JPS6126902Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 Ａ 産業上の利用分野 本考案は車輪の固定装置の改良に関し、シヤー
シダイナモメータで試験する車両の固定に用いて
好適なものである。

Ｂ 考案の概要 本考案は車輪の固定装置において、車輪の上部
外周にチエーンをかぶせ、そのチエーンの一端部
をチエーン係止部材に固定するとともに他端部を
車輪の外周が当接する固定台に取付けられた巻込
み装置で、巻込むことにより車輪を固定するもの
であり、車輪とフエンダとのすき間が少ない場合
にも確実に固定できるようにしたものである。

Ｃ 従来の技術 シヤーシダイナモメータを用いて行なう自動車
の動的性能試験は、第１図に示すように、駆動輪
１をシヤーシダイナモメータ２のローラ３上に載
せ、ローラ３を回転させるとともに、従動輪４を
固定することで車両の固定をはかつている。この
車両の固定に用いる従来の車輪固定装置は、第２
図ａ，ｂに示すように、床面に設けられたレール
等を利用して固定された基台５上に取付けられ車
輪４の外周に当接する車止めとしての固定台６に
連結部材７が枢支してある。そして、この連結部
材７に車輪４外周にかけるタイヤフツク８が嵌挿
してあり、上部よりナツト９で締付けることで、
車輪４を固定台６とタイヤフツク８とで固定して
いる。尚、この種のタイヤフツクを用いて車輪を
固定する車輪固定装置を開示するものとして、例
えば実公昭51−5121号公報がある。

Ｄ 考案が解決しようとする問題点 ところが、シヤーシダイナモメータ上で試験さ
れる車両は多種、多様であり、車輪４の大きさは
もとより、車輪４とフエンダ１０とのすき間も異
なつており、従来例えばこの車輪４とフエンダ１
０とのすき間が少ない場合にはタイヤフツク８の
外側部８ａがフエンダ１０と干渉してしまうこと
があつた。そのような場合には、タイヤフツク８
の干渉する部分を削り落すとともに補強のため側
面部分に補強材を溶接する等の煩雑な作業が必要
となつたり、または多種車両に応じて多数のタイ
ヤフツクを用意する必要があるという問題点があ
つた。

本考案はかかる従来の問題点を解決するもので
〓〓〓〓
あり、車輪とフエンダとのすき間が少ない場合に
も対応できるとともに操作も簡単なな車輪固定装
置の提供を目的とする。

Ｅ 問題点を解決するための手段 この目的を達成するための本考案にかかる車輪
固定装置の構成は、車輪の外周に当接するよう床
面に固定される固定台と、前記車輪外周の前記固
定台と反対側の床面に設けられるチエーン係止部
材と、前記固定台に取付けられチエーンを巻き込
んで車輪を固定し得るよう巻込みドラムを具えた
巻込み装置と、車輪の上部外周にかぶせられ一端
部が前記チエーン係止部材に固定されるとともに
他端部が前記巻込みドラムに巻きかけられるチエ
ーンとでなることを特徴とする。

Ｆ 作用 このような車輪固定装置では、固定台を車輪の
外周に当接させて、車輪の上部外周にチエーンを
かぶせ、そのチエーンの一端部をチエーン係止部
材によつて係止するとともに、チエーンの他端部
を固定台に取付けられている巻込み装置の巻込み
ドラムに巻きかける。この後、巻込み装置を作動
させてチエーンを巻込みドラムに巻込んでチエー
ンを緊張させることで、車輪が固定される。

Ｇ 実施例 以下、本考案の一実施例を図面に基づき詳細に
説明する。

第３図〜第５図は本考案の車輪固定装置の一実
施例にかかり、第３図は正面図、第４図は平面
図、第５図は左側面図である。

本考案装置は車輪を車止めとしての固定台とチ
エーンとでこのチエーンを巻込むことで固定する
ものである。床面１１には車両の前後方向と平行
に断面が略凹状でくぼんだ部分が下まで貫通して
いるレール１２が設けてあり、このレール１２に
基端部が載置され先端部下面にローラ１３が取付
けられた基台１４が前後動自在に設けられる。そ
して、この基台１４の上面には車両の左右方向に
ガイド１５が取付けてあり、このガイド１５の左
右端部を挾むように車輪１６の外周に当接させて
車止めとなる固定台１７が嵌挿してある。したが
つて、レール１２に沿つて基台１４を移動させ、
ガイド１５に沿つて固定台１７を移動することで
任意の位置に固定台１７を移動させることがで
き、それぞれの固定はボルト１８および１９で行
なう。車輪１６の車止めとなる固定台１７は、第
３図に示すように略三角柱状であり、両側板１７
ａが車輪１６側に向つて突き出して設けられ、車
輪１６がはずれないようにしてある。また、車輪
１６が当接する面には大きな力が作用するため補
強板１７ｂが取付けてある。

一方、車輪１６が固定するためにはチエーン２
０が用いられるが、その形状は車輪１６の上部外
周にかぶせられるよう、はしご形に形成してあ
り、一端部には床面１１に固定した係止部材とし
てのカラビナ受け２１にかけるためのカラビナ２
２がそれぞれ取付けてあり、他端部は一本にまと
めてあり巻込みドラムに巻きかけられるようにし
てある。そして、このチエーン２０の他端部を巻
込んで車輪１６を固定する巻込み装置２３は固定
台１７の車輪１６が当接する部分とは反対側に取
付けてあり、その構造は、第６図に示すように、
ラチエツト機構を用いたもので、ラチエツト歯車
２４がチエーン２０が巻きかけられる巻込みドラ
ム２５とともに軸受２６で支持してある。そし
て、この歯車２４と対向してストツパ２７が設け
てあり、歯車２４側にばねで付勢してある。そし
て、この歯車２４を回転させて巻込みドラム２５
でチエーン２０を巻込むため、ラチエツト歯車２
４を挾むようにレバー２８が取付けられた枠２９
が設けられ、この枠２９に長孔３０が形成してあ
り、この長孔３０に可動ピン３１が嵌挿してあ
り、ばね３２で歯車２４側に押付けられる。した
がつて、レバー２８を第６図中Ａ方向、すなわ
ち、押下げると、可動ピン３１がラチエツト歯車
２４の歯にひつかかり歯車２４を回転させ巻込み
ドラム２５を回転してチエーン２０を巻込む。ま
た、レバー２８を図中Ｂ方向、すなわち引上げる
と、可動ピン３１は歯車２４の外周に沿つて回わ
るが歯車２４はストツパ２７が設けてあるので回
わることはない。したがつて、レバー２８を上下
に動かすことでチエーン２０を巻込むことができ
る。また、チエーン２０をゆるめる場合にはレバ
ー２８をわずかに押下げ、ストツパ２７をはずす
とともにレバー２８を引上げればゆるむ。

このような車輪固定装置は、まず車両の従動輪
の位置に合わせて固定台１７を移動しボルト１
８，１９で固定する。そして、車輪１６の外周を
固定台１７に当接させ、車輪１６の上部外周にチ
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エーン２０をかぶせ、一端部のカラビナ２２を床
面１１のカラビナ受け２１にかけるとともに他端
部を巻込み装置２３の巻込みドラム２５に巻きか
ける。こののち、レバー２８を操作してチエーン
２０を巻込んで緊張させ、車輪１６を固定する。

また、車輪１６の径が変わつた場合にもチエー
ン２０の一端部のカラビナ２２の位置を変えるだ
けで対応できる。このため、カラビナ受け２１
は、第４図のように、床面１１に格子状に設けて
おくと好適である。尚、固定台１７に取付けてあ
る取付ピン３３は従来のタイヤフツクの使用をも
可能とするために設けたものである。

Ｈ 考案の効果 以上、実施例とともに具体的に説明したように
本考案装置によれば、タイヤフツクとしてチエー
ンを用いるので車輪とフエンダとのすき間が少な
くても干渉することがなく確実に固定できる。ま
た、固定する場合の操作も簡単であり、迅速に作
業を行なえる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案装置を適用するシヤーシダイナ
モメータの概略説明図、第２図ａ，ｂは従来の車
輪固定装置にかかり、ａは正面図、ｂは右側面
図、第３図〜第５図は本考案の車輪固定装置の一
実施例にかかり、第３図は正面図、第４図は平面
図、第５図は左側面図、第６図は巻込み装置を抽
出・拡大して示す斜視図である。 図面中、１１は床面、１２はレール、１３はロ
ーラ、１４は基台、１５はガイド、１６は車輪、
１７は固定台、２０はチエーン、２１はカラビナ
受け（係止部材）、２２はカラビナ（係合部）、２
３は巻込み装置、２５は巻込みドラムである。 〓〓〓〓

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 車輪の外周に当接するよう床面に固定される固
   定台と、前記車輪外周の前記固定台と反対側の床
   面に設けられるチエーン係止部材と、前記固定台
   に取付けられたチエーンを巻き込んで車輪を固定
   し得るよう巻込みドラムを具えた巻込み装置と、
   車輪の上部外周にかぶせられ一端部が前記チエー
   ン係止部材に固定されるとともに他端部が前記巻
   込みドラムに巻きかけられるチエーンとでなるこ
   とを特徴とする車輪固定装置。