JPS5837676Y2 - 押出式シヤ−プペンシル - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は押出式シャープペンシルの改良に関する。

従来から、鉛筆芯の折損防止を目的として、使用中の筆
圧で鉛筆芯が軸筒内に押込まれる構成の押出式シャープ
ペンシルは周知である。

たとえば、実公昭５２−７２２９号公報で、該構成が提
案されているが、この周知例によるときは、軸筒の先端
に先口が固定されていると共に、鉛筆芯の押込距離に制
限がないため、筆圧が強かったり、異常な筆圧が加わる
と、鉛筆芯は固定先口の固定細管内に完全に押込まれ、
その細管が被筆記面と摺擦し、筆記不能に陥る不利があ
るばかりか、その細管の先端で被筆記面を引裂く不利が
ある。

本考案は、このような周知例に注目してなしたもので、
使用中の強い筆圧や異常な筆圧では、鉛筆芯だけが押込
まれるのではなく、軸筒の先端に備えた中空可動中具と
先口とが、予め設定された距離だけ押込まれ、筆記芯は
チャックに掴持されて先口からの突出状態を維持しなが
ら、先口と一緒に移動しえるように構成したことを特徴
とし、この構成によって、筆圧が強くても或いは異常な
筆圧が加わっても、鉛筆芯を突出長さだけむだなく使用
しえるようにすると共に、被筆記面を先口の先端で引裂
く慣れのない有益な押出式シャープペンシルの提供を目
的とする。

実施の一例を図面で説明すれば、軸筒１内に軸方向移動
可能に配置した芯ケース２とチャック３とを軸方向に往
復移動せしめるための操作子の構成は、とくに図示して
いないが、周知の構成のように軸筒１の基端から押子を
突出せしめても、また軸筒１の側方に押子を突出せしめ
ても、軸筒１の一部を回転可能にしてもよく、要するに
芯ケース２とチャック３とを軸方向に往復移動せしめて
、軸筒１先端の先口４から鉛筆芯ａを出入れせしめ得る
構成であればよい。

軸筒１の先端に固定する中空固定具５の先部５０２内面
には段部５０１を設け、その固定具の基部には套管６の
片端をカシメ、その他適当な手段で固着し、この套管６
の反対端には求心方向へバネ受６０１を一体に設け、套
管６に芯ケース２の先部を嵌合する。

中空固定具５に貫通せしめる中空可動中具７の先端面に
は締リング８脱着用の断面門型凹部７０１を形成し、か
つその可動中具の基部外周面には係合突縁７０２を突設
し、この突縁を中空固定具５の基部５０３に係外可能に
対向配置する。

そして、中空固定具５の基部５０３内面には軸方向に長
い凹溝５０４を対向配設し、この凹溝に嵌合せしめる軸
方向に長い突条７０３を中空可動中具７の係合突縁７０
２に突設して、その可動中具を軸方向には移動可能であ
って、円周方向には回転不可能に中空固定具５に貫通せ
しめる。

中空可動中具７の先端面における凹部７０１にはチャラ
ス３脱着用の締リング８を嵌合配置すると共に、これら
可動中具７と締リング８とにチャック３を貫通せしめて
、このチャックを締リング８に対して脱着可能に構成す
る。

中空固定具５に貫通せる中空可動中具７の基部と、前記
套管６のバネ受６０１との間には、筆圧緩衝用のクッシ
ョンバネ９を介在せしめると共に、その可動中具７の基
部と、芯ケース２先端との間には、チャック操作用バネ
１０を介在せしめて、両バネ９，１０を同心円状に配設
し、チャック操作用バネ１０でチャック３を常時引込方
向に弾圧せしめ、かくしてそのバネ１０でチャック３を
締ノング８に嵌合状にすると共に、チャック３の嵌合し
た締リング８を中空可動中具７先端面の凹部７０１に嵌
合せしめる。

中空固定具５に貫通せる中空可動中具７の先部には、先
口４の基部４０２を螺合、その他適当な手段で分離可能
にとりつけ、その先口の基部４０２内面には締リング８
係外用の段部４０１を形成し、チャック３及び締リング
８が前進して、このリングが段部４０１に係合すると、
チャック３が締リング８から脱出して開らき、掴持して
いた鉛筆芯ａを解放し、先口４の先部に必要に応じて突
設した細管４０３から鉛筆芯ａを突出せしめるように構
威し、かつ先口４の基部４０２を中空固定具５の先部５
０２内に嵌合して、その基部を中空固定具５の先部５０
２内における段部５０１に距離ｌを隔てて接離可能に対
向配置せしめ、かくして、先口４を中空可動中具７と一
緒に軸方向移動可能に構成すると共に、先口４の基部４
０２の基端と、中空固定具５の先部５０２内面における
段部５０１との間に、先口４が軸方向に移動可能な距離
ｌを予め設定する。

この距離ｌは、先口４が強い筆圧や異常な筆圧で軸筒１
内に押込れる距離である。

次に、作用を説明すると、第１図の不使用状態（携帯時
や保管時）で、芯ケース２を押動前進せしめると、第２
図に示すように締リング８とチャック３とが一緒に前進
し、締リング８は二点鎖線に示す如く先口４の段部４０
１に係止して停止し、チャック３は停止した締リング８
から脱出して、掴持していた鉛筆芯ａを解放して細管４
０３から突出せしめ、筆記可能な状態にする。

第３図は筆記可能な状態であると共に、それほど強くな
い筆圧の運筆時を示すものであるが、この強くない筆圧
の運筆時に強い筆圧或いは異常な筆圧が鉛筆芯ａに作用
した場合を第４図に示しである。

第４図について説明すると、チャック３は締リング８に
嵌まって鉛筆芯ａを細管４０３から突出状に掴持してお
り、締リング８は中空可動中具７の凹部７０１に嵌まっ
ているので、強い筆圧或いは異常な筆圧で先口４及び中
空可動中具７が後退するが、その後退距離は、先口４の
基部４０２の基端と、中空固定具５の先部５０２内面に
おける段部５０１との間の予め設定された距離ｌで、先
口４の基部４０２０基端が、中空固定具５の先部５０２
内の段部５０１に当接すると停止する。

そして、先口４及び中空可動中具７の後退時及び停止時
に、鉛筆芯ａは細管４０３から突出したまま一緒に後退
すると共に停止し、鉛筆芯ａだけが無制限に後退するこ
とはない。

また、先口４及び中空可動中具７が後退すると、クッシ
ョンバネ９が撓んで前記筆圧を緩衝し、前記距離ｌは中
空固定具５の基部５０３の基端と、中空可動中具７の外
向係合突縁７０２との間に移り、強い筆圧や異常な筆圧
が解除されると、クッションバネ９の弾発力で、先口４
及び中空可動中具７は前進し、この可動中具の外向係合
突縁７０２が、中空固定具５の基部５０３に係止すると
停止して第３図に示す原位置に復帰し、鉛筆芯ａも同時
に第３図の位置まで戻る。

従って、それほど強くない筆圧の運筆中に強い筆圧や異
常な筆圧が鉛筆芯ａに作用しても、その筆圧はクッショ
ンバネ９で緩衝されて、鉛筆芯ａの折損が防止されると
共に、先口４から突出している鉛筆芯ａ、中空可動中具
７、先口４が、予め設定された距離ｌだけ一緒に後退す
るをもって、鉛筆芯ａが単独で無制限に後退することは
なく、鉛筆芯ａは先口４からの突出長さぶんだけ余すと
ころなく消費できると共に、先口４の先端で被筆記面を
引裂く慣れを解消せしめ得る。

本考案は斜上のように構成したから、それほど強くない
筆圧の運筆中において、強い筆圧や異常な筆圧が鉛筆芯
に作用すると、この筆圧はクッションバネで緩衝され、
鉛筆芯の折損が防止される効果を奏すると共に、この筆
圧によって中空可動中具、先口、この先口から突出して
いる鉛筆芯などが、予め設定された距離だけ全部−緒に
後退するをもって、鉛筆芯単独が無制限に後退する惧れ
を解消し得る利点があり、この利点によって、鉛筆芯は
突出長さぶんだけ余すところなく消費しえる効果を奏す
ると共に、先口の先端で被筆記面を引裂く惧れを解消し
える効果を奏する。

ゆえに、周知のこの種シャープペンシルを著しく改良し
えて、所期の目的を達成できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案シャープペンシルの不使用状態を表わし
た要部の縦断正面図、第２図は筆記可能直前の状態を表
わした同正面図、第３図は筆記可能な状態を表わした同
正面図、第４図は強い筆圧或いは異常な筆圧が鉛筆芯に
作用した状態を表わした同正面図、第５図は中空固定具
と中空可動中具との一部切欠分解斜視図である。 図中、１は軸筒、２は芯ケース、３はチャック、４は先
口、４０１は締リング係外用の段部、４０２は先口の基
部、５は中空固定具、５０１は中空固定具の段部、５０
２は中空固定具の先部、５０３は中空固定具の基部、６
は套管、６０１はバネ受、７は中空可動中具、７０１は
締リング脱着用の凹部、７０２は外向係合突縁、８はチ
ャック脱着用の締リング、９はクッションバネ、１０は
チャック操作用バネ、ｌは距離である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 軸筒内に配置した芯ケースとチャックとを軸方向に往復
   移動せしめて、軸筒先端の先口から鉛筆芯を出入れする
   構成のものにおいて、先部内面に段部が設けられた中空
   固定具を軸筒の先端に固定し、その固定具の基部に片端
   が固着された套管の反対端にバネ受を設け、先端面に締
   リング脱着用の凹部が形成された中空可動中具の基部に
   外向係合突縁を突設し、その可動中具を中空固定具に貫
   通せしめて、外向係合突縁を中空固定具の基部に係外可
   能に対向配置し、中空可動中具の上記凹部にはチャック
   脱着用の締リングを配すと共に、その可動中具と締リン
   グとにチャックを貫通せしめ、中空可動中具と前記バネ
   受との間にクッションバネを介在せしめると共に、その
   可動中具と芯ケース先端との間にチャック操作用バネを
   介在せしめ、基部内面に締リング係外用の段部をもつ先
   口を中空可動中具の先部に分離可能にとりつけて、その
   先口の基部を中空固定具の先部内に嵌合し、その基部を
   中空固定具の前記段部に距離を隔てて接離可能に対向配
   置した押出式シャープペンシル。