JPS6127793Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 この考案は車両、特にワゴン車あるいはバン型
車のリヤシート装置で係り、そのシートバツクを
テーブルとして活用できるようにした車両のリヤ
シート装置に関するものである。

従来技術 従来、リヤシート装置を活用して長尺物等を積
載するものは、たとえば実開昭53−88920号公報
に開示されている。

考案の目的 この考案は、さらに一歩進めて、リヤシート装
置をテーブルとして利用でき、かつ、長尺物も載
置できるようにすることを目的とする。

考案の構成 上記目的を達成するために、この考案は、シー
トバツクをその上端部を支点にして前方から上方
を経て後方へ回動させ、後方のタイヤハウスのよ
うな突出部材の上に、シートバツクをその裏面を
上にして載置し、裏面をテーブルとして使用させ
る構成としている。また、この状態で、シートバ
ツクとシートクツシヨンの間の空間に長尺物を差
し込んで積載できる。

実施例 以下、この考案の実施例を図面にしたがつて説
明する。

第１図において、１はリヤシートで、シートバ
ツク１ａとシートクツシヨン１ｂとからなり、シ
ートバツク１ａの裏面１a₁は平面状に形成されて
いる。シートバツク１ａは、その側方下端部に横
断面楕円形のピン２を突設し、このピン２をシー
トクツシヨン１ｂの後端部に取り付けたブラケツ
ト３の切欠部３ａに嵌合して、シートクツシヨン
１ｂに対して着脱自在かつ前倒し可能に連結され
ている。上記切欠部３ａを有するブラケツト３と
ピン２とが、この考案の連結部を構成している。

また、シートクツシヨン１ｂの前端部はフロア
パネル４に対して枢支５されている。上記ピン２
は、シートバツク１ａが起立時には、前後方向に
長く形成されるため、後述するロツクピン６を支
点とし、ブラケツト３の切欠部３ａから離脱して
回動することできる。また、シートバツク１ａが
前方に傾斜時には、上記ピン２が上下方向に長く
なるため、ブラケツト３の切欠部３ａより抜け出
ることはない。

リヤシート１のシートバツク１ａは、第２図の
ように、その両側方上端部に車外方向へ突出して
設けられたロツクピン６を、車両側壁７の内側壁
７ａに形成した長孔８に嵌合することで、内側壁
７ａに対して回動自在に支持されている。

ロツクピン６は突設自在であり、第３図および
第４図に示すように、シートバツク１ａに内設し
たシートフレーム９に取り付けられているブラケ
ツト１０に対して、スプリング１１のばね力によ
つて内側壁７ａの長孔８方向に常時押圧付勢され
た状態で組み込まれ、それぞれの後端部にワイヤ
１２が連結され、これらワイヤ１２の一端を、Ｔ
形リンク１３に突設したピン１３ａに連結してい
る。

Ｔ形リンク１３には支点孔１３ｂが形成され、
この支点孔１３ｂに対して、上記シートフレーム
９に突設した支点ピン９ａを嵌合することで、Ｔ
形リンク１３をシートフレーム９に回動自在に取
り付けるとともに、Ｔ形リンク１３に突設した他
方のピン１３ｃに、ロツク解除ノブ１４を上端に
取り付けた昇降棒１４ａの下端を連結している。
ロツク解除ノブ１４はシートバツク１ａの上端中
央部に配設される。

したがつて、上記のロツク解除ノブ１４を把持
して上方へ引き上げることで、Ｔ形リンク１３は
第２図における矢印Ａ方向に回動し、ワイヤ１２
は矢印Ｂ方向に引つ張られ、ロツクピン６をスプ
リング１１のばね力に抗して上記矢印Ｂ方向に移
動させて長孔８から抜き出し、ロツクを解除する
ことができる。

一方、上記ロツク解除ノブ１４を把持して上方
へ引き上げる操作を解くことで、ロツクピン６は
スプリング１１のばね力によつて側方に突出し、
長孔８に嵌合される。

１６はタイヤハウスで、シートバツク１ａの車
体後方に位置し、内側壁７ａから室内側に膨出し
て突出部材を構成している。なお、この突出部材
１６は、タイヤハウス上部に形成されるサスペン
シヨンタワーでもよいものである。１７はフロン
トシートである。

上記構成において、第５図に示すように、シー
トバツク１ａを上端部の支持部、つまりロツクピ
ン６を支点に、前方から上方へ矢印Ｃ方向に回動
して仮想線Ｄで示す状態とし、さらに、上方から
後方へ矢印Ｃ方向に回動させながら、ロツクピン
６を長孔８内で下方へスライドさせることで、仮
想線Ｅの状態から仮想線Ｆで示す状態、すなわち
ほぼ平面状に形成されたシートバツク１ａの裏面
１a₁を上面にして、シートバツク１ａを突出部材
１６の上端部にほぼ水平状態で載置させることが
でき、たとえばテーブルとして活用し得る。ま
た、テーブルとして使用しない場合には、シート
バツク１ａとシートクツシヨン１ｂとの間には空
間が形成されるので、仮想線Ｇで示すように、フ
ロアパネル４からシートクツシヨン１ｂの上面に
かけて、長尺の荷物を積載することができる。

他方、ロツク解除ノブ１４を把持して上方へ引
き上げ、ロツクピン６を長孔８から抜き出し、第
６図において仮想線Ｈで示すように、横断面楕円
形のピン２を支点にシートバツク１ａを前倒しし
たのち、枢支部５を支点に矢印Ｉ方向に回動し
て、シートバツク１ａとシートクツシヨン１ｂを
仮想線Ｊで示す状態に倒立させることも可能であ
り、この場合には、従来と同様に荷物Ｇを積載す
ることができる。

考案の効果 以上説明したように、この考案はリヤシートの
シートバツクをテーブルとして活用でき、また、
シートバツクおよびシートクツシヨンの両方を折
りたたむことなく、シートバツクのみを回動させ
ることにより長尺物を積み込むことができる利点
がある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案を適用したリヤシートを備え
たバン型車の内部を示す側面図、第２図はリヤシ
ートのシートバツク側方上端部のロツク状態を示
す説明図、第３図はロツクピンとロツク解除ノブ
の連結機構を示す斜視図、第４図はロツクピンの
ロツク状態を拡大して示す正面図、第５図はシー
トバツクの動作状態説明図、第６図はシートバツ
クとシートクツシヨンの動作状態説明図である。 １……リヤシート、１ａ……シートバツク、１
ｂ……シートクツシヨン、１a₁……シートバツク
の裏面、２，３……連結部、６……ロツクピン、
７ａ……車体内側壁、８……長孔、１６……突出
部材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. シートクツシヨンとシートバツクとからなるリ
   ヤシートであつて、上記シートバツクの裏面は平
   面状に形成されるとともに、両側方上端部には車
   外方向へ突出するロツクピンが設けられ、車体内
   側壁の上記ロツクピンに対応する部位には、上記
   ロツクピンを回動自在に支持するとともに上下方
   向へ案内する長孔が設けられ、上記シートバツク
   の側方下端部が、シートクツシヨン後端部の連結
   部に着脱自在に連結され、上記シートバツクの車
   体後方側には、車室内に膨出形成された突出部材
   が設けられており、上記シートバツクは、その側
   方下端部が上記連結部から離脱した状態で、上記
   長孔に嵌合されたロツクピンを支点として、前方
   から上方を経て後方へ回動され、上記シートバツ
   クの裏面が上面となる位置で上記ロツクピンが上
   記長孔内を上下方向にスライドして、上記突出部
   材の上端部にほぼ水平状態となるように載置され
   ることを特徴とする車両のリヤシート装置。