JPS6126761Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、点火装置として高周波発振形イグ
ナイタを備えた石油燃料風呂釜に適用される燃焼
安全装置に関するものである。

石油燃料用の燃焼装置としては、着火遅れがあ
るためにイグナイタを所定時間駆動させた後、燃
料弁を開くという必要がある。一方、火花放電は
大気条件や放電電極の形状、摩もう、放電電極面
の汚物の付着等の諸条件に応じて変化するため、
非常に不安定で間けつ的になる場合が多い。これ
らに対しての従来技術の対応策としては、点火開
始時に点火装置が所定時間火花放電を継続すれ
ば、以後安定した放電が行えるとみなして燃料弁
を開くように構成することで、放電の安定性の確
認と同時に着火遅れの問題に対処するような方法
がとられている。しかしながら、この所定時間を
作成する従来の遅延回路は十分なフエイルセーフ
機能をもつものではないため、燃焼安全制御装置
としては不十分なものであつた。

この考案は、この遅延回路の構成を工夫するこ
とで、上記の機能を十分安全にかつ確実に実行で
きるようにしたことを特徴とする、石油燃料風呂
釜の燃焼安全装置を提供することを目的としてい
る。

以下にこの考案の一実施例について図面を参照
して説明する。第１図において符号１は適当な交
流電源、たとえば100V、50Hzの商用交流電源を
示し、この交流電源１から取出された電流は、半
波整流回路２によつて半波整流されたのち、イグ
ナイタ３に供給される。イグナイタ３は、半波整
流回路２から駆動電流の供給を受けている間、高
い周波数の発振出力を発生する発振形のもので、
この発振出力がトランス４の１次コイル４ａを流
れることによつてその２次コイル４ｂに高周波高
電圧を発生させ、その両端に接続された点火電極
５間に点火用火花が発生する。

またイグナイタ３の発振時にその発振状態を示
す高周波信号、たとえばイグナイタ３の発振出力
の一部は、つぎの遅延回路６に供給される。この
遅延回路６は、高周波信号の供給を受けた時点を
起点として、外部からの電流を使用することな
く、高周波信号だけを利用してタイマー動作を行
い、あらかじめ設定した時間が経過したときに遅
延出力を発生し、高周波信号が供給されている限
り遅延出力を出し続けるように動作する。

この遅延出力は、つぎのサイリスタ回路７を構
成しているサイリスタのゲートに供給される。こ
のサイリスタは、燃料供給機構の一つとして示し
た電磁ポンプ８と直列回路を構成し、この直列回
路が交流電源１に接続されている。したがつてサ
イリスタは、交流電源から取出された交流の半波
の期間だけ導通し、これによつて電磁ポンプ８が
動作して風呂釜のバーナに石油燃料を供給する。
なお電磁ポンプ８に供給される電流は、イグナイ
タ３に供給される電流と互いに同相になるように
サイリスタの極性を設定する。

第２図に、各部の具体的な回路構成の一例を示
す。半波整流回路２は、定電圧素子Ｑ１、チヨー
クコイルCHおよびダイオードＤ１で構成され、
交流電源１から供給された交流から、この例では
正側の半波を取出してイグナイタ３に供給する。
イグナイタ３は、サイリスタＱ２、抵抗Ｆ１〜Ｒ
３、コンデンサＣ１〜Ｃ３、ダイオードＤ２、Ｄ
３、およびトランス４の１次コイル４ａおよび３
次コイル４ｃで構成された発振回路を有する。こ
の発振回路において、コンデンサＣ３の電荷は、
サイリスタＱ２→１次コイル４ａ→コンデンサＣ
３のループで放電し、コンデンサＣ３の逆極性の
充電電荷は３次コイル４ｃ→ダイオードＤ２→コ
ンデンサＣ３のループで回収される。抵抗Ｒ３、
ダイオードＤ３およびコンデンサＣ２からなる回
路は、サイリスタＱ２の順方向電圧の立上りを遅
らせて、サイリスタＱ２のターンオフ動作を確実
にするように働く。この例では、トランス４の１
次コイル４ａおよび３次コイル４ｃの結合点ａか
ら取出された発振出力が、イグナイタ３の発振状
態を示す高周波信号として遅延回路６に供給され
る。

遅延回路６は、ダイオードＤ４、抵抗Ｒ４、Ｒ
５、コンデンサＣ４およびＣ５からなる整流平滑
回路を有し、この整流平滑回路は、イグナイタ３
から取出された高周波信号を整流、平滑して、
PUT素子Ｑ３のアノードに印加するためのもの
である。また抵抗Ｒ４およびＲ５の結合点ｂの電
圧は、抵抗Ｒ６およびＲ７によつて分割され、
PUT素子Ｑ３のゲートに印加される。

イグナイタ３から高周波信号が供給されると、
PUT素子Ｑ３のアノード側のｃ点およびゲート
側のｄ点の電位はともに上昇するが、この上昇の
速度はｃ点よりもｄ点の方が速い。すなわち高周
波信号が供給された直後の段階では、ｄ点の電位
は急速に上昇するが、ｃ点の電位の上昇はこれよ
りも緩やかである。したがつてPUT素子Ｑ３
は、そのアノード電位がゲート電位よりも低い状
態が続くため導通しない。しかしｄ点の電位は、
抵抗Ｒ６およびＲ７の分圧比で定まる一定値で間
もなく落ちつくことになるが、ｃ点の電位はさら
に上昇を続けるので、一定時間後には、ｃ点の電
位はｄ点の電位よりも高くなる。このときPUT
素子Ｑ３は導通し、この導通状態は、イグナイタ
３から高周波信号が供給されている限り保持され
る。なお同様の動作は、PUT素子Ｑ３の代りに
SBS素子等の他の素子を使用することによつても
得られる。

PUT素子Ｑ３が導通することによつてそのカ
ソードから取出された信号は、つぎのサイリスタ
回路７に供給される。このサイリスタ回路７は、
サイリスタＱ４と、そのゲート側に設けられた抵
抗Ｒ８、Ｒ９およびコンデンサＣ６からなるゲー
ト回路とで構成され、PUT素子Ｑ３から得られ
た信号は、このゲート回路を経てサイリスタＱ４
のゲートに供給される。サイリスタＱ４は、電磁
ポンプ８のコイルと直列に接続され、その直列回
路が交流電源１の両端間に接続されているので、
遅延回路６の出力信号をゲートに受けている間、
交流電源１からの交流の半波の期間だけ導通し、
この期間だけ電磁ポンプ８のコイルに動作電流を
流す。

以上のように、本願考案によれば、イグナイタ
の発振状態を示す高周波信号が一定時間にわたつ
て供給されたときに、前記高周波信号のみからサ
イリスタを導通状態にするための信号をつくる遅
延回路を、イグナイタの発振出力を整流平滑して
入力とし、スイツチング素子の陽極ゲートおよび
陰極ゲートの電圧を相互に異なる所定の時定数で
上昇させ、一定時間後に上記スイツチング素子を
導通させる第１および第２の時定数回路で構成し
たから、前記スイツチング素子の導通故障が起つ
たとしても、サイリスタ回路７が動作するのはイ
グナイタ３の動作中に限られ、イグナイタ３が動
作していないときにサイリスタＱ４がトリガーさ
れることはない。すなわち燃料供給は点火用火花
が存在しているときだけ行われることになり、未
燃焼燃料が多量に放出されるという危険な事態は
確実に防止されるという効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例による燃焼安全装
置の構成を示すブロツク図、第２図はその具体的
な回路図である。 １は交流電源、２は半波整流回路、３はイグナ
イタ、４はトランス、４ａは１次コイル、４ｂは
２次コイル、４ｃは３次コイル、５は点火電極、
６は遅延回路、７はサイリスタ回路、８は電磁ポ
ンプ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 高周波発振形イグナイタに、交流電源から取出
   した交流の半波に相当する整流出力を供給する整
   流回路を設けるとともに、上記イグナイタの発振
   時にその発振状態を示す高周波信号が一定時間に
   わたつて供給されたとき、上記高周波信号のみか
   らサイリスタを導通状態にするための信号をつく
   る遅延回路を設け、上記サイリスタが導通状態に
   あるときに、上記半波整流回路の出力と同相半波
   の電流によつて燃料供給機構を動作させるように
   構成し、上記遅延回路は、陽極陰極ゲートを有す
   るスイツチング素子と、上記イグナイタの発振出
   力を整流平滑する整流平滑回路と、この整流平滑
   回路の出力を入力とし、上記発振出力が継続して
   出力されているときに上記スイツチング素子の陽
   極ゲートおよび陰極ゲートの電圧を相互に異なる
   所定の時定数で上昇させ、一定時間後に上記スイ
   ツチング素子を導通させる第１および第２の時定
   数回路とを有し、上記スイツチング素子の導通時
   に得られた信号を上記サイリスタのゲートに供給
   するように構成されていることを特徴とする石油
   燃料風呂釜の燃焼安全装置。