JPS6126145Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、キヤブチルト用トーシヨンバーの捩
り反力をキヤブへ必要に応じて作用させたり、作
用させなかつたりするキヤブチルト機構に関する
ものである。

エンジンの直上にキヤブ（運転室）を有する自
動車においては、エンジン整備、点検等のため
に、チルト（キヤブをはねあげて傾斜させるこ
と）する必要があるが、従来のキヤブチルト機構
では、キヤブチルト機構におけるトーシヨンバー
捩り反力が常時キヤブへ作用しており、そのた
め、リヤキヤブマウントへ加わる荷重が小さくな
り、マウントのバネ特性が充分生かしきれず、乗
心地の悪化を招いていた。

本考案は、上述の従来の欠点を克服したもの
で、キヤブチルト用トーシヨンバー捩り反力をキ
ヤブをチルトする時だけキヤブに作用させ、その
他の時は、捩り反力がキヤブへ作用しないように
することにより、キヤブの荷重をキヤブマウント
でもたせ、それによつて乗心地を改善するもので
ある。また、トーシヨンバー捩り反力をキヤブへ
作用させたり、させなかつたりする切換作業をフ
ロント側でできるようにし、その作業を容易にし
たものである。

次に、従来例と本考案を図面にもとづいて説明
する。第１〜３図は従来例を示しており、１′は
車体のフレームで、フレーム１′の両側にはトー
シヨンバーブラケツト２′を取付ける。各トーシ
ヨンバーブラケツト２′，２′の中間部にはトーシ
ヨンバー３′が支持され、その端部にはトーシヨ
ンバーアーム４′を取付ける。また、トーシヨン
バーブラケツト２′の上方部には、キヤブ取付面
５′を有するマウントチユーブ６′を支持し、前記
キヤブ取付面５′にはキヤブ（図示していない）
を装着する。従来の上記のように構成したキヤブ
チルト機構では、トーシヨンバー３′は、キヤブ
をチルトした状態で、トーシヨンバーブラケツト
２′のA′部及びトーシヨンバーアーム４′のB′部
に嵌合しているので、キヤブを降ろすとトーシヨ
ンバー３′の捩り反力が発生し、その捩り反力
は、トーシヨンバー３′の端部のトーシヨンバー
アーム４′のC′部を介して常時キヤブに力が加わ
り、そのためにリヤキヤブマウントへ加わる荷重
が小さくなり、マウントのバネ特性が生かしきれ
ず、垂心地の悪化を招くという欠点を有してい
た。

本考案は、上記従来の欠点を解消するために提
案された装置であつて、その具体的な構成を第４
〜６図にもとづいて説明する。

１は車体のフレームで、この車体のフレーム１
に、ボルト、ナツトによりトーシヨンバーブラケ
ツト２を固定する。このトーシヨンバーブラケツ
ト２の下方部には、突起部ｅを一体に設け、この
突起部ｅには逆Ｕ字状の切込み部ｄを設ける。ま
た、トーシヨンバーブラケツト２の中間部にはト
ーシヨンバー３を懸架し、その端部に支持金具７
を介して「形のトーシヨンバーアーム４を取付け
る。トーシヨンバーアーム４の一端には、回転ナ
ツト８を介して引張りボルト９を鉛直面内で回転
自由に取付ける。トーシヨンバーブラケツト２の
上方部にはキヤブ取付面部５を設ける。

前述の引張りボルト９は、第４図に示されるよ
う鉛直方向に垂下した自由状態が、トーシヨンバ
ー３の捩り反力がキヤブへ作用する状態であり、
第５図および第６図に示されるように、突起部ｅ
のＵ字状の切込み部ｄに掛け止められた係止状態
が、トーシヨンバー３の捩り反力をキヤブへ作用
させないようにした状態である。

このように構成されたキヤブチルト機構の作
用、効果を次に説明すると、第４図はチルトして
いたキヤブを降ろした状態を示しており、キヤブ
取付面５に当接しているトーシヨンバーアーム４
の下端の引張りボルト９は、第４図に示されてい
るように、鉛直方向に向いており、トーシヨンバ
ー３の捩り反力がキヤブに作用している。この鉛
直方向の引張りボルト９を、回転させ水平状態に
し、第５，６図に示すように、トーシヨンバーブ
ラケツト２の突起部ｅに設けられた切込み部ｄに
嵌合させ、引張りボルト９を締め付けることによ
つて水平状態を維持するように固定する。このよ
うにすることによつて、トーシヨンバーアーム４
のＣ部は、第６図に示されるようにキヤブ取付面
部５から離れ、トーシヨンバー３の捩り反力がキ
ヤブに加わらず、キヤブには何ら力の影響を及ぼ
さないようになる。また、キヤブをチルトさせる
ときには、フロント側から第５図、第６図の状態
にある引張りボルト９を緩め、第４図の状態と
し、トーシヨンバー３の捩り反力をキヤブへ伝え
るものである。すなわち、引張りボルト９を緩
め、トーシヨンバーブラケツト２の突起部ｅの逆
Ｕ字形の切込み部ｄよりはずし、第４図の状態に
して、トーシヨンバーアーム４の捩り反力をトー
シヨンバーアーム４のＣ部を介してキヤブへ伝
え、チルトさせるものである。

本考案は、以上説明したような簡単な装置によ
つて、キヤブへ伝えられるトーシヨンバーの捩り
反力を断ち切ることによつて乗心地を改善し、ま
た、トーシヨンバーの捩り反力をキヤブへ作用さ
せたり、させなかつたりする切換作業をフロント
側で容易にできるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のキヤブチルト機構の分解斜視
図、第２図は第１図に示すものの要部縦断面図、
第３図はその側面図、第４図は本考案によるキヤ
ブチルト機構の側面図、第５図は引張りボルトを
突起部の切込み部に係合させた状態の要部縦断面
図、第６図は第５図に示す状態の側面図である。 ２，２′……トーシヨンバーブラケツト、３，
３′……トーシヨンバー、４，４′……トーシヨン
バーアーム、９……引張りボルト、ｄ……切込み
部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. トーシヨンバーに取付けられたトーシヨンバー
   アームの１端に引張りボルトを鉛直面内で回転可
   能に取り付け、該引張りボルトを嵌合、係止しう
   る切込み部をトーシヨンバーブラケツトに設け、
   切込み部に引張りボルトを嵌合、係止させた際
   に、トーシヨンバーアームとキヤブ側とが離間す
   るように構成されていることを特徴とするキヤブ
   チルト機構。