JPS6129806Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、リーダ支持台に支持させたリーダ
頂部にトツプシーブブロツクを固定した杭打機の
後方張力装置に関するものである。

まず、公知の杭打機の後方張力装置の一例とし
て、実用新案出願公告昭55−10446号公報に記載
されているものについて述べる。

この後方張力装置は、リーダ支持台に支持させ
たリーダの頂部にトツプシーブブロツクを固定
し、トツプシーブブロツクの前がわおよび後がわ
とリーダ支持台とに固定シーブを設置し、リーダ
に上下に摺動できるように取付けた作業具に複数
個の吊りシーブを設置し、杭打機の巻胴からくり
出された巻上ロープを、リーダ支持台上の固定シ
ーブとトツプシーブブロツクの後がわの固定シー
ブとにかけ渡してから、トツプシーブブロツクの
前がわの固定シーブと作業具の吊りシーブとにか
け渡し、その端末をトツプシーブブロツクの前が
わに固定した構造からなる。

この後方張力装置において、リーダの長さ、巻
上ロープの長さ、組立ての容易さ等の利点から、
リーダ支持台がわの固定シーブをリーダ支持台か
ら分離し、その固定シーブとリーダ支持台とをた
がいに固定ロープで連結する構造をとつた場合に
は、作業中に地盤等の状態により作業具からの振
動がリーダを介して、分離したシーブに伝わる。
このシーブのリーダからの後方位置は杭打機の全
体の構造上有限であるため、振動して横方向（水
平方向）に動いた場合シーブとリーダとが衝突し
て、各々の部品の破損を招いて危険である。

このような難点を除くための揺れ止め装置とし
て、実用新案出願公告昭57−26928号公報に、ガ
イドロープをリーダの上部と下部にわたつてリー
ダとほぼ平行にバネを介して張設し、そのガイド
ロープに挿通したパイプを絞り込み装置に固定
し、その絞り込み装置を上下方向には移動可能
に、水平方向には揺れを防止するようにしたもの
が記載されている。

しかし、この装置ではガイドロープの張力如何
では揺れを防止しきれない場合があり、またウイ
ンチの誤操作、もしくはウインチのブレーキの故
障により巻上ロープが急激にゆるみ、絞り込み装
置全体がリーダ支持台付近に落下、衝突して危険
を生じる。

この考案は、上述した問題点を解決するための
もので、リーダ支持台に支持させたリーダの頂部
にトツプシーブブロツクを固定し、トツプシーブ
ブロツクの前がわおよび後がわとリーダ支持台と
に固定シーブを設置し、リーダに上下に摺動でき
るように取付けた作業具に複数個の吊りシーブを
設置し、杭打機の巻胴からくり出された巻上ロー
プを、リーダ支持台上の固定シーブとトツプシー
ブブロツクの後がわの固定シーブとにかけ渡して
から、トツプシーブブロツクの前がわの固定シー
ブと作業具の吊りシーブとにかけ渡し、その端末
をトツプシーブブロツクの前がわに固定した杭打
機において、リーダの背面がわ部に案内枠体を取
付け、その案内枠体に対して上下に制限距離離だ
け移動できるようにシーブ支持枠体させ、シーブ
支持枠体にはシーブを設置し、シーブ支持枠体と
リーダ支持台とを一定長さのワイヤロープにより
たがいに連結し、前記巻上ロープの途中を、トツ
プシーブの後がわの固定シーブとシーブ支持枠体
のシーブとにかけ渡したことを特徴とする。

つぎに、この考案の一実施例を第１図ないし第
３図により説明する。

下部走行体および上部旋回体等からなる本体１
の上部旋回体の前部にはリーダ支持台２が取付け
られており、リーダ支持台２の前部にはリーダ３
がピンにより支持されている。リーダ３の上がわ
部には、本体１の上部旋回体の後方部に支持させ
た左右のリーダ支柱５の上端部がピンにより連結
されている。リーダ３の頂部にはトツプシーブブ
ロツク４がボルト等により固定されており、その
前部には複数のシーブ９が取付けられており、後
部には複数のシーブ１０が取付けられている。リ
ーダ３の前部には、作業具（たとえば掘削用アー
スオーガ等）８が上下に摺動できるように設置さ
れており、この作業具８の上部には複数個の吊り
シーブ１４が取付けられている。リーダ支持台２
の後部には案内固定シーブ１５が取付けられてい
る。シーブ９は作業具８の巻上げ、巻下げ用のも
のであり、シーブ１０は後方張力を得るため後記
する巻上ロープ７をかけ渡すものである。

リーダ３の中間から上端寄りの背面部には上下
のブラケツト１６が固定されており、そのブラケ
ツト１６には上下方向に長穴１３ａを設けた案内
枠体１３がピン１７により取付けられている。案
内枠体１３には上下に摺動できるようにシーブ支
持枠体１１が支持されている。シーブ支持枠体１
１にはピン１８Ａ、１８Ｂ、１８Ｃが固定されて
おり、ピン１８Ａには複数、たとえば２個のシー
ブ１９が取付けられており、ピン１８Ｂ、１８Ｃ
にはナイロン、ゴム等からなるローラ２０が取付
けられている。ローラ２０は案内枠体１３の長穴
１３ａに摺動できるようにはめこまれている。シ
ーブ支持枠体１１の下端部とリーダ支持台２の上
端部とは、一定の長さの固定ワイヤロープ１２に
よりたがいに連結されている。

上部旋回体上に設置した巻上ウインチ６からく
り出させた巻上ロープ７は、シーブ１０とシーブ
１９とにかけ渡され、ついで、シーブ９とシーブ
１４とにかけ渡され、その端末はシーブブロツク
４の前部に固定されている。

掘削作業中に地盤等の条件により作業具８に振
動が発生した場合、リーダ３や巻上ロープ７を介
してシーブ支持枠体１１に振動が伝わり、シーブ
支持枠体１１全体が水平方向に振れる。このた
め、上述したように、シーブ支持枠体１１に固定
したピン１８Ｂにローラ２０を取付け、そのロー
ラ２０をリーダ３と一体の案内枠体１３の長穴１
３ａにはめこませてある。ローラ２０はナイロン
またはゴムの材質にすれば防振、防音の効果をは
かることができる。それゆえ、シーブ支持枠体１
１全体の水平方向の動きが制限され、衝突による
各部の損傷が防止される。また、シーブ支持枠体
１１は案内枠体１３に対して上下方向に一定量移
動できるので、掘削荷重の変動にともなう後方張
力荷重の変動に応じて上下動することができる。
かつ、巻上ウインチ６の誤操作、ブレーキの故障
等によりシーブ支持枠体１１が落下しても、長穴
１３ａの下端でピン１８Ｂが制止されて停止する
ので、落下衝突による事故を防止できる。

杭打機および後方張力装置を第１図の姿勢にす
るには、一盤にリーダ３全体を地面に対して水平
な状態で組む（トツプシーブブロツク４の取付け
や巻上ロープ７等の掛け回し）のであるが、シー
ブ支持枠体１１を案内枠体１３に案内させて乗せ
ておけるので、安定しており、組立てや巻上ロー
プの掛け回し等を安全に、かつ、簡単に行うこと
ができる。

第４図は、シーブ支持枠体１１にピン１８Ｄ、
１８Ｅを固定し、それぞれのピン１８Ｄ、１８Ｅ
に取付けたローラ２１Ａ、２１Ｂにより案内枠体
１３を挾持するように構成したこの考案の他の実
施例を示す。

第５図は、リーダ３と一体の案内枠体１３に設
た案内穴部１３ａに、シーブ支持枠体１１の突出
部にピンを介して取付けたローラ２２をはめこま
せたこの考案の他の実施例を示す。

第４図、第５図に示す実施例の作用は第１図な
いし第３図に示す実施例と同様である。なお、第
４図、第５図において、第１図ないし第３図と同
じ符号をつけたものは、同じもの、もしくは相当
するものを表わす。

以上説明したこの考案によれば下記の効果が得
られる。

(1) シーブ支持枠体１１とリーダ支持台２とを固
定ワイヤロープ１２によりたがいに連結したこ
とにより、巻上げ、巻下げ兼後方張力用のワイ
ヤロープ７の長さを短くすることができる。

(2) リーダに固定した案内枠体１３に対してシー
ブ支持枠体を上下に制限距離だけ移動できるよ
うに支持させたので、水平方向の揺れを確実に
防止できる。

(3) シーブ支持枠体がある距離降下すると案内枠
体で制止されて停止するので、落下、衝突によ
る部材の破損を防止できる。

(4) 振動によるシーブ支持枠体１３の揺れを防止
するだけで、案内枠体１３には外力は発生しな
いゆえ、案内枠体１３は軽量な部材でよい。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案による杭打機の一実施例を示
す側面図、第２図は第１図のＡ部の拡大図、第３
図は第２図の−断面拡大平面図、第４図、第
５図はこの考案の他の実施例を示す第３図相当の
断面図である。 １……本体、２……リーダ支持台、３……リー
ダ、４……トツプシーブブロツク、６……巻上ウ
インチ、７……巻上ロープ、８……作業具、９…
…シーブ、１０……シーブ、１１……シーブ支持
枠体、１２……固定ワイヤロープ、１３……案内
枠体、１３ａ……長穴、１３ｂ……案内穴部、１
４……吊りシーブ、１５……案内固定シーブ、１
６……ブラケツト、１７……ピン、１８Ａ，１８
Ｂ，１８Ｃ，１８Ｄ，１８Ｅ……ピン、１９……
シーブ、２０……ローラ、２１Ａ，２１Ｂ……ロ
ーラ、２２……ローラ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. リーダ支持台に支持させたリーダの頂部にトツ
   プシーブブロツクを固定し、トツプシーブブロツ
   クの前がわおよび後がわとリーダ支持台とに固定
   シーブを設置し、リーダに上下に摺動できるよう
   に取付けた作業具に複数個の吊りシーブを設置
   し、杭打機の巻胴からくり出された巻上ロープ
   を、リーダ支持台上の固定シーブとトツプシーブ
   ブロツクの後がわの固定シーブとにかけ渡してか
   ら、トツプシーブブロツクの前がわの固定シーブ
   と作業具の吊りシーブとにかけ渡し、その端末を
   トツプシーブブロツクの前がわに固定した杭打機
   において、リーダの背面がわ部に案内枠体を取付
   け、その案内枠体に対して上下に制限距離だけ移
   動できるようにシーブ支持枠体を支持させ、シー
   ブ支持枠体にはシーブを設置し、シーブ支持枠体
   とリーダ支持台とを一定長さのワイヤロープによ
   りたがいに連結し、前記巻上ロープの途中を、ト
   ツプシーブの後がわの固定シーブとシーブ支持枠
   体のシーブとにかけ渡したことを特徴とする後方
   張力装置。