JPH0510985U - 穀粒乾燥施設 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 複数の穀槽を並列設置して構成する穀粒乾燥
装置で、穀粒を乾燥させながら貯蔵する際に生ずる乾燥
むらを、各穀槽間における穀粒の入れ換えを行なうこと
なく、簡略な機構で防止し得るようにする。 【構成】 並列設置する複数の穀槽ｂ…を、それの並列
方向の巾を各穀槽ｂ…内に装架する竪のオーガーｃが穀
粒を循環流動させる平面視における作用巾に対応する狭
い巾に設定して前後に長く形成し、これら穀槽ｂ…内
に、前記竪のオーガーｃ…を、前後方向に移動自在に装
架する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、適宜数の穀槽（ビン）を並列設置して構成する穀粒乾燥施設（ドラ イストア）についての改良に関する。

【０００２】

【従来の技術】

穀粒を貯留しておくためのドライストアと呼ばれている穀粒乾燥施設は、通常 、乾燥装置を具備する穀槽（ビン）を適宜数並列させて設置することで構成する が、各穀槽ごとの穀粒の乾燥作動の差異により、各穀槽ごとの穀粒の乾燥度にむ らが生じてくるのを避けるため、並列設置した多数の穀槽は、それらを互いに穀 粒搬送手段で連通させておいて、それら穀槽に張り込まれている穀粒を、穀槽間 において順次移し換えていけるようにしている。

【０００３】 また、この並列設置した複数の穀槽間における穀粒の移し換え作業を頻繁に行 なう繁雑さを避けるため、各穀槽には、実公昭６１−２４８７５号公報にあるよ う、穀槽内に張り込んだ穀粒を上下方向に撹拌流動させる竪方向のオーガーを、 該穀槽の天井部から垂下するように設け、かつ、この竪方向のオーガーを、平面 視において左右方向と前後方向とに変位させて、穀槽内をジグザグに変位してい くようにすることで、穀槽内の穀粒をこの竪方向のオーガーにより撹拌流動させ て、乾燥むらをなくすようにする手段も開発されている。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

上述の従前の穀粒乾燥施設は、それの前者の、並列設置した複数の穀槽を穀粒 移送装置で互いに連通しておいて、各穀槽内に張り込まれている穀粒を、穀槽間 において移し換えるようにしたものにあっては、穀粒の乾燥むらを防止するため には、穀粒を移し換えるローテーションの作業を頻繁に行なわなければならない 面倒さがあり、また、かなりの繁度をもって穀粒の移し換えのローテーションを 行なっても乾燥むらをなくすようにすることがむつかしい問題がある。

【０００５】 また、後者の、穀槽内に、竪方向のオーガーを、平面視において左右方向と前 後方向とに変位するよう支架し、この竪方向のオーガーにより穀槽内に張り込ん だ穀粒を攪拌させる手段は、機構が面倒になることと、穀槽内の穀粒を隅々まで むらなく撹拌することがむづかしいことで、乾燥むらが生じないようにすること が困難な問題がある。

【０００６】 本考案は、従来手段に生じているこれらの問題を解消せしめるためになされた ものであって、機構を簡略にして、並列設置する穀槽内に張り込んで貯蔵する穀 粒に乾燥むらが生じないようにし得る新たな手段を提供することを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

そして、本考案においては、上述の目的を達成するための手段として、並列設 置する複数の穀槽を、それの並列方向の巾を各穀槽内に装架する竪のオーガーが 穀粒を循環流動させる平面視における作用巾に対応する狭い巾に設定して前後に 長く形成し、これら穀槽内に、前記竪のオーガーを、前後方向に移動自在に装架 せしめてなる穀粒乾燥施設を提起するものである。

【０００８】

【実施例】

次に実施例を図面に従い詳述する。 図１は本考案を実施せる穀粒乾燥施設の一部破断した正面図、図２は同上の並 設した穀槽の横断平面図、図３は同上穀槽の縦断側面図で、同図において、ａは 機体、ｂ…は機体ａ内に並設した穀槽、ｃは各穀槽ｂ内に各別に装架した竪のオ ーガー、ｄは並設した穀槽ｂ…の上面側に配位して機体ａに装架した穀粒張込用 のコンベア、ｅは並設した穀槽ｂ…の底部側に配位して機体ａに装架した穀粒排 出用のコンベア、ｆは機体ａの外面に装設した揚穀機を示す。

【０００９】 機体ａは四周の機壁１ａと天井板１ｂと底板１ｃとで箱状に形成されて、施設 の建物（図示していない）内に設置してある。該機体ａは、それの内部に上下方 向の仕切板状の隔壁１０を、左右方向に所定の間隔Ｄをおいて並列させて設け、 それら隔壁１０…の下端に寄る部位に通気性の隔壁よりなる床板１１を棚設する ことで、機体ａ内に、前記仕切板状の隔壁１０…と床板１１の上面で仕切られる 空間で形成される穀槽ｂ…が左右に並列して装設され、また、前記仕切板状の隔 壁１０…の各下端側と床板１１の下面により仕切られる空間で形成される導風室 ｇ…が、前述の各穀槽ｂの下方にそれぞれ位置して装設されている。

【００１０】 この機体ａ内に並列して装設される穀槽ｂは、図２および図３に示している如 く、該穀槽ｂの並列する方向である左右方向の巾が狭く、前後方向に長い形状に 形成される。この穀槽ｂの左右の巾を決定する前述の仕切壁状の隔壁１０…の間 隔巾Ｄは、穀槽ｂ内に装架する竪方向のオーガーｃが穀槽ｂ内の穀粒Ｇを上下方 向に循環流動させるときの、その流動する穀粒の流れの左右の巾となる該オーガ ーｃの作用巾に対応するように設定される。しかし、該穀槽ｂの前後の長さは所 望に設定して良い。なお、この穀槽ｂは、それぞれを上述の設定寸法に基づいて 単体として組立て、それらを、左右方向に並列させて、一つの集合体としての機 体ａを構築するようにする場合がある。

【００１１】 穀槽ｂ内に装架する竪のオーガーｃは、各穀槽ｂの前後の隔壁を共用している 機体ａの前後の機壁１ａ・１ａ間の、天井板１ｂに寄る部位に、ねじ軸２０を渡 架軸支し、これに、該竪のオーガーｃの支持機枠２１を螺合させて支架し、その 支持機枠２１にオーガーｃの回転軸２２の上端部を軸架するとともにモーターＭ １を装架し、そのモーターＭ１の出力軸を前記回転軸２２に図４に示している如 く伝導機構２３を介して伝導し、かつ、そのモーターＭ１の駆動回路を機体ａの 適宜位置に装設される制御装置に接続し、これによりモーターＭ１の作動により 前記回転軸２２を駆動することで、図１および図２にて細線の矢印イに示してい る如く、該オーガーｃの回転軸２２の周面に取付けた螺旋翼２４の周面に沿う部 位の穀粒を上昇流動させるとともに、その外側部位の穀粒を下降流動させるよう 作用する通常のものである。しかし、この竪のオーガーｃの前記螺旋翼２４によ り穀槽ｂ内に張り込まれた穀粒を流動させるときの、その流動する穀粒の平面視 における巾である作用巾が、前述の穀槽ｂの左右の巾に対応するように構成され る。

【００１２】 そして、この竪のオーガーｃを支架せる前述のねじ軸２０は、それの穀槽ｂか ら突出する一方の軸端部を、機体ａの外面側に設けたモーターＭ２の出力軸に伝 導し、そのモーターＭ２の駆動回路を前述の制御装置により制御せしめることで 、支持機枠２１がねじ軸２０の軸端部に移動したときに、回転方向が逆向に自動 的に切換わって回転するようにしてあり、これにより竪のオーガーｃの支持機枠 ２１を、該ねじ軸２０の軸方向に沿い順逆に切換わって変位させるようにしてあ る。この竪のオーガーｃは、図示する例においては、一本のねじ軸２０上に、一 本のオーガーｃを支架しているが、一本のねじ軸２０上に、多連に並列させて設 ける場合があり、また、ねじ軸２０を左右に並列させて設け、それらに、それぞ れ支架せる場合がある。

【００１３】 穀粒張込用のコンベアｄは、機体ａの天井板１ｂの下面側に、図２に示してい る如く、側断面において浅いチャンネル状をなす形状で、図１に示している如く 左右方向に長尺に連続する鞘状のケース３０を設け、それの底壁の巾方向の一側 で前述の各穀槽ｂの天井部に臨む部位に、各穀槽ｂ内に連通する排出口３１をそ れぞれ設け、かつ、該ケース３０内には、それの長手方向に沿いエンドレスに回 動する搬送ベルト３２を張架し、その搬送ベルト３２の搬送面となる上面で、前 述の排出口３１…とそれぞれ対応する部位に、この搬送ベルト３２の搬送面を堰 止めた状態で横切る堰板３３をそれぞれ配して、それら堰板３３の前記排出口３ １と反対側の端部を、各別に制御されるモーターＭ３の作動により正逆に回転す る切換え軸３４にそれぞれ連結しておくことで構成してある。

【００１４】 そして、これにより、機体ａの外面に立設せる揚穀機ｆの放出筒４０から放出 される穀粒が、ケース３０内に張架した搬送ベルト３２の搬送面の始端部に供給 されて、その搬送ベルト３２の回動により搬送されていく状態のときに、並列す る各穀槽ｂ…に対応して設けられている堰板３３…のうちから選択する所望の穀 槽ｂに対応する堰板３３を、それの切換え軸３４を作動させるモーターＭ３の制 御で、図５にて実線に示している如く、搬送ベルト３２の上面を斜めに横切る姿 勢に切換えれば、搬送されてくる穀粒がこの堰板３３に衝合する位置において、 この堰板３３の傾斜方向に誘導されて、ケース３０に設けた排出口３１に落下し 、その排出口３１から選択した所望の穀槽ｂ内に投入されていくようにしてある 。

【００１５】 また、各穀槽ｂの下方に形成した導風室ｇ…が並列する機体ａ内腔の底部には 、図１に示している如く、並列する導風室ｇ…を左右方向に貫通するようにダク ト５が設けられ、そのダクト５の機体ａの一側面に突出する端部には、圧風を吹 き出すブロワー６の吐風口が接続連通し、そのダクト５の側面で、各導風室ｇに 臨む部位には、圧風を各導風室ｇ…内に吹き出す吹出口５０が、図１および図２ に示している如くそれぞれ開設してある。そして、それら吹出口５０…には、各 導風室ｇに臨む吹出口５０ごとに図２に示している如く、ダンパー５１が制御機 構５２により該吹出口５０…の開度を自在に制御し得るように装設してある。

【００１６】 そして、これにより、バーナー装置などで生成した乾燥風が、ブロワー６から 吐出される圧風として各導風室ｇ内に吹き込まれ、そこから、それら導風室ｇの 天井壁となっている各穀槽ｂの床板１１に設けられている無数の噴気孔１１ａ… から、ダンパー５１の制御により所望に選択された各穀槽ｂ内に噴出し、各穀槽 ｂ内の穀粒に乾燥風を送給していくようにしてある。

【００１７】 そしてまた、各穀槽ｂ内に乾燥風の圧風を噴出させるよう各穀槽ｂの床板１１ に設ける噴気孔１１ａ…は、図２に示している如く、各穀槽ｂの排出口１２…が 設けられている機体ａの前面側（図２において左面側）の機壁１ａの上方に向け て斜めに圧風を吹き出す方向性のある噴気孔に形成してあって、これにより、前 述の排出口１２に設けてあるシャッター１３を開放作動させて排出口１２を開き 、そこから穀槽ｂ内の穀粒を排出させるときに、床板１１上に残る穀粒を排出口 １２側に向け吹き飛ばして搬送していけるようになっている。

【００１８】 また、この排出口１２から排出される穀粒を搬出する排出用のコンベアｅは、 機体ａの前面側で、前述の排出口１２…の下方位置に、左右方向に機体ａの前面 側を横切るようにエンドレスに回動する搬送ベルト６０を張架し、それの搬送方 向の終端部６１を、揚穀機ｆの揚殻等の下端部に設けたホッパー４１の上方に臨 ませることで、前記排出口１２…から排出される穀粒を揚穀機ｆの機内に投入し ていけるようになっている。

【００１９】

【考案の効果】

以上説明したように、本考案による穀粒乾燥施設は、並列設置する穀槽ｂ…を 、それの並列方向の巾を、各穀槽ｂ内に装架する竪のオーガーｃが穀槽ｂ内の穀 粒を循環流動させる平面視における作用巾に対応する狭い巾に設定して前後に長 く形成し、これら穀槽ｂ内に、前記竪のオーガーｃを前後方向に移動自在に装架 して構成するようにしているのだから、並列する各穀槽ｂ…内に張り込まれた穀 粒は、竪のオーガーｃ…を穀槽ｂ…の長手方向である前後方向に往復動させるだ けの簡略な機構で、穀槽ｂの略全域に渡る部位で循環流動するようになって、並 列する穀槽ｂ…間において穀粒を入れ換えるローテーションの作業を要すること なく、また、このローテーションの作業頻度を著しく少なくして、まだら乾燥を 防止し得るようになる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案を実施せる穀粒乾燥施設の一部破断した
正面図である。

【図２】同上装置の穀槽の縦断側面図である。

【図３】同上装置の穀槽の横断平面図である。

【図４】同上装置の竪のオーガーの上端部分の縦断正面
図である。

【図５】同上装置の穀粒張込用のコンベアの要部の一部
省略した斜視図である。

【符号の説明】

ａ…機体、ｂ…穀槽、ｃ…竪のオーガー、ｄ…穀粒張込
用のコンベア、ｅ…穀粒排出用のコンベア、ｆ…揚穀
機、ｇ…導風室、Ｄ…間隔、Ｇ…穀粒、Ｍ１・Ｍ２・Ｍ
３…モーター、１ａ…機壁、１ｂ…天井板、１ｃ…底
板、１０…隔壁、１１…床板、１１ａ…噴気孔、１２…
排出口、２０…ねじ軸、２１…支持機枠、２２…回転
軸、２３…伝導機構、２４…螺旋翼、３０…ケース、３
１…排出口、３２…搬送ベルト、３３…堰板、３４…切
換え軸、４０…放出筒、４１…ホッパー、５…ダクト、
５０…吹出口、５１…ダンパー、５２…制御機構、６…
ブロワー、６０…搬送ベルト、６１…終端部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 【請求項１】 並列設置する複数の穀槽ｂ…を、それの
   並列方向の巾を各穀槽ｂ…内に装架する竪のオーガーｃ
   が穀粒を循環流動させる平面視における作用巾に対応す
   る狭い巾に設定して前後に長く形成し、これら穀槽ｂ…
   内に、前記竪のオーガーｃ…を、前後方向に移動自在に
   装架せしめてなる穀粒乾燥施設。