JPS6125873B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は自動車のドアを予め設定した位置、即
ちそのドア開度に保持することができる自動車用
ドアチエツク装置に関する。

自動車が坂路に停車したとき、ドアを開こうと
すると、坂の傾斜とドアの重力によりドアは所望
する位置にとどまることなく開き又は閉じてしま
うこととなる。又、平地に停車した場合に於いて
もドア開放時に突風等が生ずるとドアは所望する
位置にとどまることなく開き又は閉じてしまうこ
ととなり非常に危険であつた。

従つてドア開度を保持なすチエツク装置が必要
となり、該ドアチエツク装置はその性質上ドア開
度を保持する保持力は大きいこと、又ドアの開閉
操作の操作力は小さく円滑に操作できること、ド
アを枢着したヒンジピンにチエツク装置を設ける
とチエツク装置に作用する回転作用力は大きく、
それに耐え得る強度をチエツク装置に求めるとチ
エツク装置は堅牢強固にしなければならず、重量
増加になる欠点があるため、チエツク装置はヒン
ジピンとは離れたドア内部に設ける必要があり、
そのためにはドア内部の厚み方向は挟小であるた
め、収納するためにはチエツク装置はドア厚み方
向に対しては小さくする必要があること、そして
チエツク装置はドア開度によりガタ音を発するこ
となく操作フイーリングの良いことが望まれてい
た。

そこで本発明はドアのヒンジピンとは異なる位
置でピラーに一端を回動自在に枢着し、かつその
他端側には摺動部材を配設したレバーをドア内部
に固着した基体の内部に挿入し、付勢手段により
前記摺動部材に当接可能にドア厚み方向へ押圧さ
れたチエツクアームを二枚のアームにて形成して
夫々の一端を一本の軸にて枢着し、かつアームの
前記ドアの厚み方向なる片側には適宜のドア開度
位置を保持するチエツク用カム部を形成する構成
として前述の全ての要求をかなえ、更にドア長手
方向に関してもその長さを短かくしてコンパクト
に製作できる自動車用ドアチエツク装置の提供を
目的とする。

以下本発明装置の一実施例を図面に基づいて説
明する。

１０はドア、１１は車体のピラー、１２，１３
はドア１０をピラー１１に対して回動自在にヒン
ジピン１４，１５により連結するヒンジ部材、１
６はドア開度を保持するドアチエツク装置を示
す。

ドアチエツク装置１６はドア１０の内部にフラ
ンジ部１７ｂにより固着される基体１７と該基体
１７内に挿入されたレバー１８、基体１７に係止
された軸１９により回動自在に夫々の一端が枢着
されたチエツクアーム２０，２１、前記軸１９に
係止されるとともに前記チエツクアーム２０，２
１を夫々基体１７方向なるドツ厚み方向に付勢す
るスプリング２２、そしてレバー１８の一端はピ
ラー１１に固締されたブラケツト２３に対して軸
２４により回動自在に枢着されるとともに、その
他端側は基体１７の内部に位置してその先端には
軸２５により取りつけられた摺動部材なる３個の
ローラ２６，２７，２８を有する。前記チエツク
アーム２０，２１には夫々スプリング２２が当接
係合する係合部２０ａ，２１ａが形成されてチエ
ツクアーム２０，２１は夫々スプリング２２の付
勢作用によりレバー１８のローラ２７に当接可能
であり、又チエツクアーム２０，２１のドア厚み
方向への変位は前記係合部２０ａ，２１ａが基体
１７の側縁部に当接して規制される。前記３個の
ローラ２６，２７，２８のうち、ローラ２６，２
８は第５図示の如くスプリング２２の付勢をロー
ラ２７を介して受けることから基体１７に当接し
てドア開閉に応じて基体１７を滑動するものであ
り、又ローラ２７はチエツクアーム２０，２１の
ドア厚み方向の片側なる基体１７方向側に第６図
示の如く形成されたチエツク用カム部２０ｂ，２
１ｂを滑動する。そのチエツク用カム部２０ｂ，
２１ｂは両者で略Ｗ字形状に形成されて夫々の中
間付近には山部２０ｃ，２１ｃを有し、該夫々の
山部からはチエツク用カム部と基体１７の壁部１
７ａとの距離が大きくなる様な傾斜面が連続的に
形成されている。２９はドア１０の回動支点（ヒ
ンジピン１４，１５が対応）を示す。尚、３０は
ドアウインドガラスを示す。

本発明装置は前述の如き構造で以下その作用に
ついて説明する。

第６図はドア全閉状態を示し、ドア１０を開く
とドア１０は２９を支点として反時計方向へ回動
し、そのドア開度に応じてローラ２６，２８は基
体１７の壁部１７ａをフランジ１７ｂ方向へ滑動
し、又ローラ２７はチエツク用カム部をスプリン
グ２２の付勢力及びその傾斜に抗しながらピラー
１１方向へ転動しつつ変位し、山部２１ｃを乗り
越えて山部２０ｃとの間なる軸１９付近の切り欠
き部に達すると、ローラ２７はスプリング２２の
付勢力と山部２１ｃとの傾斜によりドア閉じ方向
へ変位は規制され、又山部２０ｃによる傾斜によ
りドア開方向への変位も規制されてその位置を保
持可能となり、この位置をドア半開位置に規定す
ることができる。そしてこの位置ではローラ２７
が山部２０ｃ，２１ｃによる両傾斜に当接する構
成とすればドア半開位置におけるドアのガタ止め
を行うことができる。

更にこのドア半開位置からドアを開くべく操作
力を加えるとドア開度に応じてローラ２７はチエ
ツクカム部の山部２０ｃを乗り越えてピラー１１
方向へその傾斜を下るもので、やがてローラ２
６，２８が基体１７のフランジ部１７ｂに当接し
てそれ以上ドア１０が開くことを規制し、又ドア
閉じ方向へはスプリング２２の付勢力と山部２０
ｃへの傾斜により山部２０ｃ方向へローラ２７が
変位するのを規制してドア１０は全開位置（第７
図状態）に保持される。そしてドア１０を半開位
置又は全開位置から解除するにはその保持力以上
にドア操作力を増加すればドア１０は円滑に開閉
操作することができる。

以上説明の如く本発明装置によれば、ドアの回
動支点となるヒンジピンとは異なる位置で車体の
ピラーに一端を回動自在に枢着し、かつその他端
側には摺動部材を配設したレバーをドア内部に固
着した基体の内部に挿入し、付勢手段により摺動
部材に当接可能にドア厚み方向へ押圧されたチエ
ツクアームを二枚のアームにて形成して夫々の一
端を一本の軸にて枢着し、かつアームのドア厚み
方向なる片側には適宜のドア開度位置を保持する
チエツク用カム部を設け、ドア開閉に応じて摺動
部材がチエツク用カム部を摺動する構成としたこ
とから、チエツク作用を確実にしてドア開度の保
持力は大きく、しかも開閉操作力が小さいことは
勿論のこと、挾小なるドア内部空間にチエツク機
構を配設することが可能となり、そしてピラー側
が枢着されたのみで浮いているレバーも摺動部材
を介して付勢手段の作用力を常に一方向へ押圧さ
れることから、レバー自体にガタが生ずることも
なく、ガタ音を簡単な構成にて解消して操作フイ
ーリングが向上し、更にチエツクアームはそのチ
エツク用カム部分のうち付勢作用を受けない部分
をドア半開位置の保持部分としたことにより、そ
の必要長はドア全閉位置とドア全開位置間を規定
する長さのみで良いこととなり、従来の如くチエ
ツクアーム全体のうち所定の付勢作用を受ける長
さ部分のみをチエツク用カム部としていたことに
より、ドア長手方向に対して長くならざるを得な
かつたものを短かくすることができて一層コンパ
クトに製作できる等の実用上優れてなる効果を奏
する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明装置の取付状態説明図、第２図
は本発明装置の一実施例を示す斜視図、第３図は
本発明におけるレバーとローラとの取付状態を示
す説明図、第４図は第３図の平面図、第５図は本
発明におけるローラと基部との取付状態を示す説
明図、第６，７図は本発明装置の作動状態説明図
である。 １０……ドア、１４，１５……ヒンジピン、１
１……ピラー、１８……レバー、２６，２７，２
８……ローラ、１７……基体、２２……スプリン
グ、２０，２１……チエツクアーム、１９……
軸、２０ｂ，２１ｂ……チエツク用カム部。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ ドアの回動支点となるヒンジピンとは異なる
   位置で車体のピラーに一端を回動自在に枢着し、
   かつその他端側には摺動部材を配設したレバーを
   ドア内部に固着した基体の内部に挿入し、付勢手
   段により前記摺動部材に当接可能にドア厚み方向
   へ押圧された２枚のチエツクアームを夫々の一端
   で一本の軸にて枢着し、かつアームの前記ドアの
   厚み方向なる片側には適宜のドア開度位置を保持
   するチエツク用カム部を形成する構成として、前
   記摺動部材が前記ドアの開閉に応じて前記チエツ
   ク用カム部を摺動することを特徴とする自動車用
   ドアチエツク装置。