JPS6124875Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、適宜数の乾燥室を並列設置して構成
するドライストア（穀粒貯蔵乾燥施設）に用いら
れる、穀粒を堆積さす床板が通気床になつている
断面角型の穀粒乾燥槽（ビン）とそれの前記床板
の下方に装設せる乾燥風の導風路とよりなる穀粒
乾燥装置についての改良に関するものである。

上述の穀粒乾燥装置は、穀粒乾燥槽の、通気性
になつている床板の上に堆積せしめた穀粒に、床
板の下方から吹上げる乾燥風（熱風）を送給して
乾燥させることから、穀粒を床板上に堆積した状
態のままで乾燥風の送給を続けると、堆積した穀
粒層の床板に近い下層側の部位に熱が集積して、
その下層側の穀粒を過剰に乾燥させたり変質を生
ぜしめたりするので、堆積した穀粒を下層側から
順次取り出して積み換えることにより、穀粒を循
環流動させるローテーシヨンを行なわなければな
らず、このため穀粒をビンの外に搬出するコンベ
アや、搬出した穀粒を運び上げる揚穀機が必要と
なるだけでなく、断面を角型としたビンにおいて
はビンから取出した穀粒をそのビンの上部から再
びそのビン内に戻すことで行なう積み換えによつ
て、ビン内の穀粒の全てをむらなく循環流動させ
るようにすることが困難なので、ビン内に張り込
んだ穀粒を他のビンに移し換えることにより循環
流動させることから、複数のビンが必要となつ
て、設備費が高くなり、かつ、ビンを単体で使用
し得ない問題がある。また、もう一つの問題とし
て、床板上に堆積する穀粒層が厚くなると、床板
の下方から吹上げる乾燥風の静圧の不足により乾
燥風が穀粒層を吹き抜けない状態となつて、乾燥
不能となるので、ビン内に穀粒を張込むときに床
板上に堆積さす穀粒の堆積高さを、余り高くでき
ない問題がある。

本考案は、これらの問題を解決することを目的
に、種々の実験を繰返して得られた知見に基づい
てなされたものである。

即ち、上述の穀粒乾燥装置において、ビン内に
張込まれてそのビンの床板上に堆積している穀粒
は、その堆積している穀粒層内に、回転により穀
粒を上昇せしめる竪のオーガーを突入せしめて作
動させると、その竪のオーガーの送穀翼のまわり
のかなり広い範囲の穀粒が上昇流動して、堆積す
る穀粒層の上面に盛り上り、さらにその上昇流動
する穀粒の周囲の穀粒が竪のオーガーの下端部に
向けて流動し、循環流動が行なわれる状態となる
こと、そして、同時にこの上昇流動する穀粒の粒
子間の間隔が粗になつて、竪のオーガーのまわり
の穀粒層を乾燥風が良く吹き抜けるようになり、
かつ、この竪のオーガーのまわりを上昇流動する
穀粒による乾燥風の吹き抜けは、穀粒層の堆積高
さをビンの天井近くまで著しく高くしても充分に
行なわれること、そしてまた、この竪のオーガー
を、ビンの天井部にそれを左右に横切るように横
架しかつ前後に移動自在とした機枠に、多連に並
列せしめて垂設しておいて、ビン内に堆積してい
る穀粒層に作用させながらビン内を前後に往復動
させることで、循環流動と乾燥風が吹抜ける部位
が順次変位するが、その変位の繰返しによりビン
内に堆積する穀粒全体がむらなく乾燥されていく
ことが判つた。

それ故に本考案においては、穀粒を堆積さす床
板１がそれの下方から乾燥風を吹上げさす通気性
の床になつている断面角型の穀粒乾燥槽ａの前記
床板１の下方全面に、乾燥風送給装置ｃと連通す
る導風路ｂを装設し、穀粒乾燥槽ａの内腔天井部
には、該天井部を前後に往復移動する機枠１０
を、左右方向に横切るように渡架し、その機枠１
０に、前記穀粒乾燥槽ａ内に堆積される穀粒層中
に竪に突入して穀粒を上下方向に移送する竪のオ
ーガー５０を、それの穀粒の移送方向が下方から
上方に向うよう設定して多連に垂設して、角筒状
乾燥槽型の穀粒乾燥装置を構成する手段を提起す
るものである。

次に実施の一例を図面に従い具体的に説明す
る。

第１図において、ａは乾燥または貯蔵すべき穀
粒を、適宜の張込用の揚穀機（図示省略）で張込
む穀粒乾燥槽で、第２図で示しているように平面
において長方形の角筒状に形成してあり、それの
穀粒を堆積さす床板１は、無数の孔〓２……を有
する通気床に形成してある。そして、それの前記
無数の孔〓２…は、床板１の下方から該孔隙２…
を介して床板１上方に吹上げさす乾燥風を、方向
性のある風にするように、一方向（第１図で矢印
Ｗ方向）に傾斜せしめて床板１に形設してあり、
また、穀粒乾燥槽ａの底部に装設する排出口３
は、床板１の、前記孔〓２……から吹き出す乾燥
風の吹出方向における終端側の端部に装設してあ
る。

ｂは、前記穀粒乾燥槽ａの床板１の下方の全面
に装設せる導風路で、前述の乾燥風の吹出方向に
おける始端側の端部において、乾燥風の送給装置
ｃの吐風口４と連通させてある。

１０は上記穀粒乾燥槽ａの内腔天井部に、第２
図で示しているように、その天井部を左右に横切
る如く渡架せる機枠で、その左右の各端部には、
前記穀粒乾燥槽ａの左右の機枠５，５の上端部位
に前後方向に装設せるガイドレール２０，２０に
対し、転輪１１，１１を介して前後に移動自在に
装架される台車部１２が具備せしめてある。

３０，３０は、上記機枠１０を穀粒乾燥槽ａの
前後方向に移動させるよう、穀粒乾燥槽ａの前記
左右の機壁５・５の各上端部近傍位置に、前後方
向にエンドレスに張架せる搬送チエンで、それら
の前後方向の各回行端部を受けるスプロケツト３
１・３１……は、穀粒乾燥槽ａの前後の機壁８・
８の上端部の各外側位置に、適宜の支持機枠３２
を介して左右方向に沿い横架軸支せる回転軸３
３，３３に支持せしめてあり、それら回転軸３
３・３３の中の一方の回転軸３３が伝導チエン３
４を介して伝導するモーター３５により駆動され
ることで駆動回転する。前記モーター３５は前述
の機枠１０が穀粒乾燥槽ａの前後の各端部に移動
してくることで衝合するよう設けたリミツトスイ
ツチ４０・４０の作動により正逆に回転方向が切
換わるよう制御される逆転モーターになつてい
て、そのモーター３５の回転方向の切換えで、該
搬送チエン３０の回動方向である搬送方向が順逆
に切換わるようになつている。そして、この搬送
チエン３０は、それの適宜のチエンリンク３６に
設けたラグ３７を、前記機枠１０の左右の各端部
に装設せる台車部１２に連結することで、その機
枠１０を穀粒乾燥槽ａの前後方向に往復移動させ
るようにしてある。

５０……は、前記機枠１０に適宜数多連に並列
せしめて垂設せる竪のオーガーで、それのオーガ
ー軸５１の上端部位を軸支する取付機枠５２を、
それぞれ前記機枠１０に所望の間〓をおいて固定
装架することで、機枠１０から垂下するように設
けてあり、また、各取付機枠５２に装架せるモー
ター５３により、オーガー軸５１が駆動回転する
ことで第１図で矢印Ｙに示している如く、各オー
ガー５０周辺の穀粒を上昇流動さす如く作動する
ようになつている。

なお、各竪のオーガー５０を駆動するために、
それの取付機枠５２に装架せる前記各モーター５
３……及び搬送チエン３０を駆動するモーター３
５には、図面では省略しているが、電源に接続す
るコードが接続してあり、またそのコードの中
の、竪のオーガー５０の駆動用のモーター５３に
接続するコードは、コードケーブルとし、そのコ
ードケーブルは、穀粒乾燥槽ａの上方に、前述の
機枠１０と一緒にまたは別に移動自在に装設する
支持アーム（図示していない）に支持さすように
する。また、穀粒乾燥槽ａはそれの内腔の上部を
上方に開放させたままになつているが、屋内に設
置するようにしたためであり、適宜形状の屋根を
かけるか、天井を設けてよいこと勿論である。な
お、図示の実施例装置において、６は排出口３に
開閉自在に設けたシヤツター、７は排出口３から
排出せしめた穀粒を搬送するスクリユーコンベア
である。

上述の如く構成してある本考案による角筒状乾
燥型の穀粒乾燥装置は次のように作用する。

穀粒乾燥槽ａ内に穀粒を張込んだ状態で、機枠
１０に並列させて垂設せる竪のオーガー５０……
を作動させれば、それら竪のオーガー５０……の
まわりの穀粒は、第２図にて矢印Ｙ……にて示し
ている如く上昇流動して、穀粒乾燥槽ａ内におい
て床板１上に堆積している穀粒層の上面に盛り上
つていき、また、この上昇流動する穀粒の外側に
位置している穀粒は、各竪のオーガー５０……の
下端部に向けて下降流動するようになつて、この
竪のオーガー５０……の周囲に上下に循環流動す
る穀粒の流れを生ぜしめるようになる。即ち、穀
粒層中に竪に突入させた穀粒を上方に移送する竪
のオーガー５０……は、穀粒乾燥槽ａ内に堆積し
た穀粒層に対し、該竪のオーガー５０のまわりの
局部的な範囲において上下に積み換えていくよう
作用する。そして、機枠１０の移動により該竪の
オーガー５０……が第５図にて矢印Ｚに示す如く
変位していくことで、この局部的な積み換えと行
なう部位が順次変位し、穀粒乾燥槽ａ内に堆積す
る穀粒の全体をむらなく積み換えていくようにな
る。

しかして、竪のオーガー５０により上昇流動す
る穀粒は、それにより粒子間の配列状態が粗にな
つて空気の透過性が良くなるが、この空気の透過
性の良い部位が上下に連続する状態となるので、
穀粒が静置状態に堆積している状態において、そ
れの堆積高さが、床板１の下方から乾燥風送給装
置ｃにより送給される乾燥風を透過させ得ない高
さになつていても、床板１下方に送給される乾燥
風が、この流動する穀粒の粒子間〓を径て穀粒層
の上面に吹抜けていくようになる。このことか
ら、前述した穀粒層を局部的に積み換えるよう作
用する竪のオーガー５０は、同時に乾燥風が透過
し得ない高さに堆積している穀粒層に対し、乾燥
風を上上に透過させる部位を局部的に生成してい
く作用を奏するようになる。

以上説明したように、本考案手段は、竪のオー
ガー５０を、移送方向が下方から上方に向うよう
形成して、穀粒層に竪に突入させることで、該竪
のオーガー５０のまわりの穀粒を上昇流動させ
て、穀粒の局部的な積み換えを行なわすとともに
穀粒の粒子間〓が粗になつて、空気の透過性を良
くなつた部位を穀粒層中に上下方向に連続する状
態に形成していくように用い、かつ、この竪のオ
ーガー５０……を多連に並列して前後に往復動す
るようにしておくことで、この穀粒の積み換えが
行なわれると同時に空気の透過性の良くなつた部
位が、穀粒層の各部位に順次切換わつていくよう
にしているのだから、穀粒乾燥槽ａ内に張込んで
床板１上に堆積せしめた穀粒層を乾燥行程中にお
いて積み換える作業が一つの穀粒乾燥槽ａ内にお
いて、堆積した穀粒層の全体にむらを生ぜしめる
ことなく行なえるようになるとともに、床板１上
に穀粒を張込み堆積するときの堆積高さを、静置
状態のときに床板１下方から送給する乾燥風が透
過し得ない高さにしても、乾燥風を透過させ得る
ようになつて、その堆積高さの制約が解消でき
て、従来手段に生じていた種々の問題を効果的に
一挙に解決し得る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例装置の縦断正面図、第
２図は同上平面図、第３図は同上要部の一部破断
した正面図、第４図は同上要部の縦断側面図、第
５図は作用の説明図である。 図面符号の説明、ａ……穀粒乾燥槽、１……床
板、２……孔〓、３……排出口、４……吐風口、
５……左右の機壁、６……シヤツター、７……ス
クリユーコンベア、８……前後の機壁、ｂ……導
風路、ｃ……熱風送給装置、１０……機枠、１１
……転輪、１２……台車部、２０……ガイドレー
ル、３０……搬送チエン、３１……スプロケツ
ト、３２……支持機枠、３３……回転軸、３４…
…伝導チエン、３５……モーター、３６……チエ
ンリンク、３７……ラグ、４０……リミツトスイ
ツチ、５０……竪のオーガー、５１……オーガー
軸、５２……取付機枠、５３……モーター。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 穀粒を堆積さす床板１がそれの下方から乾燥風
   を吹上げさす通気性の床になつている断面角型の
   穀粒乾燥槽ａの前記床板１の下方全面に、乾燥風
   送給装置ｃと連通する導風路ｂを装設し、穀粒乾
   燥槽ａの内腔天井部には、該天井部を前後に往復
   移動する機枠１０を、左右方向に横切るように渡
   架し、その機枠１０に、前記穀粒乾燥槽ａ内に堆
   積される穀粒層中に竪に突入して穀粒を上下方向
   に移送する竪のオーガー５０を、それの穀粒の移
   送方向が下方から上方に向うように設定して多連
   に垂設したことを特徴とする角筒状乾燥槽型の穀
   粒乾燥装置。