使用位
置に置くと、同ガイド部７ａがサイドカバー４に
衝き当り、テーブル本体内に押し込まれ、第２の
ガイド部材７は第４図に示す第１の位置におかれ
る。従つて、テーブルを使用態位に開くと、ガイ
ド部材は常に標準サイズのシートをガイドする状
態にある。

通常、手差し給紙を行うのは、シートカセツト
を用いてコピーを行つているときに、サイズの異
なるコピーを少数枚だけ欲する場合にカセツト交
換の煩わしさを避けて割り込みコピーをするとき
と、シートカセツトを用いては給送できないシー
ト、例えば「はがき」のように小さい特別サイズ
のシートを用いるコピーのときである。

以上のように構成された本考案のシート給送テ
ーブルの作用を説明する。特別サイズのシートを
用いてコピーするには、先ず原稿を、原稿載置台
の基準縁から長さｌ（第２図参照）だけずらした
位置に積載し、次いで、テーブル１を第１図に示
すように使用位置に開く。このとき、第２のガイ
ド部材７は、第４図に示すように、ガイド部７ａ
がテーブル本体１２内に引込み、押動部７ｂがシ
ート案内面５と面一になるように揺動した第１の
位置にある。そこで、押動部７ｂを押し込んで第
２のガイド部材７を第３図に示す第２の位置へ揺
動させ、ガイド部７ａをシート案内面５上へ突出
させる。この第２の位置は、磁石８と同９が上板
１１に吸着することによつて保持される。第２の
ガイド部材７が第２の位置に置かれると、第１図
に示すように、特別サイズのシートＳの基準縁
Saをガイド部７ａに当てて、これに沿つて矢印
ａの向きにシート給送口３へ挿入する。

次に、標準サイズのシートを手差しで送りたい
場合には、第１図及び第３図に示すように、第２
の位置に置かれて突出している第２のガイド部材
７のガイド部７ａを押せば、これが揺動して、押
動部７ｂが孔１１ｂに嵌入し、磁石９と同１０が
上板１１に吸着して、第４図に示す第１の位置に
置かれる。この第１の位置においては、シート案
内面５に突出しているのは第１のガイド部材６だ
けであるから、標準サイズのシートは、これの側
縁を同部材６に沿わせてシート給送口３へ送り込
む。

以上説明した実施例は、複数のガイド部材を、
固定したものと可動のものとに分けて設けたもの
であるが、標準サイズ用と特別サイズ用とを一つ
の揺動部材の両端部に形成した本考案の他の実施
例を説明する。なお、以下の説明において、既に
説明した部材と同一の部材については、同一符号
を付すに止め詳細な説明は割愛する。

第５図及び第６図において、上板１１には、標
準サイズのシートを送る場合の基準側縁となる長
孔１１ｃと、特別サイズのシートを送る場合の基
準側縁となる長孔１１ｄとが、それぞれシート給
送方向と平行に穿設されている。

一方、テーブル本体１２の、上記長孔１１ｃ，
１１ｄの略中央に対応する位置には、一対のピン
受け１３が設けられている。このピン受け１３に
は、前述したと同様の自由度を与えられたガイド
部材６０がその揺動中心となる一対のピン６０ｃ
で枢支されている。

ガイド部材６０の一端６０ａには、長孔１１ｃ
に出入りする、標準サイズのシートの基準となる
第１のガイド部６６が形成され、他端６０ｂに
は、長孔１１ｄに出入りする、特別サイズのシー
トの基準となる第２のガイド部７７が形成されて
いる。また、ガイド部材６０の両側部及び略中央
には、磁石８０〜１００がそれぞれ固着されてい
る。

第１の磁石８０は、ガイド部材６０の第１のガ
イド部６６がシート案内面５から突出し、第２の
ガイド部７７が引込んでいる状態の第２の位置を
保持するものである。第２の磁石１００は、ガイ
ド部材６０の第２のガイド部７７がシート案内面
５から突出し、第１のガイド部６６がテーブル本
体内に引込んでいる状態の第１の位置を保持する
ものである。第３の磁石９０は、前記磁石９と同
様に、ガイド部材６０が何れの位置にあつても上
板１１に吸着されるものである。

また、このシート給送テーブルも複写機具体的
にはシート給送部に対して開閉自在に設けられて
いる。一方、サイドカバー４には、上記第１のガ
イド部６６のみが嵌入する凹部４ａ（第１図参
照）が形成されている。そして、ガイド部材６０
は、当該テーブルを閉じるとき、たとえ第２のガ
イド部７７がシート案内面から突出していても、
これがサイドカバー４に衝合してテーブル本体内
に押し込まれる。こののち、テーブルを開くと、
第６図に示すように、第１のガイド部６６が突出
している状態であるところの、標準サイズのシー
トを給送する場合の第２の位置に置かれることに
なる。すなわち、閉じていたテーブルを開くと、
該テーブルは、常に標準サイズのシートを給送す
る態様に置かれていることになる。

そして、第６図に示す第２の位置において、特
別サイズのシートを給送したい場合、第１のガイ
ド部６６をテーブル本体１２内に押し込むと、他
方の第２のガイド部７７がシート案内面５から突
出するので、これを基準としてシートを給送す
る。

（効 果） 以上のように、シート給送部に対して開閉自在
に設けられていて、可動のガイド部材を有する本
考案のシート給送テーブルによれば、小さいサイ
ズのシートを、現像装置や定着装置の略中央部を
通過させることができ、現像剤の片減りや定着率
の不均等という欠点を除去できると共に、該テー
ブルをシート給送部に対して閉じたとき、ガイド
部材がシート案内面から引込み、これを使用態様
に置くべく開いたとき、比較的使用頻度の高い標
準サイズのシートを位置決めし案内するガイド部
材が、常にシート案内面に突出するので、標準サ
イズのシートを給送するときの操作性がよい、す
なわち、使い勝手がよい。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案のシート給送テーブルの一実施
例を、複写機の手差し給紙テーブルとして適用し
た例を示す斜視図、第２図は同上の部分破截平面
図、第３図は第２図中の−線に沿う部分断面
図であつて、可動のガイド部材が第２の位置に置
かれた状態を示す平面図、第４図は第２図中の
−線に沿う部分断面図であつて、可動のガイド
部材が第１の位置に置かれた状態を示す正面図、
第５図は本考案の他の実施例を示す部分断面平面
図、第６図は第５図中の−線に沿う部分断面
図である。 １……シート給送テーブル、４……シート給送
部の一部としての側壁、５……シート案内面、６
……固定（第１）のガイド部材、７……可動（第
２）のガイド部材、７ａ……ガイド部、７ｂ……
押動部、８〜１０，８０〜１００……磁石、１１
……上板、１２……テーブル本体、６０……ガイ
ド部材、６６……第１のガイド部、７７……第２
のガイド部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 シートＳを給送するシート給送部４に連なるシ
   ート案内面５を有し、使用位置と不使用位置との
   間で揺動自在であつて上記シート給送部４に対し
   て開閉自在に設けられたテーブル本体１２と、 シートＳを給送するときシートの側縁を位置決
   めするガイド部材であつて、そのガイド部７ａ，
   ６６，７７が、上記シート案内面５からテーブル
   本体１２内に引込む第１の位置とシート案内面５
   から突出する第２の位置とを選択的にとり得る揺
   動自在の可動のガイド部材７，６０を含み互いに
   平行なガイド部を有する複数のガイド部材６，
   ７，６０と、 上記可動のガイド部材７，６０が上記第１及び
   第２の位置にあるとき、該部材をそれぞれの位置
   に保持する保持手段８，９，１０，１１，８０，
   ９０，１００とを備えていて、 上記テーブル本体１２を上記シート給送部４に
   対して閉じて不使用位置においたとき、上記可動
   のガイド部材７，６０が上記シート給送部４の一
   部に当接して、該可動のガイド部材７，６０のガ
   イド部７ａ，７７を上記テーブル本体内に引込ま
   せることを特徴とするシート給送−テーブル。