JPH0544355Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、複写機等における着脱式シユートの
開閉装置に関し、特に、湾曲した搬送路を構成す
るシユート部材を、装置本体から開くことによつ
て、用紙搬送路の解放を行い得るようにするとと
もに、該シユート部材を閉じるだけの動作で、用
紙の案内路の設定を容易に行い得るような装置に
関する。

（従来の技術） 従来より一般に用いられている小型の複写機等
の装置においては、多くの場合には、用紙トレイ
等の給紙装置から、感光体ドラムの画像転写部、
搬送装置、および、定着装置等の各部材が略直線
状に構成されていて、用紙搬送路が湾曲された状
態に設定されることが少ないようになつている。

そして、上記したように直線状に用紙搬送路を
構成することによつて、搬送される用紙に対して
湾曲させる等の余分な応力を付加することを少な
くし、それによつて用紙搬送路内での用紙のジヤ
ム等が発生することを防止出来るとともに、用紙
の搬送のタイミングを一定に維持出来るような手
段が用いられている。

しかし、最近の小型複写機の機能の拡大化に伴
つて、複写機本体に複数個の給紙カセツトまたは
用紙トレイを装着する場合には、複写機本体の側
部に装着するのみでは十分でないために、複写機
本体の下部にも給紙カセツトを装着し、その下部
に装着された給紙カセツトから、感光体ドラム等
のトナー画像形成部材に向けて、湾曲して形成さ
れた用紙搬送路を介して給紙出来るような手段が
用いられるようになつて来ている。

（考案が解決しようとする問題点） しかしながら、上記したように用紙搬送路を湾
曲させて構成した場合に、用紙を所定の方向に安
定走行させるためには、ガイド部材を正確な位置
に設定することが必要であり、該ガイド部材を固
定位置に設けた場合には、その要求に十分に対処
出来るものとなる。

しかし、湾曲した用紙搬送路の途中に搬送ロー
ラ装置を設けたり、レジストレーシヨンゲート等
を設けた場合には、それらの部材を設けることに
よつて、用紙にジヤムが発生したりすることが多
く、そのためには、上記ガイド部材を複写機本体
に対して着脱可能に構成することが必要である。

また、従来の着脱式シユートの場合には、着脱
機構周辺の部品の寸法制度を厳しく管理しなけれ
ばならないといつた問題を有しており、さらに、
その部材に形成されるガイド面の仕上げ寸法が、
直ちに用紙の斜行等に影響を与える等の問題を持
つている。

そのような問題を解決するために、従来の装置
においては、パラスチツクシートを案内面に貼り
付けてパス長を用紙の幅方向で変化させたり、用
紙搬送路内で用紙に負荷をかけることにより、用
紙の所定方向への搬送を促している。

しかしながら、上記したような従来の装置にお
いては、上記したような対策を施しても、用紙搬
送路における正規な案内面の形状や、複写機本体
との各部材の取付け状態が一定に確保されていな
いことや、搬送シユートに貼り付けた部材が剥が
れてしまうこと等によつて、用紙の所定方向への
安定走行が行なわれない等の欠点が発生しやすい
ものであつた。

（考案の目的） 本考案は、上記したような従来より用いられて
いる着脱式シユートの欠点を解消するもので、複
写機本体に装着するのみで、正常に位置決めが行
なわれ、用紙の安定走行を可能にするような複写
機等における着脱式シユートの開閉装置を提供す
ることを目的としている。

（問題点を解決するための手段および作用） 本考案は、用紙トレイ等の用紙収容部から用紙
を供給し、略Ｕ字状に湾曲された用紙搬送路を通
して画像転写部に搬送するように構成してなる複
写機等に関する。本考案においては、前記湾曲し
た用紙搬送路を構成する案内部材を、装置本体に
対して支点を介して回転可能に設けたカバー部材
と、前記カバー部材に対して用紙搬送路の幅方向
の中央部に配置する支軸を介して、揺動可能に設
けた着脱式シユートとにより構成し、前記着脱式
シユートに設けた案内面を用いて、湾曲用紙搬送
路での用紙に対する案内を行うとともに、前記着
脱式シユートは、装置本体に設けた複数の係止部
材に対して、シユートの下部に突出させた突当部
材をそれぞれ当接させて位置決めする手段を設
け、装置本体に設けたロツクレバー部材を用い
て、前記カバー部材を係止保持するロツク装置を
設け、前記カバー部材に設けた着脱式シユート
を、用紙案内位置に固定する手段を構成してい
る。

前述したように構成したことにより、本考案の
着脱式シユートの開閉装置では、複写機の用紙搬
送路でジヤム等が発生した場合には、カバー部材
を開くことにより、ジヤム紙の処理を容易に行う
ことができる。また、前記カバー部材に支持され
るシユート部材は、カバー部材に対してその幅方
向の中央部で支軸としてのスタツドを介して揺動
可能に支持され、本体の用紙搬送路に対して、シ
ユートの案内面が自動的に一致する状態に設けら
れている。したがつて、ジヤム紙の処理の作業を
行つた後で、シユート部材を閉じることによつ
て、シユートに設けた突当部材を、装置本体の係
止部材に当接させることにより、シユートの用紙
案内面が自動的に位置決めされるので、湾曲した
用紙搬送路での用紙の案内路を容易に設定するこ
とができる。

（実施例） 図示された実施例に従つて、本考案の複写機等
における着脱式シユートの開閉装置の構成を説明
する。第１図および第２図に示される例は、本考
案の装置の基本的な構成を示しているもので、複
写機本体１においては、湾曲した用紙搬送路を構
成する案内面２ａをＵターンシユート２に設けて
いる。前記Ｕターンシユート２は支点３を介して
装置本体１に揺動可能に設けられているもので、
そのＵターンシユート２が閉じられた状態にある
場合には、その案内面２ａが用紙搬送路の一部を
構成し、さらに、上記案内面２ａが用紙搬送路の
前後の部分に正確に接続されるようになつてい
る。

また、前記Ｕターンシユート２は、第２図に示
されるように、その案内面２ａにピンチローラ１
９を設けたものでも良いが、その構成については
特に限定されることはない。そして、上記したよ
うに支点３を介して矢印Ｘ−X′方向に揺動可能
に構成することによつて、湾曲した用紙搬送路内
でジヤムが発生した場合には、レバー４を用いて
Ｕターンシユート２を開くことによつて、用紙搬
送路の解放が行われ、そのジヤムを生じた用紙を
容易に取り出し得るようになる。その処置が終了
すると、直ちにＵターンシユート２を装置本体１
に戻し、所定の位置に固定することによつて、用
紙の送りの動作を再開出来るものとなる。

したがつて、第２図に示されるように、複写機
本体の下部に用紙トレイ１５を装着してなる装置
においては、その用紙トレイ１５からフイードロ
ーラ１７によつて用紙１６を取り出し、スリツプ
ローラ１８とピンチローラ１９とによつて挟持し
た状態で、その用紙１６をＵターンシユート２の
案内面２ａに沿つてガイドすることが出来、それ
によつて、用紙の搬送を正確に行わせることが出
来るものとなる。しかしながら、前記第１図に示
されるシユート２では、ジヤム処理の後で、それ
を閉じた状態でも、用紙に対する案内面が正確に
位置決めされない場合があり、用紙搬送路内での
用紙の案内作用に十分な信頼性がないという問題
が発生しやすい。

そこで、本考案においては、第３図および第４
図に示されるように、着脱式シユート５とカバー
部材１０とを用いて、その用紙搬送路の設定を行
うような構成のものとすることができる。前記本
考案の実施例に示される着脱式シユート５には、
湾曲した用紙搬送路のガイド面を構成する案内面
５ａが設けられており、この着脱式シユート５を
所定の位置にセツトした場合には、その案内面が
用紙搬送路を構成する他のガイド面と一致するよ
うになる。なお、本考案においては、着脱式シユ
ートを装置本体の用紙搬送路に対して固定するた
めに、カバー部材１０を本体に対して閉じる方向
に揺動させることにより、カバー部材１０と着脱
式シユート５とを自動的に位置決めし、カバー部
材１０を支点１１を介して引き出す方向に揺動さ
せることによつて、用紙搬送路を解放できるよう
な係止手段であれば、従来の電子写真複写機等に
使用されている任意の機構を用いることができ
る。

前記着脱式シユートの位置決め手段として、例
えば、本考案においては、装置本体１に対して縦
軸を用いて構成する支点１１を介して、カバー部
材１０を揺動可能に設けるとともに、そのカバー
部材１０に設けたスタツド６を介して、着脱式シ
ユート５を水平方向に揺動可能に設けている。上
記着脱式シユート５はその複写機本体に接する側
に、複数個の突当部材７，７ａ…を介して接続さ
れ得るように設けられる。前記突当部材７は第３
図に示されるように、用紙搬送路の幅方向に複数
個設けられており、本体フレーム１２には、前記
突当部材に対応する位置に、係止部材８〜８ｂを
それぞれ配置している。そして、カバー部材１０
を装置本体に対して揺動させて閉じることによ
り、係止部材に対して突当部材をそれぞれ押圧す
る状態で、着脱式シユート５の位置決めが容易に
行われるようにされている。

また、本考案においては、第４図に示されるよ
うに、前記複写機本体のフレーム１２と、カバー
部材１０の間に、ロツク装置２０を配置してお
り、前記ロツク装置２０は、本体フレームに対し
て支軸２２を介して揺動可能に設けたロツクレバ
ー部材２１と、カバー部材１０の下部に突出させ
て設けたロツクスタツド９とから構成される。前
記ロツク装置２０は、第５図に示されるような機
構を用いることができるもので、本体フレーム１
２に対して、支軸２２を介してロツクレバー部材
２１を揺動可能に設けている。前記ロツクレバー
部材２１の後部アーム２３は係止部材８ｂの部分
まで突出させて設け、前記後部アーム２３と本体
フレームとの間に引つ張りバネ２４を設けてい
る。また、ロツクレバー部材２１の前部アーム２
５は、先端部の側部に突部２６を設け、前記突部
２６の軸側に凹部２９を設けている。さらに、本
体フレーム１２には、カバー部材１０の下部に突
出させて設けたロツクスタツド９の先端部を案内
するために、案内溝１３を設けており、カバー部
材１０を開閉する際に、案内溝１３の部分にロツ
クスタツド９の先端部が案内される。

前記ロツク装置２０のロツクレバー部材２１
は、着脱式シユートが解放されている状態または
着脱式シユートが閉じられている状態では、第５
図に示されるように、スプリング２４により軸２
２を介して図の時計方向に付勢されているので、
後部アーム２３の先端部が係止部材８ｂに当接す
る状態に設定される。また、ロツクレバー部材２
１の前部アーム２５は、突部２６に対して前側斜
面２７と後側斜面２８とを形成しており、前記後
側斜面２８の後部に凹部２９が配置される形状に
構成される。そして、前記ロツクレバー部材２１
を設けた装置本体に対して、カバー材１０を閉じ
る方向に揺動させると、着脱式シユートに設けた
ロツクスタツド９が前部アーム２５の前側斜面２
７に当接し、その傾斜面に沿つて中に入ろうとす
るので、ロツクレバー部材２１は支軸２２を中心
にして第５図の反時計方向に揺動される。前記ロ
ツクスタツド９がロツクレバー部材の凹部２９に
入り込んだ状態では、着脱式シユートが閉じる位
置に固定されるもので、スプリング２４により後
部アームの凹部がロツクスタツド９を固定保持す
る状態となる。

これに対して、着脱式シユートを開く方向に揺
動させると、ロツクスタツド９が凹部２９から突
部２６の後側斜面２８に摺動してロツクレバー部
材２１を揺動させながら、本体フレームの保持位
置から着脱式シユートを開くことができる。した
がつて、本考案の装置では、オペレータが手で着
脱式シユートを開閉することにより、ロツク装置
２０が着脱式シユートのロツクスタツドに対する
固定と解放の動作を自動的に行うことができる。
そして、前記実施例においては、湾曲した用紙搬
送路内で用紙にジヤムが発生した際には、装置本
体１から支点１１を介してカバー部材１０を開く
と、そのカバー部材１０とともに着脱式シユート
５も揺動されて、用紙搬送路を解放する。

その状態でジヤムを発生した用紙を除去し、再
びカバー部材１０を閉じるような動作を行い、そ
のカバー部材１０を閉じる動作を行うことによつ
て、突当部材７が作動され、ロツク装置２０によ
つて着脱式シユート５を所定の位置にセツト出来
ることになる。

なお、本考案において用いられる突当部材７と
しては、スプリング等の部材によつて付勢される
ロツクレバー部材と、そのロツクレバー部材に係
合される部材を着脱式シユート５の下面に突出さ
せた装置を用いることが可能であるが、その他
に、従来公知の係止手段を用いることが可能であ
り、その構成は係脱が容易で、着脱式シユートの
固定が正確に行なわれるものであれば特に限定さ
れるものではない。

（考案の効果） 前述したように構成したことにより、本考案の
着脱式シユートの開閉装置では、略Ｕ字状に湾曲
された用紙搬送路内でのジヤム処理が容易に行い
得るものであり、用紙搬送路を解放した後で、そ
のシユート部材を装置本体に挿入するのみの動作
で、案内面を正確に設定することが出来ることに
なる。

つまり、複写機の用紙搬送路でジヤム等が発生
した場合には、カバー部材を開くことにより、ジ
ヤム紙の処理を容易に行うことができる。また、
前記カバー部材に支持されるシユート部材は、カ
バー部材に対してその幅方向の中央部で支軸とし
てのスタツドを介して揺動可能に支持され、本体
の用紙搬送路に対して、シユートの案内面が自動
的に一致する状態に設けられている。したがつ
て、ジヤム紙の処理の作業を行つた後で、シユー
ト部材を閉じることによつて、シユートの用紙案
内面が自動的に位置決めされるので、用紙の案内
路を容易に設定することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の基本的な構成を示す平面図、
第２図はその断面図、第３図は本考案の実施例の
構成を示す平面図、第４図はその断面図であり、
第５図はロツク装置の構成を示す斜視図である。 図中の符号、１……装置本体、２……Ｕターン
シユート、３……支点、４……レバー、５……着
脱式シユート、６……スタツド、７……突当部
材、８……係止部材、９……ロツクスタツド、１
０……カバー部材、１１……支点、１５……給紙
カセツト、１６……用紙、１７……フイードロー
ラ、１８……スリツプローラ、１９……ピンチロ
ーラ、２０……ロツク装置、２１……ロツクレバ
ー部材、２２……支軸、２４……スプリング、２
５……前部アーム、２６……突部、２９……凹
部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 用紙トレイ等の用紙収容部から用紙を供給し、
   略Ｕ字状に湾曲された用紙搬送路を通して画像転
   写部に搬送するように構成してなる複写機等にお
   いて、 前記湾曲した用紙搬送路を構成する案内部材
   を、装置本体に対して支点を介して回転可能に設
   けたカバー部材と、前記カバー部材に対して用紙
   搬送路の幅方向の中央部に配置する支軸を介し
   て、揺動可能に設けた着脱式シユートとにより構
   成し、前記着脱式シユートに設けた案内面を用い
   て、湾曲用紙搬送路での用紙に対する案内を行う
   とともに、 前記着脱式シユートは、装置本体に設けた複数
   の係止部材に対して、シユートの下部に突出させ
   た突当部材をそれぞれ当接させて位置決めする手
   段を設け、 装置本体に設けたロツクレバー部材を用いて、
   前記カバー部材を係止保持するロツク装置を設
   け、前記カバー部材に設けた着脱式シユートを、
   用紙案内位置に固定する手段を構成することを特
   徴とする複写機等における着脱式シユートの開閉
   装置。