JPS6129380Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の技術分野〕 本考案は棒状化粧料芯カートリツジに関するも
ので、より具体的には、アイライナー、アイシヤ
ドウ等の棒状化粧料芯に損傷を与えることのない
芯チヤツクにより、芯を繰り出し繰り戻しできる
棒状化粧料芯カートリツジに関するものである。

〔従来技術とその問題点〕

従来のアイライナー、アイシヤドウ等の棒状化
粧料芯を繰り出し繰り戻すことができるカートリ
ツジには、棒状化粧料芯が挿入され、保護され、
把持される芯パイプを有している。その芯パイプ
は通常ポリプロピレン製のパイプで、その中に、
その芯パイプの内径より僅かに太い径の棒状芯が
圧入される。使用するときは、カートリツジが装
着される芯押出し機構本体の芯押棒で芯パイプ内
の棒状芯の一端を押し、棒状芯の一部を芯チヤツ
クから押し出す。押し出された芯と芯パイプ内の
芯との境には応力の差が生じ、芯が折れやすく、
また芯の熱膨張によりその境界面に亀裂が入りや
すくなつている。更に、一度芯を芯パイプから押
し出してしまうと、その中に芯を戻すことが不可
能となり、従つて、芯パイプの芯把持機能が低下
するとともに、芯が損傷を受けやすくなる。ま
た、芯パイプがポリプロピレン製のために、芯を
保護し、把持するために必要な強度を得るために
は芯パイプの肉厚を厚くしなければならず、従つ
て、カートリツジ自体が太くならざるを得なかつ
た。

〔考案の目的〕

本考案は、このような欠点を解消するためにな
されたもので、その目的は、棒状化粧料芯に応力
を作用させず常に定量の棒状化粧料芯を保持する
芯チヤツクを有する棒状化粧料芯カートリツジを
提供することである。

本考案の他の目的は、棒状化粧料芯とその芯の
往復動する部分とのクリヤランスを小さくして、
全体を細くした棒状化粧料芯カートリツジを提供
することである。

〔考案の概要〕

本考案は、基本的には、両端が開放された元筒
と、一端側から棒状化粧料芯の一端の一定量が挿
入保持され、他端側からガイド棒が嵌着固定され
る筒状の芯チヤツクと、一端が元筒の内壁と係合
し、他端がガイド棒と係合し、芯チヤツクをとり
巻くように配置される圧縮コイルばねとから成る
カートリツジである。棒状化粧料芯の径は芯チヤ
ツクの内径よりも僅かに小さいもので、芯と芯チ
ヤツクとは芯チヤツクの周壁に設けられた突起に
よつて係合し、芯と芯チヤツクとガイド棒とは一
体的となる。これらは元筒内に前後往復動可能に
収納され、後端から押圧力が働かない限り、コイ
ルばねによつて常時後端方向へ弾力的に押圧され
る。後端から押圧力が作用したときは、一体的と
なつた芯、芯チヤツク及びガイド棒は元筒の前端
方向に押し進められ、芯は元筒の前端開口から突
き出る。

好適に、本考案のカートリツジは後端において
適宜の芯押出し機構と連結され、該機構から延出
する芯押棒がカートリツジ後端を貫通して前記ガ
イド棒の後端面に当接するようにされている。芯
押出し機構は特に限定されるものではないが、例
えば、ノツク式機構で芯押棒を前進後進させるも
のや、筒部を回すことにより芯押棒を前進後退さ
せる回転式などを用いることができる。

〔考案の実施例〕

第１図において、１は棒状化粧料芯（以下、芯
という）で、その一部が芯チヤツク２の一端の中
に挿入されている。芯１の外径は、芯チヤツクの
内径よりも僅かに小さく、例えば、芯チヤツク２
の外径を2.15mmとすると、芯１の内径は2.00mmに
する。芯１は、芯チヤツク２の周壁に設けられた
内向の突起３によつて相互に一体化する。芯チヤ
ツク２は棒状化粧料カートリツジを細くするため
には、好適にはステンレス製のパイプがよい。第
３図は芯チヤツク２の縦断面が示されている。図
からわかるように、軸線方向にそつた切れ目２５
は、波型に形成されている。この突起３の数は、
芯の軟度、芯チヤツクに挿入される芯の量によつ
て適宜に定めればよく、好適には、３ケ所に設け
るとよい。

芯チヤツク２の他端には、ガイド棒４が挿入さ
れ、そのガイド棒４の一端は芯１の一端と接触し
ている。ガイド棒４の周囲には、芯チヤツク２と
一体化させるために嵌着突起５が設けられてい
る。ガイド棒４の他端には膨出部６があり、それ
は芯チヤツク２の外に張り出している。

これら一体的となつた芯１、芯チヤツク２及び
ガイド棒４は元筒７の貫通穴１０，１１に摺動可
能に挿入されている。元筒７の後端には、貫通孔
９を有する尾栓８が嵌着固定されている。この貫
通孔９は、後に説明するように芯押出し機構１８
（第２図参照）の芯押棒２０が摺動する孔であ
る。この尾栓８により、ガイド棒４が外にとび出
すことが不可能となる。元筒７の貫通穴１０は芯
チヤツクの径とほぼ等しく、貫通穴１１は膨出部
６の径とほぼ等しい。貫通穴１１の内壁には、軸
線方向にガイド溝１２が設けられ、膨出部６の外
周に設けられた突条１３と噛み合い、膨出部６が
芯押出し機構１８の芯押棒２０によつて押される
と、芯チヤツク２は回転することなく貫通穴内を
摺動できる。ガイド溝１２は設けられることが望
ましく、好適には２本あるとよい。２つの貫通穴
１０，１１の境にある肩１４と、膨出部６との間
に芯チヤツクをとり巻くように圧縮コイルばね１
５が配置されている。元筒７の先端部分には、好
適には芯チヤツク２の外径よりも小さく、芯１の
外径よりも大きな径の前端開口１７を有する先筒
１６が被着されている。このような前端開口１７
では、押棒２０によつて芯チヤツク２が押されて
も、芯チヤツク２は先筒１６から外に突き出るこ
とはない。

第２は、本考案のカートリツジを芯押出し機構
１８と連結し、芯１を最も突き出した状態を示す
縦断面図である。芯押出し機構１８は従来技術に
よるもので、ブロツク２２に固定された案内筒１
９を手で固定し外筒２１を回転させると、外筒２
１の内壁に設けられた溝筒２１の溝と芯押棒２０
の突起２３とが噛み合うことで、芯押棒２０が外
に繰り出されるものである。本考案のカートリツ
ジを芯押し機構１８に装着する。それらは板バネ
２４によつて一体的となる。上述したように外筒
２１を回転させると、押棒２０が繰り出され、ガ
イド棒４が押される。これにより芯１及び芯チヤ
ツク２が先端方向に押され、芯１が先筒１６の前
端開口１７から突き出る。従来のように、芯チヤ
ツクの中に押棒が挿入され、芯チヤツク内に挿入
されていた芯を押し出すものでないので、常に芯
チヤツク２内にある芯１の量は変らず、芯１と芯
チヤツク２との一体性は常に一定にたもたれる。

使用しないときは、外筒を逆回転させることに
より押棒が元に戻り、芯チヤツク２は圧縮コイル
ばね１５の反発力によつて後方に押されることに
よつて後に押し戻され、芯１は元筒７の内に収納
される。

〔考案の効果〕

本考案に係る棒状化粧料芯カートリツジは棒状
化粧料芯の径より大きい径の芯チヤツクを用いる
ので、芯自体に力が作用せず、従つて、芯折れ等
の損傷が防止される。また、棒状化粧料芯の一定
量が芯チヤツク内に挿入係合されているので、両
者の一体性が化粧料芯の使用による減少に関係な
く一定に保たれる。更に、この芯チヤツクをステ
ンレス製にすると芯と元筒とのクリアランスを小
さくできるので、カートリツジをスリムな形に形
成でき、また芯チヤツクの切れ目を波型すること
によつて芯チヤツク同志のからみ合いがなくカー
トリツジ作製の能率が向上する。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案の棒状化粧料芯カートリツジ
の縦断面図である。第２図は、第１図のカートリ
ツジを芯押出し機構に装着し、棒状化粧料芯を最
大に突き出させた状態を示す縦断面図である。第
３図は、第１図のカートリツジに使用された芯チ
ヤツクの正面図である。 主要符号の説明、１……棒状化粧料芯、２……
芯チヤツク、３……突起、４……ガイド棒、５…
…嵌着突起、６……膨出部、７……元筒、８……
尾栓、９……貫通孔、１０，１１……貫通穴、１
２……ガイド溝、１３……突条、１４……肩、１
５……圧縮コイルばね、１６……先筒、１７……
前端開口、１８……芯押出し機構、１９……案内
筒、２０……芯押棒、２１……外筒、２１′……
溝筒、２２……ブロツク、２３……突起、２４…
…板ばね、２５……切れ目。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ ａ 両端が開放されたステンレス製のパイプ
   の芯チヤツクであつて、 一端から前記芯チヤツクの内径より小さな
   径の棒状化粧料芯の一部が挿入され、 前記棒状化粧料芯と係合するための係合手
   段を有し、 軸線方向に切れ目を有しているところの芯
   チヤツクと、 ｂ 一端は該芯チヤツクの他端から挿入嵌着さ
   れ、前記芯チヤツク内に挿入された前記棒状
   化粧料芯の末端と当接し、他端は前記芯チヤ
   ツクの外にあつて、前記芯チヤツクより大き
   な径の膨出部を有しているガイド棒であつ
   て、 前記膨出部の外部に複数の突条を有すると
   ころのガイド棒と、 ｃ 両端に開口を有し、前記棒状化粧料芯及び
   前記ガイド棒が挿入された前記芯チヤツクを
   前後往復動可能に収納する元筒であつて、 前記ガイド棒の膨出部の前記突条と噛み合
   う軸線方向にそつた複数の溝が前記元筒の後
   方内壁に設けられているところの元筒と、 ｄ 一端が前記元筒と係合し、他端が前記ガイ
   ド棒の前記膨出部と係合し、前記芯チヤツク
   を常時前記元筒の後端方向に押圧する前記芯
   チヤツクを取り巻くように配置された圧縮コ
   イルばねと、 から成り、 前記元筒の後方開口が、前記元筒の後端に
   適宜芯押出し機構より延出する芯押棒を挿通
   させる貫通口であり、その内径が前記後方に
   押圧される芯チヤツクを前記元筒から外にと
   び出させないために前記膨出部の外径より小
   さく、 前記ガイド棒の膨出部の前記突条と前記元
   筒の前記溝との係合により、前記芯チヤツク
   が前記元筒内で回転せずに往復動する、 ところの棒状化粧料芯カートリツジ。 ２ 実用新案登録請求の範囲第１項に記載された
   カートリッジであつて、 前記芯チヤツクの切れ目が波形であるところ
   のカートリツジ。 ３ 実用新案登録請求の範囲第１項に記載された
   カートリッジであつて、 前記芯チヤツクの係合手段が前記芯チヤツク
   の内周壁に設けられた複数の突起であるところ
   のカートリツジ。 ４ 実用新案登録請求の範囲第１項に記載された
   カートリッジであつて、 前記ガイド棒と前記芯チヤツクは、前記ガイ
   ド棒の周壁に設けられた複数の軸線方向に細長
   い嵌着突起によつて一体的になるところのカー
   トリツジ。