JPS6127588Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は通気性布帛と無通気性布帛を組合せ袋
状とし、該袋に弾性物体を挿入し、布団乾燥の他
就寝時等の冷暖房及び床ずれ防止等、衛生管理ま
でも可能とした空気袋に関するものである。

従来の布団乾燥機用の袋は単に同種の布帛を袋
状に縫製し、掛け布団と敷き布団の間に入れて袋
の一ケ所より熱風を吹き込み、袋が膨らむと同時
に上、下の布帛の組織の空隙より熱風が出て、布
団を乾燥するのみであつた。しかし、この方法で
は次のような欠点がある。まず掛け布団はある程
度乾燥されるが、敷き布団は綿が密でしかも厚い
ため袋の下側から出る空気のみでは空気圧が小さ
く、敷き布団の内部まで入らないため乾燥には殆
ど役立たなかつた。しかも敷き布団より下側に出
た空気は乾燥時の敷き布団の水分を有しているの
で温度が高く、故に敷き布団の下の畳やマツトに
水分が溜り黴や菌等を繁殖させる原因となり、逆
に不衛生な状態となることが多かつた。又従来の
ものは単に袋状であるため、一定荷重以下の布団
の乾燥しか行うことができず、これを一定荷重以
上の布団乾燥や直接就寝状態での寝具等の加温用
として用いることは、空気圧力、風量、布帛の通
気度はバランスが困難なこと並びに空気の均一な
効率よい通過が困難なこと等の理由により、実際
問題として不可能であつた。

本考案はこのような布団乾燥の不効率、不衛生
及び空気の不効率、不均一の問題を解決したもの
で、いかなる場所においても衛生的に効率よく完
全な布団乾燥をし、又空気流通の可能な弾性物体
と組合せ、重量のある重い布団の乾燥や人体をそ
の上に載せ、就寝状態で加温や冷却を行うことを
可能とすると共に、更に病人の適量な通風による
床ずれ等を防止し、衛生管理までも可能とした空
気袋を得ることを目的とするものである。

かかる目的を達成するために本考案は次の構成
を有するものである。

すなわち本考案は側面に空気吹き込み口を有
し、片面に通気性布帛を、他面に無通気性布帛を
使用した袋の内側に、空気流通用の凹部を表面に
有する偏平弾性物体をその凹部面が袋の通気性布
帛面と一致するように挿入してなる寝具用空気袋
である。

本考案は一定の通気性を有した布帛を上面に、
他方樹脂コーテイング加工等により無通気性とし
た布帛を下面に組合せた袋で、側面に空気吹き込
み口を有し、しかも袋中の空気流通を可能とした
片面凹凸状の弾性物体を挿入して成る空気袋であ
る。

本考案の空気袋は被加重面に通気性布帛側が接
し、布帛の組織の空隙全面から均一に適量の空気
が吹き出て、他面の畳やマツトに接する面は無通
気性布帛となる特徴を有する袋で、袋の中に入れ
る凹凸状の弾性物体は荷重が加えられた時にも格
子状に凹面となつた溝により空気が均一に容易に
流通することができる。故にこの袋の上に人体等
の重い荷重で加圧されても空気流通が阻止される
ことなく、しかも布団乾燥等による高湿空気が出
ても袋の下に出てマツトや畳に水分が溜ることな
く衛生的に使用可能である。

以下、図面によつて本考案の空気袋の構造につ
いて詳しく説明する。

第１図は本考案の寝具用空気袋の一例を示す見
取図で袋の一部を切開した状態で示したものであ
る。

第２図は第１図のＡ−A′線における断面図で
ある。

本考案の空気袋は空気吹き込み口１を有し、上
面通気性布帛２と下面無通気性布帛３からなる袋
でその内側に弾性物体４を有する。弾性物体４は
第３図の平面図で示し、第４図に側面図で示すご
とく弾性物体の上面が格子状に凹凸状５となつて
おり、下面は平面６になつた構造である。

本考案の空気袋の形状は上述の如く通気性布帛
２と無通気性布帛３を組合せた袋でその袋の中に
弾性物体４が挿入された構造を有するものである
から重量の重い布団や乾燥や、就寝状態での加温
や冷房を行うことができると共に、病人の床ずれ
防止等、多角面に使用可能なることが特徴であ
る。

本考案の袋に使用される通気性布帛は適量の空
気が斑なく吹き出るような組織を有する布帛であ
ること、又無通気性布帛はコーテイングやフイル
ム接着等により空気通過を完全に阻止した布帛で
あればいかなる布帛を用いてもよい。空気袋と組
合せて用いる空気流通用の凹部を有する偏平弾性
物体は弾性を有するものであれば何を用いてもよ
いが、実際に使用する場合の感触の点からみて、
発泡性ポリウレタン弾性体を用いることが望まし
い。

実施例 片面が通気度２〜３cm²／cm²／secの通気性布帛
と無通気性布帛を組合せた敷ぶとん大の袋を作り
別にこれと同大きさで厚さ10cmのポリウレタンフ
オーム（その上面に深さ４cm巾４cmの格子状溝を
有する）にて作られた空気流通可能な弾性物体を
上記袋に挿入した。この空気袋を敷き布団の下に
挿入し、空気吹込口から温風を吹込みながら使用
したところ、布団乾燥が充分であるため敷き布団
の圧縮弾性が良好であつた。しかも適量の空気流
通により一定温度に保たれ就寝時の従来の暖冷房
を必要とせず、非常に快適な就寝ができた。

又、敷き布団の下側の畳に湿気は含まれていな
かつた。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の寝具用空気袋の一例を示す見
取図で、袋の一部を切断した状態で示したもので
ある。第２図は第１図のＡ−A′線における側断
面図である。第３図は本考案の空気袋の内部を構
成する片面凹凸型弾性物体の平面図、第４図はそ
の側面図である。 図中、１は空気吹き込み口、２は空気袋の上側
で通気性布帛、３は空気袋の下側で無通気性帛、
４は弾性物体、５は弾性物体の上面にある空気流
通用の凹部、６は弾性物体の下面で平面部を示
す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 側面に空気吹き込み口を有し、片面に通気性布
   帛を、他面に無通気性布帛を使用した袋の内側
   に、空気流通用凹部を表面に有する偏平弾性物体
   をその凹部面が袋の通気性布帛面と一致するよう
   に挿入してなる寝具用空気袋。